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公開番号
2025152676
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-10
出願番号
2024054689
出願日
2024-03-28
発明の名称
フラビウイルスに対するアプタマー及びその使用
出願人
国立大学法人 東京大学
,
学校法人早稲田大学
代理人
弁理士法人セントクレスト国際特許事務所
主分類
C12N
15/115 20100101AFI20251002BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】フラビウイルスに対する中和分子を提供すること。
【解決手段】配列番号:1に記載のヌクレオチド配列を含む、フラビウイルスに対するアプタマー(但し、配列番号:1に記載のヌクレオチド配列における、3~8番、10~16番、18~22番、24~29番、35~43番、46~47番及び51~54番の部位において、少なくとも1個のヌクレオチドは欠失していてもよい)。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
配列番号:1に記載のヌクレオチド配列を含む、フラビウイルスに対するアプタマー
(但し、配列番号:1に記載のヌクレオチド配列における、3~8番、10~16番、18~22番、24~29番、35~43番、46~47番及び51~54番の部位において、少なくとも1個のヌクレオチドは欠失していてもよい。
配列番号:1に記載のヌクレオチド配列における、各Tは、独立してチミン又はウラシルを表し、各Rは、独立してアデニン又はグアニンを表し、各Wは、独立してアデニン、チミン又はウラシルを表し、各Sは、独立してシトシン又はグアニンを表し、各Yは、独立してシトシン、チミン又はウラシルを表し、各Kは、独立してグアニン、チミン又はウラシルを表し、各Vは、独立してアデニン、シトシン又はグアニンを表し、各Hは、独立してアデニン、シトシン、チミン又はウラシルを表し、各Dは、独立してアデニン、グアニン、チミン又はウラシルを表し、各Bは、独立してシトシン、グアニン、チミン又はウラシルを表し、各Nは、独立してアデニン、シトシン、グアニン、チミン又はウラシルを表す)。
続きを表示(約 1,900 文字)
【請求項2】
配列番号:2及び3のうちの少なくとも1に記載のヌクレオチド配列を含む、フラビウイルスに対するアプタマー
(但し、配列番号:2に記載のヌクレオチド配列における、3~7番、10~16番、18番、20~22番、24~29番、35~43番、46~47番及び51~54番の部位において、少なくとも1個のヌクレオチドは欠失していてもよい。配列番号:3に記載のヌクレオチド配列における、15番、18番~21番、24番及び34番の部位において、少なくとも1個のヌクレオチドは欠失していてもよい。
配列番号:2及び3に記載のヌクレオチド配列における、各Tは、独立してチミン又はウラシルを表し、各Rは、独立してアデニン又はグアニンを表し、各Wは、独立してアデニン、チミン又はウラシルを表し、各Sは、独立してシトシン又はグアニンを表し、各Yは、独立してシトシン、チミン又はウラシルを表し、各Vは、独立してアデニン、シトシン又はグアニンを表し、各Hは、独立してアデニン、シトシン、チミン又はウラシルを表し、各Dは、独立してアデニン、グアニン、チミン又はウラシルを表し、各Bは、独立してシトシン、グアニン、チミン又はウラシルを表し、各Nは、独立してアデニン、シトシン、グアニン、チミン又はウラシルを表す)。
【請求項3】
配列番号:4、5、7及び8のうちの少なくとも1に記載のヌクレオチド配列を含む、フラビウイルスに対するアプタマー
(但し、配列番号:4に記載のヌクレオチド配列における、8番、15番、16番、20番及び21番の部位において、少なくとも1個のヌクレオチドは欠失していてもよい。配列番号:5に記載のヌクレオチド配列における、20番及び21番の部位において、少なくとも1個のヌクレオチドは欠失していてもよい。配列番号:7に記載のヌクレオチド配列における、11番、12番、14~16番、18~22番、24番、27番、28番、35番及び36番の部位において、少なくとも1個のヌクレオチドは欠失していてもよい。配列番号:8に記載のヌクレオチド配列における、15番、18~20番及び33番の部位において、少なくとも1個のヌクレオチドは欠失していてもよい。
配列番号:4、5、7及び8に記載のヌクレオチド配列において、各Tは、独立してチミン又はウラシルを表し、各Mは、独立してアデニン又はシトシンを表し、各Rは、独立してアデニン又はグアニンを表し、各Wは、独立してアデニン、チミン又はウラシルを表し、各Sは、独立してシトシン又はグアニンを表し、各Yは、独立してシトシン、チミン又はウラシルを表し、各Kは、独立してグアニン、チミン又はウラシルを表し、各Vは、独立してアデニン、シトシン又はグアニンを表し、各Hは、独立してアデニン、シトシン、チミン又はウラシルを表し、各Dは、独立してアデニン、グアニン、チミン又はウラシルを表し、各Bは、独立してシトシン、グアニン、チミン又はウラシルを表し、各Nは、独立してアデニン、シトシン、グアニン、チミン又はウラシルを表す)。
【請求項4】
少なくとも1のヌクレオチドが修飾ヌクレオチドである、請求項1に記載のアプタマー。
【請求項5】
前記修飾ヌクレオチドは、前記各部位のリボースにおいて、独立して、2’位のヒドロキシル基が、水素原子、フッ素原子及びメトキシ基からなる群から選択される原子又は基で置換されているヌクレオチドである、請求項4に記載のアプタマー。
【請求項6】
配列番号:1に記載のヌクレオチド配列において、1~5番のヌクレオチドと56~52番のヌクレオチドとが対合したステム構造、6番及び51番のヌクレオチドが構成するループ構造、7~8番のヌクレオチドと50~49番のヌクレオチドとが対合したステム構造、48番~44番のヌクレオチドが構成するループ構造、9~19番のヌクレオチドと43~33番のヌクレオチドとが対合したステム構造(一部バルジアウト残基を含む)、及び、20番~32番のヌクレオチドが構成するループ構造をとる、請求項1に記載のアプタマー。
【請求項7】
請求項1~6に記載のアプタマーからなる群から選択される、少なくとも2つのアプタマーが連結してなる、アプタマー多量体。
【請求項8】
請求項1~6に記載のアプタマーからなる群から選択される、少なくとも1つのアプタマーを含む、フラビウイルス感染症の治療又は予防のための医薬組成物。
【請求項9】
前記フラビウイルス感染症が、デングウイルス又は日本脳炎ウイルスの感染症である、請求項8に記載の医薬組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラビウイルスに対するアプタマー及びその使用(当該アプタマーを含む、フラビウイルス感染症を治療又は予防するための医薬組成物等)に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
フラビウイルスは、一本鎖の+鎖RNAをゲノムとするエンベロープウイルスであり、70種以上のウイルスを含み、その殆どは、吸血性節足動物(蚊、ダニ等)によって媒介される。中でも、デングウイルス、日本脳炎ウイルス、ジカウイルス等は、出血熱、脳炎等の重篤な症状を引き起こすこともあり、世界的に懸念される公衆衛生上の重要な問題となっている。しかしながら、かかるフラビウイルス感染に対する効果的な抗ウイルス薬や特異的な治療法はなく、これらの開発が希求されている。
【0003】
例えば、デングウイルス(DENV)の感染は、一過性の熱性疾患であるデング熱のみならず、重篤した場合は致死的なデング出血熱を引き起こす。かかる感染症は、熱帯・亜熱帯地域のみならず、輸入感染によって世界中に拡大しているが、効果的なワクチンや中和抗体の開発は難航している。その主な原因として、抗体依存性の感染増強現象(ADE)による症状の重篤化が挙げられる。DENVには4つの血清型(1~4型)が存在し、特定の血清型に対する中和抗体は、異なる血清型に対し交差性を有するものの中和活性を示さない。そればかりか、当該抗体とウイルスとの複合体は、Fc受容体を有する単球細胞等に効率良く吸着し、感染を促進させ、症状の重篤化を招く。したがって、複数の血清型に対して中和活性を有し、前記重篤化リスクのない中和分子の創製が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2021/006305号
【非特許文献】
【0005】
Masaki Takahashiら、Proc Natl Acad Sci USA、2021 May 4;118(18):e2019497118.
Masaki Takahashiら、Mol Ther Nucleic Acids.、2022 Jun 29:29:969-978.
Khalid K Alamら、Mol Ther Nucleic Acids、2015 Mar 3;4(3):e230.
Ryoga Ishidaら、Nucleic Acids Res.、2020 Aug 20;48(14):e82.
Natsuki Iwanoら、Nat Comput Sci.、2022 Jun;2(6):378-386.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、フラビウイルスに対する中和分子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、従前、膜タンパク質に対するアプタマー創製のため、標的膜タンパク質をウイルス様粒子(Virus-like particle,VLP)の膜上に発現させた材料を用いたアプタマー選抜法(VLP-SELEX法、特許文献1、非特許文献1及び2)を開発している。そこで、当該選抜法を基に、デングウイルス様粒子(DENV-VLP)に対し、SELEX法の最適化を施した。DENV-VLP以外に特異的に結合する分子をin silicoで効率よく選別するために、ハイスループットシーケンサー(HTS)とアプタマーに特化したバイオインフォマティクスソフト(FASTAptamer、非特許文献3)を用いた統計解析法の最適化を図った。次に、表面プラズモン共鳴(SPR)法を基盤としたアプタマーとVLPの結合及び中和活性推定技法の確立・最適化を行い、候補配列の結合能と中和能を評価した。その結果、DENV1~DENV4までの全血清型のVLPに対して結合するアプタマーを選抜することに成功した。また、配列の短鎖化・最適化、糖鎖修飾を行い、これら改変前と同等以上の結合能を有する配列を得ることにも成功した(candidate1(D_26_1_5_L_A11CU38G)等)。さらに、これらアプタマーは、既存の中和抗体に対して競合阻害性(中和能)を示すことも見出した。
【0008】
また、上記にて得られたSELEXデータを用い、有力な候補配列の再探索をin silico解析により実施した。具体的には、局所的な配列・二次構造を基に有力配列を発掘する解析手法であるRaptRanker(非特許文献4)、人工知能技術を活用した解析手法であるRaptGen(非特許文献5)を用いて新規のアプタマー候補配列の探索を実施し、高い結合能を有する配列を選抜した。さらに、上記同様、配列の短鎖化・最適化、糖鎖修飾を行い、高い結合能及び中和能を有する配列を更に得ることにも成功した(candidate2(Freq_raw5_log3_c20_1_54_dU15_C16GG33U)等)。
【0009】
より具体的には、上記VLP-SELEX法により、candidate1(配列番号:6)とcandidate2(配列番号:9)を、DENVに対するアプタマーとして同定することに成功した。また、これらを同定する過程において結合活性が確認された全配列の特徴をまとめた結果、candidate1 series(配列番号:5)、candidate2 series(配列番号:8)となることも、本発明者らは明らかにした。さらに、これら2つのヌクレオチド配列を合わせ、candidate1&2 series(配列番号:3)という共有配列を見出すことも出来た。
【0010】
また、上記candidate1とcandidate2を同定するために行ったDoped-SELEXにおいて、結合活性が観察された全配列の特徴をまとめ、candidate1を生成したDoped-SELEXからは、1
st
doped(including candidate1)(配列番号:4)、candidate2を生成したDoped-SELEXからは、2
nd
doped(including candidate2)(配列番号:5)という配列的特徴を持つことを、本発明者らは明らかにした。さらに、candidate1とcandidate2に繋がる上記Doped libraryを作製するための配列群の同定の際に結合活性が観察された全配列の特徴をまとめ、Lb05N40(配列番号:2)という共有配列を見出すことが出来た。
(【0011】以降は省略されています)
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