TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025091228
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-18
出願番号2023206382
出願日2023-12-06
発明の名称化粧シート、化粧部材及び化粧シートの製造方法
出願人TOPPANホールディングス株式会社
代理人個人,個人
主分類B32B 27/00 20060101AFI20250611BHJP(積層体)
要約【課題】実使用において要求される透明樹脂層の耐傷性、製膜性及び透明性を維持しつつ、ベンダー曲げ加工性(後加工性)に優れ、且つ低艶層による意匠性が付与された化粧シート、化粧部材及び化粧シートの製造方法を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る化粧シート1は、複数種類のポリプロピレン樹脂を含有する樹脂組成物で形成された透明樹脂層3と、前記透明樹脂層上に設けられ艶消し剤を含有する樹脂で形成された低艶層と、を備え、該樹脂組成物には、該複数種類のポリプロピレン樹脂が含まれ、該樹脂組成物の質量を基準とする該複数種類のポリプロピレン樹脂それぞれの配合割合は、高結晶性ポリプロピレンが30質量%以上50質量%以下の範囲内であり、低結晶性ポリプロピレンが30質量%以上50質量%以下の範囲内であり、ランダムポリプロピレンが10質量%以上20質量%以下の範囲内である。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数種類のポリプロピレン樹脂を含有する樹脂組成物で形成された透明樹脂層と、
前記透明樹脂層上に設けられ艶消し剤を含有する樹脂で形成された低艶層と、を備え、
前記樹脂組成物には、前記複数種類のポリプロピレン樹脂として高結晶性ポリプロピレン、低結晶性ポリプロピレンおよびランダムポリプロピレンが含まれ、
前記樹脂組成物の質量を基準とする前記複数種類のポリプロピレン樹脂それぞれの配合割合は、前記高結晶性ポリプロピレンが30質量%以上50質量%以下の範囲内であり、前記低結晶性ポリプロピレンが30質量%以上50質量%以下の範囲内であり、前記ランダムポリプロピレンが10質量%以上20質量%以下の範囲内である
ことを特徴とする化粧シート。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記透明樹脂層と前記低艶層との間には表面保護層が設けられ、
前記低艶層は、前記表面保護層の表面の少なくとも一部に設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の化粧シート。
【請求項3】
前記透明樹脂層の前記低艶層側とは反対側に絵柄模様層が設けられ、
前記低艶層と前記絵柄模様層の絵柄とは、平面視で少なくとも一部が重なっている、
ことを特徴とする請求項2に記載の化粧シート。
【請求項4】
前記ランダムポリプロピレンの230℃におけるMFR(melt flow rate)が、10g/10min以上50g/10min以下の範囲内である
ことを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
【請求項5】
前記低結晶性ポリプロピレンは、メソペンタッド分率が20%以上60%以下であることを特徴とする請求項4に記載の化粧シート。
【請求項6】
前記低結晶性ポリプロピレンは、230℃におけるMFR(melt flow rate)が30g/10min以上100g/10min以下であることを特徴とする請求項5に記載の化粧シート。
【請求項7】
前記低結晶性ポリプロピレンは、質量平均分子量(Mw)が10,000以上500,000以下であることを特徴とする請求項6に記載の化粧シート。
【請求項8】
前記低結晶性ポリプロピレンの分子量分布(Mw/Mn)が4未満であることを特徴とする請求項7に記載の化粧シート。
【請求項9】
前記低結晶性ポリプロピレンは、示差走査型熱量計(DSC)を用いて、窒素雰囲気下、-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることによって得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点が、0℃以上120℃以下であることを特徴とする請求項8に記載の化粧シート。
【請求項10】
基材と、
前記基材の少なくとも一方の面側に設けられた請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の化粧シートと、を備える
ことを特徴とする化粧部材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、建築内装材、建具の表面材、家電製品の表面材などに用いられる化粧シート、当該化粧シートを用いた化粧部材及び化粧シートの製造方法に関する。化粧シートは、例えば木質ボード類、無機系ボード類、金属板などの基板に貼り合わせて化粧部材(化粧板)として用いられる。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、特許文献1、2に示すように、ポリ塩化ビニル製の化粧シートに替わる化粧シートとして、オレフィン系樹脂を使用した化粧シートが多く提案されている。これらの化粧シートは、塩化ビニル樹脂を使用しないことで、焼却時における有毒ガス等の発生が抑制される。
しかし、従来のオレフィン系樹脂製の化粧シートは、一般的なポリプロピレンシートを使用しているために表面の耐傷性が悪く、従来のポリ塩化ビニル製の化粧シートに比べて耐傷性に劣っているものであった。
【0003】
これに対し、これらの欠点を解消するべく、特許文献3に記載のような表面の耐傷性に優れた化粧シートが提案されている。しかし、このような化粧シートを用いた化粧板の用途が益々拡大しているとともに、消費者の品質に対する意識も益々高度化していることから、化粧シートに対し耐傷性以外の品質の向上、特に、ベンダー曲げ加工等の耐後加工性の向上が求められている。
ここで、後加工性を向上させた化粧シートとして、特許文献4~6に記載の化粧シートが提案されている。これらの化粧シートは、ランダム重合タイプのポリプロピレン樹脂に軟質成分を添加した透明樹脂層をもつ化粧シートである。しかしながら、この化粧シートは、後加工性の向上に伴いシートが柔軟になっていることから、実使用において要求される耐傷性や、透明樹脂層の製膜性が悪化するという問題点がある。また、透明樹脂層においては、白濁を抑制して透明性を維持することも求められる。
また、化粧シートにおいて、視覚的に凹凸を表現して意匠性を向上させる技術(グロスマット印刷)が知られている。例えば特許文献7では、化粧シート表面において艶状態を異ならせる(艶消層、艶向上樹脂層を設ける)ことで、視覚的に凹凸を表現する技術が提案されている。また、天然素材に近い質感を演出するために化粧シート表面全体に低艶表現(マット意匠)を施す場合もある。しかしながら、低艶表現手法としてシート表面に低艶層(艶消剤を含有した樹脂層)を形成する場合、該樹脂層は曲げ加工によって割れ・亀裂が生じ易くなる。このため、低艶表現を適用する場合において、ベンダー曲げ加工等の曲げ加工性のさらなる向上が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平2-128843号公報
特開平6-198831号公報
特許第3772634号公報
特許第3185590号公報
特許第3567899号公報
特許第3175482号公報
特許第6065701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、以上のような点に着目してなされたもので、実使用において要求される透明樹脂層の耐傷性、製膜性及び透明性を維持しつつ、ベンダー曲げ加工性(後加工性)に優れ、且つ低艶層による意匠性が付与された化粧シート、化粧部材及び化粧シートの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の一態様である化粧シートは、複数種類のポリプロピレン樹脂を含有する樹脂組成物で形成された透明樹脂層と、前記透明樹脂層上に設けられ艶消し剤を含有する樹脂 で形成された低艶層と、を備え、前記樹脂組成物には、前記複数種類のポリプロピレン樹脂として高結晶性ポリプロピレン、低結晶性ポリプロピレンおよびランダムポリプロピレンが含まれ、前記樹脂組成物の質量を基準とする前記複数種類のポリプロピレン樹脂それぞれの配合割合は、前記高結晶性ポリプロピレンが30質量%以上50質量%以下の範囲内であり、前記低結晶性ポリプロピレンが30質量%以上50質量%以下の範囲内であり、前記ランダムポリプロピレンが10質量%以上20質量%以下の範囲内である。
また、本開示の一態様である化粧部材は、基材と、前記基材の少なくとも一方の面側に設けられた前記化粧シートと、を備える。
また、本開示の一態様である化粧シートの製造方法は、前記化粧シートの製造方法であって、前記透明樹脂層を、前記複数種類のポリプロピレン樹脂を含有する前記樹脂組成物を用いて形成し、前記透明樹脂層上に艶消し剤を含有する樹脂で形成された前記低艶層を形成し、前記複数種類のポリプロピレン樹脂は、前記高結晶性ポリプロピレン、前記低結晶性ポリプロピレンおよび前記ランダムポリプロピレンであり、前記樹脂組成物の質量を基準とする前記複数種類のポリプロピレン樹脂それぞれの配合割合について、前記高結晶性ポリプロピレンを30質量%以上50質量%以下の範囲内とし、前記低結晶性ポリプロピレンを30質量%以上50質量%以下の範囲内とし、前記ランダムポリプロピレンを10質量%以上20質量%以下の範囲内とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、実使用において要求される透明樹脂層の耐傷性、製膜性及び透明性を維持しつつ、ベンダー曲げ加工性(後加工性)に優れ、且つ低艶層による意匠性が付与された化粧シート、化粧部材及び化粧シートの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の一実施形態に係る化粧シート及び化粧板の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明者等は、鋭意研究を行い、化粧シートにおいて複数種類のポリプロピレン樹脂を含有する樹脂組成物で形成した透明樹脂層上に意匠性向上のため低艶層を設けた場合、複数種類のポリプロピレン樹脂それぞれの配合割合が特定の条件を満たすことで、化粧シートの表面強度(耐傷性)、製膜性、透明樹脂層の透明性の低減を抑制しつつ、後加工性(ベンダー曲げ加工性)を向上することができることを見出した。
これにより、実使用において要求される透明樹脂層の耐傷性、製膜性及び透明性を維持しつつ、ベンダー曲げ加工性(後加工性)優れ、且つ低艶層による意匠性が付与された化粧シートを発明するに至った。
【0010】
以下、本開示の実施形態に係る化粧シート及び化粧部材について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本開示の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本開示の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定するものでない。本開示の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本開示の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」になり、「右」が「左」になることは勿論である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

東レ株式会社
積層体
5か月前
東レ株式会社
積層体
24日前
個人
箔転写シート
1か月前
東レ株式会社
積層構造体
4か月前
ユニチカ株式会社
積層体
4か月前
東レ株式会社
積層フィルム
4か月前
東レ株式会社
強化繊維基材
23日前
東レ株式会社
積層フィルム
2か月前
東レ株式会社
強化繊維基材
23日前
積水樹脂株式会社
磁性シート
3か月前
東ソー株式会社
多層フィルム
28日前
エスケー化研株式会社
積層体
4か月前
東ソー株式会社
多層フィルム
3か月前
アイカ工業株式会社
光学積層体
1か月前
大倉工業株式会社
多層フィルム
4か月前
三菱製紙株式会社
不織布積層体
3か月前
個人
加熱調理に利用可能な鉄製品
6か月前
artience株式会社
積層体
3日前
豊田合成株式会社
樹脂製品
3日前
東レ株式会社
電子機器筐体用部材
5か月前
東レ株式会社
電子機器筐体用部材
5か月前
artience株式会社
積層体
1か月前
株式会社ニッカテクノ
転写箔
今日
菊地シート工業株式会社
遮熱シート
4か月前
クラレプラスチックス株式会社
積層体
5か月前
マクセル株式会社
複合部品
2か月前
東レ株式会社
フィルム及びその製造方法
3か月前
個人
葉材を用いた意匠性構造部材
5か月前
東レ株式会社
積層体およびその製造方法
2か月前
株式会社シマノ
装飾物品及び釣竿
1か月前
日東電工株式会社
複層構造体
2か月前
コンバーテクノ合同会社
化粧シート
8日前
フクビ化学工業株式会社
壁材
1か月前
アキレス株式会社
積層シート
5か月前
東レ株式会社
強化繊維基材とその製造方法
23日前
大日本印刷株式会社
加飾シート
5か月前
続きを見る