発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本開示は、ゴム材料の応力-ひずみ特性予測方法、装置、プログラム、記録媒体及び設計方法に関する。 続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】 【0002】 コンピュータシミュレーションにより、Mooney-Rivlinモデル、Ogdenモデル、Arruda-Boyceモデル(「8鎖モデル」ともいう。)等のひずみエネルギー密度関数を構成式として、ゴム材料の応力-ひずみ特性(本明細書において、「S-S特性」ともいう。)を予測することが行われている(例えば非特許文献1、2、特許文献1参照)。 【0003】 非特許文献1には、各種構成式を用いた数値解析によりゴムの力学特性を表現する手法について、各種構成式のパラメータを導出するための各種物性試験法と予測精度との関連について記載されている。 【0004】 非特許文献2では、ゴム材料の構成式として、分子鎖網目理論の一種である8鎖モデルが提案されている。 【0005】 特許文献1には、ゴムと、シリカと、これらを結合する界面結合剤とが配合されたゴム材料の変形を精度良く解析するのに役立つゴム材料のシミュレーション方法が開示されている。当該文献の実施例では、構成式として8鎖モデルが使用されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0006】 特開2011-242336号公報 【非特許文献】 【0007】 飯塚 博、山下 義裕、ゴム材料の力学特性同定とFEM解析への利用、日本ゴム協会誌、第77巻、第9号、2004年、p306-311 E. M. Arruda and M. C. Boyce, A THREE-DIMENSIONAL CONSTITUTIVE MODEL FOR THE LARGE STRECH BEHAVIOR OF RUBBER ELASTIC MATERIALS, Journal of the Mechanics and Physics of Solids Volume 41, Issue 2, Pages 389-412 (1993) 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 上記のような数値解析を利用したゴム材料の設計開発では、例えば図18に示すように、原料となるゴム組成物の配合を検討後、サンプルを作製し、3種の物性試験(単軸伸張試験、単軸拘束単軸伸張試験、均等2軸伸張試験)を行う(工程S91~S93)。そして、得られた実験データから上記構成式のパラメータを導出し、解析対象のゴム材料の物理特性を予測する(工程S94、S95)。得られた予測結果が所望の要件を満たす場合には解析対象のゴム材料の配合により量産検討等に進む(工程S96、S97)。しかしながら、得られた予測結果が所望の要件を満たさない場合、従来の方法では、もう一度ゴム組成物の配合検討に戻ってパラメータ導出までの工程S91~S94を繰り返す必要がある。特に物性試験は、非特許文献1にも記載のように、十分な予測精度を担保するためには3種行うことが理想的であり、時間面及びコスト面等において設計開発フローのボトルネックとなっている。 【0009】 しかしながら、Mooney-RivlinモデルやOgdenモデルでは、各パラメータは近似式の係数に過ぎず物理的意味を有していない。このため、パラメータ導出工程で得られた算出値の情報をゴム組成物の配合検討へフィードバックすることができない。そうすると、これらのモデルを構成式とする場合、ゴム組成物の配合を変更すれば、パラメータ算出のためにもう一度物性試験を行う以外に実質的に選択肢がなく、パラメータ導出工程を簡略化することは困難である。 【0010】 この点、8鎖モデルは、高分子のネットワーク理論から導出されたモデルであり、パラメータは物理的意味を有している。非特許文献1には、8鎖モデルは、単軸伸張試験の結果のみを用いて高ひずみ域の挙動まで精度よく表示できると記載されている。しかしながら、当該文献や特許文献1には、パラメータ導出工程を簡略化する具体的な手法については記載されていない。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する