TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025131410
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-09
出願番号2024029133
出願日2024-02-28
発明の名称連通隙間シール装置
出願人積水化学工業株式会社
代理人弁理士法人湧泉特許事務所
主分類F16L 55/18 20060101AFI20250902BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】連通隙間シール装置のシーリング材供給機構において、施工品質の安定化及び作業効率の向上を図る。
【解決手段】補修対象の既設管にライニングされた更生管における環状の連通隙間を連通隙間シール装置によってシールする。連通隙間シール装置は、シーリング材を塗布するノズルと、ノズルを移動可能に支持する可動支持機構と、シーリング材をノズルへ供給するシーリング材供給機構20を備えている。シーリング材供給機構20は、筒状のシーリング材容器10を保持するホルダ部材30と、シーリング材容器10からノズルへ延びるシーリング材供給路23と、シーリング材容器10内に進退可能に収容された中栓40を含む。中栓40によって、シーリング材容器10の内部がシーリング材の収容室10aと、後端側の背圧室10bとに気密又は液密に仕切られている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
補修対象の既設管における枝管と接続された接続口の周縁と、前記既設管の内面にライニングされた更生管における前記接続口と連なる連通口の周縁との間に形成された環状の連通隙間をシールする連通隙間シール装置であって、
シーリング材を塗布するノズルと、
前記ノズルを移動可能に支持する可動支持機構と、
前記シーリング材を前記ノズルへ供給するシーリング材供給機構と、を備え、
前記シーリング材供給機構が、
筒状のシーリング材容器を保持するホルダ部材と、
前記シーリング材容器の軸方向の先端の吐出口と接続され、かつ前記ノズルへ延びるシーリング材供給路と、
前記シーリング材容器内に前記軸方向へ進退可能に収容され、かつ前記シーリング材容器の内部を、前記シーリング材の収容室と該収容室より前記軸方向の後端側の背圧室とに気密又は液密に仕切る中栓と、
前記背圧室の後端部を塞ぐ後端閉塞部と、
前記背圧室に連なる流体圧導入路と、
を含むことを特徴とする連通隙間シール装置。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記ホルダ部材が、前記シーリング材容器を外周側から近接するように囲む筒状である請求項1に記載の連通隙間シール装置。
【請求項3】
前記中栓には、前記収容室を向く面から前記背圧室を向く面へ貫通する貫通路が形成され、前記貫通路には、前記軸方向の先端側への流れを阻止し前記後端側への流れを許容する逆止弁が設けられている請求項1に記載の連通隙間シール装置。
【請求項4】
前記シーリング材容器が、筒状の容器本体と、前記容器本体内に前記軸方向へ進退可能に設けられた中蓋を含み、
前記中栓が、前記後端側から前記中蓋に突き当てられる請求項3に記載の連通隙間シール装置。
【請求項5】
前記中栓の外周面には、前記シーリング材容器の内周面との間をシールする環状の中栓外周シール部材が設けられている請求項1~4の何れか1項に記載の連通隙間シール装置。
【請求項6】
前記シーリング材容器が、筒状の容器本体と、前記容器本体内に前記軸方向へ進退可能に設けられた中蓋を含み、前記中蓋が、前記収容室の後端面を画成する蓋板と、前記蓋板の外周縁から後方へ突出する環状の周枠部とを有し、
前記中栓が、栓体部と、前記栓体部から前記軸方向の先端側へ突出されて前記中蓋に嵌め込まれた栓先端側部を含み、
前記栓体部の外周面に前記中栓外周シール部材が設けられている請求項5に記載の連通隙間シール装置。
【請求項7】
前記後端閉塞部が、前記ホルダ部材の後端部に外周側から嵌合された後端キャップと、前記後端キャップを介して前記ホルダ部材に装着されるとともに前記シーリング材容器の後端部に嵌め込まれる後端閉塞部材を有し、前記後端閉塞部材の外周面には、前記シーリング材容器の内周面との間をシールする環状の後端シール部材が設けられている請求項1~4の何れか1項に記載の連通隙間シール装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、老朽化した下水道管などの既設管の内周に更生管をライニングして補修する技術に関し、特に、取付管口などの枝管が接続された既設管を補修する際に枝管との接続口の周縁と更生管の連通口の周縁との間の環状の連通隙間をシールする装置及びシール方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
老朽化した下水道管などの既設管の内面に更生管をライニングすることによって既設管を更生する技術は公知である(特許文献1、2等参照)。一般に、下水道管(本管)などの既設管の中間部には、取付管等の枝管との接続口(取付管口)が設けられている。更生管には前記接続口と連なる連通口が形成される。さらに、接続口の周縁と連通口の周縁との間の環状の連通隙間がシールされる。
【0003】
特許文献1においては、外周にパテを塗布したパッカーを、連通隙間を跨ぐように配置して膨張させることによって、連通隙間にパテを充填している。
【0004】
特許文献2においては、ノズル及びシーリング材供給機構を備えた連通隙間シール装置が開示されている。ノズルが、可動支持機構によって移動可能に支持されている。シーリング材供給機構には、シーリング材を充填したカートリッジ(シーリング材容器)が設けられている。ノズルが連通隙間へ向けられた状態で、シーリング材供給機構の作動によって圧縮エアがカートリッジ内に導入される。これによって、シーリング材がカートリッジから押し出されてノズルへ供給されて、ノズルから連通隙間に塗布される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-089959号公報(0007)
特開2023-177218号公報(0007,0059)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前掲特許文献1の連通隙間のシール方法においては、施工に時間と手間がかかっていた。
これに対して、前記特許文献2の連通隙間シール装置を用いれば、連通隙間を効率的にシールできる。また、シーリング材供給機構が圧縮エアによってシーリング材を押し出す方式であるため、ロッドシリンダ方式と比べて小型化及び省スペース化できる。一方、シーリング材供給機構の作動時に圧縮エアがシーリング材の経路に入り込む所謂エア噛みが発生することがあった。そうすると、塗布したシーリング材がエアによって飛び散り、施工品質が不安定になったり修正に時間を要して作業効率が悪化したりする。
本発明は、かかる事情に鑑み、連通隙間シール装置のシーリング材供給機構において、圧縮エア等の流体がシーリング材経路に入り込む所謂エア噛みを防止して、施工品質の安定化及び作業効率の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、補修対象の既設管における枝管と接続された接続口の周縁と、前記既設管の内面にライニングされた更生管における前記接続口と連なる連通口の周縁との間に形成された環状の連通隙間をシールする連通隙間シール装置であって、
シーリング材を塗布するノズルと、
前記ノズルを移動可能に支持する可動支持機構と、
前記シーリング材を前記ノズルへ供給するシーリング材供給機構と、を備え、
前記シーリング材供給機構が、
筒状のシーリング材容器を保持するホルダ部材と、
前記シーリング材容器の軸方向の先端の吐出口と接続され、かつ前記ノズルへ延びるシーリング材供給路と、
前記シーリング材容器内に前記軸方向へ進退可能に収容され、かつ前記シーリング材容器の内部を、前記シーリング材の収容室と該収容室より前記軸方向の後端側の背圧室とに気密又は液密に仕切る中栓と、
前記背圧室の後端部を塞ぐ後端閉塞部と、
前記背圧室に連なる流体圧導入路と、
を含むことを特徴とする。
【0008】
当該連通隙間シール装置においては、可動支持機構によってノズルが連通隙間へ向けられた状態で、シーリング材供給機構によってシーリング材がシーリング材容器からノズルに供給されて、ノズルから連通隙間にシーリング材が塗布される。これによって、連通隙間がシールされる。
可動支持機構による移動は、好ましくは三次元方向の平行移動及び回転移動を含む。
シーリング材供給機構においては、圧縮エア等による流体圧が流体圧導入路から背圧室に導入される。該背圧室の流体圧によって中栓が軸方向の先端側へ押し動かされることで、シーリング材容器内のシーリング材がシーリング材供給路へ押し出されて、ノズルへ供給される。
中栓によってシーリング材容器の内部が収容室と背圧室とに気密又は液密に仕切られているから、背圧室の圧縮流体が収容室及びシーリング材供給路(シーリング材経路)に入り込むのを防止できる。これによって、圧縮流体がシーリング材と一緒にノズルから吐出されるのを防止できる。したがって、塗布したシーリング材が飛び散るのを防止でき、施工品質を安定化できる。また、飛び散りを修正する作業を不要化できるから、作業効率を向上できる。
【0009】
好ましくは、前記ホルダ部材が、前記シーリング材容器を外周側から近接するように囲む筒状である。
背圧室の流体圧によって中栓が軸方向の先端側へ押し動かされるとき、収容室内のシーリング材が圧縮されることで、シーリング材容器が径方向へ膨らもうとする。この膨張力に抗して、ホルダ部材がシーリング材容器を外周側から規制する。これによって、シーリング材容器の膨張変形を防止でき、シーリング材容器の内周面と中栓の外周面との間のシール状態を維持できる。したがって、背圧室の圧縮流体が収容室に入り込むのを確実に防止できる。
【0010】
好ましくは、前記中栓には、前記収容室を向く面から前記背圧室を向く面へ貫通する貫通路が形成され、前記貫通路には、前記軸方向の先端側への流れを阻止し前記後端側への流れを許容する逆止弁が設けられている。
これによって、シーリング材容器内における中栓より軸方向の先端側の部分にエア等の残留流体が存在する場合、背圧室の流体圧によって前記中栓が軸方向の先端側へ押し動かされる時などの際に、残留流体を貫通路の逆止弁を介して背圧室側へ流出させることができる。したがって、残留流体の圧力上昇を防止できる。
一方、背圧室に導入した圧縮流体が貫通路から収容室側へ流入するのを阻止できる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

積水化学工業株式会社
多層管
2日前
積水化学工業株式会社
管継手
15日前
積水化学工業株式会社
多層管
2日前
積水化学工業株式会社
管継手
27日前
積水化学工業株式会社
製管装置
2日前
積水化学工業株式会社
樹脂材料
12日前
積水化学工業株式会社
樹脂材料
12日前
積水化学工業株式会社
管更生方法
5日前
積水化学工業株式会社
酸素発生剤
2日前
積水化学工業株式会社
配管システム
2日前
積水化学工業株式会社
雨水貯留装置
2日前
積水化学工業株式会社
排水システム
28日前
積水化学工業株式会社
電波吸収シート
9日前
積水化学工業株式会社
更生管支持装置
15日前
積水化学工業株式会社
巻き癖形成装置
21日前
積水化学工業株式会社
雨水排水システム
22日前
積水化学工業株式会社
雨水排水システム
14日前
積水化学工業株式会社
連通隙間シール装置
1日前
積水化学工業株式会社
曲管の製造方法及び曲管
15日前
積水化学工業株式会社
光学デバイス用シール剤
2日前
積水化学工業株式会社
管継手及び配管システム
19日前
積水化学工業株式会社
積層材及び積層材の製造方法
19日前
積水化学工業株式会社
雨水排水システムおよび建築物
22日前
積水化学工業株式会社
コンクリート構造物の補修方法
1日前
積水化学工業株式会社
発注支援システム、発注支援方法
5日前
積水化学工業株式会社
固定具、太陽光発電装置の固定構造。
1日前
積水化学工業株式会社
雨水排水継手、雨水排水システム、及び建物
14日前
積水化学工業株式会社
更生管用組成物、更生管及び更生管の製造方法
5日前
積水化学工業株式会社
樹脂管及びその製造方法並びに樹脂管の製造装置
7日前
積水化学工業株式会社
ガス製造装置、ガス製造システム及びガス製造方法
2日前
積水化学工業株式会社
電気化学システム、及びカルボニル化合物の製造方法
5日前
積水化学工業株式会社
用水管理装置
19日前
積水化学工業株式会社
黒色フィルム用組成物、黒色フィルム及び黒色フィルムの製造方法
19日前
積水化学工業株式会社
既設管更生における裏込め方法、裏込め管理装置及び裏込めシステム
28日前
積水化学工業株式会社
計測端末、サーバ装置、情報処理方法、プログラム及び計測システム
13日前
積水化学工業株式会社
エステル結合含有高分子の分解物の製造方法及びエステル結合含有高分子の製造方法
28日前
続きを見る