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公開番号2025111227
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-30
出願番号2024005525
出願日2024-01-17
発明の名称電波反射特性推定装置及びプログラム
出願人国立大学法人東京科学大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類G01N 22/00 20060101AFI20250723BHJP(測定;試験)
要約【課題】電波の反射特性を推定するための物体の物性パラメータを非破壊的に推定する。
【解決手段】複数の媒質により多層構造に形成された対象物Tの電波反射特性に関する物性パラメータを算出する演算部2を備え、演算部は、対象物に入射された電波の反射波の電波反射特性を計測した計測値を取得し、対象物に生じる多重反射に基づく電波反射特性を推定するための多重反射モデルを用いて電波反射特性を算出し、電波反射特性の算出値と、計測値との差を低減するように多重反射モデルに含まれる複数の媒質に設定される物性パラメータを調整し、調整した物性パラメータを用いた多重反射モデルを用いて算出値を算出する算出処理を実行し、算出値と、計測値との差を最小化するまで算出処理を繰り返し実行し、複数の媒質の層数を算出すると共に、物性パラメータを各層毎に算出する、電波反射特性推定装置1である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の媒質により多層構造に形成された対象物の電波反射特性に関する物性パラメータを算出する演算部を備え、
前記演算部は、
前記対象物に入射された電波の反射波の前記電波反射特性を計測した計測値を取得し、
前記対象物に生じる多重反射に基づく前記電波反射特性を推定するための多重反射モデルを用いて前記電波反射特性を算出し、
前記電波反射特性の算出値と、前記計測値との差を低減するように前記多重反射モデルに含まれる複数の媒質に設定される前記物性パラメータを調整し、
調整した前記物性パラメータを用いた前記多重反射モデルを用いて前記算出値を算出する算出処理を実行し、
前記算出値と、前記計測値との差を最小化するまで前記算出処理を繰り返し実行し、
複数の前記媒質の層数を算出すると共に、前記物性パラメータを各層毎に算出する、
電波反射特性推定装置。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記演算部は、前記算出処理において、
前記多重反射モデルを用いて前記対象物の第1反射面における前記物性パラメータを算出し、
前記物性パラメータを適用した前記第1反射面の前記電波反射特性を算出し、
前記電波反射特性の前記算出値と、前記計測値との差が閾値以上である場合、前記第1反射面の上層に第2反射面を追加し、
前記第2反射面に前記第1反射面の前記物性パラメータを適用し、前記第1反射面の新たな前記物性パラメータを算出し、
新たな前記物性パラメータを初期値として、前記多重反射モデルに基づいて前記第1反射面の前記電波反射特性の前記算出値を算出する前記算出処理を実行し、
前記算出値と前記計測値との差が前記閾値未満となる第m層まで第m反射面を追加して前記算出処理を繰り返し実行し、前記物性パラメータを算出する、
請求項1に記載の電波反射特性推定装置。
【請求項3】
前記演算部は、
前記媒質の複素誘電率と、層厚とを含む前記物性パラメータを算出する、
請求項1に記載の電波反射特性推定装置。
【請求項4】
複数の媒質により多層構造に形成された対象物の電波反射特性に関する物性パラメータを算出する電波反射特性推定方法を実行するコンピュータにインストールされたプログラムであって、
前記対象物に入射された電波の反射波の前記電波反射特性を計測した計測値を取得し、
前記対象物に生じる多重反射に基づく前記電波反射特性を推定するための多重反射モデルを用いて前記電波反射特性の算出値を算出し、
前記算出値と、前記計測値との差を低減するように前記多重反射モデルに含まれる複数の媒質に設定される物性パラメータを調整し、
調整した前記物性パラメータを用いた前記多重反射モデルを用いて前記算出値を算出する算出処理を実行し、
前記算出値と、前記計測値との差を最小化するまで前記算出処理を繰り返し実行し、
複数の前記媒質の層数を算出すると共に、前記物性パラメータを各層毎に算出する処理を前記コンピュータに実行させる、
プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物の物性パラメータを推定可能な電波反射特性推定装置及びプログラムに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
無線ネットワークの通信エリアの品質を予測する場合、通信エリアの電波伝搬特性をシミュレーションにより算出するためのレイトレーシング法が広く用いられている。レイトレーシング法は、計算機を用いて通信エリアの3次元環境モデルを作成し、電波(レイ)の反射・回折・透過を計算する事でエリア内の電波伝搬特性を計算するシミュレーション手法である。レイトレーシング法を用いて正確な計算を行うためには、物体の形状、電気的特性、材料の厚み情報等のパラメータを適用し、正確な環境モデルを作成する事が重要である。
【0003】
従来、物体の誘電特性や厚み情報を推定する手法として、外部から照射した試験電波の反射特性を利用する反射電力法やエリプソメトリー法等が知られている。非特許文献1には、ミリ波帯において、物体の複素誘電率を測定するためのエリプソメトリー法を用いた計測手法が提案されている。非特許文献2には、多層構造の物体の誘電率の異方性を計測する手法が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
酒井 泰二, 続山 浩二, 山崎 貴昭, 橋本 修, “エリプソメトリー法を用いたミリ波帯における複素誘電率測定に関する基礎検討”,電子情報通信学会論文誌 B Vol.J86-B No.5 pp.846-849, 2003.
P. Dankov, “Two-resonator method for measurement of dielectric anisotropy in multilayer samples,” IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques, vol. 54, no. 4, pp. 1534.1544, 2006.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
環境内に存在する物体の幾何形状は、レーザ計測等を用いて計測することができる。物体の電波の反射特性を推定するためには、物体の電気的特性や材料の厚み情報等を計測する必要がある。しかしながら、計測のために現物を削り取り、物体のサンプルを調査する事は非現実的である。そのため、非破壊的な手法を用いて物体の電波の反射特性を予測する技術が求められている。
【0006】
本発明は、電波の反射特性を推定するための物体の誘電特性、厚み情報を含む物性パラメータを非破壊的に推定することができる電波反射特性推定装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、複数の媒質により多層構造に形成された対象物の電波反射特性に関する物性パラメータを算出する演算部を備え、前記演算部は、前記対象物に入射された電波の反射波の前記電波反射特性を計測した計測値を取得し、前記対象物に生じる多重反射に基づく前記電波反射特性を推定するための多重反射モデルを用いて前記電波反射特性を算出し、 前記電波反射特性の算出値と、前記計測値との差を低減するように前記多重反射モデルに含まれる複数の媒質に設定される前記物性パラメータを調整し、調整した前記物性パラメータを用いた前記多重反射モデルを用いて前記算出値を算出する算出処理を実行し、前記算出値と、前記計測値との差を最小化するまで前記算出処理を繰り返し実行し、複数の前記媒質の層数を算出すると共に、前記物性パラメータを各層毎に算出する、電波反射特性推定装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、物体の誘電特性、厚み情報等の物性パラメータを非破壊的に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態に係る電波反射特性推定装置の構成を示すブロック図である。
対象物の電波反射特性の測定方法を示す図である。
物性パラメータを推定する手法を示す図である。
電波の単一反射の状態を示す断面図である。
電波の多層反射の状態を示す断面図である。
電波反射特性推定方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示されるように、電波反射特性推定装置1は、計測装置10により計測された対象物Tの計測値を取得するように構成されている。計測装置10は、例えば、放射部11から対象物Tに電波を放射し、対象物Tから反射した反射波を受信部12において受信する。計測装置10は、例えば、ベクトルネットワークアナライザ(VNA)である。放射部11は、例えば、電波を放射する誘電体レンズアンテナにより構成されている。
(【0011】以降は省略されています)

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