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公開番号2024042720
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-29
出願番号2022147482
出願日2022-09-16
発明の名称豆臭の原因物質の除去方法
出願人群馬県,相模屋食料株式会社
代理人
主分類A23L 11/30 20160101AFI20240322BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】 豆腐製造時に副生するおからにはヘキサナールなどの豆臭原因物質が含まれるため、おからを樹脂に混練した場合、豆臭によって混練機や成形機周辺の作業環境も悪化する懸念がある。現状、おからから豆臭を除去する方法には有機溶媒への浸漬が挙げられるが、揮発性有機溶媒の排気設備の設置、おから浸漬後の有機溶剤の適切な廃液処理も必要となる。また、樹脂に有機溶媒が混入した場合には成形品の物性に影響する懸念がある。
【解決手段】 おからに不活性ガスなどの減圧環境下、適度な温度および時間熱処理することでおからに含まれる豆臭原因の物質を除去する。さらに、熱処理部より排出される豆臭は捕捉液や吸収材により捕捉することで外気へ豆臭が放出されることもない。これにより、有機溶剤などを使用することなく、おからに含まれる豆臭を除去でき、本発明が循環型社会における樹脂やおからのリサイクルに十分貢献できる。
【選択図】 図2

特許請求の範囲【請求項1】
豆腐製造において発生したおからを、低酸素雰囲気下のもと、かつ100℃以上ないし180℃以下で、10分以上ないし60分以内で加熱する低酸素雰囲気の熱処理工程を通過させる豆臭原因物質の除去方法。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
前記低酸素雰囲気の熱処理工程における熱処理温度が、140℃以上ないし180℃以下の場合には熱処理時間が10分以上ないし30分以下、熱処理温度が100℃以上ないし140℃未満の場合には熱処理時間が30分以上ないし60分以下である請求項1に記載の豆臭原因物質の除去方法。
【請求項3】
前記低酸素雰囲気が、不活性ガス雰囲気下であり、線速度を1.3m/h以上ないし67m/h以下で流通させる請求項1に記載の豆臭原因物質の除去方法。
【請求項4】
前記低酸素濃度の熱処理工程で発生した豆臭を、捕捉液入り容器に回収する工程を通過させる請求項1に記載の豆臭原因物質の除去方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はおからの豆臭の原因物質を除去する方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
豆腐製造の工程で生成されるおからは、一部が食品、飼料、肥料といった用途でリサイクルされている。しかし、その多くは廃棄処分されているのが現状である。このため、例えば、熱硬化性あるいは熱可塑性樹脂と、おからとを150℃前後で加熱しながら攪拌混合した後、任意の成形方法で成形する方法が特許文献1で提案されている。
【0003】
このように、食品バイオマスの一種であるおからを樹脂フィラーとして活用し、樹脂成形品に占める樹脂割合を低減するだけでなく、例えば樹脂成形品の外観や強度、吸湿性といった特性を制御することも可能となる。
【0004】
しかしながら、おから混練樹脂ペレット作製時やおから混練樹脂ペレットを用いた成形を行う時に、豆臭と呼ばれる不快臭が発生する。これにより成形品に豆臭が付着し、製品としての価値が低下するだけでなく、作業環境の観点からみても好ましくないといった課題がある。このため、おから混練樹脂製品を製造する前におからに含まれる豆臭を除去することが不可欠である。
【0005】
豆臭の主成分は大豆油に多量に含まれるリノール酸の酸化により生成されるn-ヘキサナールのようなアルデヒド化合物である。このようなおからに含まれる豆臭を除去する方法として特許文献2に示すように、おからを100℃以上の常圧過熱水蒸気で30分以上乾燥し、更に二次乾燥として180℃以下の空気を主体とする熱風で乾燥する方法が提案されている。
【0006】
なお、この方法によれば、おからに含まれる豆臭を除去できるだけでなく、おからの殺菌や不飽和脂質を酸化して臭気を発生させるリポキシゲナーゼを失活させることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平10-145055号
特開2002-355002号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2に記載された方法では、おからを空気雰囲気下で加熱するため、おから主成分である炭水化物が分解し、熱処理後のおからは濃茶や黒色に変色してしまう。また、大豆油成分そのものが酸化し、劣化が促進され、熱処理後もおからに豆臭原因物質が残存する懸念もある。そこで、本発明は上述の課題を解決し、おからの二次利用を促進できるように、大豆油の含有量をあまり変化させることなく、発生する豆臭の原因物質を除去する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成させるための手段1は、
上述のような先行技術の課題を解決しようとするものであり、酸素がほとんど存在しない低酸素濃度雰囲気下の環境で、おからを100℃以上ないし180℃以下の温度域で、10分以上ないし60分以内で加熱する低酸素雰囲気の熱処理工程を通過させる豆臭の原因物質を除去する方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、豆腐の製造において、発生するおからの二次利用の妨げになる豆臭を、大豆油の含有量をほとんど変化させることなく残存させ、おからの豆臭の原因物質を除去する方法を提供することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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