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公開番号
2025149935
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-08
出願番号
2025047453
出願日
2025-03-21
発明の名称
光散乱体の非破壊測定装置
出願人
長崎県
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
21/3577 20140101AFI20251001BHJP(測定;試験)
要約
【課題】被検体の動きにより光受光部の受光口と被検体との位置関係が時間的に変化しても、良好な測定精度を得ることができる光散乱体の非破壊測定装置を提供する。
【解決手段】光散乱体の非破壊測定装置1は、複数の波長光を発生する光源ユニット8と、光出射口を有し、複数の波長光を照射する光ファイバケーブル4と、光出射口の中心と同一直線上に位置し、それぞれ前記光出射口との距離が異なる受光口を有し、照射された光の反射光を同時に受光する2つの光ファイバケーブル5、6と、受光部の各々で受光した光の光強度を同時に検出する2つの光検出部50と、2つの光強度のそれぞれから、波長ごとの光強度を抽出する信号処理部40と、同じ波長における反射光の光強度の比である反射率を波長ごとに算出し、反射率に基づいて被検体内部の性状特性値を算定する演算処理部とを備える。複数の波長光は、3以上の波長の光を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の波長光を発生する光源ユニットと、
前記複数の波長光を出射する光出射口を有し、前記光出射口から前記複数の波長光を光散乱体からなる被検体上の1箇所の照射領域に向けて照射する光照射部と、
前記光出射口の中心と同一直線上に位置し、それぞれ前記光出射口との距離が異なる受光口を有し、前記光出射口から照射された前記複数の波長光が前記被検体の内部を透過した後の反射光を同時に受光する2つの受光部と、
前記受光部の各々で受光した光の光強度を同時に検出する2つの光検出部と、
前記2つの光検出部で検出した2つの光強度のそれぞれから、前記複数の波長ごとの光強度を抽出する信号処理部と、
同じ波長における2つの前記受光部の前記光強度の比である反射率を前記複数の波長ごとに算出し、前記反射率に基づいて前記被検体内部の性状特性値を算定する演算処理部と、
を備え、
前記複数の波長光は、複数の波長λ
i
(i=1,2,…,n;n≧3)の光を含み、
前記距離がρ
1
およびρ
2
(ただし、ρ
1
<ρ
2
)である前記2つの受光部で同一の時刻tに受光した前記反射光の光強度をそれぞれJ
1
(t)、J
2
(t)とし、前記信号処理部が、前記J
1
(t)およびJ
2
(t)から抽出した前記波長λ
i
ごとの光強度をそれぞれJ
1i
(t)およびJ
2i
(t)とするとき、
前記演算処理部が、
下記式(1)で表される、前記時刻tにおける前記波長λ
i
ごとの反射率R
i
(t)を算出し、
下記式(2)で表される、前記時刻tにおける複数個の相対吸光度比γ
j
(t)(j=1、…、m;m=n-2)を算出し、
前記時刻tにおける前記性状特性値c(t)を前記相対吸光度比γ
j
(t)を説明変数とする下記式(3)で表される検量式によって算出し、
前記時刻tにおける前記性状特性値c(t)の時間平均<c(t)>を算出することによって、または前記相対吸光度比γ
j
(t)の時間平均<γ
j
(t)>を説明変数とする下記式(4)で表される検量式によって前記性状特性値Cを算出する、
光散乱体の非破壊測定装置。
R
i
(t)=J
2i
(t)/J
1i
(t)…(1)
γ
j
(t)=ln(R
j+2
(t)/R
1
(t))/ln(R
2
(t)/R
1
(t))…(2)
c(t)=β
0
+β
1
×γ
1
(t)+β
2
×γ
2
(t)+…+β
M
×γ
M
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
複数の波長光を発生する光源ユニットと、
前記複数の波長光を出射する光出射口を有し、前記光出射口から前記複数の波長光を光散乱体からなる被検体上の1箇所の照射領域に向けて照射する光照射部と、
前記光出射口の中心と同一直線上に位置し、それぞれ前記光出射口との距離が異なる受光口を有し、前記光出射口から照射された前記複数の波長光が前記被検体の内部を透過した後の反射光を同時に受光する2つの受光部と、
前記受光部の各々で受光した光の光強度を同時に検出する2つの光検出部と、
前記2つの光検出部で検出した2つの光強度のそれぞれから、前記複数の波長ごとの光強度を抽出する信号処理部と、
同じ波長における2つの前記受光部の前記光強度の比である反射率を前記複数の波長ごとに算出し、前記反射率に基づいて前記被検体内部の性状特性値を算定する演算処理部と、
を備え、
前記複数の波長光は、複数の波長λ
i
(i=1,2,…,n;n≧2)の光を含み、
前記距離がρ
1
およびρ
2
(ただし、ρ
1
<ρ
2
)である前記2つの受光部で同一の時刻tに受光した前記反射光の光強度をそれぞれJ
1
(t)、J
2
(t)とし、前記信号処理部が、前記J
1
(t)およびJ
2
(t)から抽出した前記波長λ
i
ごとの光強度をそれぞれJ
1i
(t)およびJ
2i
(t)とするとき、
前記演算処理部が、
下記式(1)で表される、前記時刻tにおける前記波長λ
i
ごとの反射率R
i
(t)を算出し、
下記式(2′)で表される、前記時刻tにおける複数個の相対吸光度Λ
j
(t)(j=1、…、m;m=n-1)を算出し、
前記時刻tにおける前記性状特性値c(t)を前記相対吸光度Λ
j
(t)を説明変数とする下記式(3′)で表される検量式によって算出し、
前記時刻tにおける前記性状特性値c(t)の時間平均<c(t)>を算出することによって、または前記相対吸光度Λ
j
(t)の時間平均<Λ
j
(t)>を説明変数とする下記式(4′)で表される検量式によって前記性状特性値Cを算出する、
光散乱体の非破壊測定装置。
R
i
(t)=J
2i
(t)/J
1i
(t)…(1)
Λ
j
(t)=ln(R
j+1
(t)/R
1
(t))…(2′)
c(t)=β′
0
+β′
1
×Λ
1
(t)+β′
2
×Λ
2
(t)+…+β′
m
×Λ
m
(t)…(3′)
C=β′
0
【請求項3】
前記光照射部は、前記複数の波長光として、3つ以上の波長λ
i
(i=1,2,…,n;n≧3)の単色光を、波長毎に異なる繰り返し周波数f
i
の周期的なパルス光として全て同時に前記被検体に照射し、
前記信号処理部は、複数のロックインアンプを有し、
前記2つの光検出部が、2つの前記受光部で時刻tに受光した前記反射光の光強度をそれぞれJ
1
(t)、J
2
(t)として検出したときに、
前記ロックインアンプが、前記周波数f
i
を参照信号として、前記2つの光検出部で検出した前記反射光の光強度J
1
(t)、J
2
(t)から波長λ
i
ごとの2つの受光量をそれぞれJ
1i
(t)およびJ
2i
(t)として抽出する、
請求項1または2に記載の光散乱体の非破壊測定装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光散乱体を被検体とし、その性状特性値を測定する光散乱体の非破壊測定装置に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、青果物の糖度測定や、人の血液成分測定など、光散乱体からなる被検体の内部の性状に関する特性値を光学的に測定する種々の光散乱体の非破壊測定装置が知られている。
例えば、特許文献1に記載の装置は、被検体に複数の波長光を順次点灯させて光出射口から被検体に照射し、光照射口を中心とする半径の異なる2つの同心円上のそれぞれ2箇所以上の位置での総反射光量を複数の波長で順次検出し、同心円の半径差だけ離れた位置で波長毎の総反射光量比を反射率とし波長毎に順次算出する。
さらに、複数の相対吸光度比の一次多項式で表される検量線を用いることで、被検体による散乱、測定対象成分以外(夾雑物)による吸収の影響をそれぞれ低減することができるため、測定対象の成分を良好な精度で測定することができる。
【0003】
また、非特許文献1では、生体の総ヘモグロビン濃度等の生体組成の高精度な測定について報告している。非特許文献1では、特許文献1と同様の手順で波長毎の総反射光量比を反射率として算出し、さらに、複数の相対吸光度比の一次多項式を用いることにより、総ヘモグロビン濃度と組織酸素飽和度を被検体による散乱、水分、蛋白、脂肪などの夾雑物による吸収、さらには被検体の温度の影響をそれぞれ低減して高い精度で測定できることを報告している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-271575号公報
【非特許文献】
【0005】
レーザー学会第404回研究会報告、レーザー応用、No. RTM-10-27、pp. 1-5、2010.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような従来の光散乱体の非破壊測定装置には、以下のような問題がある。
具体的には、被検体の散乱係数や夾雑物の組成等が時間的に変化する場合や、被検体の動きにより光受光部の受光口と被検体との位置関係等が時間的に変化する場合には測定精度が悪化してしまうという問題がある。特に、血糖値等の微量な血液成分を測定する場合に、測定中の被験者の僅かな動きや拍動等の影響を受けて、反射率が時間的に変動するため大きな測定誤差を生じる。
さらに、詳細は後述するが、発明者の検討により、上記測定誤差は、単純なフィルタリング等の処理では容易に除去できないことが明らかになった。発明者は、この知見を踏まえて検討を重ね、本発明を完成させた。
【0007】
本発明は、被検体の散乱係数や夾雑物の組成等が時間的に変化したり、被検体の動きにより光受光部の受光口と被検体との位置関係が時間的に変化したりしても、良好な測定精度を得ることができる光散乱体の非破壊測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の波長光を発生する光源ユニットと、複数の波長光を出射する光出射口を有し、光出射口から複数の波長光を光散乱体からなる被検体上の1箇所の照射領域に向けて照射する光照射部と、光出射口の中心と同一直線上に位置し、それぞれ光出射口との距離が異なる受光口を有し、光出射口から照射された複数の波長光が被検体の内部を透過した後の反射光を同時に受光する2つの受光部と、受光部の各々で受光した光の光強度を同時に検出する2つの光検出部と、2つの光検出部で検出した2つの光強度のそれぞれから、複数の波長ごとの光強度を抽出する信号処理部と、同じ波長における2つの受光部の光強度の比である反射率を複数の波長ごとに算出し、反射率に基づいて被検体内部の性状特性値を算定する演算処理部とを備える光散乱体の非破壊測定装置である。
複数の波長光は、複数の波長λ
i
(i=1,2,…,n;n≧3)の光を含む。
距離がρ
1
およびρ
2
(ただし、ρ
1
<ρ
2
)である2つの受光部で同一の時刻tに受光した反射光の光強度をそれぞれJ
1
(t)、J
2
(t)とし、信号処理部が、J
1
(t)およびJ
2
(t)から抽出した波長λ
i
ごとの光強度をそれぞれJ
1i
(t)およびJ
2i
(t)とするとき、
演算処理部は、下記式(1)で表される、時刻tにおける波長λ
i
ごとの反射率R
i
(t)を算出し、下記式(2)で表される、時刻tにおける複数個の相対吸光度比γ
j
(t)(j=1、…、m;m=n-2)を算出し、時刻tにおける性状特性値c(t)を相対吸光度比γ
j
(t)を説明変数とする下記式(3)で表される検量式によって算出する。さらに、時刻tにおける性状特性値c(t)の時間平均<c(t)>を算出することによって、または相対吸光度比γ
j
(t)の時間平均<γ
j
(t)>を説明変数とする下記式(4)で表される検量式によって性状特性値Cを算出する。
R
i
(t)=J
2i
(t)/J
1i
(t)…(1)
γ
j
(t)=ln(R
j+2
(t)/R
1
(t))/ln(R
2
(t)/R
1
(t))…(2)
c(t)=β
0
+β
1
×γ
1
(t)+β
2
×γ
2
(t)+…+β
m
×γ
m
(t)…(3)
C=β
0
+β
1
×<γ
1
(t)>+β
2
×<γ
2
(t)>+…+β
m
×<γ
m
(t)>…(4)
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被検体の散乱係数や夾雑物の組成等が時間的に変化したり、被検体の動きにより光受光部の受光口と被検体との位置関係が時間的に変化したりしても、良好な測定精度を得ることができる光散乱体の非破壊測定装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態に係る光散乱体の非破壊測定装置の概略構成を示す模式図である。
(a)は、同非破壊測定装置のセンサプローブを示す図であり、(b)は、(a)のB-B線における断面図である。
同非破壊測定装置の制御系の機能構成を示す機能ブロック図である。
(a)は、同非破壊測定装置の被検体とプローブの関係の一例を示す図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。
図4の(b)の一部をさらに拡大して示す図である。
反射率の理論計算に用いた成分の波長ごとの吸収係数と温度依存を示すグラフである。
酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビン、およびアルブミンの波長ごとの吸収係数を示すグラフである。
生体組成の異なる被検体で得られる吸光度の理論計算値を示すグラフである。
(a)は、図8の計算に用いた被検体の屈折率を、(b)は、境界条件を、それぞれ示すグラフである。
(a)は、皮下間質液中のグルコース濃度の推定値を、(b)は、グルコース濃度の推定誤差と電気ノイズに起因した吸光度変動の関係を、それぞれ示すグラフである。
(a)は、指先で測定した吸光度の時間変化を、(b)は、指先そのものの吸光度を、(c)は、被検体と測定プローブの接触状態に起因した吸光度変動を、(d)は、電気ノイズに起因した吸光度変動を、それぞれ示すグラフである。
総ヘモグロビン濃度変化による吸光度の変化量を示すグラフである。
拍動に起因した吸光度の時間変化と、その変化量を総ヘモグロビン濃度およびアルブミン濃度の変化量に換算したものを示すグラフである。
指先におけるアルブミン濃度の時間変化を示すグラフである。
検討に用いた8種類の波長光を指先に照射して得られる吸光度の計算結果を示すグラフである。
本実施形態の非破壊測定装置で得られるグルコース濃度の推定値を示すグラフである。
特許文献1の非破壊測定装置で得られるグルコース濃度の推定値を示すグラフである。
各測定装置で得られるグルコース濃度の推定誤差と移動平均した時間幅との関係を示すグラフである。
(a)は、皮下間質液中のグルコース濃度の推定値を、(b)は、グルコース濃度の推定誤差と電気ノイズに起因した吸光度変動の関係を、それぞれ相対吸光度を用いてグルコース濃度を推定した場合を示すグラフである。
本実施形態の非破壊測定装置で得られる相対吸光度を用いたグルコース濃度の推定値を示すグラフである。
特許文献1の非破壊測定装置で得られる相対吸光度を用いたグルコース濃度の推定値を示すグラフである。
相対吸光度及び相対吸光度比を用いたグルコース濃度の推定誤差と移動平均した時間幅との関係をそれぞれ示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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