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公開番号2024048450
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022154366
出願日2022-09-28
発明の名称積層フィルムの製造方法および積層フィルム
出願人ユニチカ株式会社
代理人
主分類B32B 27/36 20060101AFI20240402BHJP(積層体)
要約【課題】従来通りの積層フィルムとしての離型性を維持し、環境負荷が低減される積層フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】積層フィルムを製造する方法であって、リサイクルポリエステル原料を解重合反応に供することにより反応生成物を得る工程、前記反応生成物を濾過し、濾液を回収する工程、重合触媒の存在下で温度260℃以上及び圧力1.0hPa以下で前記濾液を重縮合反応に供することによりポリエステル樹脂を得る工程、前記ポリエステル樹脂を含む出発材料を用いて未延伸フィルムを製造する工程、未延伸フィルムの少なくとも一方の面に樹脂層を形成し、延伸する工程、を含むことを特徴とする積層フィルムの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
積層フィルムを製造する方法であって、
リサイクルポリエステル原料を解重合反応に供することにより反応生成物を得る工程、
前記反応生成物を濾過し、濾液を回収する工程、
重合触媒の存在下で温度260℃以上及び圧力1.0hPa以下で前記濾液を重縮合反応に供することによりポリエステル樹脂を得る工程、
前記ポリエステル樹脂を含む出発材料を用いて未延伸フィルムを製造する工程、
未延伸フィルムの少なくとも一方の面に樹脂層を形成し、延伸する工程、
を含むことを特徴とする積層フィルムの製造方法。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
積層フィルムを製造する方法であって、
リサイクルポリエステル原料を解重合反応に供することにより反応生成物を得る工程、
前記反応生成物を濾過し、濾液を回収する工程、
重合触媒の存在下で温度260℃以上及び圧力1.0hPa以下で前記濾液を重縮合反応に供することによりポリエステル樹脂を得る工程、
前記ポリエステル樹脂を含む出発材料を用いて未延伸フィルムを製造し、延伸する工程、
延伸フィルムの少なくとも一方の面に樹脂層を形成する工程、
を含むことを特徴とする積層フィルムの製造方法。
【請求項3】
フィルムの少なくとも一方の面に樹脂層形成用塗工液を塗布、乾燥し、樹脂層を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の積層フィルムの製造方法。
【請求項4】
樹脂層を形成したフィルムをさらに延伸する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の積層フィルムの製造方法。
【請求項5】
樹脂層が離型性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の積層フィルムの製造方法。
【請求項6】
ケミカルリサイクルによって得られたポリエステル樹脂を含有する基材層と、前記基材層の少なくとも一方の面に樹脂層が形成された積層フィルム。
【請求項7】
樹脂層が離型性を有することを特徴とする請求項6に記載の積層フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ケミカルリサイクルで得られたポリエステル樹脂を含む積層フィルムの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエステル樹脂の代表例であるポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略することがある)は、高融点で耐薬品性があり、また比較的低コストであるため、積層フィルムの基材として用いられることが多い。積層フィルムの中でも特に、医療分野、工業分野における離型フィルムとして広く使用されている。例えば、医療分野においては、医療用テープやハップ剤の保護フィルムとして、また工業分野においては、プリント配線板、フレキシブルプリント配線板、多層プリント配線板などを製造するための工程フィルムや、粘着材料、液晶ディスプレイ用部品などの保護フィルムや、イオン交換膜、セラミックグリーンシートなどのシート状構造体の成形フィルムとして使用されている。これら離型フィルムは、保護フィルム、工程フィルムや成形フィルムとして用いた後は離型面に被着体の異なる樹脂成分等が移行し付着している場合があり、再利用が困難であり処分されている。
【0003】
ところが、これらを焼却炉で焼却処分しようとする場合には高熱が発生するため、焼却炉の傷みが大きくなり、その寿命が短くなるほか、大気汚染、CO

ガス発生等の環境負荷も大きい。一方、焼却しない場合には、腐敗分解しないため半永久的に残ることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2009/025063号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、製造が容易で、被着体への樹脂層の移行が少ない離型用シートの提案がなされている。このように、被着体と接する樹脂層に関して、これまでも多く検討されているが、離型用シートの大部分を占める基材層についてはあまり検討されていなかった。基材層の環境負荷低減を検討することで、廃棄時の環境負荷をより少なくできる余地があった。
【0006】
本発明の目的は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、環境負荷が低減される積層フィルムの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の課題は、以下の手段により達成される。
(1)積層フィルムを製造する方法であって、リサイクルポリエステル原料を解重合反応に供することにより反応生成物を得る工程、前記反応生成物を濾過し、濾液を回収する工程、重合触媒の存在下で温度260℃以上及び圧力1.0hPa以下で前記濾液を重縮合反応に供することによりポリエステル樹脂を得る工程、前記ポリエステル樹脂を含む出発材料を用いて未延伸フィルムを製造する工程、未延伸フィルムの少なくとも一方の面に樹脂層を形成し、延伸する工程、を含むことを特徴とする積層フィルムの製造方法。
(2)積層フィルムを製造する方法であって、リサイクルポリエステル原料を解重合反応に供することにより反応生成物を得る工程、前記反応生成物を濾過し、濾液を回収する工程、重合触媒の存在下で温度260℃以上及び圧力1.0hPa以下で前記濾液を重縮合反応に供することによりポリエステル樹脂を得る工程、前記ポリエステル樹脂を含む出発材料を用いて未延伸フィルムを製造し、延伸する工程、延伸フィルムの少なくとも一方の面に樹脂層を形成する工程、を含むことを特徴とする積層フィルムの製造方法。
(3)フィルムの少なくとも一方の面に樹脂層形成用塗工液を塗布、乾燥し、樹脂層を形成することを特徴とする(1)または(2)に記載の積層フィルムの製造方法。
(4)樹脂層を形成したフィルムをさらに延伸する工程を含むことを特徴とする(2)または(3)に記載の積層フィルムの製造方法。
(5)樹脂層が離型性を有することを特徴とする(1)~(4)のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
(6)ケミカルリサイクルによって得られたポリエステル樹脂を含有する基材層と、前記基材層の少なくとも一方の面に樹脂層が形成された積層フィルム。
(7)樹脂層が離型性を有することを特徴とする(6)に記載の積層フィルム。
【発明の効果】
【0008】
本発明の製造方法で得られた積層フィルムは、フィルムの連続操業性に優れており、基材フィルムの原料にリサイクルポリエステル原料から由来する成分を含有するため、廃棄時の環境負荷が少ない。また、離型性を有する樹脂層を形成することで、環境負荷が低減され、離型性が良好な離型フィルムとして好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法で得られる積層フィルムは、ケミカルリサイクルによって得られたポリエステル樹脂を含有する基材層と、前記基材層の少なくとも一方の面に樹脂層が形成されたものである。
【0010】
本発明において、基材層に含有するポリエステル樹脂は、一部又は全てがリサイクルポリエステル原料から由来する成分を含むポリエステル樹脂(以下、「ケミカルリサイクルポリエステル樹脂」と称す。)である。
ポリエステル樹脂を構成する酸成分としては、例えばイソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ドデカン二酸等、ダイマー酸、更には無水トリメリット酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、セバシン酸、ダイマー酸等が挙げられる。これらは1種又は2種以上であってもよい。また、ポリエステル樹脂を構成するグリコール成分としては、例えばネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,2-プロピレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,6-ヘキサメチレンジオール、ジエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ダイマージオール、ブチルエチルプロパジオール、2-メチル1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA又はビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上であってもよい。なかでも、エチレングリコールとテレフタル酸の重縮合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)が汎用性、機械的強度や寸法安定性を有する点で好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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