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公開番号2024049760
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2022156190
出願日2022-09-29
発明の名称シームレス容器印刷用平版印刷版原版およびそれを用いたシームレス容器印刷用平版印刷版の製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B41N 1/14 20060101AFI20240403BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】高精細画像再現性を有し、耐刷性に優れたシームレス容器印刷用平版印刷版を得ることのできるシームレス容器印刷用平版印刷版原版を提供すること。
【解決手段】基板上に、少なくとも感熱層およびインキ反発層をこの順に有するシームレス容器印刷用平版印刷版原版であって、窒素気流下、450℃で5分間加熱したときの、GC-MS測定における気体発生量が6.8×105~12.5×105g/m3となるシームレス容器印刷用平版印刷版原版。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基板上に、少なくとも感熱層およびインキ反発層をこの順に有するシームレス容器印刷用平版印刷版原版であって、窒素気流下、450℃で5分間加熱したときの、GC-MS測定における気体発生量が6.8~12.5×10

g/m

となるシームレス容器印刷用平版印刷版原版。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記感熱層に、700~1,200nmの波長域に最大吸収波長(λ
max
)を有する近赤外吸収化合物、および、700~1,200nmの波長域に最大吸収波長(λ
max
)を有さない450℃以下で熱分解する易熱分解性化合物を含有する請求項1に記載のシームレス容器印刷用平版印刷版原版。
【請求項3】
前記インキ反発層の厚みが3.2~7.0μmである請求項1または2に記載のシームレス容器印刷用平版印刷版原版。
【請求項4】
前記易熱分解性化合物として、トリフェニルメタン系染料、チアジン系染料、アゾ系染料、フルオレセイン類、ビタミン類および/またはニトロセルロースを含有する請求項2に記載のシームレス容器印刷用平版印刷版原版。
【請求項5】
前記感熱層に、ノボラック樹脂および/またはメラミン樹脂を含有する請求項1または2に記載のシームレス容器印刷用平版印刷版原版。
【請求項6】
下記工程(1)~(2)をこの順に有するシームレス容器印刷用平版印刷版の製造方法。
工程(1):請求項1または2に記載のシームレス容器印刷用平版印刷版原版を像に従って露光する工程
工程(2):水または水溶液中の存在下、露光されたシームレス容器印刷用平版印刷版原版に物理的摩擦を加え、インキ反発層を部分的に除去する工程。
【請求項7】
下記工程(A)~(B)をこの順に有するシームレス容器印刷物の製造方法。
工程(A):請求項6に記載のシームレス容器印刷用平版印刷版の製造方法により得られたシームレス容器印刷用平版印刷版表面にインキを付着させる工程
工程(B):前記インキを直接またはブランケットを介してシームレス容器に転写する工程
【請求項8】
前記シームレス容器の形状が、円筒、円錐または方形状である請求項7に記載のシームレス容器印刷物の製造方法。
【請求項9】
前記シームレス容器が、金属および/またはプラスチックから構成される請求項7に記載のシームレス容器印刷物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シームレス容器印刷用平版印刷版原版、それを用いたシームレス容器印刷用平版印刷版およびシームレス容器印刷物の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
飲料缶やエアロゾール缶などに用いられる2ピース缶や、チューブなどの円筒形状容器、プラスチックカップなどの円錐状容器、ヨーグルト容器などの端部が曲面となった方形状容器などのシームレス容器の胴部への曲面印刷には、刷版と、刷版からインキ層を受領してこれをシームレス容器胴部に転写させるためのブランケットとの組み合わせが使用されており、刷版としては、主に樹脂凸版や平版が使用されている。かかるシームレス容器への印刷、例えば、2ピース缶印刷においては、従来、樹脂凸版を用いる印刷方式、すなわち凸版ドライオフセット方式が主流であり、耐久性に優れる鉄基板上に、サブミリ~ミリ単位の凹凸レリーフを有する樹脂凸版を用いることにより、高速での大量印刷が可能である。しかしながら、従来の樹脂凸版は画線部や網点部が太りやすいため、文字や網点画像の潰れが発生しやすいこと、網点のAMスクリーン線数が120線/インチ程度と低く、網点画像のざらつきや網点相互の干渉による縞模様やローゼット模様が目立ちやすいことから、シームレス容器印刷において十分な印刷品質を得ることが困難であった。
【0003】
近年、高精細・高加飾性のシームレス容器が求められる市場環境から、小さな網点による鮮明な画像の形成が可能であり、耐刷性にも優れたシームレス容器用水なし平版として、少なくとも基板、レーザー感熱層を有し、該感熱層上にシリコーンゴム層からなる非画線部及び画線部が形成されており、非画線部のシリコーンゴム層の厚みが2.2~5.5μmの範囲にあることを特徴とするシームレス容器用水なし平版が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、マグネット式版胴に装着が可能で、耐久性に優れ、高精細な印刷が可能な水なし平版印刷版原版として、基板上に少なくとも感熱層およびシリコーンゴム層を有し、基板が強磁性体であることを特徴とする水なし平版印刷版原版が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-58257号公報
国際公開第2020/256059号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1~2に記載される水なし平版印刷版原版は、耐刷性を向上させるためにシリコーンゴム層を厚膜化すると、高精細画像再現性が不十分となる課題があった。
【0006】
そこで本発明は、高精細画像再現性を有し、耐刷性に優れたシームレス印刷用平版印刷版を得ることのできるシームレス容器印刷用平版印刷版原版を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、主として以下の構成を有する。
<1>基板上に、少なくとも感熱層およびインキ反発層をこの順に有するシームレス容器印刷用平版印刷版原版であって、窒素気流下、450℃で5分間加熱したときの、GC-MS測定における気体発生量が6.8×10

~12.5×10

g/m

となるシームレス容器印刷用平版印刷版原版。
<2>前記感熱層に、700~1,200nmの波長域に最大吸収波長(λ
max
)を有する近赤外吸収化合物、および、700~1,200nmの波長域に最大吸収波長(λ
max
)を有さない450℃以下で熱分解する易熱分解性化合物を含有する<1>に記載のシームレス容器印刷用平版印刷版原版。
<3>前記インキ反発層の厚みが3.2~7.0μmである<1>または<2>に記載のシームレス容器印刷用平版印刷版原版。
<4>前記易熱分解性化合物として、トリフェニルメタン系染料、チアジン系染料、アゾ系染料、フルオレセイン類、ビタミン類および/またはニトロセルロースを含有する<2>に記載のシームレス容器印刷用平版印刷版原版。
<5>前記感熱層に、ノボラック樹脂および/またはメラミン樹脂を含有する<1>~<4>のいずれかに記載のシームレス容器印刷用平版印刷版原版。
<6>下記工程(1)~(2)をこの順に有するシームレス容器印刷用平版印刷版の製造方法。
工程(1):<1>~<5>のいずれかに記載のシームレス容器印刷用平版印刷版原版を像に従って露光する工程
工程(2):水または水溶液中の存在下、露光されたシームレス容器印刷用平版印刷版原版に物理的摩擦を加え、インキ反発層を部分的に除去する工程。
<7>下記工程(A)~(B)をこの順に有するシームレス容器印刷物の製造方法。
工程(A):<6>に記載のシームレス容器印刷用平版印刷版の製造方法により得られたシームレス容器印刷用平版印刷版表面にインキを付着させる工程
工程(B):前記インキを直接またはブランケットを介してシームレス容器に転写する工程
<8>前記シームレス容器の形状が、円筒、円錐または方形状である<7>に記載のシームレス容器印刷物の製造方法。
<9>前記シームレス容器が、金属および/またはプラスチックから構成される<7>または<8>に記載のシームレス容器印刷物の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明のシームレス容器印刷用平版印刷版原版は、高精細画像再現性を有する。本発明のシームレス印刷用平版印刷版原版により、耐刷性に優れたシームレス容器印刷用平版印刷版を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のシームレス容器印刷用平版印刷版原版(以下、「平版印刷版原版」と略記する場合がある)は、シームレス容器の外面に平版印刷により印刷を施すために用いられる、シームレス容器印刷用平版印刷版(以下、「平版印刷版」と略記する場合がある)に画線部/非画線部を形成する前の前駆体であり、基板上に、少なくとも感熱層およびインキ反発層をこの順に有する。基板は、平版印刷版原版や平版印刷版の形状を保持する機能を有する。感熱層は、レーザー光を吸収して発熱し、インキ反発層の部分的な除去を可能にする機能を有する層であり、インキ反発層を部分的に除去して画線部を形成する。インキ反発層は、インキを反発する機能を有し、非画線部を形成する。基板/感熱層間に、両層の接着性を向上させるプライマー層を有してもよいし、インキ反発層上に、インキ反発層を保護する保護フィルムおよび/または合紙を有してもよい。
【0010】
本発明の平版印刷版原版は、温度:450℃、流量:N

100mL/分に設定された加熱炉に投入し、発生する気体成分を吸着管に5分間捕集したとき、この捕集した吸着管から脱離する気体発生量が6.8~12.5×10

g/m

となるものである。ここで、本発明において規定する気体発生量は、平版印刷版原版中の感熱層1m

当たりの発生量(g/m

)である。感熱層の膜厚は、断面SEM観察により測定することができる。なお、温度:450℃、流量:N

100mL/分に設定された加熱炉は、平版印刷版原版にレーザー光を照射した時のような、高温で急激に加熱した状態を模したものである。発生する気体成分は、主に感熱層に含まれる物質に由来する成分およびインキ反発層に含まれる物質に由来する成分であるが、本発明において規定する気体成分は感熱層に含まれる物質に由来する成分を指す。具体的には、感熱層は、任意にポリマー、架橋剤、近赤外吸収化合物、易熱分解性化合物、後述するシリコーン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤を除く添加剤などを含有することができる。この場合、感熱層に含まれる物質に由来する気体成分としては、ポリマー樹脂の分解物、架橋剤の分解物、近赤外吸収化合物の分解物、易熱分解性化合物の分解物、並びに、後述するシリコーン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤を除く添加剤の分解物が挙げられる。また、本発明における気体発生量とは、これらの成分の合計であり、平版印刷版原版を試料として感熱層に含まれる物質に由来する成分を特定し、その合計を定量化するものとする。
(【0011】以降は省略されています)

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