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公開番号2025075174
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2023186162
出願日2023-10-31
発明の名称細胞保存液及び細胞保存方法
出願人公益財団法人実中研
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類C12N 1/04 20060101AFI20250508BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】培養基質への定着能力を保持したままで接着性細胞の長時間の冷蔵保存を可能にする、細胞保存液及び細胞保存方法の提供。
【解決手段】高分子ポリマーを含む細胞保存液中で接着性細胞を、非凍結状態で冷蔵保存することを含む、接着性細胞の保存方法;接着性細胞を当該方法による保存後に二次元培養することを含む接着性細胞の培養方法;及びそれらの方法における使用に好適な高分子ポリマーを含む細胞保存液。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
高分子ポリマーを含む細胞保存液中で接着性細胞を、非凍結状態で冷蔵保存することを含む、接着性細胞の保存方法。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
高分子ポリマーが脱アシル化ジェランガム又はその塩を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
接着性細胞を、二次元培養における培養基質への定着能力を保持しながら冷蔵保存する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
接着性細胞が、最長100時間にわたり冷蔵保存される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
接着性細胞が、70時間以上にわたり冷蔵保存される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
接着性細胞が肝細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
接着性細胞が細胞保存液中で懸濁状態にある、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記細胞保存液が、鉄キレート剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
鉄キレート剤がデフェロキサミンを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の方法により、接着性細胞を冷蔵保存した後、接着性細胞を二次元培養することを含む、接着性細胞の培養方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、接着性細胞の長時間の冷蔵保存を可能にする細胞保存液及び細胞保存方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
初代ヒト肝細胞(PHH)の平面培養は、薬物動態試験や毒性解析試験など、新薬の開発過程に広く利用されている。PHHを平面培養する際、細胞密度が低くなると薬物代謝酵素の発現量が低下することが知られている(非特許文献1)。PHHの特性をin vitroで長期間維持するためには、培養細胞をできる限り高密度な状態で維持することが重要となる。
【0003】
市販の凍結PHHには、培養基質上での定着培養が可能なプレータブルグレード(接着性細胞)と、定着培養ができないサスペンジョングレード(浮遊細胞)の2種類が存在する。プレータブルグレードのPHHは、一般的に4週間以上の平面培養が可能であり、長期間にわたりin vitroで使用することができることから、融解後8時間程度しか使用できないサスペンジョングレードのPHHと比較してより有用性が高い。しかし、プレータブルグレードの凍結PHHを選択的に作製する方法は未だ確立されておらず、一般的に市販される凍結PHHにおいて、プレータブルグレードである凍結PHHは三割程度と言われている。
【0004】
一方、PHHを保存液に懸濁して冷蔵条件下(4℃、氷中)に置くと、短時間は培養基質への高い定着能力を維持したまま保存することができるが、長時間冷蔵保存したPHHでは培養基質への定着能力が低下する。PHHなどの細胞を長距離輸送する場合、例えば、日本から欧州に輸送するには空路であってもドアーツードアで少なくとも48~72時間、好ましくは96時間程度の保存時間を要することから、長時間の非凍結保存を行ってもPHH等の接着性細胞が培養基質への高い定着能力を維持することが可能な細胞保存方法の開発が求められている。
【0005】
非特許文献2は、複数の臓器保存液中で冷蔵保存したPHHについて、生存率及びコラーゲンIプレートへの定着能力はおよそ24時間の保存時間までは維持されたが、保存時間がさらに長くなると顕著に低下したことを報告している。
【0006】
非特許文献3は、鉄キレート剤を添加した特殊な組成の細胞保存液中でPHHを冷蔵保存し、加温処理することにより、低温ストレスによる細胞死を緩和したことを報告している。しかし非特許文献3で使用している細胞保存液は複雑な組成を有しており、再構成が難しい。
【0007】
特許文献1は、脱アシル化ジェランガム又はその塩を含む培地組成物中で血管平滑筋細胞を浮遊培養することによる、血管平滑筋細胞の培養方法を開示している。しかし当該培地組成物中で冷蔵保存した細胞の、培養基質への定着能力については開示されておらず、血管平滑筋細胞以外の細胞への効果についても言及されていない。
【0008】
特許文献2は、脱アシル化ジェランガム又はその塩とアルギン酸などの酸性多糖類を含む液体組成物中で、細胞又は組織を非凍結状態で保存することにより、良好な生存性を長期間維持できることを開示している。しかし、当該液体組成物中で冷蔵保存した細胞の、培養基質への定着能力については開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開WO2016/121896
国際公開WO2019/049985
【非特許文献】
【0010】
Yamasaki et al., PLOS ONE, 15(9): (2020) e0237809
Duret et al., Cell Transplantation, Vol. 24, pp. 2541-2555 (2015)
Pless et al., Cell Transplantation, Vol. 21, pp. 23-37 (2012)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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