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公開番号2025163825
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-30
出願番号2024067370
出願日2024-04-18
発明の名称酸化腐食抑制能を有する電解液
出願人国立大学法人 東京大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類H01M 10/0568 20100101AFI20251023BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】電極集電体の酸化腐食を抑制し、優れた電池特性を提供し得る蓄電デバイス用電解液を提供することを課題とする。
【解決手段】溶媒として水又は有機溶媒を含む蓄電デバイス用電解液であって、トリフルオロアセテート(TFA)塩を含み、前記TFA塩が、二次電池内に存在するアルミニウム金属と反応して不動態被膜を形成し、これにより前記アルミニウム金属の酸化腐食に対する抑制能を有し、前記アルミニウム金属が、前記蓄電デバイスにおける正極集電体及び/又は負極集電体を構成する材料であることを特徴とする、該電解液。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
溶媒として水又は有機溶媒を含む蓄電デバイス用電解液であって、
トリフルオロアセテート(TFA)塩を含み、
前記TFA塩が、二次電池内に存在するアルミニウム金属と反応して不動態被膜を形成し、これにより前記アルミニウム金属の酸化腐食に対する抑制能を有し、
前記アルミニウム金属が、前記蓄電デバイスにおける正極集電体及び/又は負極集電体を構成する材料であること
を特徴とする、該電解液。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記不動態被膜が、以下の式(1):
AlO

(OH)



(1)
(式中、xは、0~1.5;yは、0~3;zは、0~3である。)
【請求項3】
前記電解液中における前記TFA塩の濃度が、0.1重量%以上である、請求項1に記載の電解液。
【請求項4】
前記TFA塩が、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、遷移金属よりなる群から選択される金属の塩である、請求項1に記載の電解液。
【請求項5】
前記蓄電デバイスが、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、又はカリウムイオン二次電池である、請求項1に記載の電解液。
【請求項6】
正極、負極、正極集電体、負極集電体、及び請求項1~5のいずれか1に記載の電解液を含む蓄電デバイスであって、
前記正極集電体及び/又は前記負極集電体が、アルミニウム金属を含み、
前記正極集電体及び/又は前記負極集電体が、その表面に前記電解液中の前記TFA塩と反応することで形成された不動態被膜を有する、
蓄電デバイス。
【請求項7】
リチウム金属基準3.0V以上の正極を有する、請求項6に記載の蓄電デバイス。
【請求項8】
リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、又はカリウムイオン二次電池である、請求項6に記載の蓄電デバイス。
【請求項9】
アルミニウム金属を含む電極集電体の表面における、酸化腐食を抑制する方法であって、
請求項1~5のいずれか1に記載の電解液を用いて、正極集電体及び/又は負極集電体に不動態被膜を形成することを含む、方法。
【請求項10】
正極集電体及び/又は負極集電体に含まれるアルミニウム金属と反応して不動態被膜を形成するための電極集電体表面用コーティング剤であって、トリフルオロアセテート(TFA)塩を含む、コーティング剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電デバイスにおける電極集電体等に含まれるアルミニウム金属の酸化腐食を抑制するための電解液及び当該電解液を含む蓄電デバイスに関し、さらに、表面の酸化腐食を抑制する方法、表面コーティング剤、及び不動態被膜を表面に有する電極集電体にも関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
現行のリチウムイオン電池は、可燃性の高い非水系(有機溶媒)電解液を用いるため、これまで多くの火災や爆発事故を引き起こしてきた。このようなことから、不燃性・消火性の水を電解液の溶媒とした水系二次電池の研究が活発に行われてきた(例えば、特許文献1)。水系二次電池は高い安全性に加え、電池製造プロセスにおける禁水環境が不要となるため、製造コスト面でも有利である。しかし、水系二次電池の作動電圧は2V以下であり、従来の有機系リチウムイオン電池(4V級)に比べ低いことから、高電圧化(高エネルギー密度化)が水系二次電池の普及の鍵となっている。特に、水系電解液中では、アルミニウム(Al)金属を含む集電体の腐食が活発に起こり、激しい電池劣化の原因と指摘されてきた。そのため、Al集電体の酸化耐性を実現し得る水系電解液は未だ実用化されていない状況である。
【0003】
Al金属は地殻に豊富に存在し、軽く、加工も容易であることから、蓄電池の低コスト・高エネルギー密度化の達成には必要不可欠な材料である。非水系電解液では、電解質(LiPF

やLiBF

、LiBOB、LiDFOB等)が分解して生じるHFによりAl金属表面に不動態膜(AlF

)が形成され、Al金属の腐食を抑制することが知られている。これは以下の式に示すように、1)リチウム塩が電解液中微量含まれている不純物の水分と反応(加水分解)して、フッ化水素(HF)を生成し、2)HFがAl酸化膜と反応してAlF

を形成するという機構であると考えられている。しかし、高酸化・高温環境(例えば、4.0V以上、40℃以上)では、Al集電体保護機能が減少することが報告されている。
TIFF
2025163825000002.tif
40
167
【0004】
また、LiPF

塩は加水分解しやすいため、水系電解液の塩としては活用できない。そのため、水系電解液の電解塩としては、加水分解しない性質から、LiTFSI(LiN(SO

CF



)、LiBETI(LiN(SO







)、LiPTFSI(LiN(SO

CF

)(SO





))などのイミド塩が利用されている。しかし、これらイミド塩は不動体膜形成能を有しないため、水系電解液ではAl集電体の酸化腐食が生じてしまい、電池劣化が生じるという課題があった。電解液中に微量のHFを添加した場合でも、電極表面に膜状のAlF

を形成することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-155277
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、電極集電体の酸化腐食を抑制し、優れた電池特性を提供し得る蓄電デバイス用電解液を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、トリフルオロアセテート(TFA)をアニオンとする金属塩を含む電解液を用いることで、水系電解液中においてAl集電体の表面に不動態被膜を形成することによってAl金属酸化腐食を抑制することができ、かつ優れた電池特性を提供できることを見出した。さらに、この高酸化腐食耐性は、非水溶媒系においても機能することを見出した。これらの知見に基づき、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明は、一態様において、蓄電デバイス用電解液及び当該電解液を含む蓄電デバイスに関し、より具体的には、
<1>溶媒として水又は有機溶媒を含む蓄電デバイス用電解液であって、トリフルオロアセテート(TFA)塩を含み、前記TFA塩が、二次電池内に存在するアルミニウム金属と反応して不動態被膜を形成し、これにより前記アルミニウム金属の酸化腐食に対する抑制能を有し、前記アルミニウム金属が、前記蓄電デバイスにおける正極集電体及び/又は負極集電体を構成する材料であることを特徴とする、該電解液;
<2>前記不動態被膜が、以下の式(1):
AlO

(OH)



(1)
(式中、xは、0~1.5;yは、0~3;zは、0~3である。)で表されるAl金属錯体を含む、上記<1>に記載電解液;
<3>前記電解液中における前記TFA塩の濃度が、0.1重量%以上である、上記<1>に記載の電解液;
<4>前記TFA塩が、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、遷移金属よりなる群から選択される金属の塩である、上記<1>に記載の電解液;
<5>前記蓄電デバイスが、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、又はカリウムイオン二次電池である、上記<1>に記載の電解液;
<6>正極、負極、正極集電体、負極集電体、及び上記<1>~<5>のいずれか1に記載の電解液を含む蓄電デバイスであって、前記正極集電体及び/又は前記負極集電体が、アルミニウム金属を含み、前記正極集電体及び/又は前記負極集電体が、その表面に前記電解液中の前記TFA塩と反応することで形成された不動態被膜を有する、蓄電デバイス;
<7>リチウム金属基準3.0V以上の正極を有する、上記<6>に記載の蓄電デバイス;
<8>リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、又はカリウムイオン二次電池である、上記<6>に記載の蓄電デバイス;
を提供するものである。
【0009】
また、別の態様において、本発明は、表面の酸化腐食を抑制する方法、表面コーティング剤、及び不動態被膜を表面に有する電極集電体にも関し、より具体的には、
<9>アルミニウム金属を含む電極集電体の表面における、酸化腐食を抑制する方法であって、上記<1>~<5>のいずれか1に記載の電解液を用いて、正極集電体及び/又は負極集電体に不動態被膜を形成することを含む、方法;
<10>正極集電体及び/又は負極集電体に含まれるアルミニウム金属と反応して不動態被膜を形成するための電極集電体表面用コーティング剤であって、トリフルオロアセテート(TFA)塩を含む、コーティング剤;
<11>アルミニウム金属を含み、その表面に不動態被膜を有する、蓄電デバイス用電極集電体;
<12>正極集電体及又は負極集電体である、上記<11>に記載の電極集電体を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電解液によれば、水系電解液中においてAl集電体の高酸化耐性を実現し、かつ優れた電池特性を提供できる。これにより、Al集電体を水系の蓄電デバイスに適用することができ、低コスト・高安全性・高エネルギー密度の水系電池の実現に資する。また、かかる高酸化耐性は非水系電解液においても有効であることから、現行のリチウムイオン電池をはじめ、さまざまな蓄電デバイスの高安定動作、長寿命化に対しても有用である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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