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公開番号2025081838
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-28
出願番号2023194874
出願日2023-11-16
発明の名称柑橘果汁を含有するアルコール飲料およびその製造方法
出願人キリンホールディングス株式会社,麒麟麦酒株式会社
代理人個人,個人
主分類C12G 3/06 20060101AFI20250521BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】味厚みが増強された、甘味料を含有しない柑橘果汁含有アルコール飲料の提供。
【解決手段】甘味料を含有しない、柑橘果汁を含有するアルコール飲料であって、ナトリウムの含有量が50~870ppmであり、かつ、以下の条件:(a) バニリンの含有量が0.05~2ppm;(b) ソトロンの含有量が0.005~0.2ppm;(c) イソアミルアルコールの含有量が5~200ppm;および(d) イソバレルアルデヒドの含有量が0.05~2ppmのうちの少なくとも一つを充足する、アルコール飲料。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
甘味料を含有しない、柑橘果汁を含有するアルコール飲料であって、ナトリウムの含有量が50~870ppmであり、かつ、以下の条件:
(a) バニリンの含有量が0.05~2ppm;
(b) ソトロンの含有量が0.005~0.2ppm;
(c) イソアミルアルコールの含有量が5~200ppm;および
(d) イソバレルアルデヒドの含有量が0.05~2ppm
のうちの少なくとも一つを充足する、アルコール飲料。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記柑橘果汁が、レモンまたはグレープフルーツの果汁である、請求項1に記載のアルコール飲料。
【請求項3】
前記アルコール飲料の糖類濃度が0.5g/100mL未満である、請求項1または2に記載のアルコール飲料。
【請求項4】
甘味料を含有しない、柑橘果汁を含有するアルコール飲料を製造する方法であって、ナトリウムの含有量を50~870ppmに調整し、かつ、以下の条件:
(a) バニリンの含有量が0.05~2ppm;
(b) ソトロンの含有量が0.005~0.2ppm;
(c) イソアミルアルコールの含有量が5~200ppm;および
(d) イソバレルアルデヒドの含有量が0.05~2ppm
のうちの少なくとも一つを充足するように、これらの物質の含有量を調整する工程を含んでなる、方法。
【請求項5】
甘味料を含有しない、柑橘果汁を含有するアルコール飲料における味厚みを増強する方法であって、ナトリウムの含有量を50~870ppmに調整し、かつ、以下の条件:
(a) バニリンの含有量が0.05~2ppm;
(b) ソトロンの含有量が0.005~0.2ppm;
(c) イソアミルアルコールの含有量が5~200ppm;および
(d) イソバレルアルデヒドの含有量が0.05~2ppm
のうちの少なくとも一つを充足するように、これらの物質の含有量を調整する工程を含んでなる、方法。
【請求項6】
甘味料を含有しない、柑橘果汁を含有するアルコール飲料におけるアルコールの刺激を低減する方法であって、ナトリウムの含有量を50~870ppmに調整し、かつ、以下の条件:
(a) バニリンの含有量が0.05~2ppm;
(b) ソトロンの含有量が0.005~0.2ppm;
(c) イソアミルアルコールの含有量が5~200ppm;および
(d) イソバレルアルデヒドの含有量が0.05~2ppm
のうちの少なくとも一つを充足するように、これらの物質の含有量を調整する工程を含んでなる、方法。
【請求項7】
甘味料を含有しない、柑橘果汁を含有するアルコール飲料におけるまろやかさを増強する方法であって、ナトリウムの含有量を50~870ppmに調整し、かつ、以下の条件:
(a) バニリンの含有量が0.05~2ppm;および
(b) ソトロンの含有量が0.005~0.2ppm;
のうちの少なくとも一つを充足するように、これらの物質の含有量を調整する工程を含んでなる、方法。
【請求項8】
甘味料を含有しない、柑橘果汁を含有するアルコール飲料における柑橘の果汁感を増強する方法であって、ナトリウムの含有量を50~870ppmに調整し、かつ、以下の条件:
(c) イソアミルアルコールの含有量が5~200ppm;および
(d) イソバレルアルデヒドの含有量が0.05~2ppm
のうちの少なくとも一つを充足するように、これらの物質の含有量を調整する工程を含んでなる、方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、柑橘果汁を含有するアルコール飲料およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、消費者の食や健康への関心の高まりに伴い、アルコール飲料においても、消費者の食や健康を考えたアルコール飲料やその製造方法が提案されている。柑橘果汁を使用したアルコール飲料において、消費者の食や健康を考え、糖類または甘味料を不使用とした(無糖)アルコール飲料も近年発売されている。しかしながら、甘味料を含有しない柑橘果汁入りアルコール飲料においては、甘味料の不在に起因して様々な香味上の問題が生じる。
【0003】
一方で、特許文献1には、ナトリウムを含むアルコール飲料において、バニリン、4-ビニルグアイアコール、フェニルアセトアルデヒドなどの濃度調整により、後味の雑味が低減されることが開示されている。また、特許文献2には、ステビオール配糖体を含む飲料において、イソアミルアルコール、イソブタノールなどの濃度調整により、好ましい香味効果が付与されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-188606号公報
特開2023-98059号公報
【発明の概要】
【0005】
本発明者らは、甘味料を含有しない柑橘果汁含有アルコール飲料において、ナトリウムの濃度と、特定成分の濃度を所定の範囲に調整することにより、味厚みが増強されることを見出した。本発明は、この知見に基づくものである。
【0006】
従って、本発明は、味厚みが増強された、甘味料を含有しない柑橘果汁含有アルコール飲料、およびその製造方法を提供する。
【0007】
すなわち、本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)甘味料を含有しない、柑橘果汁を含有するアルコール飲料であって、ナトリウムの含有量が50~870ppmであり、かつ、以下の条件:
(a) バニリンの含有量が0.05~2ppm;
(b) ソトロンの含有量が0.005~0.2ppm;
(c) イソアミルアルコールの含有量が5~200ppm;および
(d) イソバレルアルデヒドの含有量が0.05~2ppm
のうちの少なくとも一つを充足する、アルコール飲料。
(2)前記柑橘果汁が、レモンまたはグレープフルーツの果汁である、前記(1)に記載のアルコール飲料。
(3)前記アルコール飲料の糖類濃度が0.5g/100mL未満である、前記(1)または(2)に記載のアルコール飲料。
(4)甘味料を含有しない、柑橘果汁を含有するアルコール飲料を製造する方法であって、ナトリウムの含有量を50~870ppmに調整し、かつ、以下の条件:
(a) バニリンの含有量が0.05~2ppm;
(b) ソトロンの含有量が0.005~0.2ppm;
(c) イソアミルアルコールの含有量が5~200ppm;および
(d) イソバレルアルデヒドの含有量が0.05~2ppm
のうちの少なくとも一つを充足するように、これらの物質の含有量を調整する工程を含んでなる、方法。
(5)甘味料を含有しない、柑橘果汁を含有するアルコール飲料における味厚みを増強する方法であって、ナトリウムの含有量を50~870ppmに調整し、かつ、以下の条件:
(a) バニリンの含有量が0.05~2ppm;
(b) ソトロンの含有量が0.005~0.2ppm;
(c) イソアミルアルコールの含有量が5~200ppm;および
(d) イソバレルアルデヒドの含有量が0.05~2ppm
のうちの少なくとも一つを充足するように、これらの物質の含有量を調整する工程を含んでなる、方法。
(6)甘味料を含有しない、柑橘果汁を含有するアルコール飲料におけるアルコールの刺激を低減する方法であって、ナトリウムの含有量を50~870ppmに調整し、かつ、以下の条件:
(a) バニリンの含有量が0.05~2ppm;
(b) ソトロンの含有量が0.005~0.2ppm;
(c) イソアミルアルコールの含有量が5~200ppm;および
(d) イソバレルアルデヒドの含有量が0.05~2ppm
のうちの少なくとも一つを充足するように、これらの物質の含有量を調整する工程を含んでなる、方法。
(7)甘味料を含有しない、柑橘果汁を含有するアルコール飲料におけるまろやかさを増強する方法であって、ナトリウムの含有量を50~870ppmに調整し、かつ、以下の条件:
(a) バニリンの含有量が0.05~2ppm;および
(b) ソトロンの含有量が0.005~0.2ppm;
のうちの少なくとも一つを充足するように、これらの物質の含有量を調整する工程を含んでなる、方法。
(8)甘味料を含有しない、柑橘果汁を含有するアルコール飲料における柑橘の果汁感を増強する方法であって、ナトリウムの含有量を50~870ppmに調整し、かつ、以下の条件:
(c) イソアミルアルコールの含有量が5~200ppm;および
(d) イソバレルアルデヒドの含有量が0.05~2ppm
のうちの少なくとも一つを充足するように、これらの物質の含有量を調整する工程を含んでなる、方法。
【0008】
本発明によれば、甘味料を含有しない、柑橘果汁を含有するアルコール飲料における味厚みを増強することができる。また、本発明によれば、甘味料を含有しない、柑橘果汁を含有するアルコール飲料におけるアルコールの刺激を低減することも可能である。
【発明の概要】
発明の具体的説明
【0009】
本発明において「アルコール飲料」とは、アルコール(エタノール)を含有する飲料を意味する。本発明のアルコール飲料には、使用した香料に由来するアルコール(エタノール)など、僅かなアルコール(エタノール)を含有する飲料も含まれる。本発明の好ましい実施態様によれば、本発明のアルコール飲料は、酒税法上アルコール飲料とみなされる、アルコール度数1度以上の飲料とされる。
【0010】
本発明において「味厚み」とは、香味に重みと幅を感じることを意味する。本発明において「アルコールの刺激」とは、アルコール(エタノール)に起因するトゲトゲしさを意味し、その「低減」とは、このトゲトゲしさが丸くなったように感じることを意味する。本発明において「まろやかさ」とは、香味にほのかな甘みがあるため、全体に丸みを感じることを意味する。本発明において「柑橘の果汁感」とは、香味に柑橘の果汁感を思わせる酸味を感じることを意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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