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公開番号
2025168002
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-07
出願番号
2024073082
出願日
2024-04-26
発明の名称
基板積層体の製造方法
出願人
積水化学工業株式会社
代理人
弁理士法人WisePlus
主分類
B32B
37/02 20060101AFI20251030BHJP(積層体)
要約
【課題】絶縁層に樹脂材料を用いながらも、接合強度が高い基板積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】第1の基板1に硬化性樹脂組成物を成膜、硬化して有機絶縁層を形成する工程と、前記有機絶縁層の接合面を活性化する工程と、活性化した前記有機絶縁層の接合面に塩基性水溶液又は純水を接触させる工程と、前記第1の基板の前記有機絶縁層の接合面と第2の基板2を接合する工程とを有し、前記硬化性樹脂組成物は熱硬化性樹脂と、分子内にアルキルシリル基又はアルコキシシリル基を有する化合物とを含む基板積層体の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
第1の基板に硬化性樹脂組成物を成膜、硬化して有機絶縁層を形成する工程と、
前記有機絶縁層の接合面を活性化する工程と、
活性化した前記有機絶縁層の接合面に塩基性水溶液又は純水を接触させる工程と、
前記第1の基板の前記有機絶縁層の接合面と第2の基板を接合する工程とを有し、
前記硬化性樹脂組成物は熱硬化性樹脂と、分子内にアルキルシリル基又はアルコキシシリル基を有する化合物とを含む基板積層体の製造方法。
続きを表示(約 980 文字)
【請求項2】
前記硬化性樹脂組成物におけるシラノール基の含有量が10
-3
mol/g以下である、請求項1記載の基板積層体の製造方法。
【請求項3】
前記化合物は式(1)で表される構造を有する、請求項1又は2記載の基板積層体の製造方法。
TIFF
2025168002000009.tif
37
156
ここで、R
1
及びR
2
は、それぞれ独立して、水素原子又は任意の置換基を表す。nは0以上100以下の整数を表す。
【請求項4】
前記化合物は式(2)で表される構造を有する、請求項1又は2記載の基板積層体の製造方法。
TIFF
2025168002000010.tif
34
156
ここで、R
3
は水素原子又は任意の置換基を表す。jは1以上40以下の整数を表し、kは1以上40以下の整数を表す。
【請求項5】
前記化合物は環状構造中のSi原子数が12以下のかご型シルセスキオキサンである、請求項1又は2記載の基板積層体の製造方法。
【請求項6】
前記硬化性樹脂組成物はフェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリイミド前駆体、ポリアミド樹脂、ビスマレイミド及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1又は2記載の基板積層体の製造方法。
【請求項7】
前記有機絶縁層の25℃における貯蔵弾性率が2.0GPa以上である、請求項1又は2記載の基板積層体の製造方法。
【請求項8】
前記有機絶縁層を形成する工程の前において、前記第1の基板に電極を形成する工程を有する、請求項1又は2記載の基板積層体の製造方法。
【請求項9】
前記第1の基板と前記第2の基板を接合する工程の前において、前記第2の基板に電極を形成する工程と、前記第2の基板の電極面上に絶縁層を形成する工程とを有する、請求項8記載の基板積層体の製造方法。
【請求項10】
前記有機絶縁層又は前記絶縁層の少なくとも一方の接合面を研磨する工程を有する、請求項9記載の基板積層体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板積層体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
半導体装置の高性能化に伴い、複数の半導体チップを積層させる三次元化が進行している。このような複数の半導体チップを積層させた基板積層体では、従来はんだを介して基板の電極間を接合していたが、近年電極の接合方法としてハイブリッドボンディングが検討されている。
【0003】
図1にハイブリッドボンディングによる基板積層体の製造の様子を表した模式図を示す。ハイブリッドボンディングでは、まず第1の基板1、第2の基板2の片面に電極3と絶縁層4を形成する。次いで、電極3と絶縁層4を形成した表面を研磨して平坦化した後に高温処理によって第1の基板1及び第2の基板2の電極3と絶縁層4を同時に接合することで基板積層体を得る。ハイブリッドボンディングによる基板積層体は、はんだを介さないことから配線距離が短くなるとともに電気特性の向上、実装密度の向上といった優れた特性を有している。
【0004】
ハイブリッドボンディングにおいて上記絶縁層はSiO
2
等の無機物からなる無機絶縁層が検討されてきたが、無機物の絶縁層を用いると基板間に異物やボイドが噛みこんだ場合に接合不良が起きやすいという問題があった。そこで、絶縁層に熱硬化性樹脂のような樹脂材料を用いることが提案されている。絶縁層に樹脂材料を用いることで、異物やボイドが噛みこんだ場合であってもこれらを絶縁層に埋め込むことができ、接合不良を抑えることができる。また、樹脂材料からなる絶縁層(有機絶縁層)は柔軟であるため無機絶縁層同士を接合する場合よりも接合部に隙間が生じにくいことから、水分の侵入を抑えて耐久性を高めることができる。
【0005】
一方で、上記のような有機絶縁層を用いた基板積層体は接合強度が不十分であるという問題があった。そこで、有機絶縁層の接合強度を向上させるために、特許文献1では接合層にシラノール基を有する基板積層体の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2020/085183号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のようなシラノール基を有する有機絶縁層は、一定の接合強度の向上効果は見られたものの、期待したほどの接合強度を得ることはできず、更なる接合強度の向上が求められている。
【0008】
本発明は、絶縁層に樹脂材料を用いながらも、接合強度が高い基板積層体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は以下の開示1~10より構成される。以下、本発明について詳述する。
[開示1]
第1の基板に硬化性樹脂組成物を成膜、硬化して有機絶縁層を形成する工程と、
前記有機絶縁層の接合面を活性化する工程と、
活性化した前記有機絶縁層の接合面に塩基性水溶液又は純水を接触させる工程と、
前記第1の基板の前記有機絶縁層の接合面と第2の基板を接合する工程とを有し、
前記硬化性樹脂組成物は熱硬化性樹脂と、分子内にアルキルシリル基又はアルコキシシリル基を有する化合物とを含む基板積層体の製造方法。
[開示2]
前記硬化性樹脂組成物におけるシラノール基の含有量が10
-3
mol/g以下である、開示1記載の基板積層体の製造方法。
[開示3]
前記化合物は式(1)で表される構造を有する、開示1又は2記載の基板積層体の製造方法。
TIFF
2025168002000002.tif
37
156
ここで、R
1
及びR
2
は、それぞれ独立して、水素原子又は任意の置換基を表す。nは0以上100以下の整数を表す。
[開示4]
前記化合物は式(2)で表される構造を有する、開示1又は2記載の基板積層体の製造方法。
TIFF
2025168002000003.tif
34
156
ここで、R
3
は水素原子又は任意の置換基を表す。jは1以上40以下の整数を表し、kは1以上40以下の整数を表す。
[開示5]
前記化合物は環状構造中のSi原子数が12以下のかご型シルセスキオキサンである、開示1又は2記載の基板積層体の製造方法。
[開示6]
前記硬化性樹脂組成物はフェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリイミド前駆体、ポリアミド樹脂、ビスマレイミド及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、開示1~5のいずれかに記載の基板積層体の製造方法。
[開示7]
前記有機絶縁層の25℃における貯蔵弾性率が2.0GPa以上である、開示1~6のいずれかに記載の基板積層体の製造方法。
[開示8]
前記有機絶縁層を形成する工程の前において、前記第1の基板に電極を形成する工程を有する、開示1~7のいずれかに記載の基板積層体の製造方法。
[開示9]
前記第1の基板と前記第2の基板を接合する工程の前において、前記第2の基板に電極を形成する工程と、前記第2の基板の電極面上に絶縁層を形成する工程とを有する開示8記載の基板積層体の製造方法。
[開示10]
前記有機絶縁層又は前記絶縁層の少なくとも一方の接合面を研磨する工程を有する、開示9記載の基板積層体の製造方法。
【0010】
本発明の基板積層体の製造方法は、まず、第1の基板に硬化性樹脂組成物を成膜、硬化して有機絶縁層を形成する工程を行う。
基板の絶縁層として有機絶縁層を用いることで、基板を接合する際に異物やボイドが噛みこんだ場合であってもこれらを埋め込んで基板の接合不良を抑えることができる。また、基板に反りが発生した場合であっても応力を緩和して反りを解消することができる。更に、有機絶縁層は柔軟であるため無機絶縁層同士を接合する場合よりも接合部に隙間が生じにくいことから、水分の侵入を抑えて耐久性を高めることができる。上記有機絶縁層は有機物であれば特に限定されないが、製造が容易であることから硬化性樹脂組成物の硬化物であることが好ましく、上記硬化性樹脂組成物は熱硬化性樹脂を含有することが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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