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公開番号2025176803
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2024083138
出願日2024-05-22
発明の名称軟磁性鋼板およびその製造方法
出願人本田技研工業株式会社
代理人弁理士法人大島特許事務所
主分類C22C 38/00 20060101AFI20251128BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】鉄スクラップ由来の不純物が原料に含まれる場合でも性能の低下を抑制可能とする。
【解決手段】鉄スクラップを含む原料から製造される軟磁性鋼板が、母材としてのFeと、1.0~7.0wt%のSiと、鉄スクラップに由来する成分として、0.10~1.0wt%のCu、0.01~0.5wt%のCr、0.01~0.5wt%のNi、及び0.01~0.3wt%のSnと、を含み、スクラップに由来する成分の総和が、0.1~1.2wt%の範囲内にあり、結晶粒径の平均値が、150~550μmの範囲内にある構成とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
鉄スクラップを含む原料から製造される軟磁性鋼板であって、
母材としてのFeと、
1.0~7.0wt%のSiと、
前記鉄スクラップに由来する成分と、
を含み、
前記鉄スクラップに由来する成分には、0.10~1.0wt%のCu、0.01~0.5wt%のCr、0.01~0.5wt%のNi、及び0.01~0.3wt%のSnが含まれ、かつそれらの成分の総和が、0.1~1.2wt%の範囲内にあり、
結晶粒径の平均値が、150~550μmの範囲内にある、軟磁性鋼板。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
Cu-Sn系の析出物の粒径が、60nm以下である、請求項1に記載の軟磁性鋼板。
【請求項3】
前記軟磁性鋼板は、0.03~0.15mmの板厚を有し、その鉄損W10/400が8W/kg以下である、請求項1に記載の軟磁性鋼板。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の軟磁性鋼板の製造方法であって、
前記原料から単ロール液体急冷凝固法によって帯状薄板を形成する帯状薄板形成工程と、
前記帯状薄板を1100~1300℃の不活性雰囲気中で10分~48時間の熱処理を行う熱処理工程と、
を含む、軟磁性鋼板の製造方法。
【請求項5】
前記熱処理の温度が、1150~1250℃である、請求項4に記載の軟磁性鋼板の製造方法。
【請求項6】
前記熱処理の処理時間が、2~24時間である、請求項5に記載の軟磁性鋼板の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、軟磁性鋼板およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、廃棄物の発生防止、削減、再使用、及び再生利用により、廃棄物の大幅な削減に向けた取り組みが活発化している。この実現に向けて、鉄スクラップの再生利用に関する研究開発が行われている。
【0003】
従来、鉄スクラップの再生利用に関し、鉄心など用いられる電磁鋼板を製造する技術が存在する。例えば、C;0.0050質量%以下、Si;1.5~5.0質量%、Mn;0.2~3.0質量%、sol.Al;0.0030質量%以下、P;0.2質量%以下、S;0.0050質量%以下、N;0.0040質量%以下、T.Ca;0.0010~0.0080質量%、T.O;0.0100質量%以下、及び、REM;0.0001~0.0050質量%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有する、無方向性電磁鋼板が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6989000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載された従来技術では、電磁鋼板を製造するにあたり、その素材であるスラブ鋳片が、熱間圧延して熱延鋼板とされ、さらに熱間圧延後の鋼板が冷間圧延により冷延鋼板とされる。そのような熱間圧延を実施する製造方法を採用する場合、必要な磁気特性を確保しつつ、製造における問題(例えば、圧延時の鋼板の割れ等の発生)を回避するためには、電磁鋼板に含まれる不可避的不純物を所定の許容値(例えば、Cuを0.01質量%以下)に制限する必要がある。
【0006】
一方、鉄スクラップは、製鉄原料となる鉄鉱石とは異なり、電磁鋼板にとって不純物となる成分が比較的高い濃度で含まれる。それらの不純物(例えば、Cuなど)の一部は、電気炉等を用いた精錬によっても除去することは難しいため、上記特許文献1に記載された電磁鋼板における不可避的不純物の許容値を達成することが難しい場合がある。鉄スクラップに含まれる不可避的不純物のうち、CuとSnは高温・酸化雰囲気において析出脆化を起こすことにより、熱間加工性に悪影響を及ぼし、CuとSnが同時に含まれるとさらに助長されることが知られている。また、NiとCrは鋼材を硬くするため、冷間加工性に悪影響を及ぼす。また、これらの不純物元素により結晶組織に生じる介在物は、冷間加工性に悪影響を及ぼすとともに、磁壁移動のピンニングや磁区生成により磁気特性を著しく劣化させる。
【0007】
更に、そのような不純物を含む電磁鋼板は、不純物を含まない場合とは結晶粒径が異なる(例えば、結晶粒径が小さくなる)ため、それが電磁鋼板の性能(磁気特性など)に悪影響を及ぼすことが懸念される。そこで、本願発明者らは、鋭意検討した結果、不純物を含む電磁鋼板に適切な熱処理を施して結晶粒径を制御することにより、電磁鋼板の性能の低下を抑制できることを見出した。
【0008】
本発明は、上記課題の解決のため、鉄スクラップ由来の不純物が原料に含まれる場合でも磁気特性等に関する性能の低下を抑制できる軟磁性鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。延いては、本発明は、廃棄物としての鉄スクラップの発生の大幅な削減に寄与する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、鉄スクラップを含む原料から製造される軟磁性鋼板であって、母材としてのFeと、1.0~7.0wt%のSiと、前記鉄スクラップに由来する成分と、を含み、前記鉄スクラップに由来する成分には、0.10~1.0wt%のCu、0.01~0.5wt%のCr、0.01~0.5wt%のNi、及び0.01~0.3wt%のSnが含まれ、かつそれらの成分の総和が、0.1~1.2wt%の範囲内にあり、結晶粒径の平均値が、150~550μmの範囲内にある構成とする。
【0010】
この態様によれば、鉄スクラップ由来の不純物が原料に含まれる場合でも磁気特性等に関する性能の低下を抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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