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公開番号2025076306
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2024167695
出願日2024-09-26
発明の名称鉄(Fe)-コバルト(Co)系合金粉及びその製造方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類B22F 9/20 20060101AFI20250508BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】粉体特性及び磁気特性に優れる鉄-コバルト系合金粉及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】鉄(Fe)-コバルト(Co)系合金粉の製造方法であって、前記方法が以下の工程;磁性金属源、核剤、錯化剤、還元剤、及びpH調整剤を出発原料として準備する準備工程、前記出発原料と水を含む反応液を調製し、前記反応液中で、前記磁性金属を含む晶析粉を還元反応により晶析させる晶析工程、及び前記反応液から前記晶析粉を回収する回収工程、を備え、前記磁性金属源は、水溶性鉄塩及び水溶性コバルト塩を含み、前記核剤は、コバルトよりも貴な金属の水溶性塩であり、前記錯化剤は、o-スルホベンズイミド、o-スルホベンズイミドの塩、及びo-スルホベンズイミドの誘導体からなる群から選択される少なくとも一種であり、前記還元剤はヒドラジンであり、前記pH調整剤は水酸化アルカリである、方法。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも鉄(Fe)及びコバルト(Co)を磁性金属として含む鉄(Fe)-コバルト(Co)系合金粉の製造方法であって、前記方法が以下の工程;
磁性金属源、核剤、錯化剤、還元剤、及びpH調整剤を出発原料として準備する準備工程、
前記出発原料と水を含む反応液を調整し、前記反応液中で、前記磁性金属を含む晶析粉を還元反応により晶析させる晶析工程、及び
前記反応液から前記晶析粉を回収する回収工程、を備え、
前記磁性金属源は、水溶性鉄塩及び水溶性コバルト塩を含み、
前記核剤は、コバルトよりも貴な金属の水溶性塩であり、
前記錯化剤は、o-スルホベンズイミド(C



NO

S)、o-スルホベンズイミドの塩、及びo-スルホベンズイミドの誘導体からなる群から選択される少なくとも一種であり、
前記還元剤はヒドラジン(N



)であり、
前記pH調整剤は水酸化アルカリである、方法。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記水溶性鉄塩は、塩化第一鉄(FeCl

)、硫酸第一鉄(FeSO

)、及び硝酸第一鉄(Fe(NO



)からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水溶性コバルト塩は、塩化コバルト(CoCl2)、硫酸コバルト(CoSO

)、及び硝酸コバルト(Co(NO



)からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記磁性金属がニッケル(Ni)をさらに含み、
前記磁性金属源が水溶性ニッケル塩をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記水溶性ニッケル塩は、塩化ニッケル(NiCl

)、硫酸ニッケル(NiSO

)、及び硝酸ニッケル(Ni(NO



)からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記核剤は、銅塩、パラジウム塩、及び白金塩からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記pH調整剤は、水酸化ナトリウム(NaOH)及び水酸化カリウム(KOH)から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記出発原料は、アルキレンアミン及びアルキレンアミン誘導体の少なくとも一種であるアミン化合物をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記アルキレンアミン及びアルキレンアミン誘導体の少なくとも一種であるアミン化合物は、エチレンジアミン(H

NC



NH

)、ジエチレントリアミン(H

NC



NHC



NH

)、トリエチレンテトラミン(H

N(C



NH)





NH

)、テトラエチレンペンタミン(H

N(C



NH)





NH

)、ペンタエチレンヘキサミン(H

N(C



NH)





NH

)、及びプロピレンジアミン(CH

CH(NH

)CH

NH

)からなる群から選ばれる少なくとも一種のアルキレンアミン、及び/又はトリス(2-アミノエチル)アミン(N(C



NH



)、N-(2-アミノエチル)エタノールアミン(H

NC



NHC



OH)、N-(2-アミノエチル)プロパノールアミン(H

NC



NHC



OH)、2,3-ジアミノプロピオン酸(H

【請求項10】
前記晶析工程で反応液を調整する際、前記磁性金属源、前記核剤、及び前記錯化剤を水に溶解させた金属塩原料溶液と、前記還元剤及び前記pH調整剤を水に溶解させた還元剤溶液と、をそれぞれ用意し、前記金属塩原料溶液と前記還元剤溶液を混合する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄(Fe)-コバルト(Co)系合金粉及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
鉄-コバルト系合金は軟磁性材料であり、パーメンジュールとして知られる高飽和磁束密度の鉄-コバルト系合金(コバルト含有量が約50質量%の鉄-コバルト合金)などが知られている。鉄-コバルト系合金の内、鉄-コバルト合金は、電子顕微鏡の磁気レンズや、特殊な電磁弁・電磁石などの磁性部品に用いられる。また、鉄-コバルト合金にニッケルを加えた鉄-コバルト-ニッケル合金は、インダクタなどの磁性部品や各種電子デバイスのノイズ抑制用磁性シートなどに用いられる。
【0003】
近年、軟磁性金属粉には、小粒径化に加えて、飽和磁束密度や透磁率などの磁気特性の向上(特に高周波域)が必要とされ、そのため球状粒子よりも形状異方性が大きく形状磁気異方性を有する軟磁性金属粒子(立方体形状、棒状、扁平状など)が求められる場合がある。
【0004】
鉄-コバルト系合金粉の作製方法は従来から知られている。例えば、微細な鉄-コバルト系合金粉を作製する手法として、水溶液中で合成した鉄とコバルトを含む前駆体を高温下で水素ガスなどを用いて還元する乾式還元法(特許文献1)やアトマイズ法などの乾式法が知られている。
【0005】
より微細な鉄-コバルト合金粉を湿式法で作製することも提案されている。例えば、特許文献2には、鉄塩とコバルト塩を含む水溶液に、ヒドラジンなどの還元剤を添加して、水溶液に含まれる鉄イオンおよびコバルトイオンを同時に還元することにより、鉄-コバルト合金ナノ粒子を生成することを特徴とする鉄-コバルト合金ナノ粒子の製造方法が開示されている(特許文献2の請求項1~5)。この製造方法によれば、磁気特性を付与するためのフィラーとして好適な、平均一次粒子が200nm以下の鉄-コバルト合金ナノ粒子を、工業的規模にて低製造コストで、効率的に製造することができるとされている(特許文献2の[0015])
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2015/152048号
特開2010-189679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように微細な鉄-コバルト系合金粉を作製することが提案されているものの、従来の技術には、粉体特性に優れた合金粉を得る上で改良の余地があった。例えば、アトマイズ法で製造した合金粉は、形状は主に球状で、その平均粒径が数μm以上と大きく、微細化の要求に十分に応えていない。さらに得られる合金粉は、その粒度分布が広いため粗大粒子が含まれる。また合金粉の組成や粒径が安定しないという問題もある。特許文献1で提案される乾式還元法は、形状は軸比が1.7未満の棒状のようで、高温加熱を必要とするため、得られる合金粉が焼結して粗大な凝集粒子を形成しやすいという問題がある。
【0008】
特許文献2で提案される湿式法は、乾式法とは異なり低温で還元反応が進むため、粗大な凝集粒子が生成しにくいという利点がある。また凝集粒子が形成されたとしても、粒子同士の結合が強固でないため、凝集粒子を解砕することが容易である。しかしながら、特許文献2で提案される手法では、還元剤としてのヒドラジンを過度に多量に用いる必要がある。還元剤コストが大幅に増加するため実用的でない。また得られる合金粉は、主に角ばった不定形状で、その粒度分布が十分に小さいとは言えなかった。
【0009】
本発明者らは、このような従来の問題点に鑑みて鋭意検討を行った。その結果、特定の核剤と錯化剤を用いた湿式法を用いることで、平均粒径が小さく粒度分布がシャープで、疑似立方体形状(形状異方性)を有する粒子で構成される鉄-コバルト系合金粉を得ることができ、得られた合金粉は粉体特性及び磁気特性に優れるとの知見を得た。
【0010】
本発明は、このような知見に基づき完成されたものであり、粉体特性及び磁気特性に優れる鉄-コバルト系合金粉及びその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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