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公開番号
2025081763
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-27
出願番号
2025034586,2022205946
出願日
2025-03-05,2017-03-13
発明の名称
新しい免疫調節細胞およびその製造方法
出願人
トリゼル ゲーエムベーハー
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
5/0786 20100101AFI20250520BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】様々な免疫学的および非免疫学的な疾患および症状を処置するのに有用な新規免疫調節性マクロファージ細胞を作製するための方法、得られるマクロファージ細胞、ならびにマクロファージ細胞を含む医薬組成物を提供する。
【解決手段】(a)対象の血液試料からCD14陽性単球を単離することと;(b)該単球を気体透過性バッグ内で、(i)M-CSFおよび/またはGM-CSFならびに(ii)CD16リガンドを含有する培地中で培養することと;(c)該細胞をIFN-γと接触させることと;(d)該培地から該免疫調節性マクロファージ細胞を得ることとを含む、免疫調節性マクロファージ細胞を作製するための方法とする。
【選択図】図10
特許請求の範囲
【請求項1】
(a)対象の血液試料からCD14陽性単球を単離することと;
(b)該単球を気体透過性バッグ内で、(i)M-CSFおよび/またはGM-CSFならびに(ii)CD16リガンドを含有する培地中で培養することと;
(c)該細胞をIFN-γと接触させることと;
(d)該培地から該免疫調節性マクロファージ細胞を得ることと
を含む、免疫調節性マクロファージ細胞を作製するための方法。
続きを表示(約 720 文字)
【請求項2】
ステップ(b)において該培地がヒト血清、例えばヒトAB血清を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(b)において該M-CSFおよび/またはGM-CSFの濃度が5~100ng/ml、好ましくは20~25ng/mlの範囲である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(b)において該単球がIFN-γ刺激に先立って少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、または少なくとも7日間培養される、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
該気体透過性バッグがプラスチック、好ましくはポリオレフィンで作られている、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
ステップ(c)において該IFN-γの濃度が5~100ng/ml、好ましくは20~25ng/mlの範囲である、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
請求項1~6に記載の方法によって得られる免疫調節性マクロファージ細胞。
【請求項8】
以下のマーカー:CD38、CD209およびシンデカン-3のうちの1つ以上を発現しない、免疫調節性マクロファージ細胞。
【請求項9】
マーカーCD103、CD10およびClec-9aのうちの少なくとも1つを発現する、免疫調節性マクロファージ細胞。
【請求項10】
マーカーCD85hおよびCD258のうちの少なくとも1つをさらに発現する、請求項8または9に記載の免疫調節性マクロファージ細胞。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な免疫学的および非免疫学的な疾患および症状を処置するのに有用な新規免疫調節性マクロファージ細胞に関する。細胞は、他の細胞とは区別される特異なマーカーおよび活性パターンによって特徴付けられる。本発明はさらに、血液単球から免疫調節性マクロファージ細胞を作製するための方法を提供する。さらなる他の態様では、本発明は、本発明の免疫調節性マクロファージ細胞またはその細胞レベル以下の画分を含む医薬組成物に関する。本発明の免疫調節性マクロファージ細胞の細胞レベル以下の画分を作製するための方法も提供する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
レシピエントに寛容性を確立する手段として寛容ドナーから不寛容レシピエントへ免疫調節細胞を移すことは、実験的免疫学において周知の技術であるが、その臨床的応用は現在になってようやく真剣な注目を集めている[1]。現在のところ、調節性T細胞[2]、寛容原性樹状細胞[3]および調節性マクロファージ[4]を含めたいくつかの免疫調節細胞種が前臨床開発の時点に到達しつつあり、そのことは、免疫抑制剤としてそれらを初期治験で調査するのを可能にするであろう。
【0003】
T細胞およびB細胞によって媒介される自己免疫疾患、慢性炎症性障害、移植片対宿主疾患(GVHD)および移植拒絶反応を含めた幅広い免疫学的症状が、細胞に基づく免疫調節療法による処置を受けることができる可能性がある。これらの症状では、細胞に基づく免疫調節療法は、全身的な免疫抑制療法または抗炎症療法の必要性を低減または除去さえしてそれによって患者をその付随合併症から救う可能性を有する。調節細胞によって支援される類の免疫寛容は優勢かつ自己持続性であるため、細胞に基づく免疫調節療法が、それ以外ならば長期の全身的な免疫抑制療法または抗炎症療法を必要とするであろう疾患において、治療選択肢を提供する、という可能性が存在する。
【0004】
移植において補助的免疫抑制剤としての使用のためにとりわけ有望な1つの候補細胞種は、免疫調節性マクロファージ(本明細書中および文献中では「Mreg」と呼ぶ)である。Mreg細胞は、マクロファージ分化の特有の状態を反映しており、その堅牢な表現型および強力なT細胞抑制剤機能によって他の活性状態にあるマクロファージとは区別される[5]。ヒトMregは、試験管内でマイトジェン刺激によるT細胞増殖を強力に抑制し、それは、インターフェロン(IFN)γ誘導性インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ活性と接触依存的な活性化T細胞除去とに起因するものであり得る。加えて、Mregは、活性化誘導調節性T細胞の発達を促し、代わってそれはエフェクターT細胞の増殖を抑制しかつ樹状細胞の成熟を抑制する。したがって、Mregをレシピエントに投与する場合には免疫調節のフィードフォワードループが開始されて外来移植物の長期の免疫許容性または免疫病態の防止をもたらすものと仮定される。一連の事例研究および2つの初期治験において、Mreg含有細胞調合薬が補助的免疫抑制処置の一形態として合計19名の腎移植レシピエントに投与された[5]~[9]。これらの試験的研究は、固形臓器移植のためのこの技術の妥当性を明確に実証している。
【0005】
別の2名の生体腎移植レシピエントは現在、約8.0×10
6
細胞/kgのより純粋なドナー由来Mregで処置されている[5]。これら2名の患者は今や移植から6年超が経っており、彼らの単独の維持用免疫抑制としての低用量タクロリムス単剤療法において腎機能は安定している。生体腎移植におけるMreg療法のさらなる治験は今や、ONE Study(Clinicaltrials.gov:NCT02085629)の枠組み内で規制上の承認を得ている。この治験は、外科手術の7日前における500mg/日のミコフェノール酸モフェチルによる援護下で用量2.5×10
6
~7.5×10
6
個/kg体重のドナー由来Mreg細胞によって16名の患者を処置することを目的としている。
【0006】
免疫調節細胞の分野において近年偉大な進歩が遂げられたにもかかわらず、治療目的のため、例えばレシピエントにおける外来移植物の免疫許容性を誘導するために使用することができる調節細胞、およびこれらの細胞を最も効率的な方法で作製する方法は必要とされ続けている。特に、通常患者に対する高毒性に関連した一般的に使用される免疫抑制医薬を減らすのを可能にする、細胞に基づく療法が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、以前に記載されたMregとは著しく異なる新規な類のMreg細胞を提供する。Mreg細胞を製造するための改変された方法が新規な類のMreg細胞を生じさせることが予期せずして見出された。具体的には、本発明者らは、Mreg細胞を作製するために使用する単球細胞を培養フラスコの代わりに気体透過性バッグ内で培養した場合、Mreg細胞を細胞に基づく療法の手法に大いに適したものにする免疫調節特性を働かせる特有の表現型のMreg細胞が得られることを見出した。これらの細胞は、本明細書において、これらを既知のMregと区別するために「Mreg-bc」と称される。
【0008】
かくして、第1の態様において本発明は、対象の血液試料からの単球を気体透過性バッグ内でM-CSF/GM-CSF、CD16リガンド(例えば免疫グロブリン)およびIFN-γの存在下で培養することを含む、新規な類のマクロファージを作製する方法に関する。
【0009】
第2の態様において本発明は、本発明の第1の態様において言及した方法によって得ることができる新規な類のMreg細胞、すなわちMreg-bc細胞に関する。Mreg-bc細胞は、従来技術ではみられなかった特有の表現型を有する。Mreg-bc細胞は、この細胞種に特有でありかつ従来技術では記述がなかった有用な治療特性をもたらす生物学的活動を媒介する。
【0010】
第3の態様において本発明は、本発明の第2の態様に係るMreg-bc細胞または上記細胞の細胞レベル以下の画分を含む医薬組成物に関する。本発明の新しい細胞種を含有する医薬組成物は、必要に応じてさらなる活性成分または賦形剤を含有していてもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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