TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025177400
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2024084203
出願日2024-05-23
発明の名称DC-DCコンバータ、および、その制御方法
出願人日新電機株式会社
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類H02M 3/28 20060101AFI20251128BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】過大な電流の発生の可能性を低減する。
【解決手段】DC-DCコンバータ(1)の制御部(制御装置40)は、ブリッジ回路(12、14)において、少なくとも1つのレグ(21~24)でZCSが実現できる最大の値である第1制限値と、変圧器(Tr)のコアにおける磁束密度が所定の大きさ以下となる最大の値である第2制限値とのうちの小さい方の値以下にレグ間位相差を定めて、さらにレグを交互に入れ替えるようにスイッチング制御を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の1次側スイッチング素子を含み、第1レグと第2レグとを有した1次側ブリッジ回路と、
複数の2次側スイッチング素子を含み、第3レグと第4レグとを有した2次側ブリッジ回路と、
変圧器を有し、前記1次側ブリッジ回路と前記2次側ブリッジ回路との間に接続される変換部と、
前記1次側スイッチング素子および前記2次側スイッチング素子を制御する制御部と、を備えたDC-DCコンバータであって、
前記制御部は、
前記第1レグを第1仮想レグ、前記第2レグを第2仮想レグ、前記第3レグを第3仮想レグ、前記第4レグを第4仮想レグと見なす第1動作と、
前記第2レグを第1仮想レグ、前記第1レグを第2仮想レグ、前記第4レグを第3仮想レグ、前記第3レグを第4仮想レグと見なす第2動作とを、交互に実行するとともに、
前記第1動作および前記第2動作を通じて、前記第1仮想レグ、第2仮想レグ、第3仮想レグおよび第4仮想レグにおいて、各スイッチング素子が半周期毎にスイッチングが行われるようにし、
前記第1仮想レグと前記第2仮想レグとの間には第1レグ間位相差を設け、
前記第3仮想レグと前記第4仮想レグとの間には第2レグ間位相差を設け、
前記第1レグ間位相差と前記第2レグ間位相差の比を、前記DC-DCコンバータの1次側の入出力電圧と2次側の入出力電圧の比に応じた値に定め、
さらに、前記第1レグ間位相差および第2レグ間位相差のうちの小さくない方の値を、前記1次側ブリッジ回路と前記2次側ブリッジ回路のそれぞれにおいて、少なくとも1つのレグでゼロカレントスイッチングが実現できる最大の値である第1制限値と、前記変圧器のコアにおける磁束密度が所定の大きさ以下となる最大の値である第2制限値とのうちの小さい方の値以下に定めて、
各前記1次側スイッチング素子および各前記2次側スイッチング素子のスイッチングを制御する、DC-DCコンバータ。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記変圧器についての換算電圧として表した、前記1次側の入出力電圧と前記2次側の入出力電圧のうちの大きくない方の電圧を第1電圧V
small
、もう一方の電圧を第2電圧V
large
としたとき、前記第1レグ間位相差と前記第2レグ間位相差のうちの、入出力電圧が前記第1電圧V
small
の側のレグ間位相差Φ
large
と、入出力電圧が前記第2電圧V
large
の側のレグ間位相差Φ
small
との比が、
Φ
small
/Φ
large
=V
small
/V
large
で与えられる、請求項1に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1動作と前記第2動作とを1周期毎に切り替える、請求項2に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項4】
前記第2制限値は、前記換算電圧として表した前記変圧器の定格電圧V

から、スイッチング周波数をfとし、
Φ
large3
=Vo/(4・f・V
small

として与えられる、請求項3に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項5】
前記第1制限値は、前記1次側ブリッジ回路と前記2次側ブリッジ回路との間の位相差であるブリッジ間位相差Φ

から、
Φ
large1
=(π-|Φ

|)×V
large
/V
small
Φ
large2
=|Φ

|×V
large
/(V
large
-V
small

のうちの、小さい方の値として与えられる、請求項2から4のいずれか1項に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項6】
複数の1次側スイッチング素子を含み、第1レグと第2レグとを有した1次側ブリッジ回路と、
複数の2次側スイッチング素子を含み、第3レグと第4レグとを有した2次側ブリッジ回路と、
変圧器を有し、前記1次側ブリッジ回路と前記2次側ブリッジ回路との間に接続される変換部と、
を備えたDC-DCコンバータの制御方法であって、
前記第1レグを第1仮想レグ、前記第2レグを第2仮想レグ、前記第3レグを第3仮想レグ、前記第4レグを第4仮想レグと見なす第1動作と、
前記第2レグを第1仮想レグ、前記第1レグを第2仮想レグ、前記第4レグを第3仮想レグ、前記第3レグを第4仮想レグと見なす第2動作とを、交互に実行するとともに、
前記第1動作および前記第2動作を通じて、前記第1仮想レグ、第2仮想レグ、第3仮想レグおよび第4仮想レグにおいて、各スイッチング素子が半周期毎にスイッチングが行われるようにし、
前記第1仮想レグと前記第2仮想レグとの間には第1レグ間位相差を設け、
前記第3仮想レグと前記第4仮想レグとの間には第2レグ間位相差を設け、
前記第1レグ間位相差と前記第2レグ間位相差の比を、前記DC-DCコンバータの1次側の入出力電圧と2次側の入出力電圧の比に応じた値に定め、
さらに、前記第1レグ間位相差および第2レグ間位相差のうちの小さくない方の値を、前記1次側ブリッジ回路と前記2次側ブリッジ回路のそれぞれにおいて、少なくとも1つのレグでゼロカレントスイッチングが実現できる最大の値である第1制限値と、前記変圧器のコアにおける磁束密度が所定の大きさ以下となる最大の値である第2制限値とのうちの小さい方の値以下に定めて、
各前記1次側スイッチング素子および各前記2次側スイッチング素子のスイッチングを制御する、DC-DCコンバータの制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はDC-DCコンバータ、および、その制御方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
双方向に直流電力の移送が可能なデュアルアクティブブリッジ(DAB)方式のDC-DCコンバータにおいて、所要のレグでのスイッチング損失が抑制できることで、DC-DCコンバータ全体の損失が低減できる技術が本出願人によって提案された。また、スイッチング損失が抑制されるレグを、スイッチング周期毎に入れ替えることで、各レグの損失を平均化させることができる技術が本出願人によって提案された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第7315886号公報
特開2023-166914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような各レグの損失を平均化させることができる技術において、さらなる利点を備えたDC-DCコンバータを実現することが望まれる。この点に鑑みて、本開示の一態様は、各レグの損失を平均化させることができるDC-DCコンバータであって、磁気飽和による過大な電流の発生の可能性を低減できるDC-DCコンバータを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様は、複数の1次側スイッチング素子を含み、第1レグと第2レグとを有した1次側ブリッジ回路と、複数の2次側スイッチング素子を含み、第3レグと第4レグとを有した2次側ブリッジ回路と、変圧器を有し、前記1次側ブリッジ回路と前記2次側ブリッジ回路との間に接続される変換部と、前記1次側スイッチング素子および前記2次側スイッチング素子を制御する制御部と、を備えたDC-DCコンバータであって、前記制御部は、前記第1レグを第1仮想レグ、前記第2レグを第2仮想レグ、前記第3レグを第3仮想レグ、前記第4レグを第4仮想レグと見なす第1動作と、前記第2レグを第1仮想レグ、前記第1レグを第2仮想レグ、前記第4レグを第3仮想レグ、前記第3レグを第4仮想レグと見なす第2動作とを、交互に実行するとともに、前記第1動作および前記第2動作を通じて、前記第1仮想レグ、第2仮想レグ、第3仮想レグおよび第4仮想レグにおいて、各スイッチング素子が半周期毎にスイッチングが行われるようにし、前記第1仮想レグと前記第2仮想レグとの間には第1レグ間位相差を設け、前記第3仮想レグと前記第4仮想レグとの間には第2レグ間位相差を設け、前記第1レグ間位相差と前記第2レグ間位相差の比を、前記DC-DCコンバータの1次側の入出力電圧と2次側の入出力電圧の比に応じた値に定め、さらに、前記第1レグ間位相差および第2レグ間位相差のうちの小さくない方の値を、前記1次側ブリッジ回路と前記2次側ブリッジ回路のそれぞれにおいて、少なくとも1つのレグでゼロカレントスイッチングが実現できる最大の値である第1制限値と、前記変圧器のコアにおける磁束密度が所定の大きさ以下となる最大の値である第2制限値とのうちの小さい方の値以下に定めて、前記1次側スイッチング素子および各前記2次側スイッチング素子のスイッチングを制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様によれば、各レグの損失を平均化させることができ、かつ、磁気飽和による過大な電流の発生の可能性を低減できるDC-DCコンバータが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の実施形態に係るDC-DCコンバータの回路構成を示す図である。
本開示の実施形態に係るDC-DCコンバータで行われるスイッチング制御の、ベースとなる制御方法を説明するための、各部の電圧および電流を示す波形図である。
上記DC-DCコンバータの回路構成に、ベースとなる制御方法が適用された場合の、変圧器磁束密度を示すための波形図である。
上記DC-DCコンバータの回路構成に、ベースとなる制御方法に加えて、各レグの損失を平均化させる手法を取り入れた制御方法が適用された場合の、変圧器磁束密度を示すための波形図である。
本開示の実施形態に係るDC-DCコンバータおよび比較例のDC-DCコンバータの、低出力時の動作を示す波形図である。
本開示の実施形態に係るDC-DCコンバータの、高出力時の動作を示す波形図である。
比較例のDC-DCコンバータの、高出力時の動作を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔実施形態〕
以下、本開示の一側面に係る実施形態が、図面に基づいて説明される。なお以下の説明において、「端子」とは電気回路内部における特定の回路要素の接続点程度の意味合いでも用いられており、必ずしもコネクタのような外部接続用端子が設けられていることのみを意味するものではない。
【0009】
<DC-DCコンバータ1の構成概要>
図1は、実施形態に係るDC-DCコンバータ1の回路図である。DC-DCコンバータ1は、第1端子対と第2端子対との間で、双方向の電力移送を可能とするデュアルアクティブブリッジ(DAB)方式の絶縁型DC-DCコンバータである。
【0010】
第1端子対は、高電位側の端子p1と低電位側の端子q1とから構成されている。第2端子対は、高電位側の端子p2と低電位側の端子q2とから構成されている。なお以下において、第1端子対側を1次側、第2端子対側を2次側と称することがあるが、これは、1次側から2次側に電力が移送されることを必ずしも意味するものではなく、便宜上の呼称である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

日新電機株式会社
遮断装置
1か月前
日新電機株式会社
ベッセル
2か月前
日新電機株式会社
電子除湿器
1か月前
日新電機株式会社
真空バルブ
6日前
日新電機株式会社
受変電設備
13日前
日新電機株式会社
リアクトル鉄心
6日前
日新電機株式会社
プラズマ処理装置
2か月前
日新電機株式会社
ガス絶縁開閉装置
1か月前
日新電機株式会社
電力機器の試験方法
2日前
日新電機株式会社
DC-DCコンバータ
1か月前
日新電機株式会社
刃先保護部材及び被膜除去方法
2か月前
日新電機株式会社
ガス絶縁機器およびその製造方法
1か月前
日新電機株式会社
プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
2か月前
日新電機株式会社
表示装置、表示方法、およびプログラム
1か月前
日新電機株式会社
配電システム、および、クラスタの制御方法
1か月前
日新電機株式会社
DC-DCコンバータ、および、その制御方法
6日前
日新電機株式会社
検出装置、電力供給システム、および検出方法
1か月前
日新電機株式会社
汚泥処理制御システムおよび汚泥処理制御方法
1か月前
日新電機株式会社
通信ユニット、サーバ、通信システムおよび通信方法
2か月前
日新電機株式会社
加工方法、治具及び勾配面加工用3軸マシニングセンタ
1か月前
日新電機株式会社
DC-DCコンバータ、および、AC-DCコンバータ
21日前
日新電機株式会社
コーティング部品及びコーティング部品を備えるコーティング工具
1か月前
日新電機株式会社
皮膜付きアルミニウム材、及び皮膜付きアルミニウム材の製造方法
今日
日新電機株式会社
電源システム、電源システムの制御方法及び電源システムのプログラム
1か月前
日新電機株式会社
車種識別装置、車種識別モデル生成装置および車種識別モデル生成方法
2日前
日新電機株式会社
ダイヤモンド薄膜、コーティングデバイス及びダイヤモンド薄膜の製造方法
1か月前
日新電機株式会社
油入電気機器用の電気絶縁油基油、これを含有する電気絶縁油及び油入電気機器
1か月前
個人
高圧電気機器の開閉器
22日前
個人
電気を重力で発電装置
1か月前
キヤノン電子株式会社
モータ
1か月前
株式会社東光高岳
充電器
2日前
カヤバ株式会社
制御装置
今日
東洋アルミニウム株式会社
発電体
1日前
株式会社アイドゥス企画
減反モータ
22日前
トヨタ自動車株式会社
モータ
1か月前
株式会社デンソー
端子台
15日前
続きを見る