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公開番号2023118027
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-08-24
出願番号2022032995
出願日2022-02-14
発明の名称飛行体落下補助装置
出願人合同会社アドエア
代理人
主分類B64D 17/34 20060101AFI20230817BHJP(航空機;飛行;宇宙工学)
要約【課題】飛行体に装着される緊急パラシュートは、開傘後風下へ移動して着地することとなるため着地点の選択肢がない。本発明は、飛行体の降下速度調整を、パラシュートシステムに大きな変更を施すことなく可能とするものである。
【解決手段】本発明は、十字型パラシュートXとその展開機構を備え、展開機構は、パラシュートのコーナー部に繋がる複数の第1のサスペンションライン1,4を束ねた第1のブライダルコード13と、コーナー部以外の縁部に繋がる複数の第2のサスペンションラインを束ねた第2のブライダルコード14と、第1又は第2のブライダルコードの長さの比率を変化させる可変機構とを有し、飛行体とパラシュート間の第1又は第2のブライダルコードの長さを変化させて、パラシュートの展開時の投影翼面積を変化させることを特徴とする飛行体の落下補助装置を提供する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
飛行体に搭載され空中で展開される十字型パラシュートと前記飛行体に取り付けられる前記パラシュートの展開機構を備え、前記展開機構は、前記パラシュートのコーナー部に繋がる複数の第1のサスペンションライン束ねた第1のブライダルコードと、前記パラシュートのコーナー部以外の縁部に繋がる複数の第2のサスペンションラインを束ねた第2のブライダルコードと、前記第1又は第2のブライダルコードの長さの比率を変化させる可変機構とを有し、前記可変機構により、前記飛行体とパラシュート間の前記第1又は第2のブライダルコードの長さを変化させて前記パラシュートの展開時の投影翼面積を変化させることを特徴とする飛行体の落下補助装置。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
可変機構は、第1および第2のブライダルコードに設けたループ部を備えてなることを特徴とする請求項1記載の飛行体の落下補助装置.。
【請求項3】
可変機構は、パラシュート収納部底部に設けられ、第2のブライダルコードが接続された高さ調整可変ベルトを備えてなることを特徴とする請求項1又は2記載の飛行体の落下補助装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ドローン等の飛行体に設置するパラシュート落下補助装置に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
パラシュートの落下(降下)速度の調整には、いくつかの技術が提案されている。特許文献1には、パラシュートの傘体の展開面積を変えるため、吊策の上部周囲を取り囲む補助策を設け、この補助策の一端を巻取り機で巻き取り制御し、補助策の弛緩、緊張により傘体の展開の大きさを変化させる技術が開示されている。特許文献2には、パラシュート頂部に開口部を有し、絞り部、絞り紐にてこの開口部面積を変化させ、パラシュートの浮遊力を変化させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平7-40898号公報
【0004】
実開平2-49598号公報
【0005】
特許文献1には、パラシュート傘体の吊索に補助索を取り付け、これを巻き取り機で巻き取り制御して弛緩又は緊張させ、吊索の牽引方向を変えることで展開面積を変化させ、降下速度を変化させる技術が開示されている。この技術では、補助索、巻き取り機の設置という複雑な機構が必要で、パラシュート展開中では強力な張力が掛かっている多数の吊索の牽引方向を変えるには強力な巻き取り機構とする必要もあり、ドローン様な飛行体への設置は適当でない。文献1では補助策、モーター等の構造を付加する必要があるとともに、開口部の締め込み方向と、手元または引き込み装置での引き込み方向の違いからそれを矯正誘導する滑車類の存在がサスペンションラインの梱包時から展開開傘に至る際に干渉、引っ掛かりによる正常開傘の障害となる可能性を有する。重力方向へかかる荷重により、パラシュートのサスペンションラインは全体荷重÷本数となってそれぞれに分散して架かる。この文献1のように、すべてのサスペンションラインを囲んだ外周に水平方向に円形に索状のものを巻いてモーターの引き込みにより円周を小さくすると、上下方向に緊張しているサスペンションラインとの摩擦を生み熱となって稼働する側の索が焼き切れる可能性がある。また、文献1では、巻き込み用のモーター装置を配する位置は傘体下、すべてのサスペンションラインに囲まれた内側となる。パラシュートはパッキング(畳んだ)状態からの展開が必須であり、このモーター装置の位置の都合上からサスペンションラインと完全分離してパッキングすることが不可能である。
対人用の緊急パラシュートのパッキングはその取扱い作業に免許制度を制定している国もあり、アメリカでは連邦航空局より発行されていることもあり、文献1の技術の採用は困難である。また、ラウンドタイプパラシュートでは、文献1のようにサスペンションラインを外周から締めこむ力を加えて水平方向にセンターライン方向(中央部)へ引き込んだ場合に傘体の円周そのものが変化することは無く、傘体(キャノピー)の最下段縁部分のサスペンションライン取付部だけが中央部へ引き込まれ、隣合う取り付け部分の間にある生地は弛んだ状態なって引き込み索が形成する円よりも外側に残ったままとなる。これにより沈下速度の高速化は考えられるが、想定している効果に比較して低い速度変化であること、生地がたるむことによりフラッター現象(バタつき)が発生し、大きな減速効果によって差し引きでは効果ゼロまたはマイナスなる可能性がある。またさらに深刻な問題はフラッターにより安定を失い、降下が直線飛行(直線軌道)ではなくなり、接地の瞬間に振り子運動による地面への激突を起こす可能性を残している。
【0006】
特許文献2には、パラシュート頂部に開口部を設け、絞り部、絞り紐にてこの開口の面積を変化させる技術が示されている。この技術の場合、開口部の締め込み方向と、手元または引き込み装置での引き込み方向の違いからそれを矯正誘導する滑車類の存在がサスペンションラインの梱包時から展開開傘に至る際に干渉、引っ掛かりによる正常開傘の障害となる可能性を有する。飛行体の降下速度変化をもたらす最大空気抵抗部分は翼端(ラウンド型パラシュートの場合は最下段縁部分)であり、文献2のように、傘体(キャノピー)の頂点部分に開口部を作り降下中に開閉を行うことは必要な降下速度の変化が得られないにくいことも考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ドローンが物資を空中輸送する場合に故障もしくは鳥や他の飛行物体、建造物との衝突などに起因して飛行を継続できなくなって落下する緊急事態が想定され、これを回避するまたは地上への衝撃を緩和する目的で緊急用パラシュートを装着するが、緊急用パラシュートしては進行性を有さないラウンド型パラシュートが適している。その際に地上と平行に吹く自然風の有無がパラシュート使用に影響を与える場合がある。風速が弱い場合は風下へと流されて移動する範囲はより短く小さいが、風速が強くなるほど風下への移動範囲(距離)は大きく長くなる。ドローンによる輸送は飛行コースの下に第三者の存在が無い場所を想定したコースを設定される傾向があるが、パラシュート使用時に風下方向へ流されて移動してゆく場合は民家の密集地、車両が通行する道路、その他施設などが存在する可能性があり、着地位置がわずかにずれることで第三者または第三者の財産ある建造物、車両などに衝突の可能性が回避されるかどうかの分岐点となるケースがある。このため、ドローンの降下速度を調整して、着地位置を変更する事が望まれる。前述したように、特許文献1、2の技術では、このような課題には適さないと思われる。
【0008】
パラシュートには、前進方向から空気を取り入れて膨張させることで翼を形成するラムエアー構造を有することで前進及び旋回操作が可能なラムエアー型パラシュートと、傘体部分を一枚布で構成され進行性を有さないパラシュートとに大別される。その中でもドーム型形状のラウンドパラシュートと十字型形状のクロスパラシュートが存在する。ラウンド型の緊急パラシュートは開傘速度は速く低高度でも活用しやすいがその一方で操作性を有さないことで開傘後は風下へ移動して着地することとなるため着地点の選択肢がない。本発明者は、十字型形状のクロスパラシュートにおいては、傘体に接続するサスペンションラインの張り方の強弱により降下時に下から受ける風圧によって傘体が膨張しようとする力の影響で投影形状を正方形から円形までの形状をなすことに着目し、この形状変化を固定とせず、任意に選択して切り替えることを可能とした。本発明は、飛行体の速度調整を、通常のパラシュートシステムの基本構成を大きく変更することなく、パラシュートと飛行体に繋がるサスペンションライン、ブライダルコード機構に大きな変更を施すことなく、この機構に独特の工夫(下記課題を解決するための手段に示す)を適用することにより可能とするものである。また、本発明は、飛行開始前に、飛行体の落下速度調整・設定を容易に可能とする落下補助装置を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題解決のため、飛行体に搭載され空中で展開される十字型パラシュートと前記飛行体に取り付けられる前記パラシュートの展開機構を備え、前記展開機構は、前記パラシュートのコーナー部に繋がる複数の第1のサスペンションライン束ねた第1のブライダルコードと、前記パラシュートのコーナー部以外の縁部に繋がる複数の第2のサスペンションラインを束ねた第2のブライダルコードと、前記第1又は第2のブライダルコードの長さの比率を変化させる可変機構とを有し、前記可変機構により、前記飛行体とパラシュート間の前記第1又は第2のブライダルコードの長さを変化させて前記パラシュートの展開時の投影翼面積を変化させることを特徴とする飛行体の落下補助装置を提供する。更に、本発明は、上記装置において、十字型パラシュートのコーナー部4カ所に第1の接続部を、前記コーナー部以外の縁部の4カ所または8カ所以上の部分に第2の接続部を設け、前記第1の接続部に第1のサスペンションラインを接続し、前記第2の接続部に第2のサスペンションラインを接続した飛行体の落下補助装置を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、たとえば無風時または毎秒1m以下の風速あればパラシュート使用時に風下へ流される影響は小さいため、降下速度を抑制できる投影面積がより大きくなるよう円形状となる選択をし、風速がたとえば毎秒2mを越える場合は風下方向への移動距離を短くするために降下速度がより速くなるよう投影面積がり小さくなる正方形状となる調整を選択する。これらを飛行前に容易に選択して調整することが可能となる。なお、無線操作により正方形でパラシュートを展開させておいて地上に接地する直前に円形状に可変させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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