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公開番号
2025160332
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-22
出願番号
2025124415,2022533408
出願日
2025-07-25,2020-12-03
発明の名称
TNFαおよびOX40Lを標的とする免疫グロブリン単一可変ドメインを含むポリペプチド
出願人
アブリンクス エン.ヴェー.
,
サノフイ
,
SANOFI
代理人
個人
,
個人
主分類
C07K
16/46 20060101AFI20251015BHJP(有機化学)
要約
【課題】自己免疫性または炎症性疾患を罹患している対象を治療するための新規タイプの薬物を提供する。
【解決手段】少なくとも4つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)を含むポリペプチドであって、少なくとも2つのISVDはTNFαに結合し、少なくとも2つのISVDはOX40Lに結合することを特徴とするポリペプチドを提供する。また、本技術は、核酸、ベクター、および組成物を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリペプチド、該ポリペプチドを含む組成物、または該ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を含む組成物であって、該ポリペプチドは、少なくとも4つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)を含むかまたはからなり、該ISVDの各々は、場合により1つまたはそれ以上のペプチドリンカーを介して連結されている3つの相補性決定領域(それぞれCDR1~CDR3)を含み;
a.第1のISVDおよび第2のISVDは各々、OX40Lに特異的に結合し、各々は、
i.配列番号7のアミノ酸配列を含むかまたは配列番号7と2つもしくは1つのアミノ酸差異を有するCDR1;
ii.配列番号10のアミノ酸配列を含むかまたは配列番号10と2つもしくは1つのアミノ酸差異を有するCDR2;および
iii.配列番号13のアミノ酸配列を含むかまたは配列番号13と2つもしくは1つのアミノ酸差異を有するCDR3
を含み;
b.第3のISVDおよび第4のISVDは各々、TNF-αに特異的に結合し、各々は、
iv.配列番号8のアミノ酸配列を含むかまたは配列番号8と2つもしくは1つのアミノ酸差異を有するCDR1;
v.配列番号11のアミノ酸配列を含むかまたは配列番号11と2つもしくは1つのアミノ酸差異を有するCDR2;および
vi.配列番号14のアミノ酸配列を含むかまたは配列番号14と2つもしくは1つのアミノ酸差異を有するCDR3
を含む、前記ペプチド、前記ポリペプチドを含む組成物、または前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を含む組成物。
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【請求項2】
a.前記第1のISVDおよび前記第2のISVDは各々、配列番号7のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;
b.前記第3のISVDおよび前記第4のISVDは各々、配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、請求項1に記載のポリペプチドまたは組成物。
【請求項3】
a.前記第1のISVDのアミノ酸配列は、配列番号2と90%よりも高い配列同一性を含み;
b.前記第2のISVDのアミノ酸配列は、配列番号3と90%よりも高い配列同一性を含み;
c.前記第3のISVDのアミノ酸配列は、配列番号4と90%よりも高い配列同一性を含み;
d.前記第4のISVDのアミノ酸配列は、配列番号6と90%よりも高い配列同一性を含む、請求項1または2に記載のポリペプチドまたは組成物。
【請求項4】
a.前記第1のISVDは、配列番号2のアミノ酸配列を含み;
b.前記第2のISVDは、配列番号3のアミノ酸配列を含み;
c.前記第3のISVDは、配列番号4のアミノ酸配列を含み;
d.前記第4のISVDは、配列番号6のアミノ酸配列を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のポリペプチドまたは組成物。
【請求項5】
前記ポリペプチドは、場合により1つまたはそれ以上のペプチドリンカーを介して連結されている1つまたはそれ以上の他の基、残基、部分、または結合ユニットをさらに含み、前記1つまたはそれ以上の他の基、残基、部分、または結合ユニットは、前記1つまたはそれ以上の他の基、残基、部分、または結合ユニットを有していない対応するポリペプチドと比較して半減期の増加を前記ポリペプチドに提供する、請求項1~4のいずれか1項に記載のポリペプチドまたは組成物。
【請求項6】
半減期の増加を前記ポリペプチドに提供する前記1つまたはそれ以上の他の基、残基、部分、または結合ユニットは、血清アルブミン(ヒト血清アルブミンのような)または血清免疫グロブリン(IgGのような)に結合することができる結合ユニットからなる群から選択される、請求項4または5に記載のポリペプチドまたは組成物。
【請求項7】
半減期の増加を前記ポリペプチドに提供する前記結合ユニットは、ヒト血清アルブミンに結合することができるISVDである、請求項6に記載のポリペプチドまたは組成物。
【請求項8】
前記ヒト血清アルブミンに結合するISVDは、
i.配列番号9のアミノ酸配列を含むかまたは配列番号9と2つもしくは1つのアミノ酸差異を有するCDR1;
ii.配列番号12のアミノ酸配列を含むかまたは配列番号12と2つもしくは1つのアミノ酸差異を有するCDR2;および
iii.配列番号15のアミノ酸配列を含むかまたは配列番号15と2つもしくは1つのアミノ酸差異を有するCDR3
を含む、請求項7に記載のポリペプチドまたは組成物。
【請求項9】
前記ヒト血清アルブミンに結合するISVDは、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、請求項7または8に記載のポリペプチドまたは組成物。
【請求項10】
前記ヒト血清アルブミンに結合するISVDのアミノ酸配列は、配列番号5と90%よりも高い配列同一性を含む、請求項7~9のいずれか1項に記載のポリペプチドまたは組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
1 本技術の分野
本技術は、TNFαおよびOX40Lを標的とするポリペプチドに関する。また、本技術は、ポリペプチドをコードする核酸分子および核酸を含むベクターに、ならびにポリペプチド、核酸、またはベクターを含む組成物に関する。本技術は、自己免疫性または炎症性疾患に罹患している対象を治療するための方法で使用するためのこうした産物にさらに関する。さらに、本技術は、こうした産物を生産するための方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
2 技術的背景
自己免疫性または炎症性疾患は、身体が自身の組織に対して引き起こす免疫応答の結果である。自己免疫性または炎症性疾患は、慢性であることが多く、生命を脅かす可能性さえある。自己免疫性または炎症性疾患としては、クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、ならびに化膿性汗腺炎が挙げられる。クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患は、腸炎症およびそれに付随する上皮外傷を伴う慢性炎症性疾患である。乾癬、乾癬性関節炎、および化膿性汗腺炎などの他の慢性自己免疫性疾患は、皮膚の赤班、皮膚の乾燥、皮膚のかゆみ、もしくは鱗屑性皮膚、関節の疼痛性炎症、または炎症を起こし腫れた皮膚のしこりにより特徴付けられる。乾癬を罹患している患者は、糖尿病、およびクローン病または潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、およびがんを含むある特定の併存疾患を有する可能性が高いことが見出されている。
【0003】
腫瘍壊死因子α(TNFα)は、主に単球およびマクロファージにより産生されるホモ三量体サイトカインであるが、CD4
+
およびCD8
+
末梢血Tリンパ球により分泌されることも知られている。TNFαは、可溶型タンパク質または膜貫通型タンパク質として存在することができる。TNFαの主要な役割は、免疫細胞の調節である。TNFαは、内因性パイロジェンとして作用し、その産生の調節不全は、関節リウマチ(RA)、乾癬(Pso)、化膿性汗腺炎(HS)、クローン病(CD)および潰瘍性大腸炎(UC)などの炎症性腸疾患(IBD)、ならびに移植片対宿主病(GVHD)を含む、様々なヒト疾患に関与することが示唆されている。
【0004】
RAおよびIBD炎症性腸疾患に対してFDAにより現在承認されている治療としては、抗TNFαバイオ医薬品(Simponi(登録商標)[ゴリムマブ]、Enbrel(登録商標)[エタネルセプト]、Remicade(登録商標)[インフリキシマブ]、Humira(登録商標)[アダリムマブ]など)が挙げられる。しかしながら、RAに対する現行の抗TNFα治療は、少数の患者において完全な疾患寛解を示すに過ぎず、非応答者のかなりの部分が依然としてとり残されている。同様に、炎症性腸疾患に対する現行の抗TNFα治療は、患者の大部分が、現在利用可能な治療に対して非応答性であることに直面しており、抗TNFα治療に対する応答の喪失は、12か月間治療した後の患者に高い割合で生じる。乾癬および乾癬性関節炎の場合、Remicade(登録商標)[インフリキシマブ]およびHumira(登録商標)[アダリムマブ]を含むバイオ医薬品で治療される患者は、ほんの少数である。現行の治療は、少なくとも患者のサブセットにおいて、乾癬治療にある程度の効能を有することが示されている。
【0005】
このように、例えば、関節リウマチまたは乾癬性関節炎などの自己免疫性疾患の場合、これまでのところ、疾患寛解に関してかなりの割合の患者において十分な効能を呈するバイオ医薬品は存在しておらず、応答の欠如または喪失は依然として問題である。
【0006】
OX40L(CD252またはTNFSF4としても知られている)は、TNFスーパーファミリーのメンバーであり、OX40受容体(CD134またはTNFRSF4としても知られている)の誘導性共刺激リガンドである。OX40Lは、樹状細胞、マクロファージ、およびB細胞を含む、活性化抗原提示細胞(APC)で主に発現される。その一方で、OX40は、活性化T細胞およびナチュラルキラーT細胞で多くが発現される。OX40Lは、膜結合分子として発現されることがほとんどであるが、切断可溶型で検出される場合もある。OX40L/OX40は、免疫応答を組織化する活性化T細胞により特徴付けられる少なからぬ疾患における免疫共刺激調節因子として認識されている。それにより、OX40を介したシグナル伝達が誘発され、炎症性サイトカインの産生および放出、エフェクターT細胞(例えば、TH1、TH2、TH17)および細胞傷害性T細胞の拡大増殖および蓄積、ならびにTreg細胞の抑制効能の減少を含む、一連の活性がもたらされる。幾つかの研究は、共刺激性OX40L/OX40軸が、RA、Pso、またはIBDなどの自己免疫性疾患に関与することを示唆しているが、現在、それらの治療に関してFDAが承認したOX-40Lバイオ医薬品は存在しない。
【0007】
複数疾患因子の標的化は、例えば、2つの別々のバイオ医薬品、例えば、異なる療法標的に結合する抗体の同時投与または組合せ使用により達成することができる。しかしながら、別々のバイオ医薬品の同時投与または組合せ使用は、実用的観点および商業的観点の両方で困難であり得る。例えば、別々の製品を2回注射することにより、治療レジメンが、患者にとってより不便でより苦痛を伴うものになり、服薬遵守に否定的な影響を及ぼす可能性がある。2つの別々の製品の単回注射に関しては、両製品が、必要とされる濃度および好適な安定性で許容可能な粘度であることを可能にする製剤を提供することは困難であるかまたは不可能である可能性がある。加えて、同時投与および同時製剤化には、2つの別々の薬物の生産が必要であり、そのため全体コストが増加する可能性がある。
【0008】
抗体などの別々のバイオ医薬品の同時投与または組合せ使用に関連するそのような制限に対処するための1つの戦略として、2つの異なる抗原に結合することができる二重特異性抗体が提案されている。
【0009】
複数の形式の二重特異性抗体構築物が提案されている。例えば、二重特異性抗体形式は、2つの抗体またはそれらの断片の化学的コンジュゲーションを含んでいてもよい(非特許文献1;非特許文献2)。
【0010】
しかしながら、そのような二重特異性抗体形式の不利な点としては、高濃度では高粘度であり、それにより例えば皮下投与が困難になること、ならびに各結合ユニットは、特異的高親和性結合のために2つの可変ドメインの相互作用を必要とし、そのためポリペプチドの安定性および産生効率に影響が及ぶことが挙げられる。そのような二重特異性抗体形式は、軽鎖の誤対合または重鎖の誤対合に関する化学、製造、および品質管理(CMC)の問題に結び付く可能性もある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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