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公開番号
2025169360
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-12
出願番号
2025135335,2022506101
出願日
2025-08-15,2020-07-27
発明の名称
多価肺炎球菌多糖体-タンパク質コンジュゲート組成物およびその使用方法
出願人
サノフィ パスツール インコーポレイテッド
,
エスケー バイオサイエンス カンパニー リミテッド
代理人
個人
,
個人
主分類
A61K
39/09 20060101AFI20251105BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】改良された多価肺炎球菌コンジュゲート組成物およびそれを含むワクチンを提供する。
【解決手段】多価肺炎球菌コンジュゲート組成物であって、22~27種の異なる肺炎球菌莢膜多糖体-タンパク質コンジュゲートを含み、各肺炎球菌莢膜多糖体-タンパク質コンジュゲートが、異なる血清型の肺炎連鎖球菌由来の莢膜多糖体にコンジュゲート化されたタンパク質担体を含み、肺炎連鎖球菌血清型は、1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、18C、19A、19F、22F、23A、23B、23F、24F、33F、および35Bから選択される、前記多価肺炎球菌コンジュゲート組成物による。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
多価肺炎球菌コンジュゲート組成物であって、22~27種の異なる肺炎球菌莢膜多糖体-タンパク質コンジュゲートを含み、各肺炎球菌莢膜多糖体-タンパク質コンジュゲートが、異なる血清型の肺炎連鎖球菌由来の莢膜多糖体にコンジュゲート化されたタンパク質担体を含み、肺炎連鎖球菌血清型は、1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、18C、19A、19F、22F、23A、23B、23F、24F、33F、および35Bから選択される、前記多価肺炎球菌コンジュゲート組成物。
続きを表示(約 2,100 文字)
【請求項2】
27種の異なる肺炎球菌莢膜多糖体-タンパク質コンジュゲートを含み、各肺炎球菌莢膜多糖体-タンパク質コンジュゲートが、異なる血清型の肺炎連鎖球菌由来の莢膜多糖体にコンジュゲート化されたタンパク質担体を含み、肺炎連鎖球菌血清型は、1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、18C、19A、19F、23A、23B、22F、23F、24F、33F、および35Bから選択される、請求項1に記載の多価肺炎球菌コンジュゲート組成物。
【請求項3】
26種の異なる肺炎球菌莢膜多糖体-タンパク質コンジュゲートを含み、各肺炎球菌莢膜多糖体-タンパク質コンジュゲートが、異なる血清型の肺炎連鎖球菌由来の莢膜多糖体にコンジュゲート化されたタンパク質担体を含み、肺炎連鎖球菌血清型は、1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、および35B、ならびに15A、15C、23A、23B、および24Fから選択される4つの血清型から選択される、請求項1に記載の多価肺炎球菌コンジュゲート組成物。
【請求項4】
25種の異なる肺炎球菌莢膜多糖体-タンパク質コンジュゲートを含み、各肺炎球菌莢膜多糖体-タンパク質コンジュゲートが、異なる血清型の肺炎連鎖球菌由来の莢膜多糖体にコンジュゲート化されたタンパク質担体を含み、肺炎連鎖球菌血清型は、1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、および35B、ならびに15A、15C、23A、23B、および24Fから選択される3つの血清型から選択される、請求項1に記載の多価肺炎球菌コンジュゲート組成物。
【請求項5】
24種の異なる肺炎球菌莢膜多糖体-タンパク質コンジュゲートを含み、各肺炎球菌莢膜多糖体-タンパク質コンジュゲートが、異なる血清型の肺炎連鎖球菌由来の莢膜多糖体にコンジュゲート化されたタンパク質担体を含み、肺炎連鎖球菌血清型は、1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、および35B、ならびに15A、15C、23A、23B、および24Fから選択される2つの血清型から選択される、請求項1に記載の多価肺炎球菌コンジュゲート組成物。
【請求項6】
23種の異なる肺炎球菌莢膜多糖体-タンパク質コンジュゲートを含み、各肺炎球菌莢膜多糖体-タンパク質コンジュゲートが、異なる血清型の肺炎連鎖球菌由来の莢膜多糖体にコンジュゲート化されたタンパク質担体を含み、肺炎連鎖球菌血清型は、1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、および35B、ならびに15A、15C、23A、23B、および24Fから選択される1つの血清型から選択される、請求項1に記載の多価肺炎球菌コンジュゲート組成物。
【請求項7】
22種の異なる肺炎球菌莢膜多糖体-タンパク質コンジュゲートを含み、各肺炎球菌莢膜多糖体-タンパク質コンジュゲートが、異なる血清型の肺炎連鎖球菌由来の莢膜多糖体にコンジュゲート化されたタンパク質担体を含み、肺炎連鎖球菌血清型は、1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、および35Bから選択される、請求項1に記載の多価肺炎球菌コンジュゲート組成物。
【請求項8】
タンパク質担体がCRM
197
および/または破傷風トキソイドを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の多価肺炎球菌コンジュゲート組成物。
【請求項9】
莢膜多糖体の少なくとも2種が破傷風トキソイドにコンジュゲート化され、残りの莢膜多糖体がCRM
197
にコンジュゲート化されており、破傷風トキソイドにコンジュゲート化されている少なくとも2種の莢膜多糖体は、血清型1、3、5、15B、および22Fからなる群から選択されている、請求項8に記載の多価肺炎球菌コンジュゲート組成物。
【請求項10】
血清型1および5由来の莢膜多糖体が破傷風トキソイドにコンジュゲート化され、血清型3、4、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、18C、19A、19F、22F、23A、23B、23F、24F、33F、および35B由来の莢膜多糖体がCRM
197
にコンジュゲート化されている、請求項2に記載の多価肺炎球菌コンジュゲート組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年12月17日に出願された米国仮特許出願第62/949,164号、および2019年7月31日に出願された韓国特許出願第10-2019-0093276号の利益を主張し、これらの出願日に依拠するものであり、これらの開示全体を参照によって本明細書に組み入れる。
続きを表示(約 4,100 文字)
【0002】
技術分野
本出願は、一般に、多価肺炎球菌コンジュゲート組成物、それを含むワクチン、ならびに対象において肺炎連鎖球菌感染および疾患を予防するための、そうした組成物およびワクチンの使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
肺炎球菌(肺炎連鎖球菌)は、槍形のグラム陽性通性嫌気性細菌であり、90を超える血清型が知られている。ほとんどの肺炎連鎖球菌血清型が、(肺炎、菌血症、髄膜炎、および耳炎疾患などの)疾患を引き起こし、最も一般的な23の血清型が、世界中の侵襲性疾患のおよそ90%の原因になっていることが示されている。血清型は、肺炎球菌にとって最も重要な病原性因子である莢膜多糖体の血清学的応答に基づいて分類される。莢膜多糖体は、ヘルパーT細胞が存在しなくても抗体産生を誘導するT細胞非依存性抗原である。T細胞非依存性抗原は、一般に、親和性の低い抗体を誘導し、免疫記憶をほとんど乃至まったく残さない短命な免疫応答を誘発する。
【0004】
初期の肺炎球菌ワクチンは、異なる血清型由来の莢膜多糖体の組合せを含んでいた。こうしたワクチンは、免疫系が発達しているまたは健康である患者において、肺炎連鎖球菌に対する免疫を付与しうるが、しかし、免疫系の発達が不十分である小児、および免疫機能が往々にして弱っている高齢対象においては有効でなかった。特に、肺炎連鎖球菌感染を起こすリスクのより高い小児および高齢対象において、肺炎球菌ワクチンに対する免疫応答を向上させるために、莢膜多糖体が適切な担体タンパク質にコンジュゲート化されて、肺炎球菌コンジュゲートワクチンが作製された。適切な担体タンパク質へのコンジュゲート化によって、莢膜多糖体は、T細胞非依存性抗原からT細胞依存性抗原に変化する。そのため、コンジュゲート化された莢膜多糖体に対する免疫応答には、ヘルパーT細胞が関与し、その結果、莢膜多糖体に再び曝露されると、より強力かつ急速な免疫応答の誘発が助長される。
【0005】
肺炎球菌糖コンジュゲートワクチンを開発するには、少なくとも2つの手法:単一担体手法および混成担体手法が存在する。異なる莢膜多糖体コンジュゲートの免疫原性は、使用する肺炎球菌血清型および担体タンパク質に応じて様々となりうる。単一担体手法では、異なる血清型由来の莢膜多糖体が、単一のタンパク質担体にコンジュゲート化される。PfizerのPREVNARシリーズのワクチンは、単一担体手法の一例であり、グリシンのグルタミン酸での単一アミノ酸置換を有するジフテリアトキソイドの非毒性変異体であるCRM
197
タンパク質担体に、異なる莢膜多糖体がコンジュゲート化されている。7価のPREVNARワクチン(PREVNAR)は、2000年に最初に承認されており、承認の時期に最も流行していた肺炎連鎖球菌血清型:4、6B、9V、14、18C、19F、および23F由来の莢膜多糖体を含んでいる。13価ワクチンであるPREVNAR13では、CRM
197
タンパク質担体に、血清型1、5、7F、3、6A、および19Aが加えられた。Merckは、PREVNAR13に存在する13の血清型に
加えて22Fおよび33FがCRM
197
にコンジュゲート化されたものを含む、15価のV114ワクチンを開発中である。特許文献1を参照されたい。Merckは、CRM
197
にコンジュゲート化された次の21の肺炎連鎖球菌血清型:3、6C、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33F、35B、および15B、15C、または脱O-アセチル化15Bの少なくとも1つを含む、21価の肺炎球菌コンジュゲート組成物(PCV21)も開示している。特許文献2を参照されたい。
【0006】
第2の肺炎球菌コンジュゲートワクチン手法は、混成担体手法である。混成担体手法では、単一のタンパク質担体を使用する代わりに、2種以上のタンパク質担体が使用され、特定の血清型由来の莢膜多糖体が第1のタンパク質担体にコンジュゲート化され、異なる血清型由来の莢膜多糖体が少なくとも、第2の異なるタンパク質担体にコンジュゲート化される。たとえば、GlaxoSmithKlineが、タンパク質担体として、インフルエンザ菌タンパク質D、破傷風トキソイド、およびジフテリアトキソイドを使用した10価(血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、および23F)混成担体肺炎球菌コンジュゲートワクチンであるSYNFLORIXを開発している。SYNFLORIXでは、血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、および23Fがタンパク質Dにコンジュゲート化され;血清型18Cが破傷風トキソイドにコンジュゲート化され;血清型19Fがジフテリアトキソイドにコンジュゲート化されている。非特許文献1。より最近では、Sanofi PasteurおよびSK Biosciencesが、公開国際出願である特許文献3、特許文献4、特許文献5、および特許文献6で開示されているとおりの、16価(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、12F、14、18C、19A、19F、22F、23F、および33F)、20価(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、および33F)、および21価(1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、および33F)混成担体肺炎球菌コンジュゲートワクチンを作製しており、これら文献それぞれの全体を参照によって組み入れる。こうした混成担体多価肺炎球菌コンジュゲートワクチンでは、2つの血清型(血清型1、3、および5のうちの2つ)または4つの血清型(血清型15Bおよび22Fならびに血清型1、3、および5のうちの2つ)が破傷風トキソイドにコンジュゲート化され、残りの血清型がCRM
197
にコンジュゲート化されている。
【0007】
単一担体および混成担体どちらの糖コンジュゲートワクチンも、ワクチンに含まれている肺炎球菌血清型に対する様々なレベルの防御の提供に使用されてきたが、血清型置換、または糖コンジュゲートワクチンに含まれていない病原性肺炎球菌株/血清型の有病率の増大が認められており、懸案となっている。非特許文献2。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
米国特許第8,192,746号
US2019/0192648
WO2018/027123
WO2018/027126
WO2019/152921
WO2019/152925
【非特許文献】
【0009】
Vesikariら、PIDJ、28(4):S66~76(2009)
Danielsら、J Pediatr Pharmacol Ther.2016 Jan-Feb;21(1):27~35
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本出願は、新たな改良された多価肺炎球菌コンジュゲート組成物およびそれを含むワクチンを提供する。一態様では、本出願は、多価肺炎球菌コンジュゲート組成物であって、22~27種の異なる肺炎球菌莢膜多糖体-タンパク質コンジュゲートを含み、各肺炎球菌莢膜多糖体-タンパク質コンジュゲートが、異なる血清型の肺炎連鎖球菌由来の莢膜多糖体にコンジュゲート化されたタンパク質担体を含み、肺炎連鎖球菌血清型は、1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、18C、19A、19F、22F、23A、23B、23F、24F、33F、および35Bから選択される、多価肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。該当する他の肺炎連鎖球菌血清型が、多価肺炎球菌コンジュゲート組成物に加えられる場合もある。ある特定の実施形態では、各莢膜多糖体が、同じタンパク質担体にコンジュゲート化されている。混成担体実施形態と呼ぶ、ある特定の実施形態では、1種に留まらないタンパク質担体、たとえば、2種の異なるタンパク質担体が使用される。たとえば、ある特定の実施形態では、ある特定の莢膜多糖体が第1のタンパク質担体にコンジュゲート化され、残りの莢膜多糖体が第2のタンパク質担体に取り付けられる。ある特定の実施形態では、第1および第2のタンパク質担体は、CRM
197
および破傷風トキソイドを含む。ある特定の実施形態では、莢膜多糖体のうちの2種が破傷風トキソイドにコンジュゲート化され、残りの莢膜多糖体がCRM
197
にコンジュゲート化されている。ある特定の実施形態では、破傷風トキソイドにコンジュゲート化される2種の莢膜多糖体は、血清型1、3、および5からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、破傷風トキソイドにコンジュゲート化される2種の莢膜多糖体は、血清型1、3、5、15B、および22Fからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、莢膜多糖体のうちの4種が破傷風トキソイドにコンジュゲート化され、残りの莢膜多糖体がCRM
197
にコンジュゲート化されている。ある特定の実施形態では、4種の莢膜多糖体が破傷風トキソイドにコンジュゲート化され、破傷風トキソイドにコンジュゲート化される4種の莢膜多糖体のうちの2種は、血清型1、3、および5からなる群から選択され、残りの2種の莢膜多糖体は、血清型15Bおよび22Fである。
(【0011】以降は省略されています)
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