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公開番号2025077001
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-16
出願番号2024168144
出願日2024-09-27
発明の名称化学センサ用基材
出願人国立大学法人 東京大学,リンテック株式会社
代理人弁理士法人後藤特許事務所
主分類D21H 11/12 20060101AFI20250509BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】光学応答の検出において、センサ精度が高い化学センサ用基材を提供する。
【解決手段】本発明は、センシング領域が形成される化学センサ用基材であって、リンターパルプを含有する紙基材からなり、紙基材のサイズ度が、0秒以上10秒以下である化学センサ用基材である。紙基材中のリンターパルプの含有量は、50質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
センシング領域が形成される化学センサ用基材であって、
リンターパルプを含有する紙基材からなり、
前記紙基材のサイズ度が、0秒以上10秒以下である化学センサ用基材。
続きを表示(約 280 文字)【請求項2】
前記紙基材中の前記リンターパルプの含有量が50質量%以上100質量%以下である請求項1記載の化学センサ用基材。
【請求項3】
前記紙基材の厚みが、50μm以上200μm以下である請求項1記載の化学センサ用基材。
【請求項4】
前記リンターパルプのショッパーリーグラ法による叩解度が、20°SR以上50°SR以下である請求項1記載の化学センサ用基材。
【請求項5】
前記紙基材の坪量が、60g/m

以上120g/m

以下である請求項1記載の化学センサ用基材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、化学センサ用基材に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
分析化学、微生物学の目的に使用される培養及び分析用プレートとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の樹脂製のマイクロプレートが一般に用いられている。
特許文献1には、複数のマイクロウェル中のハイドロゲルに、味覚成分検出用センサ材料を固定化してなるセンサアレイチップが開示されている。
また、特許文献2には、センサ材料としてπ共役系重合体と遷移金属イオンとの複合体を用い、その複合体を、マイクロウェルアレイに固定化したグリホサート検出用センサ材が開示されている。
【0003】
一方で、安定性、高い表面多孔性、及び3次元ネットワーク構造を有する観点から、紙を化学センサの基材とする試みがなされている(非特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2021/049539号
特開2020-197426号公報
【非特許文献】
【0005】
G. M. Whitesides et al., Anal. Chem. 2009, 81, 5990
D. Citterio et al., Angew. Chem. Int. Ed. 2015, 54, 5294
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
樹脂製のマイクロプレートは、光学応答の検出では、シングルモード検出、すなわち、比色又は蛍光検出用に設計されており、比色及び蛍光応答を同時に観測することが難しいという問題がある。また、樹脂製のマイクロプレートは、携帯性に優れるが、汎用性に乏しく、廃棄処理時の環境負荷が懸念される。
本出願人らは、上述したような背景に鑑みて、紙を基材とするマイクロタイタープレートを用いて、光学応答による未知試料における多成分検出を可能とする発明を出願している(特願2023―074708)。
先の出願に係る発明の検出方法は、多成分の標的物質を同時検出するための方法であって、以下の工程A)~D)を含むことを特徴とする。
A)基材上に標的物質を検出するための複数のセンシング領域を有するマイクロタイタープレートを用意する工程であって、前記基材が紙素材であり、前記複数のセンシング領域が、互いに所定の間隔を有するパターンを形成しており、前記複数のセンシング領域が、それぞれ、前記基材上に塗布された同一でも異なっていてもよいプローブ試薬を含み、前記プローブ試薬は、前記標的物質の存在によって蛍光変化又は吸光度変化による光学応答を示す分子を含む、該工程;
B)前記マイクロタイタープレート上に、2以上の標的物質を含むサンプル溶液を添加する工程;
C)前記マイクロタイタープレートの全体又は部分をイメージング手段により撮像し、前記標的物質に基づく前記光学応答を示すイメージング画像を取得する工程;及び
D)画像パターン認識を用いて前記イメージング画像を分析することにより、前記サンプル溶液中に含まれる標的物質の種類及び/又は濃度を同定する工程。
工程A)は、標的物質に検出に用いるマイクロタイタープレートを用意する工程である。当該マイクロタイタープレートは、基材上に標的物質を検出するための複数のセンシング領域を有するものであるが、当該基材は、従来のポリエチレンやアクリル樹脂、ガラス等ではなく、紙素材であることが大きな特徴である。紙素材は、非常に安価であり高い表面多孔性等を有し、その扱いも容易であるというメリットがある。
先の出願に係る発明によれば、紙を基材としたマイクロタイタープレートを用いることで、多成分かつ比色/蛍光検出が可能な化学センサアレイが実現できる。また検出応答をCCDカメラ等でイメージングし、当該イメージ画像を自動画像解析アルゴリズムとパターン認識方法を用いることで、簡素化したセンシングプロセスによるオンサイトでの定性/定量分析が可能となる。また、1つのマイクロタイタープレート中で、蛍光変化による検出と吸光度変化(色調変化)による検出を同時に行うことができ、これらの結果を組み合わせることで、測定可能な標的物質の濃度範囲を広くできるという利点も奏する。さらに、紙基材マイクロタイタープレートは、プリンターを用いた簡便かつ安価な手法により製造できるため、大量生産に適している。
しかしながら、先の出願に係る発明の検出方法では、可視光から紫外線領域の発色及び発光を検出応答としてCCDカメラ等でイメージングし、当該イメージ画像を自動画像解析アルゴリズムとパターン認識する際に、紙基材のマイクロプレート由来の微弱な蛍光を観測してしまい、センサ精度が低下するという問題がある。このような理由から、紙基材のマイクロプレートとしては、多成分を同時に検出可能な高精度のものは実現されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、光学応答の検出において、センサ精度が高い化学センサ用基材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
紙の原料となるパルプには、木材由来の、セルロース、ヘミセルロース、リグニン等の多成分を含み、微量ながら蛍光物質が含まれている場合がある。この蛍光物質が、パルプ中のどの成分に由来するかは明確には分かっていない。本発明者らは、蛍光物質は、木材に含まれるリグニン、又は、パルプ工程で蛍光物質に変質した物質に由来すると推測した。そこで、本発明者らは、通常は使用されない部分であるセルロース割合が高いリンターパルプを使用したところ、木材パルプ由来の蛍光発色が無く、センサ精度の高い紙基材が得られたことから、本発明に至った。
【0008】
すなわち、本発明は、センシング領域が形成される化学センサ用基材であって、リンターパルプを含有する紙基材からなり、紙基材のサイズ度が、0秒以上10秒以下である化学センサ用基材である。
【0009】
紙基材中のリンターパルプの含有量は、50質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
【0010】
紙基材の厚みは、50μm以上200μm以下であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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