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公開番号2025178218
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2025086501
出願日2025-05-23
発明の名称粘着テープ
出願人積水化学工業株式会社
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C09J 7/38 20180101AFI20251128BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】被着体への密着性に優れ、かつ、高温高湿環境に曝した場合でも色調保持性に優れる粘着テープを提供する。
【解決手段】粘着剤組成物を用いて形成される粘着剤層を有する粘着テープであって、前記粘着剤組成物は、(メタ)アクリル共重合体及び粘着付与樹脂を含有し、前記粘着剤層は、ガラス転移温度が-10℃以上20℃以下であり、前記粘着テープを60℃、90%RHの環境下で120時間加熱した際、加熱前後の色差測定において測定されるb*の変化量が2.00以下である粘着テープ。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
粘着剤組成物を用いて形成される粘着剤層を有する粘着テープであって、
前記粘着剤組成物は、(メタ)アクリル共重合体及び粘着付与樹脂を含有し、
前記粘着剤層は、ガラス転移温度が-10℃以上20℃以下であり、
前記粘着テープを60℃、90%RHの環境下で120時間加熱した際、加熱前後の色差測定において測定されるb*の変化量が2.00以下である
ことを特徴とする粘着テープ。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記粘着剤組成物における前記(メタ)アクリル共重合体100質量部に対する前記粘着付与樹脂全体の含有量が20質量部以下である請求項1記載の粘着テープ。
【請求項3】
前記(メタ)アクリル共重合体は、1-メチルへプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を有する請求項1又は2記載の粘着テープ。
【請求項4】
前記(メタ)アクリル共重合体は、更に、架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を有する請求項3記載の粘着テープ。
【請求項5】
前記架橋性官能基を有するモノマーは、カルボキシ基含有モノマー及び水酸基含有モノマーからなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項4記載の粘着テープ。
【請求項6】
前記(メタ)アクリル共重合体は、前記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位の含有割合が0.01質量%以上20質量%未満である請求項4記載の粘着テープ。
【請求項7】
前記(メタ)アクリル共重合体は、更に、n-ヘプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を有する請求項3記載の粘着テープ。
【請求項8】
前記(メタ)アクリル共重合体は、更に、エポキシ基及びオキセタニル基以外の環状エーテル構造を有するモノマー、並びに、非環状エーテル構造を有するモノマーからなる群より選択される少なくとも1種の非架橋性エーテル構造を有するモノマーに由来する構成単位を有する請求項3記載の粘着テープ。
【請求項9】
前記(メタ)アクリル共重合体は、前記非架橋性エーテル構造を有するモノマーに由来する構成単位の含有割合が0質量%超50質量%以下である請求項8記載の粘着テープ。
【請求項10】
前記(メタ)アクリル共重合体は、重量平均分子量が70万以上150万以下である請求項1又は2記載の粘着テープ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着テープに関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
携帯電話、携帯情報端末(Personal Digital Assistants、PDA)等の携帯電子機器においては、組み立てのために粘着テープが用いられている(例えば、特許文献1、2)。また、光学部材を貼り合わせる用途にも粘着テープが用いられている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-242541号公報
特開2009-258274号公報
特開2012-214544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電子機器の小型化や薄型化に伴い、粘着テープの厚みを薄くすることが求められている。しかしながら、粘着テープの厚みが薄くなると粘着力が低下することがあるため、粘着テープには、厚みを薄くしても被着体への密着性に優れることが求められている。粘着テープの被着体への密着性を向上させるためには、粘着テープの粘着層を形成するために用いられる粘着剤組成物に粘着付与樹脂を配合することが考えられるが、粘着付与樹脂を配合した場合、被着体を貼り合わせた後に高温高湿環境に曝した際に黄変することがあるという問題があった。特に、画像表示装置のLEDバックライト等の固定に用いられる粘着テープでは、黄変により色調が変化すると、光の出力が低下したり、表示される画像の見え方が悪くなったりするという問題があった。
【0005】
本発明は、被着体への密着性に優れ、かつ、高温高湿環境に曝した場合でも色調保持性に優れる粘着テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示1は、粘着剤組成物を用いて形成される粘着剤層を有する粘着テープであって、上記粘着剤組成物は、(メタ)アクリル共重合体及び粘着付与樹脂を含有し、上記粘着剤層は、ガラス転移温度が-10℃以上20℃以下であり、上記粘着テープを60℃、90%RHの環境下で120時間加熱した際、加熱前後の色差測定において測定されるb*の変化量が2.00以下である粘着テープである。
本開示2は、上記粘着剤組成物における上記(メタ)アクリル共重合体100質量部に対する上記粘着付与樹脂全体の含有量が20質量部以下である本開示1の粘着テープである。
本開示3は、上記(メタ)アクリル共重合体は、1-メチルへプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を有する本開示1又は2の粘着テープである。
本開示4は、上記(メタ)アクリル共重合体は、更に、架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を有する本開示3の粘着テープである。
本開示5は、上記架橋性官能基を有するモノマーは、カルボキシ基含有モノマー及び水酸基含有モノマーからなる群より選択される少なくとも1種を含む本開示4の粘着テープである。
本開示6は、上記(メタ)アクリル共重合体は、上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位の含有割合が0.01質量%以上20質量%未満である本開示4又は5の粘着テープである。
本開示7は、上記(メタ)アクリル共重合体は、更に、n-ヘプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を有する本開示3、4、5又は6の粘着テープである。
本開示8は、上記(メタ)アクリル共重合体は、更に、エポキシ基及びオキセタニル基以外の環状エーテル構造を有するモノマー、並びに、非環状エーテル構造を有するモノマーからなる群より選択される少なくとも1種の非架橋性エーテル構造を有するモノマーに由来する構成単位を有する本開示3、4、5、6又は7の粘着テープである。
本開示9は、上記(メタ)アクリル共重合体は、上記非架橋性エーテル構造を有するモノマーに由来する構成単位の含有割合が0質量%超50質量%以下である本開示8の粘着テープである。
本開示10は、上記(メタ)アクリル共重合体は、重量平均分子量が70万以上150万以下である本開示1、2、3、4、5、6、7、8又は9の粘着テープである。
本開示11は、上記粘着剤組成物は、更に、架橋剤を含有する本開示1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の粘着テープである。
本開示12は、上記架橋剤は、イソシアネート系架橋剤及びエポキシ系架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種を含む本開示11の粘着テープである。
本開示13は、上記架橋剤は、上記イソシアネート系架橋剤と上記エポキシ系架橋剤とを含む本開示12の粘着テープである。
本開示14は、ポリカーボネート基板に対する180°引きはがし粘着力が10N/25mm以上である本開示1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13の粘着テープである。
本開示15は、電子機器部品又は車載部品の固定に用いられる本開示1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14の粘着テープである。
以下に本発明を詳述する。
【0007】
本発明者らは、粘着テープの有する粘着剤層のガラス転移温度を特定の範囲に調整し、かつ、粘着テープを60℃、90%RHの環境下で120時間加熱した際、加熱前後の色差測定において測定されるb*の変化量を特定値以下となるようにすることを検討した。その結果、被着体への密着性に優れ、かつ、高温高湿環境に曝した場合でも色調保持性に優れる粘着テープを得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
本発明の粘着テープは、粘着テープを60℃、90%RHの環境下で120時間加熱した際、加熱前後の色差測定において測定されるb*の変化量(以下、「Δb*」ともいう)が2.00以下である。上記Δb*が2.00以下であることにより、本発明の粘着テープは、高温高湿環境に曝した場合でも色調保持性に優れるものとなる。上記Δb*の好ましい上限は1.50、より好ましい上限は1.00である。
また、上記Δb*は0、即ち、加熱前後においてb*に変化がないことが最も好ましい。
なお、上記Δb*は、以下の方法により測定することができる。
即ち、まず、幅52mm、長さ76mm、厚み1mmのガラス板を用意し、ガラス板と同じ幅及び長さに裁断した粘着テープの片面にガラス板を貼り合わせ、もう一方の面の離型PETフィルムを剥がして試験片を作製する。粘着テープが基材の片面のみに粘着剤層を有する場合は、粘着テープの粘着剤層側の面に1枚のガラス板を貼り合わせ、試験片を作製する。次いで、得られた試験片について、常温(20℃以上25℃以下)において、分光色測計を用いてb*(加熱前のb*)を測定する。また、同じ幅及び長さに裁断した粘着テープを60℃、90%RHの恒温恒湿オーブンに入れて120時間加熱する。加熱後の粘着テープを用いて、同様にして試験片を作製し、常温(20℃以上25℃以下)において、分光色測計を用いてb*(加熱後のb*)を測定する。加熱前のb*の値と加熱後のb*の値との絶対差として、上記Δb*を求めることができる。上記分光色測計としては、例えば、CM-3700D(コニカミノルタ社製)等が挙げられる。
【0009】
また、本発明の粘着テープは、粘着テープを60℃、90%RHの環境下で120時間加熱した際、加熱前のb*及び加熱後のb*がいずれも2.50以下であることが好ましい。上記加熱前のb*及び上記加熱後のb*がいずれも2.50以下であることにより、本発明の粘着テープは、LEDバックライト等を貼り合わせる用途により好適に用いることができるものとなる。上記加熱前のb*及び上記加熱後のb*は、いずれも2.00以下であることがより好ましい。
上記加熱前のb*及び上記加熱後のb*の好ましい下限は特にないが、実質的な下限は-1.00である。
なお、上記加熱前のb*及び上記加熱後のb*は、上述した方法により測定することができる。
【0010】
本発明の粘着テープは、粘着剤組成物を用いて形成される粘着剤層を有する。
上記粘着剤層は、ガラス転移温度の下限が-10℃、上限が20℃である。上記粘着剤層のガラス転移温度が-10℃以上であることにより、耐熱性が高く、バルクの凝集力も高くなるため、接着力の保持性能や高温耐反発性に優れるものとなる。上記粘着剤層のガラス転移温度が20℃以下であることにより、界面に対する接着性に優れるものとなる。即ち、上記粘着剤層のガラス転移温度が上記範囲であることにより、本発明の粘着テープは、被着体への密着性に優れるものとなる。上記粘着剤層のガラス転移温度の好ましい下限は-8℃、好ましい上限は17℃であり、より好ましい下限は-5℃、より好ましい上限は15℃である。
なお、本明細書において上記「ガラス転移温度」は、動的粘弾性測定により得られる損失正接(tanδ)の極大のうち、ミクロブラウン運動に起因する極大が現れる温度を意味する。
上記粘着剤層のガラス転移温度の測定で行う動的粘弾性測定としては、例えば、次の方法を採用することができる。
即ち、まず、上記粘着剤層を重ね合わせて厚み1mm程度の積層体を作製し、幅6mm、長さ10mmに裁断して試験片を得る。次いで、得られた試験片について、動的粘弾性測定装置を用い、せん断モードにて、窒素雰囲気下、測定温度-40℃~140℃、昇温速度5℃/min、周波数1Hz、ひずみ0.08%の条件で動的粘弾性測定を行う。上記動的粘弾性測定装置としては、例えば、DVA-200(アイティー計測制御社製)等が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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