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公開番号2025172025
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-20
出願番号2025077785
出願日2025-05-08
発明の名称電池の充電状態の補正方法、電池均等化方法、端末機器及び車両
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G01R 31/382 20190101AFI20251113BHJP(測定;試験)
要約【課題】本発明の実施例は、電池の充電状態の補正方法、電池均等化方法、機器及び車両を提供する。
【解決手段】当該電池の充電状態(SOC)の補正方法は、電池のSOCを取得するステップと、前記電池の電圧変化が所定値以上である場合、現在のSOC、前記電圧変化に対応する電気量変化と前記電圧変化との比率、及び予め生成された補正基準テーブルに基づいて、前記電池の現在のSOCを補正するステップと、を含み、前記補正基準テーブルは、少なくとも1つの補正領域の範囲と、前記補正領域内の補正点のSOC値とを含み、前記補正領域の範囲は、電池の試験時の電気量変化と電圧変化との比率とSOCとの関係曲線上の補正点の位置に基づいて決定される。これにより、電池のSOCを柔軟かつ正確に補正し、SOCの誤差を低減することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電池の充電状態(SOC)を取得するステップと、
前記電池の電圧変化が所定値以上である場合、現在のSOC、前記電圧変化に対応する電気量変化と前記電圧変化との比率、及び予め生成された補正基準テーブルに基づいて、前記電池の現在のSOCを補正するステップと、を含み、
前記補正基準テーブルは、少なくとも1つの補正領域の範囲と、前記補正領域内の補正点のSOC値とを含み、前記補正領域の範囲は、電池の試験時の電気量変化と電圧変化との比率とSOCとの関係曲線上の補正点の位置に基づいて決定される、ことを特徴とする電池の充電状態の補正方法。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
現在のSOC、前記電圧変化に対応する電気量変化と前記電圧変化との比率、及び予め生成された補正基準テーブルに基づいて、前記電池の現在のSOCを補正するステップは、
前記比率及び前記現在のSOCが前記補正基準テーブルの1つの補正領域内にある場合、前記補正領域内の補正点のSOC値を前記電池の現在のSOCの補正値として決定し、及び/又は、
前記比率及び前記現在のSOCが前記補正基準テーブルのいずれの補正領域内にもない場合、前記電池の現在のSOCを補正しないステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電池の充電状態の補正方法。
【請求項3】
現在のSOC、前記電圧変化に対応する電気量変化と前記電圧変化との比率、及び予め生成された補正基準テーブルに基づいて、前記電池の現在のSOCを補正するステップは、
前記比率及び前記現在のSOCが前記補正基準テーブルの1つの補正領域内にあり、かつ前記現在のSOCが所定の範囲内にある場合、前記補正領域内の補正点のSOC値を前記電池の現在のSOCの補正値として決定し、及び/又は、
前記比率及び前記現在のSOCが前記補正基準テーブルのいずれの補正領域内にもない場合、若しくは前記現在のSOCが前記所定の範囲内にない場合、前記電池の現在のSOCを補正しないステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電池の充電状態の補正方法。
【請求項4】
前記補正基準テーブルを生成するステップをさらに含み、
前記補正基準テーブルを生成するステップは、
電気量変化と電圧変化との比率とSOCとの関係曲線を生成するステップと、
少なくとも前記関係曲線上のピーク及び/又はディップに基づいて補正点を決定するステップと、
前記補正点の位置に基づいて補正領域を決定するステップと、
前記補正領域の範囲及び前記補正領域内の補正点のSOC値に基づいて補正基準テーブルを生成するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電池の充電状態の補正方法。
【請求項5】
電気量変化と電圧変化との比率とSOCとの関係曲線を生成するステップは、
電池を試験するときに、異なる充電条件下で、電池の電圧変化が前記所定値以上である場合に対応する電気量変化、電圧変化及び電圧変化後のSOCを収集し、電気量変化と電圧変化との比率とSOCとの関係曲線を生成するステップを含み、
前記充電条件は、温度、電池の健康状態及び電池の容量の一貫性のうちの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項4に記載の電池の充電状態の補正方法。
【請求項6】
前記補正点は、1つの補正範囲で表され、前記補正範囲は、1つの電気量変化と電圧変化との比率の範囲と1つのSOC範囲で表される、ことを特徴とする請求項4に記載の電池の充電状態の補正方法。
【請求項7】
前記補正範囲は、前記電池の各電池セルの容量又は電圧偏差、温度差異、劣化差異に基づいて、前記補正点を拡張して得られたものである、ことを特徴とする請求項6に記載の電池の充電状態の補正方法。
【請求項8】
前記比率及び前記現在のSOCが少なくとも2つの前記補正範囲の重なり範囲内にある場合、前記電池の現在のSOCを補正しないステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項6に記載の電池の充電状態の補正方法。
【請求項9】
SOCを表す軸に、前記補正点に隣接する第1隣接補正点が存在し、電気量変化と電圧変化との比率を表す軸に、前記補正点に隣接する第2隣接補正点が存在し、
前記補正点の位置に基づいて補正領域を決定するステップは、
前記補正点及び前記第1隣接補正点に基づいて、前記補正領域に対応するSOC範囲を決定するステップと、
前記補正点及び前記第2隣接補正点に基づいて、前記補正領域に対応する電気量変化と電圧変化との比率の範囲を決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の電池の充電状態の補正方法。
【請求項10】
前記補正点及び前記第1隣接補正点に基づいて、前記補正領域に対応するSOC範囲を決定するステップは、
前記補正点の第1SOC、前記第1隣接補正点の第2SOC、及び前記第1SOCと前記第2SOCとの平均値に基づいて、前記補正領域に対応する第1境界SOCを決定するステップと、
前記第1SOC及び前記第1境界SOCに基づいて、前記補正領域に対応するSOC範囲を決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項9に記載の電池の充電状態の補正方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の電池の分野に関し、特に電池の充電状態の補正方法、電池均等化方法、機器及び車両に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
動力電池は、新エネルギー自動車の重要な部材であり、動力電池の耐用年数は、ユーザの使用コスト及び車両全体の性能に直接的に影響を与える。動力電池において、リチウムイオン電池は、最も広く適用されているタイプの1つであり、リン酸鉄リチウム電池、マンガン酸リチウム電池、コバルト酸リチウム電池、三元系リチウム電池などを含む。リン酸鉄リチウム電池(LFP)は、安全性が高く、サイクル寿命が長く、コストが低いため、新エネルギー車両に広く適用されている。
【0003】
SOC(state of charge)は、電池の充電状態を表し、動力電池システムの1つの重要な指標であり、車両の制御ポリシー、航続距離の推定などに広く適用されている。
【0004】
現在、電池のSOCを計算する1つの方法は、電流積算法であり、リン酸鉄リチウム電池を例とし、リン酸鉄リチウム電池の充電状態(SOC)-開回路電圧(OCV、open circuit voltage)の関係曲線を利用して電池のSOCを推定することであり、別の方法は、カルマンフィルタの方式でSOCを動的に計算し、即ち、動力電池の1次又は2次方程式を立式し、実験により方程式の係数を校正した後、SOCをリアルタイムに計算することである。
【0005】
なお、上記技術背景の説明は、本発明の技術手段を明確かつ完全に説明し、当業者の理解を容易にするために記載されたものに過ぎない。これらの技術手段が本発明の背景技術部分において説明されているだけで、上記技術手段が当業者にとって公知であるものと考えられてはいけない。
【0006】
発明者は、従来の電流積算法又はカルマンフィルタを使用して計算されたSOCには、大きな誤差が存在することを発見した。例えば、電流積算法をリン酸鉄リチウム電池に適用することを例として、リン酸鉄リチウム電池が、SOCが特定の範囲にあるまで充電された場合、SOC-OCV関係曲線は、SOCを表す軸に平行な直線を示すが、対応するOCVが変化しないため、少なくともSOCがこの特定の範囲にある場合、具体的なSOCを決定しにくく、SOCの誤差が大きくなる。また、電流積算法の継続使用に伴い、計算されたSOCの誤差が徐々に増大する。
【0007】
従来技術において、電流積算法又はカルマンフィルタの方式を使用して計算されたSOCを補正する方法、例えば、一定のSOC補正偏差(例えば3%)を使用してSOCを補正する方法が現れる。しかしながら、このような補正方法では、単一かつ一定のSOC補正偏差を使用して補正を行うため、補正後のSOCの誤差を小さい範囲内に制御することができず、ひいてはSOCの誤差を増大させるおそれがある。
【0008】
また、SOCの誤差が大きければ、車両の制御ポリシーの決定、航続距離の推定などに大きな影響を与え、さらに、ユーザの判断に影響を与え、ユーザ体験を低減する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来技術における1つ以上の問題を解決するために、本発明は、電池のSOCを柔軟かつ正確に補正し、SOCの誤差を低減することができる電池の充電状態(SOC)の補正方法、電池均等化方法、機器及び車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施例の第1態様によれば、電池の充電状態(SOC)の補正方法が提供され、方法は、
電池のSOCを取得するステップと、
電池の電圧変化が所定値以上である場合、現在のSOC、電圧変化に対応する電気量変化と電圧変化との比率、及び予め生成された補正基準テーブルに基づいて、電池の現在のSOCを補正するステップと、を含み、
補正基準テーブルは、少なくとも1つの補正領域の範囲と、補正領域内の補正点のSOC値とを含み、補正領域の範囲は、電池の試験時の電気量変化と電圧変化との比率とSOCとの関係曲線上の補正点の位置に基づいて決定される。
(【0011】以降は省略されています)

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