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公開番号2025081574
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-27
出願番号2025026375,2021568012
出願日2025-02-21,2020-05-15
発明の名称メッセンジャーRNAの精製方法
出願人トランスレイト バイオ, インコーポレイテッド
代理人個人,個人
主分類C12N 15/10 20060101AFI20250520BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】いかなる苛性または可燃性の溶媒も使用することなく、臨床使用に適した高品質のメッセンジャーRNA(mRNA)を精製するための方法を提供する。
【解決手段】メッセンジャーRNA(mRNA)を精製する方法であって、a)高モル塩溶液および両親媒性ポリマーを含む懸濁液中で前記mRNAを沈殿させて、沈殿したmRNAを提供することと、b)前記沈殿したmRNAを捕捉することと、c)工程b)で捕捉された前記沈殿したmRNAを、洗浄溶液で洗浄して、前記沈殿したmRNAを精製することと、d)工程c)からの前記沈殿したmRNAを可溶化して、精製されたmRNA組成物を得ることと、を含む、方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
メッセンジャーRNA(mRNA)を精製する方法であって、
a)高モル塩溶液および両親媒性ポリマーを含む懸濁液中で前記mRNAを沈殿させて、沈殿したmRNAを提供することと、
b)前記沈殿したmRNAを捕捉することと、
c)工程b)で捕捉された前記沈殿したmRNAを、洗浄溶液で洗浄して、前記沈殿したmRNAを精製することと、
d)工程c)からの前記沈殿したmRNAを可溶化して、精製されたmRNA組成物を得ることと、を含む、方法。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
前記精製されたmRNA組成物が、短鎖不全型(short abortive)RNA種、長鎖不全型(long abortive)RNA種、二本鎖RNA(dsRNA)、残留プラスミドDNA、残留インビトロ転写酵素、残留溶媒、および/または残留塩を含む混入物を実質的に含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記残留プラスミドDNAが、10pg/mg以下である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記両親媒性ポリマーが、プルロニクス、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記両親媒性ポリマーがPEGである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記懸濁液が、約10重量/体積%~約100重量/体積%の濃度のPEGを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記懸濁液が、約50重量/体積%の濃度のPEGを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記高モル塩溶液が、チオシアン酸グアニジニウム(GSCN)を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
両親媒性ポリマーを含む洗浄溶液が、工程c)で前記mRNAを洗浄するために使用される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記両親媒性ポリマーがPEGを含む、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月15日に出願された米国仮出願第62/848,412号および2019年8月26日に出願された同第62/891,781号に対する優先権を主張するものであり、これらのそれぞれは、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
メッセンジャーRNA(mRNA)療法は、様々な疾患の治療にとってますます重要なアプローチとなりつつある。mRNA療法は、治療を必要とする患者へのインビトロ転写した(IVT)および高純度のメッセンジャーRNA(mRNA)を含む医薬品の投与、および患者の体内のmRNAによりコードされるタンパク質の産生が含まれる。したがって、治療用途に適した高純度のmRNA産物の効率的で大規模な生産に対するニーズがある。
【0003】
従来、インビトロ転写から産生されたmRNAは、市販のクロマトグラフィーシステム、例えばHPLCを用いて、および/または有機混合物(フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール)への抽出およびその後のエタノール沈殿によって精製される。しかしながら、カラムシステムの使用は高価かつ困難であり、mRNAの抽出における苛性溶媒または可燃性溶媒の使用は、特に大規模な用途において、安全性およびコスト上の課題を呈することがある。
【0004】
治療用途に許容可能な高純度のmRNAを産生する、安全で費用効果の高い方法は、現在のところない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、とりわけ、メッセンジャーRNA(mRNA)を精製する非常に効率的で費用効果の高い方法を提供する。本発明は、部分的に、少量の揮発性有機化合物を使用してまたは揮発性有機化合物を使用せずにmRNAを精製する方法の驚くべき発見に基づいており、高完全性および高純度のmRNAをもたらす。したがって、一態様では、本発明は、いかなる苛性または可燃性の溶媒も使用することなく、大規模な製造プロセスの治療用途に使用することができるmRNAを精製するより効果的で、信頼性があり、かつ安全な方法を提供する。
【0006】
一部の態様では、本発明は、メッセンジャーRNA(mRNA)を精製する方法であって、a)高モル塩溶液および両親媒性ポリマーを含む懸濁液中でmRNAを沈殿させて、沈殿したmRNAを提供することと、b)沈殿したmRNAを捕捉することと、c)工程b)で捕捉された沈殿したmRNAを洗浄溶液で洗浄して、沈殿したmRNAを精製することと、d)工程c)からの沈殿したmRNAを可溶化溶液で可溶化して、精製されたmRNA組成物を得ることと、を含む、方法を提供する。
【0007】
いくつかの実施形態では、精製されたmRNA組成物は、短鎖不全型(short abortive)RNA種、長鎖不全型(long abortive)RNA種、二本鎖RNA(dsRNA)、残留プラスミドDNA、残留インビトロ転写酵素、残留溶媒および/または残留塩を含む混入物が実質的に存在しない。いくつかの実施形態では、精製されたmRNA組成物は、短鎖不全型RNA種を含む混入物を実質的に含まない。例えば
、精製されたmRNA組成物は、約1%未満の短鎖不全型RNA種を有する。いくつかの実施形態では、精製されたmRNA組成物は、長鎖不全型RNA種を含む混入物が実質的に存在しない。例えば、精製されたmRNA組成物は、キャピラリーゲル電気泳動(CGE)によって決定される場合、約55%以下の長鎖不全型/分解種を有する。いくつかの実施形態では、精製されたmRNA組成物は、二本鎖RNA(dsRNA)を含む混入物を実質的に含まない。例えば、精製されたmRNA組成物は、1%未満の二本鎖RNAを有する。いくつかの実施形態では、精製されたmRNA組成物は、残留プラスミドDNAを含む混入物を実質的に含まない。例えば、精製されたmRNA組成物は、10pg/mg以下の残留プラスミドDNAを有する。いくつかの実施形態では、精製mRNA組成物は、残留インビトロ転写酵素を含む混入物を実質的に含まない。例えば、精製されたmRNA組成物15μgに対して、0.3ng未満のポリメラーゼである。精製されたmRNA組成15μgに対して、0.3ng未満のキャップ酵素である。精製されたmRNA組成物15μgに対して、0.3ng未満のテール酵素である。いくつかの実施形態では、精製されたmRNA組成物は、残留溶媒を含む混入物を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、精製されたmRNA組成物は、残留塩を含む混入物を実質的に含まない。
【0008】
いくつかの実施形態では、精製されたmRNAは、10pg/mg精製mRNA以下の残留プラスミドDNAを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、懸濁液中の両親媒性ポリマーは、プルロニック(pluronic)(登録商標)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエーテル、例えばポリプロピレングリコール(PPG)もしくはポリプロピレンオキシド、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、懸濁液中の両親媒性ポリマーは、プルロニックである。いくつかの実施形態では、懸濁液中の両親媒性ポリマーは、ポリビニルピロリドンである。いくつかの実施形態では、懸濁液中の両親媒性ポリマーは、ポリビニルアルコールである。いくつかの実施形態では、懸濁液中の両親媒性ポリマーは、ポリエチレングリコールエーテル(PEG)である。いくつかの実施形態では、懸濁液中の両親媒性ポリマーは、ポリエーテルである。いくつかの実施形態では、懸濁液中の両親媒性ポリマーは、ポリプロピレングリコール(PPG)である。いくつかの実施形態では、懸濁液中の両親媒性ポリマーは、ポリプロピレンオキシドである。
【0010】
いくつかの実施形態では、懸濁液は有機溶媒を含まない。いくつかの実施形態では、懸濁液中の両親媒性ポリマーは、PEGである。いくつかの実施形態では、懸濁液は有機溶媒を含まず、mRNAはポリエチレングリコール(PEG)を使用して沈殿させる。いくつかの実施形態では、懸濁液は、mRNAを沈殿させるためのPEGを含む。いくつかの実施形態では、懸濁液は、約10重量/体積%~約100重量/体積%の濃度でPEGを含む。
(【0011】以降は省略されています)

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