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公開番号2023065897
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-15
出願番号2021176305
出願日2021-10-28
発明の名称複合部材
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B29C 70/68 20060101AFI20230508BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】被補強部材に対し、補強部材が接着層を介して接合された複合部材において、被補強部材または補強部材の接着層と接する最表層が、強化繊維と熱硬化性樹脂を含む一方向プリプレグから構成されるとき、接合部の剥離に対する耐性が抜本的に改善されることにより、耐荷重性能が高められた複合部材を提供する。
【解決手段】式[アスペクト比=補強部材の投影長さ(m)/補強部材の投影幅(m)]によるアスペクト比が1よりも大きく1,000,000,000よりも小さい補強部材が、接着層を介して被補強部材と接合された複合部材であって、接着層と接する補強部材の最表層の一部または全部が、強化繊維と熱硬化性樹脂を含む一方向プリプレグにより構成され、前記一方向プリプレグの強化繊維の配向方向と、補強部材の投影長さの長手方向とにおける、上面視においてなす角αが0°<α<30°である複合部材である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)によるアスペクト比が1よりも大きく1,000,000,000よりも小さい補強部材が、接着層を介して被補強部材と接合された複合部材であって、接着層と接する補強部材の最表層の一部または全部が、強化繊維と熱硬化性樹脂を含む一方向プリプレグにより構成され、前記一方向プリプレグの強化繊維の配向方向と、補強部材の投影長さの長手方向とにおける、上面視においてなす角αが0°<α<30°である複合部材。
アスペクト比=補強部材の投影長さ(m)/補強部材の投影幅(m)・・・(1)
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
下記式(1)によるアスペクト比が1よりも大きく1,000,000,000よりも小さい補強部材が、接着層を介して被補強部材と接合された複合部材であって、接着層と接する被補強部材の最表層の一部または全部が、強化繊維と熱硬化性樹脂を含む一方向プリプレグにより構成され、前記一方向プリプレグの強化繊維の配向方向と、補強部材の投影長さの長手方向とにおける、上面視においてなす角βが0°<β<30°である複合部材。
アスペクト比=補強部材の投影長さ(m)/補強部材の投影幅(m)・・・(1)
【請求項3】
前記補強部材が接合される前記被補強部材の接着層と接する最表層の一部または全部が、強化繊維と熱硬化性樹脂を含む一方向プリプレグにより構成され、前記一方向プリプレグの強化繊維の配向方向と、補強部材の投影長さの長手方向とにおける、上面視においてなす角βが0°<β<30°を満たす請求項1に記載の複合部材。
【請求項4】
前記接着層が熱硬化性樹脂から構成される請求項1~3のいずれかに記載の複合部材。
【請求項5】
前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シアネートエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、フェノール樹脂から選ばれる少なくとも一種である請求項4に記載の複合部材。
【請求項6】
前記接着層が熱可塑性樹脂から構成される請求項1~3のいずれかに記載の複合部材。
【請求項7】
前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂から選択される少なくとも一種である請求項6に記載の複合部材。
【請求項8】
前記接着層が、少なくとも補強部材または被補強部材のいずれか一方または両方を構成する強化繊維を内包してなる請求項1~7のいずれかに記載の複合部材。
【請求項9】
前記接着層の厚みが10μm以上500μm未満である請求項1~8のいずれかに記載の複合部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、補強部材が接着層を介して被補強部材と接合された複合部材であって、接合に係る補強部材または被補強部材の最表層の一部または全部が一方向プリプレグによって構成される複合部材に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
強化繊維に熱硬化性樹脂を含ませたプリプレグから製造された部材は、軽量性と強度が高いとの特徴から、特に航空機での利用に適している。この種の材料で、航空機の胴体バレルや翼、尾部等を製造するとき、それ単体では曲げ負荷への剛性が低いパネル状の面部材(被補強部材)にストリンガー等の補強部材が接合一体化された複合部材の構成が好ましく用いられる。部材の複合化により、機体としての構造に所望の剛性が提供されるようになる。この種の用途で、如何に部材間の接合を強くして信頼性を高く保つかとの点は、航空機の運用時のみならず航空機の設計と製造において格別の注意が払われてきた技術分野である。
【0003】
特許文献1には、パネル状の部材にストリンガー状の補強部材がファスナーにて締結され一体化された複合部材が開示されている。この機械的な締結方法は、部材を構成する素材の種類に問わず適用できることに加え、締結の信頼性も高い。製造においては、締結する別個の部材それぞれに対して穿孔の加工を施し、部材同士を位置決めしてからファスナーを締結加工する。その際、間隔を空けて多数本のファスナーで部材同士を締結するのが一般的であり、上述の工程を所望のファスナー本数の回数繰り返すため、一連の工程は長時間を要しかつ効率性を高めるのも難しい。さらには、金属製であるファスナー自体の重量によって複合部材の軽量性が損なわれてしまうとの側面がある。
【0004】
また別に、特許文献2には、強化繊維と熱硬化性樹脂のプリプレグからパネル状の部材を製造し、次いで補強部材であるストリンガーを接着剤で接着接合した態様の開示がある。接着剤は軽量な樹脂材料であり、ファスナーで見られるような複合部材の重量増を招くことは無い。また、接着接合の工程も、部材に穿孔する必要が無いため、ファスナーに対して比較的簡易との利点が認められる。
【0005】
特許文献3には、強化繊維を含む複合材料からなる部材間を接着接合する態様において、接合部の強度を高めた構成が開示されている。複合部材の接合部の断面において、接着剤が接着剤と接する各々の部材の領域に対し、凹凸状に接する接合面を形成することによって接合部の強度が高まるとしている。類似の態様は特許文献4にも開示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
:国際公開第2010/046684号
:国際公開第2018/170330号
:国際公開第2006/089534号
:国際公開第2004/060658号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2~4に記載されたように、これらの接着剤にて部材間を接合する手段は、強化繊維を含む複合材料に対し、従来のファスナー締結に見られる課題に対して改良の方針を与えるものである。しかしながら、強化繊維と熱硬化性樹脂を含むプリプレグを補強部材または被補強部材とする場合、この種の材料に特有の、繊維の向く方向に応じて異なる剛性や強度を示すとの特性から、部材間の接合面が低い荷重で剥離する場合が見られる。この剥離は部材の耐荷重性能を制限するものであって、複合材料からなる部材間の接合で解決されるべき課題として残っている。
【0008】
本発明の目的は、被補強部材に対し、補強部材が接着層を介して接合された複合部材において、前記被補強部材または補強部材の接着層と接する最表層が、強化繊維と熱硬化性樹脂を含む一方向プリプレグから構成されるとき、上記のような接合部の剥離に対する耐性が抜本的に改善されることにより、耐荷重性能が高められた複合部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、下記式(1)によるアスペクト比が1よりも大きく1,000,000,000よりも小さい補強部材が、接着層を介して被補強部材と接合された複合部材であって、接着層と接する補強部材の最表層の一部または全部が、強化繊維と熱硬化性樹脂を含む一方向プリプレグにより構成され、前記一方向プリプレグの強化繊維の配向方向と、補強部材の投影長さの長手方向とにおける、上面視においてなす角αが0°<α<30°である複合部材である。
アスペクト比=補強部材の投影長さ(m)/補強部材の投影幅(m)・・・(1)
【0010】
また、本発明の他の態様としては、下記式(1)によるアスペクト比が1よりも大きく1,000,000,000よりも小さい補強部材が、接着層を介して被補強部材と接合された複合部材であって、接着層と接する被補強部材の最表層の一部または全部が、強化繊維と熱硬化性樹脂を含む一方向プリプレグにより構成され、前記一方向プリプレグの強化繊維の配向方向と、補強部材の投影長さの長手方向とにおける、上面視においてなす角βが0°<β<30°である複合部材である。
アスペクト比=補強部材の投影長さ(m)/補強部材の投影幅(m)・・・(1)
(【0011】以降は省略されています)

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