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公開番号2025175632
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-03
出願番号2024081837
出願日2024-05-20
発明の名称防振構造
出願人清水建設株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16F 15/02 20060101AFI20251126BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】制御すべき加振振動数を推定して慣性質量値を精度よく設定できる防振構造を提供する。
【解決手段】構造体2と、構造体2の上方に設置された浮き床3と、構造体2と浮き床3との間に設けられる支持ばね4と、構造体2と浮き床3との間に設けられる慣性質量装置5と、慣性質量装置5の慣性質量値を調整する慣性質量調整部7と、を有し、慣性質量調整部7は、浮き床3の加速度を計測する加速度計測部71と、加速度計測部71が計測した加速度を基に、浮き床3の加振振動数を推定する加振振動数推定部72と、加振振動数推定部72が推定した加振振動数を制御するために必要となる前記慣性質量装置5の慣性質量値を算出する慣性質量値算出部73と、慣性質量値算出部73が算出した慣性質量値を浮き床3に付加するように慣性質量装置5を制御する慣性質量制御部74と、を有する。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
構造体と、
前記構造体の上方に設置された浮き床と、
前記構造体と前記浮き床との間に設けられる支持ばねと、
前記構造体と前記浮き床との間に設けられる慣性質量装置と、
前記慣性質量装置の慣性質量値を調整する慣性質量調整部と、を有し、
前記慣性質量調整部は、
前記浮き床の加速度を計測する加速度計測部と、
前記加速度計測部が計測した加速度を基に、前記浮き床の加振振動数を推定する加振振動数推定部と、
前記加振振動数推定部が推定した加振振動数を制御するために必要となる前記慣性質量装置の慣性質量値を算出する慣性質量値算出部と、
前記慣性質量値算出部が算出した慣性質量値を前記浮き床に付加するように前記慣性質量装置を制御する慣性質量制御部と、を有する防振構造。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
前記加振振動数推定部は、
前記加速度計測部が計測した一定区間の加速度のデータを基にフーリエスペクトルを算出し、
算出したフーリエスペクトルの最大振幅に閾値を設定し、フーリエスペクトルの最大振幅が閾値以上かどうかを判定し、
フーリエスペクトルの最大振幅が閾値以上である場合に、卓越振動数を算出して加振振動数を推定する請求項1に記載の防振構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、防振構造に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
ライブハウスやコンサートホールで観客が音楽に合わせて動くタテノリに起因する振動によって周囲の建物が揺れるなど、床上で生じる加振力によって振動が周囲に伝わり、振動問題を起こすケースがある。このような振動問題に対応する技術として、当該部分の床を構造躯体と絶縁した浮き床にする防振構造がある。このような防振構造は、構造躯体を部分的に凹ませ、この凹部にばねを介して支持された浮き床を設けている。浮き床は、構造躯体に対してばねを介して鉛直方向に支持されている。タテノリ振動で振動障害が問題となる振動数が概ね2~3.5Hzとされていることから、一般的には浮き床は、鉛直固有振動数を1Hz程度とし、通常使用時の鉛直変位が1~2cm程度以下となるように設定されている。しかし、固有振動数1Hzの一般的な浮き床では、タテノリ加振振動数が2Hzであると基礎に伝達される加振力が1/3以上となるため、大幅な防振効果は期待できない。一方、浮き床と構造躯体との間にばね部材と並列に慣性質量装置を付加することによって、タテノリ振動での振動障害が問題となる振動数2~3.5Hzで基礎に伝達される加振力を概ね1/10以下にでき、大幅な防振効果が得られる防振構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような防振構造は、慣性質量値の設定により制御対象振動数(遮断振動数)を調整し、目的とする振動数域で高い振動低減効果を得ることができる。しかしながら、慣性質量値は、予め設定されるため、設置後に慣性質量値を変更して制御対象振動数を変えることは困難である。このため、例えば、コンサートなどにおいてタテノリ動作のように卓越する振動数が曲調によって変化し、制御対象振動数が変動する場合、その振動数によっては、十分な振動低減性能が得られない場合がある。これに対し、慣性質量値を調整可能で、制御対象振動数を変更、調整できる浮き床が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-082541号公報
特開2019-152288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、コンサートなどにおいて事前に曲調やその変化のタイミングを把握することは困難である。このため、制御すべき加振振動数を推定して慣性質量値を精度よく設定できることが望まれている。
【0006】
そこで、本発明は、制御すべき加振振動数を推定して慣性質量値を精度よく設定できる防振構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る防振構造は、構造体と、前記構造体の上方に設置された浮き床と、前記構造体と前記浮き床との間に設けられる支持ばねと、前記構造体と前記浮き床との間に設けられる慣性質量装置と、前記慣性質量装置の慣性質量値を調整する慣性質量調整部と、を有し、前記慣性質量調整部は、前記浮き床の加速度を計測する加速度計測部と、前記加速度計測部が計測した加速度を基に、前記浮き床の加振振動数を推定する加振振動数推定部と、前記加振振動数推定部が推定した加振振動数を制御するために必要となる前記慣性質量装置の慣性質量値を算出する慣性質量値算出部と、前記慣性質量値算出部が算出した慣性質量値を前記浮き床に付加するように前記慣性質量装置を制御する慣性質量制御部と、を有する。
【0008】
本発明では、制御すべき加振振動数を推定できるため、慣性質量値を精度よく設定できる。これにより、加振振動数が変動する場合に対しても効果的に振動低減性能を発揮できる。
【0009】
本発明に係る防振構造では、前記加振振動数推定部は、前記加速度計測部が計測した一定区間の加速度のデータを基にフーリエスペクトルを算出し、算出したフーリエスペクトルの最大振幅に閾値を設定し、フーリエスペクトルの最大振幅が閾値以上かどうかを判定し、フーリエスペクトルの最大振幅が閾値以上である場合に、卓越振動数を算出して加振振動数を推定するようにしてもよい。
【0010】
計測した浮き床の加速度を基に算出したフーリエスペクトルの最大振幅値に対して閾値を設け、卓越振動数を推定することによって、例えば、コンサートやライブなどにおいて、フーリエスペクトルの最大振幅値が閾値を以上の場合は、曲中(演奏中)と判定し、閾値未満の場合は、曲が演奏されていない状態と判定でき、慣性質量装置の調整対象とする振動数範囲の中で精度よく制御対象振動数を推定できる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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