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公開番号2025065530
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-17
出願番号2025022587,2021052226
出願日2025-02-14,2021-03-25
発明の名称皮膚の粘弾性向上剤
出願人オリザ油化株式会社
代理人
主分類A23L 33/105 20160101AFI20250410BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】 新規な皮膚の粘弾性向上剤を提供する。
【解決手段】 上記課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
1. トマト種子抽出物を有効成分とする皮膚の純弾性向上剤。
2.トマト種子抽出物を有効成分とする皮膚の正味の弾性向上剤。
3.トマト種子抽出物を有効成分とする皮膚の戻り率向上剤。
4.上記1.~上記3.のいずれかに記載の皮膚の粘弾性向上剤。
5.トマト種子抽出物を有効成分とする皮膚の粘弾性向上剤。
6.トマト種子抽出物を有効成分とするAGE産生抑制剤。
7.上記トマト種子抽出物は、リコペロサイド類を含有するものであることを特徴とする上記1.~上記6.に記載の剤。
8.上記リコペロサイド類は、リコペロサイドHであることを特徴とする上記7.に記載の剤。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
トマト種子抽出物を有効成分とするAGE産生抑制剤。
続きを表示(約 120 文字)【請求項2】
上記トマト種子抽出物は、リコペロサイド類を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の剤。
【請求項3】
上記リコペロサイド類は、リコペロサイドHであることを特徴とする請求項2に記載の剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の皮膚の粘弾性向上剤に関する。本発明は、食品、医薬品、化粧料等に広く利用される。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
皮膚の健康状態は、様々な指標を用いて評価される。例えば、皮膚の「はり」感の有無が健康状態や老化度の評価指標の一つとされる。「はり」は、角層・表皮由来のはりと、真皮由来のはりの二つに分けられる。特に真皮由来のはりは、指で皮膚を押すと押し戻すような弾力があり、指を離すと速やかに元に戻る状態をいい、物理的には粘弾性ともいう。そして皮膚の示すこの粘弾性は、年齢や紫外線被曝、化学物質への皮膚露出などによっても低下する。このため、皮膚のはりは、皮膚老化の指標ともなり得る。
皮膚を一つの弾性体であるとみなして、皮膚の粘弾性率を測定し、「はり」という官能的な評価方法に代えて用いようとする方法及び測定装置が開発されている。代表的な皮膚粘弾性測定装置としてCUTOMETER・キュートメーター(商品名)(Courage & Khazaka社製)がある。この装置は、皮膚表面を陰圧状態のプローブ開口部に引き込み、開口部に引き込まれた皮膚長をプリズムで測定し、次いで吸引を解除し、解除したときの変位長(戻り)を同様に測定し、この測定結果をパラメータとして粘弾性率を求めるものである(非特許文献1参照)。この装置を用いた粘弾性率を指標として、皮膚の老化度の評価や、化粧料の効果を評価することが化粧品業界や、美容関連医療分野において広く普及している。
特許文献1には、皮膚のたるみを改善させるような美容施術を行ったときの効果を評価する手段としてキュートメーターを使用することが記載されている。
非特許文献2には、グルコシルセラミド含有ビート抽出物の皮膚弾力性に及ぼす影響を、キュートメーターを用いて評価したことが記載されている。このように皮膚粘弾性は皮膚の健康状態を評価するための重要なパラメータであると認識されている。
【0003】
また、皮膚の粘弾性を向上させる成分や組成物も各種提案されている。特許文献2には、昆布由来のフコイダンは、低下した皮膚の弾性を向上させることが記載されている。特許文献3には、アスタキサンチンが皮膚の弾性を向上させることが記載されている(特許文献4)。
【0004】
また、メイラード反応による生体内のタンパク質の糖化は様々な症状や疾患に関与し、老化現象へとつながることが明らかとなっている。
例えば、メイラード反応により生成したAGEsの体内への蓄積は、糖尿病合併症、動脈硬化、骨粗鬆症、後縦靭帯骨化症、筋委縮、関節リウマチ、加齢黄斑変性、非アルコール性脂肪肝炎、インスリン抵抗性、歯周病、アルツハイマー病、神経変性疾患、皮膚疾患などのさまざまな疾患の発症の原因の1つとなり得る。
また、皮膚の真皮を構成するコラーゲンがメイラード反応により糖化されると、皮膚の弾力や張りを保っているコラーゲンが分解される。これにより皮膚は弾力を失い、張りの低下やシワやたるみの形成に関与する。
さらに、骨組織を構成するコラーゲンがメイラード反応により糖化されると、骨のしなやかさが失われる。骨のしなやかさが失われると、骨密度が正常であっても骨強度が低下する。したがって、生体内のコラーゲンに対するメイラード反応は、骨強度を示す指標の1つである骨のしなやかさ(骨質)の劣化にも影響する(特許文献5)。
【0005】
一方、トマト(Solanum lycopersicum)は世界中で日常的に食されている植物であり、ビタミンC、リコピン、GABAなどの成分を豊富に含むことからジュースやサプリメントとして販売されている。トマトの機能性としては、血圧低下作用やコレステロール低下作用が報告されている。また、2004年にはトマトから新規のサポニンであるesculeoside類が同定され(非特許文献5及び非特許文献6)、そのうちesculeoside Aにはマウスにおける高脂血症および動脈硬化の改善作用が見出されている(非特許文献7)。しかしながら、これらは全てトマトの果実における知見であり、トマトの種子に限定した報告は少ない。
【0006】
また、トマト種子に着目した研究の結果、種子に主要な成分がサポニン化合物であるリコペロサイドHであること、トマト種子エキスおよびリコペロサイドHがヒト皮膚線維芽細胞におけるコラーゲンおよびエラスチンの産生促進作用を示すことが見出されている(非特許文献2)。また、アトピー性皮膚炎モデルマウスにトマト種子エキスおよびリコペロサイドHを経口投与することによって、経皮水分蒸散量の改善を伴う皮膚炎症状の緩和作用も確認されている(非特許文献3)
【0007】
特開2010-51717号公報
特開2003-313131号公報
特開2005-27589号公報
特開2016-216436号公報
特開2017-171638号公報
株式会社インテグラル. Cutometer dual MPA580 取扱説明書 (Cuto dual 07/2014 EN JA). 2014.
堀未央、米井嘉一他、Anti-Aging Medicine、 7[11]129-142、2010
竹田翔伍, 山田和佳奈, 中村誠宏ら. トマト種子抽出物および含有サポニンの皮膚細胞外マトリックスに及ぼす効果. 農芸化学会2019年度大会講演要旨集. 2019;242.
オリザ油化株式会社 トマト種子エキスカタログ 更新日 2019 年9 月24 日
Ohshima H, Kinoshita S, Oyobikawa M, et al. Use of Cutometer area parameters in evaluating age-related changes in the skin elasticity of the cheek. Ski Res Technol. 2013;19(1):1-2.
Fujiwara S. et al., Tetrahedron, 60, 4915-4920 (2004).
Ono M. et al., Chem. Pharm. Bull., 54(2), 237-239 (2006).
Nohara T., J. Trad. Med., 27, 217-224 (2010).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような背景の下、本発明者は、トマト種子抽出物、特にリコペロサイド類を含有するトマト種子抽出物に皮膚の粘弾性向上作用及びAGE産生抑制作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、新規な成分を有効成分とする皮膚の粘弾性向上剤及びAGE産生抑制剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
1. トマト種子抽出物を有効成分とする皮膚の純弾性向上剤。
2.トマト種子抽出物を有効成分とする皮膚の正味の弾性向上剤。
3.トマト種子抽出物を有効成分とする皮膚の戻り率向上剤。
4.上記1.~上記3.のいずれかに記載の皮膚の粘弾性向上剤。
5.トマト種子抽出物を有効成分とする皮膚の粘弾性向上剤。
6.トマト種子抽出物を有効成分とするAGE産生抑制剤。
7.上記トマト種子抽出物は、リコペロサイド類を含有するものであることを特徴とする上記1.~上記6.に記載の剤。
8.上記リコペロサイド類は、リコペロサイドHであることを特徴とする上記7.に記載の剤。
【図面の簡単な説明】
【0010】
キュートメーターを操作したときに得られる皮膚の変形を測定したチャートである。
トマト種子エキス-P摂取が皮膚の粘弾性に及ぼす影響を示すグラフである。
トマト種子エキス-P摂取が血中ペントシジン量に及ぼす影響を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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