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公開番号
2025063225
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-15
出願番号
2025007564,2021559759
出願日
2025-01-20,2020-04-08
発明の名称
三重特異性結合性タンパク質、方法、およびその使用
出願人
サノフイ
,
SANOFI
代理人
個人
,
個人
主分類
C07K
16/46 20060101AFI20250408BHJP(有機化学)
要約
【課題】三重特異性及び/又は三価結合性タンパク質を提供する。
【解決手段】三重特異性および/または三価結合性タンパク質であって、1つまたはそれ以上の標的タンパク質に特異的に結合する3つの抗原結合性部位を形成する4つのポリペプチド鎖を含み、該結合性タンパク質を形成するポリペプチドの第1のペアは、クロスオーバー配向性を有する二重可変ドメインを持ち、ポリペプチドの第2のペアは、単一の抗原結合性部位を形成する単一の可変ドメインを持つ、前記結合性タンパク質が本明細書において提供される。一部の実施形態において、結合性タンパク質は、CD28ポリペプチドに結合する結合性部位、CD3ポリペプチドに結合する結合性部位、および第3のポリペプチド、例えば腫瘍標的タンパク質に結合する結合性部位を含む。
【選択図】図1A
特許請求の範囲
【請求項1】
3つの抗原結合性部位を形成する4つのポリペプチド鎖を含む結合性タンパク質であって、第1のポリペプチド鎖は、式:
V
L2
-L
1
-V
L1
-L
2
-C
L
[I]
により表される構造を含み、
第2のポリペプチド鎖は、式:
V
H1
-L
3
-V
H2
-L
4
-C
H1
-ヒンジ-C
H2
-C
H3
[II]
により表される構造を含み、
第3のポリペプチド鎖は、式:
V
H3
-C
H1
-ヒンジ-C
H2
-C
H3
[III]
により表される構造を含み、
第4のポリペプチド鎖は、式:
V
L3
-C
L
[IV]
により表される構造を含み、
ここで、
V
L1
は第1の免疫グロブリン軽鎖可変ドメインであり;
V
L2
は第2の免疫グロブリン軽鎖可変ドメインであり;
V
L3
は第3の免疫グロブリン軽鎖可変ドメインであり;
V
H1
は第1の免疫グロブリン重鎖可変ドメインであり;
V
H2
は第2の免疫グロブリン重鎖可変ドメインであり;
V
H3
は第3の免疫グロブリン重鎖可変ドメインであり;
C
L
は免疫グロブリン軽鎖定常ドメインであり;
C
H1
は免疫グロブリンC
H1
重鎖定常ドメインであり;
C
H2
は免疫グロブリンC
H2
続きを表示(約 5,500 文字)
【請求項2】
第1の結合性部位はCD28ポリペプチドに結合する、請求項1に記載の結合性タンパク質。
【請求項3】
V
H1
ドメインは、GYTFTSYY(配列番号49)のアミノ酸配列を含むCDR-H1配列、IYPGNVNT(配列番号50)のアミノ酸配列を含むCDR-H2配列、およびTRSHYGLDWNFDV(配列番号51)のアミノ酸配列を含むCDR-H3配列を含み、V
L1
ドメインは、QNIYVW(配列番号52)のアミノ酸配列を含むC
DR-L1配列、KAS(配列番号53)のアミノ酸配列を含むCDR-L2配列、およびQQGQTYPY(配列番号54)のアミノ酸配列を含むCDR-L3配列を含む、請求項2に記載の結合性タンパク質。
【請求項4】
V
H1
ドメインは
QVQLVQSGAEVVKPGASVKVSCKASGYTFTSYYIHWVRQAPGQGLEWIGSIYPGNVNTNYAQKFQGRATLTVDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCTRSHYGLDWNFDVWGKGTTVTVSS(配列番号91)のアミノ酸配列を含み、かつ/またはV
L1
ドメインは
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQNIYVWLNWYQQKPGKAPKLLIYKASNLHTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDIATYYCQQGQTYPYTFGQGTKLEIK(配列番号92)のアミノ酸配列を含む、
請求項3に記載の結合性タンパク質。
【請求項5】
V
L2
ドメインのCDR-L1配列は、QSLVHQNAQTY(配列番号59)、QSLVHENLQTY(配列番号60)、QSLVHENLFTY(配列番号61)、およびQSLVHENLRTY(配列番号62)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の結合性タンパク質。
【請求項6】
V
H2
ドメインは
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFTKAWMHWVRQAPGKQLEWVAQIKDKSNSYATYYADSVKGRFTISRDDSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCRGVYYALSPFDYWGQGTLVTVSS(配列番号93)またはQVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFTKAWMHWVRQAPGKQLEWVAQIKDKSNSYATYYASSVKGRFTISRDDSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCRGVYYALSPFDYWGQGTLVTVSS(配列番号302)のアミノ酸配列を含み、かつ/またはV
L2
ドメインは、
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLVHQNAQTYLSWYLQKPGQSPQSLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCGQGTQYPFTFGSGTKVEIK(配列番号95)、DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLVHENLQTYLSWYLQKPGQSPQSLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCGQGTQYPFTFGSGTKVEIK(配列番号96)、DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLVHENLFTYLSWYLQKPGQSPQSLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCGQGTQYPFTFGSGTKVEIK(配列番号97)、およびDIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLVHENLRTYLSWYLQKPGQSPQSLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCGQGTQYPFTFGSGTKVEIK(配列番号98)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、
請求項5に記載の結合性タンパク質。
【請求項7】
第3の抗原結合性部位は腫瘍標的タンパク質に結合する、請求項1~6のいずれか1項に記載の結合性タンパク質。
【請求項8】
第3の抗原結合性部位はヒトCD38ポリペプチドに結合する、請求項1~6のいずれか1項に記載の結合性タンパク質。
【請求項9】
(a)V
H3
ドメインは、GYTFTSYA(配列番号13)のアミノ酸配列を含むCDR-H1配列、IYPGQGGT(配列番号14)のアミノ酸配列を含むCDR-H2配列、およびARTGGLRRAYFTY(配列番号15)のアミノ酸配列を含むCDR-H3配列を含み、V
L3
ドメインは、QSVSSYGQGF(配列番号16)のアミノ酸配列を含むCDR-L1配列、GAS(配列番号17)のアミノ酸配列を含むCDR-L2配列、およびQQNKEDPWT(配列番号18)のアミノ酸配列を含むCDR-L3配列を含み;
(b)V
H3
ドメインは、GYTLTEFS(配列番号19)のアミノ酸配列を含むCDR-H1配列、FDPEDGET(配列番号20)のアミノ酸配列を含むCDR-H2配列、およびTTGRFFDWF(配列番号21)のアミノ酸配列を含むCDR-H3配列を含み、V
L3
ドメインは、QSVISRF(配列番号22)のアミノ酸配列を含むCDR-L1配列、GAS(配列番号23)のアミノ酸配列を含むCDR-L2配列、およびQQDSNLPIT(配列番号24)のアミノ酸配列を含むCDR-L3配列を含み;
(c)V
H3
ドメインは、GYAFTTYL(配列番号25)のアミノ酸配列を含むCDR-H1配列、INPGSGST(配列番号26)のアミノ酸配列を含むCDR-H2配列、およびARYAYGY(配列番号27)のアミノ酸配列を含むCDR-H3配列を含み、V
L3
ドメインは、QNVGTA(配列番号28)のアミノ酸配列を含むCDR-L1配列、SAS(配列番号29)のアミノ酸配列を含むCDR-L2配列、およびQQYSTYPFT(配列番号30)のアミノ酸配列を含むCDR-L3配列を含み;
(d)V
H3
ドメインは、GYSFTNYA(配列番号31)のアミノ酸配列を含むCDR-H1配列、ISPYYGDT(配列番号32)のアミノ酸配列を含むCDR-H2配列、およびARRFEGFYYSMDY(配列番号33)のアミノ酸配列を含むCDR-H3配列を含み、V
L3
ドメインは、QSLVHSNGNTY(配列番号34)のアミノ酸配列を含むCDR-L1配列、KVS(配列番号35)のアミノ酸配列を含むCDR-L2配列、およびSQSTHVPLT(配列番号36)のアミノ酸配列を含むCDR-L3配列を含み;
(e)V
H3
ドメインは、GFTFSSYG(配列番号37)のアミノ酸配列を含むCDR-H1配列、IWYDGSNK(配列番号38)のアミノ酸配列を含むCDR-H2配列、およびARDPGLRYFDGGMDV(配列番号39)のアミノ酸配列を含むCDR-H3配列を含み、V
L3
ドメインは、QGISSY(配列番号40)のアミノ酸配列を含むCDR-L1配列、AAS(配列番号41)のアミノ酸配列を含むCDR-L2配列、およびQQLNSFPYT(配列番号42)のアミノ酸配列を含むCDR-L3配列を含み;または
(f)V
H3
ドメインは、GFTFSSYG(配列番号43)のアミノ酸配列を含むCDR-H1配列、IWYDGSNK(配列番号44)のアミノ酸配列を含むCDR-H2配列、およびARMFRGAFDY(配列番号45)のアミノ酸配列を含むCDR-H3配列を含み、V
L3
ドメインは、QGIRND(配列番号46)のアミノ酸配列を含むCDR-L1配列、AAS(配列番号47)のアミノ酸配列を含むCDR-L2配列、およびLQDYIYYPT(配列番号48)のアミノ酸配列を含むCDR-L3配列を含む、請求項8に記載の結合性タンパク質。
【請求項10】
(a)V
H3
ドメインは
QVQLVQSGAEVVKPGASVKVSCKASGYTFTSYAMHWVKEAPGQRLEWIGYIYPGQGGTNYNQKFQGRATLTADTSASTAYMELSSLRSEDTAVYFCARTGGLRRAYFTYWGQGTLVTVSS(配列番号79)のアミノ酸配列を含み、かつ/もしくはV
L3
ドメインは
DIVLTQSPATLSLSPGERATISCRASQSVSSYGQGFMHWYQQKPGQPPRLLIYGASSRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISPLEPEDFAVYYCQQNKEDPWTFGGGTKLEIK(配列番号80)のアミノ酸配列を含み;
(b)V
H3
ドメインは
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKVSGYTLTEFSIHWVRQAPGQGLEWMGGFDPEDGETIYAQKFQGRVIMTEDTSTDTAYMEMNSLRSEDTAIYYCTTGRFFDWFWGQGTLVTVSS(配列番号81)のアミノ酸配列を含み、かつ/もしくはV
L3
ドメインは
EIILTQSPAILSLSPGERATLSCRASQSVISRFLSWYQVKPGLAPRLLIYGASTRATGIPVRFSGSGSGTDFSLTISSLQPEDCAVYYCQQDSNLPITFGQGTRLEIK(配列番号82)のアミノ酸配列を含み;
(c)V
H3
ドメインは
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYAFTTYLVEWIRQRPGQGLEWMGVINPGSGSTNYAQKFQGRVTMTVDRSSTTAYMELSRLRSDDTAVYYCARYAYGYWGQGTLVTVSS(配列番号83)のアミノ酸配列を含み、かつ/もしくはV
L3
ドメインは
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQNVGTAVAWYQQKPGKSPKQLIYSASNRYTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDLATYYCQQYSTYPFTFGQGTKLEIK(配列番号84)のアミノ酸配列を含み;
(d)V
H3
ドメインは
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTNYAVHWVRQAPGQGLEWMGVISPYYGDTTYAQKFQGRVTMTVDKSSSTAYMELSRLRSDDTAVYYCARRFEGFYYSMDYWGQGTLVTVSS(配列番号85)のアミノ酸配列を含み、かつ/もしくはV
L3
ドメインは
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRPSQSLVHSNGNTYLNWYQQRPGQSPKLLIYKVSKRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCSQSTHVPLTFGGGTKVEIK(配列番号86)のアミノ酸配列を含み;
(e)V
H3
ドメインは
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMYWVRQAPGKGLEWVAVIWYDGSNKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYHCARDPGLRYFDGGMDVWGQGTTVTVSS(配列番号87)のアミノ酸配列を含み、かつ/もしくはV
L3
ドメインは
DIQLTQSPSFLSASVGDRVTITCRASQGISSYLAWYQQKPGKAPKLLIFAASTLHSGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCQQLNSFPYTFGQGTKLEIK(配列番号88)のアミノ酸配列を含み;または
(f)V
H3
ドメインは
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKGLEWVAVIWYDGSNKYYADSVKGRFTISGDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARMFRGAFDYWGQGTLVTVSS(配列番号89)のアミノ酸配列を含み、かつ/もしくはV
L3
ドメインは
AIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIRNDLGWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISGLQPEDSATYYCLQDYIYYPTFGQGTKVEIK(配列番号90)のアミノ酸配列を含む、
請求項9に記載の結合性タンパク質。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月9日に出願された米国仮出願第62/831,572号、および2019年10月8日に出願されたEP出願第EP19306311.2号に対する優先権を主張し、これらのそれぞれの開示を参照によって全体として本明細書に組み入れる。
続きを表示(約 2,600 文字)
【0002】
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
ASCIIテキストファイルでの以下の提出の内容を参照によって全体として本明細書に組み入れる:コンピュータ読取り可能な形態(CRF)の配列表(ファイル名:183952032040SEQLIST.TXT、記録日:2020年4月6日、サイズ:526KB)。
【0003】
分野
本開示は、三重特異性および/または三価結合性タンパク質であって、1つまたはそれ以上の標的タンパク質に特異的に結合する3つの抗原結合性部位を形成する4つのポリペプチド鎖を含み、結合性タンパク質を形成するポリペプチドの第1のペアは、クロスオーバー配向性を有する二重可変ドメインを持つ、前記結合性タンパク質に関する。本開示はまた、三重特異性および/または三価結合性タンパク質を作製する方法ならびにそのような結合性タンパク質の使用に関する。
【背景技術】
【0004】
モノクローナル抗体ベースのバイオ医薬品は新たな薬物開発のための重要な手段となった。モノクローナル抗体技術は、特有の細胞集団に向けて特異的標的化、精密なシグナル伝達および/またはペイロードを与え、そのFc機能を通じて長期持続性の生物学的効果を提供する。抗体工学における努力は、様々な生物学的応用のために2つのモノクローナル抗体の特異性を組み合わせた二重特異性抗体を開発することを可能とし、抗体薬物開発の範囲を拡大した。向上した広さおよび効力を有する新たに発見される中和抗体は、複雑な疾患、例えばがん、関節炎、および/または炎症性障害を処置するためのバイオ医薬品を開発するためのより多くのオプションを提供し得る。
【0005】
免疫腫瘍学は、がんにおける疾患管理のための有望な、新興の治療アプローチである。免疫系は、がんの発症および進行に対する防御の最前線である。T細胞は腫瘍成長を制御し、疾患の早期および後期の両方のステージにおいてがん患者の生存を長期化させることができることの大きい証拠が現在存在する。しかしながら、腫瘍に特異的なT細胞は、それらが疾患を制御することを防止する多数のやり方で制限される。
【0006】
ヒト適応免疫の部分として、T細胞免疫はウイルス感染症およびがんの制御において決定的な役割を果たし、感染した細胞および悪性細胞を場合により排除して、ウイルス感染のクリアランスまたはがんの治癒を結果としてもたらす。慢性感染性疾患、例えばヘルペスウイルス感染症(HSV、CMV、EBVなど)、HIV、およびHBVにおいて、ウイルスは、免疫抑制、T細胞疲弊、および潜伏確立を含めて様々な機構によりヒトにおいてそれらの持続を確立する。それにもかかわらず、ウイルス感染は、サイトカイン放出または細胞傷害性T細胞(CTL)媒介性殺滅プロセスを通じた制御または殺滅のために感染した細胞を容易に認識することができる抗原特異的CD8 T細胞を含むウイルス抗原特異的免疫を一般に誘導する。
【0007】
そのため、in vivoおよび/またはex vivoでのウイルス抗原特異的T細胞の活性化および/または増幅は、慢性ウイルス感染症に対する治療戦略を提供し得る。
【0008】
特許出願、特許公報、およびUniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号を含めて、本明細書において参照される全ての参考文献を、各個々の参考文献が参照によって組み入れることを特におよび個々に指し示されたのと同様に、参照によって全体として本明細書に組み入れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらおよび他の必要性を満たすために、3つの抗原結合性部位を形成する三重特異性結合性タンパク質(例えば、抗体)が本明細書において提供される。これらの結合性タンパク質は、1、2、または3つの抗原標的または標的タンパク質、例えばCD28、CD3、および腫瘍標的タンパク質に特異的に結合することができる。一部の腫瘍は特異的な抗原を発現する。例えば、HER2の増幅および過剰発現は、乳がんの分子サブタイプ、そしてまた胃、卵巣、肺および前立腺癌において見出すことができる。T細胞の最適な活性化は、2つの要因:1.抗原認識および2.共刺激を要求する。本明細書に記載の三重特異性HER2/CD28×CD3三重特異性結合性タンパク質を使用すると、シグナル1はアゴニスト抗CD3結合性部位により提供され、シグナル2はアゴニスト抗CD28結合性部位により提供される。三重特異性結合性タンパク質は、HER2、CD38、または別の腫瘍標的タンパク質を認識する結合性部位を介してT細胞を腫瘍に動員し、係合したT細胞を抗CD3およびCD28を介して活性化させる。結果としてもたらされた活性化は、近くの腫瘍細胞に対する免疫細胞の殺滅潜在性を誘導する。追加的に、抗CD3結合性部位は、ヒトCD3ポリペプチドに対する高親和性結合および除去された潜在的な製造的不都合(例えば、脱アミド部位)と共に記載される。
【0010】
T細胞の活性化、ならびに抗原特異的T細胞のその後の増殖および/または増幅におけるそれらの潜在能力のために開発および評価された抗CD38/CD28×CD3三重特異性抗体が本明細書においてさらに提供される。これらの三重特異性Abは、抗原特異的CD8 Tセントラルメモリーおよびエフェクターメモリー細胞を含めて、CD4およびCD8エフェクターおよびメモリー集団をin vitroで有効に拡大増殖させることができる。特に、CMV、EBV、HIV-1、インフルエンザ特異的なCD8セントラルメモリーおよびエフェクターメモリー細胞のin vitro拡大増殖が実証された。本明細書に記載の抗CD38/CD28×CD3三重特異性抗体は、CD3/CD28/CD38に係合し、T細胞を刺激し拡大増殖させるためのシグナル伝達経路を提供することにより新規の特性を呈し、これは慢性感染性疾患、例えばHSV、CMV、EBV、HIV-1、およびHBV感染症を処置する有効な戦略を与え得る。
(【0011】以降は省略されています)
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