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公開番号2025145584
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2024045852
出願日2024-03-22
発明の名称ガス処理方法
出願人国立大学法人 東京大学,ウシオ電機株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類B01D 53/04 20060101AFI20250926BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】CO2及びN2Oを含む処理対象ガス中に含まれるN2Oを、効率的に分解することを可能にする方法を提供する。
【解決手段】この方法は、CO2とN2Oとを含む処理対象ガスを、CO2とN2Oとを吸着可能な吸着材が収容された第一吸着塔に通流させる工程(a)と、第一吸着塔内の吸着材よりも通流方向に関して下流側に位置する第一ガスのN2Oの濃度を計測する工程(b)と、第一ガスをCO2とN2Oとを吸着可能な吸着材が収容された第二吸着塔に送り込む工程(c)とを有する。工程(c)は、工程(b)で計測された第一ガスのN2Oの濃度が上昇傾向を示す時間帯に実行が開始される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
CO
2
とN
2
Oとを含む処理対象ガスを、CO
2
とN
2
Oとを吸着可能な吸着材が収容された第一吸着塔に通流させる工程(a)と、
前記第一吸着塔内の吸着材よりも通流方向に関して下流側に位置する第一ガスのN
2
Oの濃度を計測する工程(b)と、
前記第一ガスを、CO
2
とN
2
Oとを吸着可能な吸着材が収容された第二吸着塔に送り込む工程(c)とを有し、
前記工程(c)は、前記工程(b)で計測された前記第一ガスのN
2
Oの濃度が上昇傾向を示す時間帯に実行が開始されることを特徴とする、ガス処理方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記工程(c)は、前記工程(b)で計測された前記第一ガスのN
2
Oの濃度が下降傾向を示す時間帯に停止されることを特徴とする、請求項1に記載のガス処理方法。
【請求項3】
前記工程(b)は、前記第一ガスのCO
2
の濃度を計測する工程を含み、
前記工程(c)は、前記工程(b)で計測された前記第一ガスのCO
2
の濃度が所定の第一閾値以上に達した時点で停止されることを特徴とする、請求項1に記載のガス処理方法。
【請求項4】
前記第一吸着塔内の吸着材に吸着された吸着物質を脱離する工程(d1)を有し、
前記工程(a)は、前記工程(c)が停止されている時間帯に停止され、
前記工程(d1)は、前記工程(a)及び前記工程(c)が停止されている時間帯に実行されることを特徴とする、請求項2又は3に記載のガス処理方法。
【請求項5】
前記第二吸着塔内の吸着材における物質の吸着状態を示す指標値を計測する工程(e)と、
前記第二吸着塔内の吸着材に吸着された吸着物質を脱離する工程(d2)とを有し、
前記工程(c)は、前記指標値が所定の第二閾値以上に達した後に停止され、
前記工程(d2)は、前記工程(c)が停止された後に実行が開始されることを特徴とする、請求項1に記載のガス処理方法。
【請求項6】
前記指標値は、前記第二吸着塔内の吸着材よりも通流方向に関して下流側に位置する第二ガスのN
2
Oの濃度、前記第二ガスのCO
2
の濃度、及び前記第二吸着塔の重量のいずれか1つの値であることを特徴とする、請求項5に記載のガス処理方法。
【請求項7】
前記工程(d2)の実行開始後に得られた前記第二ガスに含まれるN
2
Oを分解する工程(f)を有することを特徴とする、請求項6に記載のガス処理方法。
【請求項8】
前記工程(f)は、前記工程(d2)の実行開始後に得られた前記第二ガスを、紫外線の照射領域及びプラズマが形成された領域の少なくとも一方で構成された分解空間に送り込む工程を含むことを特徴とする、請求項7に記載のガス処理方法。
【請求項9】
2塔以上の前記第二吸着塔が相互に連絡された状態で配置されており、
通流方向に関して最も下流側に位置する前記第二吸着塔を除く前記第二吸着塔に対する前記工程(d2)の実行開始後に得られた前記第二ガスを、後段の前記第二吸着塔に送り込む工程(g)を有し、
前記工程(f)は、通流方向に関して最も下流側に位置する前記第二吸着塔に対する前記工程(d2)の実行開始後に得られた前記第二ガスに含まれるN
2
Oを分解する工程であることを特徴とする、請求項7に記載のガス処理方法。
【請求項10】
前記工程(f)の実行中に、前記紫外線及び前記プラズマの少なくとも一方を発生する分解装置を動作する工程(h)を有し、
前記指標値が前記第二閾値より小さい所定の第三閾値に達した後に、通流方向に関して最も下流側に位置する前記第二吸着塔に対する前記工程(d2)、前記工程(f)、及び前記工程(h)の実行が停止されることを特徴とする、請求項8に記載のガス処理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はガス処理方法に関し、特に二酸化炭素(CO
2
)と一酸化二窒素(N
2
O)とが混在するガスを処理する方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
産業革命以降、地球の平均気温は上昇しており、地球温暖化対策は喫緊の課題である。地球温暖化の原因となる温室効果ガスとしては、CO
2
、メタン(CH
4
)、N
2
O、フロンガス等が知られている。これらのガスの中では、CO
2
の排出量が一番多く、次いでCH
4
の排出量が多く、その次にN
2
Oの排出量が多い。
【0003】
一方、地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)に着目すると、CH
4
のGWPはCO
2
の25倍であり、N
2
OのGWPはCO
2
の298倍であると報告されている。このような事情から、N
2
Oの排出による地球温暖化の影響は無視できない。
【0004】

2
Oの排出量を削減する方法として、例えば下記特許文献1には、エンジンから排出されるN
2
Oを含む排ガスに、エキシマレーザ装置からの紫外レーザ光を照射して、N
2
Oを分解する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-088964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】

2
Oは、例えば、農場地の土壌や家畜排泄物の管理過程、廃棄物の焼却過程、排水の処理過程で排出される。特に、N
2
Oは微生物由来で発生するため、排出されるガスの組成としては大気成分が大半であり、N
2
Oは数百ppm程度の低濃度である場合が多い。
【0007】

2
Oを分解すべく紫外光を処理対象ガスに照射することを鑑みると、処理対象ガス中に含まれるN
2
Oの濃度が低濃度である場合には、N
2
Oの分解効率が極めて低くなることが予想される。すなわち、特許文献1に記載されるように、エキシマレーザ光を処理対象ガスに照射する場合には、エキシマレーザ光の照射線量を極めて高くする必要がある。これは、処理対象ガスに含まれるN
2
Oを分解するのに必要なエネルギー量、言い換えれば、エキシマレーザ光源に入力される電力量が高まることを意味し、消費電力の上昇に伴うCO
2
排出量の増加を引き起こす懸念がある。
【0008】
つまり、地球温暖化の抑制の観点から処理対象ガス中に含まれるN
2
Oを分解する目的で処理をしているのにも関わらず、同処理を行うことで温室効果ガスであるCO
2
の排出量の増加を誘発することになり兼ねない。したがって、N
2
Oが低濃度で含まれる処理対象ガスに対して、地球温暖化防止の観点からN
2
Oを分解する目的で処理対象ガスに対して紫外光を照射する方法は、有効的とはいえない。
【0009】
処理対象ガス中に低濃度に含まれるN
2
Oを効率的に分解する方法として、処理対象ガスからN
2
Oを吸着させて高濃度化した上でN
2
Oを分解することが考えられる。
【0010】
ここで、上述したN
2
Oの排出源に鑑みると、処理対象ガス中にはN
2
Oよりも高濃度でCO
2
が含まれることが通常である。N
2
Oを濃縮する方法としては、処理対象ガスを吸着材に通過させることで吸着材にN
2
Oを一時的に吸着させた後、ある程度の量のN
2
Oが吸着された状態の吸着材からN
2
Oを脱離させる方法が考えられる。この方法によれば、脱離ガス中に含まれるN
2
Oの濃度を、処理対象ガス中に含まれるN
2
Oよりも高濃度化できる。よって、得られた脱離ガスに対して例えば紫外線を照射してN
2
Oを光分解することにより、処理対象ガスに対して直接紫外線を照射する場合よりも、N
2
Oの分解効率が向上するようにも思われる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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