TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025178007
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-05
出願番号
2024092087,2024083511
出願日
2024-06-06,2024-05-22
発明の名称
ポリビニルアセタール樹脂
出願人
積水化学工業株式会社
代理人
弁理士法人WisePlus
主分類
C08G
2/18 20060101AFI20251128BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】機械的強度が高く、耐シートアタック性に優れるセラミックグリーンシートを得ることができ、信頼性に優れた積層セラミックコンデンサを作製可能なポリビニルアセタール樹脂、及び、該ポリビニルアセタール樹脂を用いたセラミックグリーンシート用スラリー、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】GPC-MALSを用いて測定したクロマトグラムにおいて、保持時間が7~10分の領域に、LS Intensityのピークを1つ以上有し、かつ、赤外分光光度計により測定したIR吸収スペクトルにおいて、波数3050~3750cm
-1
の範囲内におけるピークの最小透過率をX(%)としたとき、[100-(100-X)/2]を満たす透過率a(%)を示す波数のうち、低波数側の波数をA、高波数側の波数をBとした場合、前記A、B及び
1
H-NMRで測定された水酸基量を用い、式(1)で求められる水酸基量換算波数幅が8.31以上である、ポリビニルアセタール樹脂。
水酸基量換算波数幅(cm
-1
/mol%)=[(B-A)/水酸基量] (1)
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
GPC-MALSを用いて測定したクロマトグラムにおいて、保持時間が7~10分の領域に、LS Intensityのピークを1つ以上有し、かつ、赤外分光光度計により測定したIR吸収スペクトルにおいて、波数3050~3750cm
-1
の範囲内におけるピークの最小透過率をX(%)としたとき、[100-(100-X)/2]を満たす透過率a(%)を示す波数のうち、低波数側の波数をA、高波数側の波数をBとした場合、前記A、B及び
1
H-NMRで測定された水酸基量を用い、式(1)で求められる水酸基量換算波数幅が8.31以上である、ポリビニルアセタール樹脂。
水酸基量換算波数幅(cm
-1
/mol%)=[(B-A)/水酸基量] (1)
続きを表示(約 930 文字)
【請求項2】
GPC-MALSを用いて測定したクロマトグラムにおいて、保持時間が7~17分の領域に、LS Intensityのピークを3つ以上有する、請求項1記載のポリビニルアセタール樹脂。
【請求項3】
GPC-MALSを用いて測定したz平均回転半径が55nm以上である、請求項1又は2記載のポリビニルアセタール樹脂。
【請求項4】
式(1)で求められる水酸基量換算波数幅が8.45以上である、請求項1又は2記載のポリビニルアセタール樹脂。
【請求項5】
前記A、B並びに
1
H-NMRで測定された水酸基量及びアセチル基量を用い、下記式(2)で求められる水酸基アセチル基量換算波数幅が6.5~18.0である、請求項1または2記載のポリビニルアセタール樹脂。
水酸基アセチル基量換算波数幅(cm
-1
/mol%/mol%)=[(B-A)/水酸基量/アセチル基量] (2)
【請求項6】
示差屈屈折率検出器を用いたGPC測定における、移動相にTHFを使用して得られるz平均分子量をMz(THF)、移動相にNMPを使用して得られるz平均分子量をMz(NMP)とした場合、Mz(THF)/Mz(NMP)が1.2~1.93である、請求項1又は2記載のポリビニルアセタール樹脂。
【請求項7】
エタノールとトルエンとの1:1混合溶剤に溶解した5質量%溶液を、溶液温度が20℃の条件でB型粘度計を用いて測定した場合の溶液粘度が30mPa・s以上、200mPa・s以下である、請求項1又は2に記載のポリビニルアセタール樹脂。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のポリビニルアセタール樹脂と、有機溶剤と、セラミック粉末とを含有する、セラミックグリーンシート用スラリー。
【請求項9】
請求項8に記載のセラミックグリーンシート用スラリーを用いてなる、セラミックグリーンシート。
【請求項10】
請求項9に記載のセラミックグリーンシートを用いて得られる、積層セラミックコンデンサ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用スラリー、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサに関する。
続きを表示(約 4,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、種々の電子機器に搭載される電子部品の小型化、積層化が進んでおり、多層回路基板、積層コイル、積層セラミックコンデンサ等の積層型電子部品が広く使用されている。
なかでも、積層セラミックコンデンサは、一般に次のような工程を経て製造されている。
まず、ポリビニルブチラール樹脂やポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に可塑剤、分散剤等を添加した後、セラミック原料粉末を加え、ビーズミル、ボールミル等の混合装置により均一に混合し、脱泡後に一定粘度を有するセラミックスラリー組成物を得る。このスラリー組成物をドクターブレード、リバースロールコーター等を用いて、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、又はSUSプレート等の支持体面に流延して、これを加熱等により、溶剤等の揮発分を溜去させた後、支持体から剥離してセラミックグリーンシートを得る。
次に、得られたセラミックグリーンシート上に、内部電極となる導電ペーストをスクリーン印刷により塗布したものを交互に複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を作製する。その後、積層体中に含まれるバインダー樹脂成分等を熱分解して除去する処理、いわゆる脱脂処理を行い、焼成して得られるセラミック焼結体の端面に外部電極を焼結する工程を経て積層セラミックコンデンサが得られる。
【0003】
例えば、特許文献1には、セラミック・バインダーとして好適なポリビニルアセタール樹脂として、所定の重合度、ビニルエステル単位の含有率、アセタール化度を有し、アセトアルデヒドによりアセタール化された部分とブチルアルデヒドによってアセタール化された部分とのモル比が所定の範囲であるポリビニルアセタール樹脂が記載されている。
また、特許文献2には、所定の重合度、ビニルエステル単位の含有率、アセタール化度を有し、特定の構成単位を有するポリビニルアセタール樹脂が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-236304号公報
国際公開第2012/023517号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、近年では、電子機器の多機能化、小型化に伴い、積層セラミックコンデンサは、大容量化小型化が求められており、セラミックグリーンシートにも更なる薄層化が求められている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載のポリビニルアセタール樹脂を用いた場合、得られるセラミックグリーンシートの強度が不充分なものとなり、剥離シートから剥がす際に、強度不足による破れ等が発生し、歩留まりが悪化するという問題がある。
また、得られるセラミックグリーンシートの耐シートアタック性が不充分となり、積層セラミックコンデンサの電気特性低下や不良率悪化の要因となるという問題もある。
【0006】
本発明は、機械的強度が高く、耐シートアタック性に優れるセラミックグリーンシートを得ることができ、信頼性に優れた積層セラミックコンデンサを作製可能なポリビニルアセタール樹脂、及び、該ポリビニルアセタール樹脂を用いたセラミックグリーンシート用スラリー、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示1は、GPC-MALSを用いて測定したクロマトグラムにおいて、保持時間が7~10分の領域に、LS Intensityのピークを1つ以上有し、かつ、赤外分光光度計により測定したIR吸収スペクトルにおいて、波数3050~3750cm
-1
の範囲内におけるピークの最小透過率をX(%)としたとき、[100-(100-X)/2]を満たす透過率a(%)を示す波数のうち、低波数側の波数をA、高波数側の波数をBとした場合、前記A、B及び
1
H-NMRで測定された水酸基量を用い、式(1)で求められる水酸基量換算波数幅が8.31以上である、ポリビニルアセタール樹脂。
水酸基量換算波数幅(cm
-1
/mol%)=[(B-A)/水酸基量] (1)
本開示2は、GPC-MALSを用いて測定したクロマトグラムにおいて、保持時間が7~17分の領域に、LS Intensityのピークを3つ以上有する、本開示1記載のポリビニルアセタール樹脂である。
本開示3は、GPC-MALSを用いて測定したz平均回転半径が55nm以上である、本開示1又は2記載のポリビニルアセタール樹脂である。
本開示4は、式(1)で求められる水酸基量換算波数幅が8.45以上である、本開示1~3の何れかに記載のポリビニルアセタール樹脂である。
本開示5は、前記A、B並びに
1
H-NMRで測定された水酸基量及びアセチル基量を用い、下記式(2)で求められる水酸基アセチル基量換算波数幅が6.5~18.0である、本開示1~4の何れに記載のポリビニルアセタール樹脂である。
水酸基アセチル基量換算波数幅(cm
-1
/mol%/mol%)=[(B-A)/水酸基量/アセチル基] (2)
本開示6は、示差屈屈折率検出器を用いたGPC測定における、移動相にTHFを使用して得られるz平均分子量をMz(THF)、移動相にNMPを使用して得られるz平均分子量をMz(NMP)とした場合、Mz(THF)/Mz(NMP)が1.2~1.93である、本開示1~5の何れかに記載のポリビニルアセタール樹脂である。
本開示7は、エタノールとトルエンとの1:1混合溶剤に溶解した5質量%溶液を、溶液温度が20℃の条件でB型粘度計を用いて測定した場合の溶液粘度が30mPa・s以上、200mPa・s以下である、本開示1~6の何れかに記載のポリビニルアセタール樹脂である。
本開示8は、本開示1~7の何れかに記載のポリビニルアセタール樹脂と、有機溶剤と、セラミック粉末とを含有する、セラミックグリーンシート用スラリーである。
本開示9は、本開示8に記載のセラミックグリーンシート用スラリーを用いてなる、セラミックグリーンシートである。
本開示10は、本開示9に記載のセラミックグリーンシートを用いて得られる、積層セラミックコンデンサである。
以下に本発明を詳述する。
【0008】
本発明者らは、鋭意検討の結果、GPC-MALSを用いて測定したクロマトグラムにおいて、所定数以上のピークを有し、かつ、赤外分光光度計により測定したIR吸収スペクトルにおいて3050~3750cm
-1
の範囲内でのピークを基に計算される水酸基量換算波数幅が所定の範囲内であるポリビニルアセタール樹脂は、機械的強度が高く、耐シートアタック性に優れるセラミックグリーンシートを得ることができ、信頼性に優れた積層セラミックコンデンサを作製できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
本発明のポリビニルアセタール樹脂は、GPC-MALSを用いて測定したクロマトグラムにおいて、保持時間が7~10分の領域に、LS Intensityのピークを1つ以上有する。
このようなポリビニルアセタール樹脂を用いることで、強度が高く、耐シートアタック性に優れるセラミックグリーンシートを得ることができる。
上記GPC-MALSを用いて測定したクロマトグラムにおけるピーク数は、1以上であることが好ましい。また、上記ピーク数は、3以下であることが好ましい。
本発明において、保持時間が7~10分に見られる上記ピーク数は、複数のポリビニルアセタール樹脂によって形成された会合体の数の指標となる。
また、本発明のポリビニルアセタール樹脂は、GPC-MALSを用いて測定したクロマトグラムにおいて、保持時間が7~17分の領域に、LS Intensityのピークを3つ以上有することが好ましい。
上記GPC-MALSを用いて測定したクロマトグラムにおけるピーク数は、多角度光散乱検出器を用いたGPC-MALSにより、測定することができる。溶出溶媒(移動相)はテトラヒドロフランを用いることが出来る。また、カラム、検出器等の種類、使用条件に関しては、後述する実施例の方法にて行うことができる。
更に、ピーク数の計数に関しては、所定のデータ処理システム(解析ソフトウェア等)によって行うことができる。
【0010】
上記GPC-MALSを用いて測定したクロマトグラムにおけるLS Intensityのピーク高さは、0.001V以上であることが好ましく、0.002V以上であることがより好ましい。また、上記ピーク高さは、0.006V以下であることが好ましく、0.005V以下であることが好ましい。
なお、保持時間が7~10分の領域に複数のピークが検出される場合は、ピーク高さが最大のものをいう。
上記GPC-MALSを用いて測定したクロマトグラムにおけるLS Intensityピーク位置は、保持時間が7.5分以上9.7分以下にあることが好ましく、8.0分以上9.5分以下にあることがより好ましい。
上記GPC-MALSを用いて測定したクロマトグラムにおいて、LS Intensityのピーク値の半分の値のLS Intensity値におけるピーク幅は、溶出時間で2分以下であることが好ましく、1.5分以下であることがより好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
積水化学工業株式会社
集合継手
1か月前
積水化学工業株式会社
製管装置
1か月前
積水化学工業株式会社
粘着テープ
5日前
積水化学工業株式会社
粘着テープ
5日前
積水化学工業株式会社
雨樋システム
1か月前
積水化学工業株式会社
配管の接続構造
1か月前
積水化学工業株式会社
防食用粘着テープ
1か月前
積水化学工業株式会社
太陽電池設置構造
21日前
積水化学工業株式会社
太陽電池設置構造
21日前
積水化学工業株式会社
太陽電池設置構造
21日前
積水化学工業株式会社
表示素子用封止剤
1日前
積水化学工業株式会社
更生管の製管装置
1か月前
積水化学工業株式会社
基板積層体の製造方法
1か月前
積水化学工業株式会社
基板積層体の製造方法
1か月前
積水化学工業株式会社
液晶デバイス用シール剤
1日前
積水化学工業株式会社
配管構造及びプレハブ配管
1か月前
積水化学工業株式会社
表面材及び表面材付き基材
5日前
積水化学工業株式会社
配管構造及びプレハブ配管
1か月前
積水化学工業株式会社
軒樋支持具および雨樋システム
1か月前
積水化学工業株式会社
竪樋支持具および排水システム
1か月前
積水化学工業株式会社
太陽電池モジュールの取付構造
21日前
積水化学工業株式会社
熱膨張性マイクロカプセル用組成物
1か月前
積水化学工業株式会社
既設管更生方法および既設管更生設備
6日前
積水化学工業株式会社
ポリオルガノシロキサン、樹脂組成物
12日前
積水化学工業株式会社
硬化性樹脂組成物及び表示素子用封止剤
1日前
積水化学工業株式会社
超音波トランスデューサ、及び超音波センサ
21日前
積水化学工業株式会社
超音波トランスデューサおよび超音波センサ
21日前
積水化学工業株式会社
継手
1か月前
積水化学工業株式会社
継手
26日前
積水化学工業株式会社
ガス製造装置
12日前
積水化学工業株式会社
防食用粘着テープ
1か月前
積水化学工業株式会社
施工管理システム
1か月前
積水化学工業株式会社
光ファイバ担持管梱包体および光ファイバ担持管梱包体用の支持部材
28日前
積水化学工業株式会社
集合継手及び配管構造
1か月前
積水化学工業株式会社
電気融着継手、配管システム、配管付き電気融着継手、及び配管更生構造
1か月前
積水化学工業株式会社
集合継手および継手構造
1か月前
続きを見る
他の特許を見る