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公開番号2025087938
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2022061096
出願日2022-03-31
発明の名称造形体、釉薬層付き造形体、及び造形体の製造方法
出願人AGCセラミックス株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C04B 41/86 20060101AFI20250604BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】寸法精度に優れる造形体上に釉薬層を形成する際の当該釉薬層に生ずる不具合の発生を抑制可能な造形体、釉薬層付き造形体及び造形体の製造方法を提供する。
【解決手段】造形体は、骨材と前記骨材を結合する結合材とを含む造形体本体と、前記造形体本体の少なくとも一部の面上に設けられる表面異質層と、を有する。第一形態では、表面異質層は細孔メディアン径Duが、0.1μm~15.0μm、表面異質層の開気孔率Puと前記表面異質層の平均厚さTuとの積が0.01mm~0.30mm、Duが造形体本体の細孔メディアン径Dmよりも小さい。第二形態では、式(1)で表されるパラメータAmが式(2)で表されるパラメータAuよりも小さい。式(1)(2)の説明は省略する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
骨材と前記骨材を結合する結合材とを含む造形体本体と、
前記造形体本体の少なくとも一部の面上に設けられる表面異質層と、を有し、
前記表面異質層の細孔メディアン径D

が、0.1μm~15.0μmであり、
前記表面異質層の開気孔率P

と前記表面異質層の平均厚さT

[mm]との積が、0.01mm~0.30mmであり、
前記表面異質層の前記細孔メディアン径D

が、前記造形体本体の細孔メディアン径D

よりも小さい造形体。
続きを表示(約 2,800 文字)【請求項2】
前記平均厚さT

が、0.01mm~0.55mmである請求項1に記載の造形体。
【請求項3】
前記D

と前記D

との差:D

-D

が、5.0μm~49.0μmである請求項1又は2に記載の造形体。
【請求項4】
前記造形体本体についての下記式(1)で表されるパラメータA

が、前記表面異質層についての下記式(2)で表されるパラメータA

よりも小さい請求項1~3のいずれか1項に記載の造形体。


=0.5[SiO



-0.2[ZrO



-5[TiO



+5[R

O]

+2[ReO]

-0.2[Al





・・・式(1)


=0.5[SiO



-0.2[ZrO



-5[TiO



+5[R

O]

+2[ReO]

-0.2[Al





・・・式(2)
ここで、[SiO

]、[ZrO

]、[TiO

]及び[Al



]は、それぞれ酸化物基準の質量百分率表示におけるSiO

、ZrO

、TiO

、及びAl



の量を表す数であり、[R

O]は、酸化物基準の質量百分率表示におけるLi

O、Na

O及びK

Oの合計量を表す数であり、[ReO]は、酸化物基準の質量百分率表示におけるMgO、CaO、SrO及びBaOの合計量を表す数であり、各下添字がmのものは前記造形体本体に含まれる量を表す数であり、各下添字がuのものは前記表面異質層に含まれる量を表す数である。
【請求項5】
骨材と前記骨材を結合する結合材とを含む造形体本体と、
前記造形体本体の少なくとも一部の面上に設けられる表面異質層と、を有し、
前記造形体本体についての下記式(1)で表されるパラメータA

が、前記表面異質層についての下記式(2)で表されるパラメータA

よりも小さい造形体。


=0.5[SiO



-0.2[ZrO



-5[TiO



+5[R

O]

+2[RO]

-0.2[Al





・・・式(1)


=0.5[SiO



-0.2[ZrO



-5[TiO



+5[R

O]

+2[ReO]

-0.2[Al





・・・式(2)
ここで、[SiO

]、[ZrO

]、[TiO

]及び[Al



]は、それぞれ酸化物基準の質量百分率表示におけるSiO

、ZrO

、TiO

、及びAl



の量を表す数であり、[R

O]は、酸化物基準の質量百分率表示におけるLi

O、Na

O及びK

Oの合計量を表す数であり、[ReO]は、酸化物基準の質量百分率表示におけるMgO、CaO、SrO及びBaOの合計量を表す数であり、各下添字がmのものは前記造形体本体に含まれる量を表す数であり、各下添字がuのものは前記表面異質層に含まれる量を表す数である。
【請求項6】
前記A

、前記A

及び前記造形体本体の開気孔率P

を用いて下記式(3)で表されるパラメータTが、0.0~50.0である請求項4又は5に記載の造形体。
T=(1-P

)×A

+P

×A

・・・式(3)
【請求項7】
前記表面異質層が、酸化物基準で、SiO

を65~85質量%、Al



を15~35質量%、Li

O、Na

O及びK

Oを合計量で1~20質量%、及びMgO、CaO、SrO及びBaOを合計量で0.1~5質量%で含み、
前記造形体本体が、酸化物基準で、SiO

を1~30質量%、Al



を40~95質量%、及びZrO

を0~30質量%含む請求項1~6のいずれか1項に記載の造形体。
【請求項8】
前記造形体本体の体積V

に対する前記表面異質層の体積V

の体積比:V

/V

が、10
-9
~1である請求項1~7のいずれか1項に記載の造形体。
【請求項9】
前記結合材が無機結合材を含む請求項1~8のいずれか1項に記載の造形体。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の造形体と、
前記造形体における前記表面異質層上の少なくとも一部に設けられる釉薬層と、を有する釉薬層付き造形体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、造形体、釉薬層付き造形体、及び造形体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年3Dプリンターを利用した陶磁器の造形技術が進み広く実用化されている。3Dプリンターによる陶磁器の成形は、石膏型を用いる通常の成形法では困難な複雑形状への対応が可能であり、多品種生産及び少量生産にも適していることから、美術品のような高付加価値製品への適用が期待される。
非特許文献1では、陶土を原料に用い3Dプリンターにより陶磁器製品を直接造形する基盤技術を検討し、筒型の造形を実現している。また、非特許文献2では、より高精度な複雑形状の造形を目的として、陶土の代わりに耐熱性の球状粒子とアルミナセメントの混合物による造形材を用い、粉体積層式の3Dプリンターによって無機造形体の造形を実現している。この造形材を用いた無機造形体(以降「粉体積層造形体」と記載する)は、優れた表面性状を実現できること、通常の陶土とは異なり殆ど熱収縮しないため高い寸法精度を実現できることなどの特徴を有する。非特許文献2では鋳型としての活用事例が紹介されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
依田 慎二,秋月 俊彦,“3Dプリンタを利用した陶磁器生地造形技術の開発”,長崎県窯業技術センター研究報告(平成31年度),pp17-18,2019.
奈良部 光一郎,牛丸 之浩,“無機バインダー硬化の積層造形3Dプリンター用造形材の開発”,平成30年第5回特殊鋳型研究部会予稿,(公社)日本鋳造工学会,2017.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に陶磁器は、陶土で作製した素焼の表面に釉薬を施釉することで質感を向上させ、着色による意匠性が付与される。粉体積層造形体においても同様に、意匠性の観点から施釉することが求められる。しかしながら、粉体積層造形体は一般的な素焼と異なり釉薬の種類によっては一回の施釉では意図した表面が得られず、色ムラが生じたり、ガラス質の平滑な表面が形成されずにざらついた表面になったりすることが判明した。このような問題を解消して一般的な素焼の表面性状に近付けるには、複数回施釉をする、釉薬の濃度を変更する、施釉手法を変更するなどの方法を組み合わせて厚めに施釉することが考えられる。しかし一部の色のみ施釉条件を変更することはコスト面及び量産性で問題となるだけでなく、造形体表面の細やかな意匠性が失われてしまうこともある。また、使用できる釉薬が限定されること、及び粉体積層造形体の持つ利点が失われてしまうことも問題となる。さらに、粉体積層造形体に釉薬層が密着しにくいという点も問題として挙げられる。
【0005】
そこで本発明は、寸法精度に優れる造形体上に釉薬層を形成する際の当該釉薬層に生ずる不具合の発生を抑制可能な造形体、並びに、この造形体を用いる釉薬層付き造形体及びこの造形体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 骨材と前記骨材を結合する結合材とを含む造形体本体と、
前記造形体本体の少なくとも一部の面上に設けられる表面異質層と、を有し、
前記表面異質層の細孔メディアン径D

が、0.1μm~15.0μmであり、
前記表面異質層の開気孔率P

と前記表面異質層の平均厚さT

[mm]との積が、0.01mm~0.30mmであり、
前記表面異質層の前記細孔メディアン径D

が、前記造形体本体の細孔メディアン径D

よりも小さい造形体。
<2> 前記平均厚さT

が、0.01mm~0.55mmである<1>に記載の造形体。
<3> 前記D

と前記D

との差:D

-D

が、5.0μm~49.0μmである<1>又は<2>に記載の造形体。
<4> 前記造形体本体についての下記式(1)で表されるパラメータA

が、前記表面異質層についての下記式(2)で表されるパラメータA

よりも小さい<1>~<3>のいずれか1項に記載の造形体。


=0.5[SiO



-0.2[ZrO



-5[TiO



+5[R

O]

+2[ReO]

-0.2[Al





・・・式(1)


=0.5[SiO



-0.2[ZrO



-5[TiO



+5[R

O]

+2[ReO]

-0.2[Al





・・・式(2)
ここで、[SiO

【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、寸法精度に優れる造形体上に釉薬層を形成する際の当該釉薬層に生ずる不具合の発生を抑制可能な造形体、並びに、この造形体を用いる釉薬層付き造形体及びこの造形体の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
例18の造形体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した反射電子像である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について詳細に説明する。但し、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示を制限するものではない。
【0010】
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、各成分には、該当する物質が複数種含まれていてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において、各成分に該当する粒子には、複数種の粒子が含まれていてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「層」又は「膜」との語には、当該層又は膜が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本開示において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
(【0011】以降は省略されています)

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