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公開番号2025161065
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-24
出願番号2024063956
出願日2024-04-11
発明の名称超硬合金およびこれを用いた切削工具
出願人株式会社不二越
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所,個人
主分類C22C 29/08 20060101AFI20251017BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】高硬度材の切削加工において、耐久性に優れた切削工具に適した超硬合金およびそれを用いた切削工具を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の超硬合金は、WCを含有する硬質相と、Coを質量%で7%以上13%以下の範囲で含有する結合相と、を有する超硬合金において、WCの平均粒径を0.37μm以上0.48μm以下の範囲として、かつWC粒径の変動係数を0.39以上0.45以下の範囲とする。また、超硬合金の硬さをロックウェルAスケールで92.5HRA以上95HRA以下の範囲とする。さらに、超硬合金の硬さの値を超硬合金の抗折力の値で除した値を19以上29以下の範囲とする。
【選択図】図1



特許請求の範囲【請求項1】
WCを含有する硬質相と、Coを質量%で7%以上13%以下の範囲で含有する結合相と、を有する超硬合金であって、前記WCの平均粒径は0.37μm以上0.48μm以下の範囲であり、かつ前記WC粒径の変動係数は0.39以上0.45以下の範囲であることを特徴とする超硬合金。
続きを表示(約 280 文字)【請求項2】
前記超硬合金の硬さは、ロックウェルAスケールで92.5HRA以上95HRA以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の超硬合金。
【請求項3】
前記硬さの値を前記超硬合金の抗折力の値で除した値は、19以上29以下の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の超硬合金。
【請求項4】
前記結合相に含有するCoは、質量%で7%以上9%以下の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の超硬合金。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の超硬合金からなることを特徴とする切削工具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、切削工具などの材料に使用される超硬合金および切削工具に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、難削材の切削加工に適した切削工具への需要が高まっている。難削材には種類があり、うち焼入鋼やダイス鋼などといった高硬度鋼の切削加工については、切削工具自体の耐摩耗性(硬さ)が求められるほか、さらに小径の切削工具に関しては、耐折損性(強度(抗折力))も併せて求められる。
【0003】
例えば、特許文献1では高強度で抗折力のばらつきの小さいWC基の超硬合金として、WC平均粒径が1.2μm以下、Co量が重量%で5~15%、Cr、V、Ta、Nbの1種以上を質量%で0.4~1.5%含有し、かつCoが細部まで均一に分散していることを特徴とする合金を用いた切削工具が開示されている。
【0004】
また、特許文献1内では、抗折力の測定(抗折試験)時の破壊起点としてWC粒子の凝集体を挙げており、WCの凝集は超硬合金内のCo濃度の不均一さが原因と推定し、Co濃度のばらつきを小さくすることで、WCの凝集を防止し、抗折力のばらつきが低減できると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009ー120903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1においては超硬合金の耐摩耗性(硬さ)自体への具体的(定量的)な言及はなされておらず、本発明者は高硬度材の切削加工に適した超硬合金として、耐摩耗性(硬さ)と耐折損性(抗折力)がどのような範囲であることが望ましいのか、定める必要があると考えた。
【0007】
また、耐摩耗性(硬さ)と耐折損性(抗折力)を兼ね備えるために必要な超硬合金の要素として、硬質相を形成するWCの平均粒径および粒径ばらつきに着目し、高硬度材の切削加工に耐え得る耐摩耗性(硬さ)を実現するようなWC平均粒径を有すること、かつ耐折損性(抗折力)を実現するべくWC粒径ばらつきを低減することを課題に据えた。そこで、本発明は高硬度鋼の切削加工において、耐久性に優れた切削工具に適した超硬合金およびそれを用いた切削工具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決するために、超硬合金の発明については、平均粒径が0.37μm以上0.48μm以下の範囲であるWCを含有する硬質相とCoを質量%で7~13%含有する結合相を有して、WC粒径の変動係数を0.39以上0.45以下の範囲とする超硬合金とした。
【0009】
また、硬さをロックウェルAスケールで92.5HRA以上95HRA以下の範囲とする。このとき、耐摩耗性(硬さ)と耐折損性(抗折力)のバランスを表す指標として、下記の式1の通り、当該硬さの値を超硬合金の抗折力の値で除した値である「Z」を定義し、この「Z」値を19以上29以下の範囲とする。なお、結合相に含有するCoを質量%で7~9%の範囲とすることが好ましい。切削工具の発明については、前述した超硬合金を母材とした切削工具とする。
Z=(硬さ(HRA))/(抗折力(GPa))・・・(式1)
【発明の効果】
【0010】
本発明の超硬合金は、WCを含有する硬質相と、Coを質量%で7%以上13%以下の範囲で含有する結合相と、を有する超硬合金において、WCの平均粒径を0.37μm以上0.48μm以下の範囲とすることで、本発明の超硬合金を原料とした切削工具は高硬度材の切削加工に耐え得る耐摩耗性(硬さ)を実現した。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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