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公開番号2024034699
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022139135
出願日2022-09-01
発明の名称結合分離装置
出願人株式会社IHIエアロスペース
代理人個人,個人
主分類B64G 1/64 20060101AFI20240306BHJP(航空機;飛行;宇宙工学)
要約【課題】宇宙航行体の分離部を結合し分離することができ、分離時の衝撃が小さく、かつ宇宙航行体の分離部と結合バンドとの干渉を防止することができる結合分離装置を提供する。
【解決手段】一体バンド10、結合解除機構20、及び複数のバンド押出保持機構40を備える。一体バンド10は、順に結合してフランジの外周に被せられる複数の分割バンド2からなり、その両端部10a,10bが近接して位置する。結合解除機構20は、一体バンド10の両端部10a,10bを連結し、両端部10a,10bが近接する保持位置を保持し、非火工品により保持を解除して両端部10a,10bが離隔する離隔位置に一体バンド10の張力Pにより移動する。バンド押出保持機構40は、フランジの周方向に間隔を隔てて位置し、複数の分割バンド2をフランジの外方に付勢する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
宇宙航行体が中空リング状の1対のフランジで分離可能に結合される分離部を有し、前記分離部を結合し分離する結合分離装置であって、
順に連結して前記フランジの外周に被せられる複数の分割バンドからなり、その両端部が近接して位置する一体バンドと、
前記一体バンドの前記両端部を連結し、前記両端部が近接する保持位置を保持し、非火工品により前記保持を解除して前記両端部が離隔する離隔位置に前記一体バンドの張力により移動する結合解除機構と、
前記フランジの周方向に間隔を隔てて位置し、複数の前記分割バンドを前記フランジの外方に付勢する複数のバンド押出保持機構と、を備える結合分離装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記結合解除機構は、前記一体バンドの前記両端部に周方向外端部が固定され、周方向内端部が周方向に互いに対向して位置し、前記周方向内端部に軸方向に延びるエンドピンを有する1対のバンドエンドと、
一方の前記フランジの近傍に固定され、周方向中心から所定間隔を隔て軸方向に延びる1対のベースピンを有する本体と、
一端が前記エンドピンに回動可能に固定され、他端が前記ベースピンに回動可能に固定された1対のリンク部材と、
前記本体に半径方向に移動可能に設けられ、1対の前記リンク部材のエンドピン側を前記周方向中心の近傍に押し付けて保持するストッパと、
前記ストッパを前記保持位置に保持し、前記非火工品により前記保持を解除する保持リリース機構と、を有し、
前記所定間隔は、前記エンドピンと前記ベースピンのピン間距離の2倍より大きく設定されている、請求項1に記載の結合分離装置。
【請求項3】
前記保持リリース機構は、前記本体に一端が回動可能に固定され、前記ストッパより半径方向外側を軸方向に延び、他端が前記非火工品により保持されたリリースレバーを有し、
前記リリースレバーの中間部が前記ストッパの半径方向外方端に連結され前記ストッパを前記保持位置に保持する、請求項2に記載の結合分離装置。
【請求項4】
前記保持位置において、前記エンドピンと前記ベースピンを結ぶ方向が、前記エンドピンに作用する前記一体バンドの張力方向よりも半径方向内側に位置し、前記張力の分力が前記エンドピンを介して前記ストッパを前記保持位置から解除する方向に作用する、請求項2に記載の結合分離装置。
【請求項5】
前記バンド押出保持機構は、前記分割バンドに固定され周方向に延びる長穴を有する押出部材と、前記長穴に遊動可能に挿入されたピンと、一方の前記フランジの近傍に固定され前記ピンを前記フランジの外方に付勢する付勢装置と、を有する、請求項1に記載の結合分離装置。
【請求項6】
前記付勢装置は、一方の前記フランジの近傍に固定されたベースと、該ベースに取り付けられ半径方向外方に移動可能なスライダと、前記ベースと前記スライダと間に組み込まれ前記スライダを半径方向外方に付勢する圧縮スプリングと、前記スライダの移動範囲を制限するストッパと、を有する、請求項5に記載の結合分離装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、宇宙航行体の分離部を結合し分離する結合分離装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
宇宙航行体(例えばロケット)の衛星や段間の分離箇所には互いに嵌合する1対のフランジが設けられ、このフランジを結合するために結合バンド(マルマンバンド)が主として用いられている。
また、この結合バンドの結合を保持し必要時に分離するために火薬を用いる火工品が従来用いられていた。しかし、火工品を用いた結合バンドの分離は衝撃を伴う問題がある。
そこで、火薬を用いない非火工品による結合分離装置が提案されている(例えば、特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
欧州特許第3448758号明細書
特許第4705172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の結合分離装置には、以下の問題点があった。
(1)特許文献1の装置は、結合バンドの対向する端部にネジロッドをそれぞれ設け、遊星ローラー装置を介して1対のネジロッドを結合している。また、分離時に非火工品により遊星ローラー装置をフリーにし、結合バンドの張力により遊星ローラー装置を介して1対のネジロッドを軸方向に移動させて分離する。結合バンドに蓄積されたエネルギーは、分離時の遊星ローラー装置の作動により消失される。
しかし、特許文献1の装置は構造が複雑であり作動安定性に欠け、かつ結合部の分離に要する時間が長く、完全分離までに1対のフランジが分離し、フランジが分離中の結合バンドと干渉する可能性があった。
【0005】
(2)特許文献2の装置は、結合バンドの対向する端部をリンク機構で連結し、かつ1対の端部を近接位置と離隔位置との間で移動可能に構成している。また、分離時に非火工品により近接位置のリンク機構をフリーにし、結合バンドの張力によりリンク機構を離隔位置まで変位させている。この変位の際に結合バンドの端部が、フランジとの接触を維持し、バンドの締め付けに相当する弾性エネルギーが摩擦により消失するようになっている。
しかし、特許文献2の装置は、バンドの締め付けに相当する弾性エネルギーが摩擦により消失する間に、フランジとの接触を維持したままバンドが緩むので、その間に1対のフランジが分離し、結合バンドと干渉する可能性があった。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、宇宙航行体の分離部を結合し分離することができ、分離時の衝撃が小さく、かつ分離部のフランジと結合バンドとの干渉を防止することができる結合分離装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、宇宙航行体が中空リング状の1対のフランジで分離可能に結合される分離部を有し、前記分離部を結合し分離する結合分離装置であって、
順に連結して前記フランジの外周に被せられる複数の分割バンドからなり、その両端部が近接して位置する一体バンドと、
前記一体バンドの前記両端部を連結し、前記両端部が近接する保持位置を保持し、非火工品により前記保持を解除して前記両端部が離隔する離隔位置に前記一体バンドの張力により移動する結合解除機構と、
前記フランジの周方向に間隔を隔てて位置し、複数の前記分割バンドを前記フランジの外方に付勢する複数のバンド押出保持機構と、を備える結合分離装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
上記本発明の構成によれば、一体バンドが、順に結合してフランジの外周に被せられる複数の分割バンドからなり、その両端部が近接して位置する。また、結合解除機構が、一体バンドの両端部を連結して、両端部が近接する保持位置を保持し、保持を解除して両端部が離隔する離隔位置に移動する。これにより、宇宙航行体の分離部を結合し分離することができる。
また、非火工品により保持を解除して両端部を離隔位置に一体バンドの張力により移動するので、分離時の衝撃を小さくできる。
【0009】
さらに、フランジの周方向に間隔を隔てて位置し、複数の分割バンドをフランジの外方に付勢する複数のバンド押出保持機構を備える。これにより、一体バンドの両端部が保持位置から離隔位置に移動すると同時に、緩んだ複数の分割バンドを付勢力で瞬時にフランジの外方に移動するので、宇宙航行体の分離部と結合バンド(分割バンド)との干渉を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
結合バンドの作動説明図である。
本発明による結合分離装置の全体斜視図である。
結合分離装置を軸方向から見た平面図
結合解除機構の説明図である。
結合解除機構を周方向から見た説明図である。
結合解除機構の作動説明図である。
バンド押出保持機構の説明図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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