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公開番号2025073593
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2023184516
出願日2023-10-27
発明の名称消火材及び消火機能を有する装置
出願人TOPPANホールディングス株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A62C 2/00 20060101AFI20250502BHJP(人命救助;消防)
要約【課題】消火剤の性能低下を抑制できるとともに、消火対象物とのショートを抑制し、消火性能に優れる消火材及びそれを備える装置を提供すること。
【解決手段】本開示に係る消火材は、消火剤層を含むシートと、シートを収容している包装材と、を備え、包装材が、アルミニウム箔と、アルミニウム箔のシートとは反対側に位置する絶縁層と、を含む積層構造を有し、消火剤層が、バインダー樹脂と、潮解性を有する有機塩及び無機塩のうち少なくとも一方の塩を含む消火剤と、を含み、絶縁層の溶融温度が、150℃~500℃である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
消火剤層を含むシートと、
前記シートを収容している包装材と、
を備え、
前記包装材が、アルミニウム箔と、前記アルミニウム箔の前記シートとは反対側に位置する絶縁層と、を含む積層構造を有し、
前記消火剤層が、バインダー樹脂と、潮解性を有する有機塩及び無機塩のうち少なくとも一方の塩を含む消火剤と、を含み、
前記絶縁層の溶融温度が、150℃~500℃である、消火材。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
前記絶縁層の体積抵抗率が、10
15
Ω・cm以上である、請求項1に記載の消火材。
【請求項3】
前記絶縁層の熱伝導率が、0.1W/(m・K)以上である、請求項1に記載の消火材。
【請求項4】
前記絶縁層が、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリ塩化ビニル及びポリプロピレンのうち少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の消火材。
【請求項5】
前記シートが、基材を更に備える、請求項1に記載の消火材。
【請求項6】
前記アルミニウム箔の厚さが、3μm以上15μm以下である、請求項1に記載の消火材。
【請求項7】
電気機器、配電盤、分電盤及び電池からなる群から選択される少なくとも1種の発火の可能性がある消火対象物と、
請求項1~6のいずれか一項に記載の消火材と、
を備える、消火機能を有する装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、消火材及び消火機能を有する装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、燃焼によりエアロゾルを発生する消火剤組成物をバインダと混合し、これをシート状に成形した消火体を開示している。特許文献2は、発火の懸念がある部位に容易に設置可能であり且つ発火時の初期消火に優れた効果を発揮する消火用フィルムを開示している。特許文献2の図6には、消火剤含有層1と、消火剤含有層1を挟むように配置された表層6a,6bとを備える消火用フィルム40が図示され、同文献の段落[0040]には表層6a,6bとして、例えば、樹脂基材を使用できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2018/047762号
特開2021-137345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、消火剤層を含む消火材を高温多湿の環境下に配置した場合、水分の侵入によって消火剤の性能が低下することがある。そこで、特許文献2の図6に示されたように、消火剤層を一対の樹脂基材で挟んで保護することによって消火剤の性能低下を抑制することが考えられる。本発明者らの検討によると、かかる構成の消火用フィルムは、水分の侵入による消火剤の性能低下を抑制する効果について未だ改善の余地があった。
【0005】
本発明者らは、消火剤の性能低下を抑制するために、アルミニウム箔を含む包装材により消火剤層を含むシートを収容することを検討した。すると、発火の可能性がある消火対象物が電気機器等である場合に、消火対象物の周辺に消火材を配置すると、電気回路がショートし、機器の故障や火災の原因となることが、検討により明らかとなった。
【0006】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、消火剤の性能低下を抑制できるとともに、消火対象物とのショートを抑制し、消火性能に優れる消火材を提供する。また、本開示は、このような消火材を備える消火機能を有する装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1] 消火剤層を含むシートと、
シートを収容している包装材と、
を備え、
包装材が、アルミニウム箔と、アルミニウム箔のシートとは反対側に位置する絶縁層と、を含む積層構造を有し、
消火剤層が、バインダー樹脂と、潮解性を有する有機塩及び無機塩のうち少なくとも一方の塩を含む消火剤と、を含み、
絶縁層の溶融温度が、150℃~500℃である、消火材。
[2] 絶縁層の体積抵抗率が、10
15
Ω・cm以上である、[1]に記載の消火材。
[3] 絶縁層の熱伝導率が、0.1W/(m・K)以上である、[1]又は[2]に記載の消火材。
[4] 絶縁層が、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリ塩化ビニル及びポリプロピレンのうち少なくとも1種を含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の消火材。
[5] シートが、基材を更に備える、[1]~[4]のいずれかに記載の消火材。
[6] アルミニウム箔の厚さが、3μm以上15μm以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の消火材。
[7] 電気機器、配電盤、分電盤及び電池からなる群から選択される少なくとも1種の発火の可能性がある消火対象物と、
[1]~[6]のいずれかに記載の消火材と、
を備える、消火機能を有する装置。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、消火剤の性能低下を抑制できるとともに、消火対象物とのショートを抑制し、消火性能に優れる消火材が提供される。また、本開示によれば、このような消火材を備える消火機能を有する装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は本開示の一実施形態に係る消火材を模式的に示す平面図である。
図2は図1に示す消火材のII-II線における模式断面図である。
図3は他の一実施形態に係る消火材の模式断面図である。
図4は他の一実施形態に係る消火材の模式断面図である。
図5は他の一実施形態に係る消火材の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、場合により図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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