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公開番号2025169473
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-13
出願番号2025119358,2022581376
出願日2025-07-16,2020-07-02
発明の名称低減された活性を有するGLP-1Rアゴニストペプチド
出願人サノフイ,SANOFI
代理人個人,個人
主分類C07K 14/605 20060101AFI20251106BHJP(有機化学)
要約【課題】低減されたGLP-1Rアゴニスト活性を有するGLP-1Rアゴニストペプチド、これを含む融合分子、および医薬組成物を提供する。
【解決手段】特定の配列を有する、天然GLP-1のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約9分の1~約531分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有するGLP-1Rアゴニストペプチドを提供する。また、本発明は、低減されたGLP-1Rアゴニスト活性を有するGLP-1Rアゴニストペプチドをコードする核酸分子、低減されたGLP-1Rアゴニスト活性を有するGLP-1Rアゴニストペプチドを含む医薬組成物および組合せを提供する。前記医薬組成物は、特に、肥満、太り過ぎ、メタボリック症候群、糖尿病、糖尿病性網膜症、高血糖症、異常脂血症、NASH、および/またはアテローム性動脈硬化症の治療のための医薬組成物である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
天然GLP-1(7~36)(配列番号260)のGLP-1R(グルカゴン様ペプチド1受容体)アゴニスト活性に比べて、約9分の1~約531分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有するGLP-1Rアゴニストペプチドであって、アミノ酸配列


-G-E-G-T-F-T-S-D-X
10
-S-X
12
-X
13
-L-X
15
-X
16
-X
17
-X
18
-X
19
-X
20
-X
21
-F-X
23
-E-W-L-X
27
-X
28
-X
29
-G(配列番号635)
を含みまたはそのようなアミノ酸配列からなり、
式中


はH、YまたはFであり、

10
はKまたはLであり、

12
はK、IまたはQであり、

13
はQまたはLであり、

15
はE、AまたはDであり、

16
はE、KまたはSであり、

17
はE、RまたはQであり、

18
はL、AまたはRであり、

19
はV、AまたはFであり、

20
はR、H、Q、KまたはIであり、

21
はL、E、HまたはRであり、

23
はI、YまたはFであり、

27
はI、L、KまたはEであり、

28
はA、K、NまたはEであり、

29
はG、T、KまたはVであり;
場合により、前記アミノ酸配列は、そのN末端において少なくとも1つの追加のアミノ酸残基をさらに含み;
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
アミノ酸配列
H-G-E-G-T-F-T-S-D-X
10
-S-K-Q-L-E-E-E-X
18
-V-X
20
-L-F-I-E-W-L-K-A-X
29
-G(配列番号636)
を含みまたはそのようなアミノ酸配列からなり、
式中

10
はKまたはLであり、

18
はAまたはRであり、

20
はRまたはQであり、

29
はGまたはTであり;
場合により、前記アミノ酸配列は、そのN末端において少なくとも1つの追加のアミノ酸残基をさらに含み;
場合により、前記アミノ酸配列は、そのC末端において最大で約12、約11または約10個のアミノ酸残基からなるペプチド延長をさらに含む、
請求項1に記載のGLP-1Rアゴニストペプチド。
【請求項3】
少なくとも1つの追加の前記アミノ酸残基は、GまたはAである、請求項1または2に記載のGLP-1Rアゴニストペプチド。
【請求項4】
前記ペプチド延長は、配列番号566~621からなる群から選択されるアミノ酸配列
からなる、請求項1~3のいずれか1項に記載のGLP-1Rアゴニストペプチド。
【請求項5】
前記GLP-1Rアゴニストペプチドがその単離された形態において存在する場合および/または前記GLP-1Rアゴニストペプチドが融合分子の部分である場合、前記天然GLP-1(7~36)(配列番号260)の前記GLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約9分の1~約531分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のGLP-1Rアゴニストペプチド。
【請求項6】
前記天然GLP-1(7~36)(配列番号260)の前記GLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約10分の1~約500分の1、または約15分の1~約500分の1、または約20分の1~約500分の1、または約50分の1~約500分の1、または約100分の1~約500分の1、または約100分の1~約300分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のGLP-1Rアゴニストペプチド。
【請求項7】
配列番号261~552および554~565からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むまたはそのようなアミノ酸配列からなるGLP-1Rアゴニストペプチド。
【請求項8】
配列番号261のアミノ酸配列を含むもしくはそのようなアミノ酸配列からなる、または配列番号262のアミノ酸配列を含むもしくはそのようなアミノ酸配列からなるGLP-1Rアゴニストペプチド。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のGLP-1Rアゴニストペプチドおよび少なくとも1つの他の医薬品有効成分を含む組合せ。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載のGLP-1Rアゴニストペプチドおよび少なくとも1つの他の医薬品有効成分を含む融合分子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、低減されたGLP-1Rアゴニスト活性を有するGLP-1R(グルカゴン様ペプチド1受容体)アゴニストペプチド、これを含む組合せおよび融合分子、ならびに対応する核酸分子、医薬組成物およびキットに関する。本発明はさらに、特に肥満、太り過ぎ、メタボリック症候群、糖尿病、糖尿病性網膜症、高血糖症、異常脂血症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、および/またはアテローム性動脈硬化症の治療のための医薬としてのGLP-1Rアゴニストペプチドの使用に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
GLP-1Rアゴニストペプチドの、単独または他の医薬品有効成分との組合せの使用は、欠点を有し得る。GLP-1Rアゴニストペプチドは、低い血漿レベルにおいてさえも薬学的に有効である。より高い血漿レベルにおいては、GLP-1(主要なGLP-1Rアゴニスト)は、有害作用を有することが公知であり、例えば、それは、吐き気および嘔吐を誘発する。対照的に、GLP-1Rアゴニストペプチドと組み合わせることができる他の医薬品有効成分、例えば、線維芽細胞増殖因子21(FGF21)化合物の薬理学的作用は、多くの場合、薬理学的作用を発揮するGLP-1の血漿レベルよりも高い血漿レベルにおいて観察される。まとめると、このことは、GLP-1Rアゴニストペプチドを単独でまたは別の医薬品有効成分と組み合わせて投与する場合の、例えば、融合分子の形態のFGF21化合物およびGLP-1Rアゴニストペプチドの、GLP-1媒介有害作用のリスクを示す。したがって、これらの問題を克服する新しいGLP-1Rアゴニストペプチドが必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
低減されたGLP-1Rアゴニスト活性を有するGLP-1Rアゴニストペプチドを提供することが本発明の目的である。そのようなGLP-1Rアゴニストペプチドは、例えば、潜在的な有害作用(例えば、吐き気および/または嘔吐など)を回避しながら、GLP-1Rアゴニスト/FGF21化合物活性比の均衡を保って、GLP-1Rアゴニスト/FGF21化合物の両方の活性薬剤の有益作用(例えば、体重、脂質および/または血糖コントロールなどの点において)を達成するために使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、本発明は、天然GLP-1(7~36)(配列番号260)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約9分の1~約531分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有するGLP-1Rアゴニストペプチドであって、アミノ酸配列


-G-E-G-T-F-T-S-D-X
10
-S-X
12
-X
13
-L-X
15
-X
16
-X
17
-X
18
-X
19
-X
20
-X
21
-F-X
23
-E-W-L-X
27
-X
28
-X
29
-G(配列番号635)
を含みまたはそのようなアミノ酸配列からなり、
式中X

はH、YまたはFであり、

10
はKまたはLであり、

12
はK、IまたはQであり、

13
はQまたはLであり、

15
はE、AまたはDであり、

16
はE、KまたはSであり、

17
はE、RまたはQであり、

18
はL、AまたはRであり、

19
はV、AまたはFであり、

20
はR、H、Q、KまたはIであり、

21
はL、E、HまたはRであり、

23
はI、YまたはFであり、

27
はI、L、KまたはEであり、

28
はA、K、NまたはEであり、

29
はG、T、KまたはVであり;
場合により、アミノ酸配列は、そのN末端において少なくとも1つの追加のアミノ酸残基をさらに含み;
場合により、アミノ酸配列は、そのC末端において最大で約12、約11または約10個のアミノ酸残基からなるペプチド延長をさらに含む、
【0005】
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、アミノ酸配列
H-G-E-G-T-F-T-S-D-X
10
-S-K-Q-L-E-E-E-X
18
-V-X
20
-L-F-I-E-W-L-K-A-X
29
-G(配列番号636)
を含みまたはそのようなアミノ酸配列からなり、
式中

10
はKまたはLであり、

18
はAまたはRであり、

20
はRまたはQであり、

29
はGまたはTであり;
場合により、アミノ酸配列は、そのN末端において少なくとも1つの追加のアミノ酸残基をさらに含み;
場合により、アミノ酸配列は、そのC末端において最大で約12、約11または約10個のアミノ酸残基からなるペプチド延長をさらに含む。
【0006】
一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、GまたはAである。一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、単一のアミノ酸残基である。一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、Gである。
【0007】
一実施形態において、ペプチド延長は、配列番号566~621からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むまたはそのようなアミノ酸配列からなる。一実施形態において、ペプチド延長は、単一のアミノ酸残基、例えば、Pである。一実施形態において、ペプチド延長は、アミノ酸配列PSSGAPPPS(配列番号605)またはPKKIRYS(配列番号598)を含むまたはそのようなアミノ酸配列からなる。
【0008】
別の態様において、本発明は、天然GLP-1(7~36)(配列番号260)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約9分の1~約531分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有するGLP-1Rアゴニストペプチドであって、最大で3個のアミノ酸残基の置換を有する、配列番号261~552および554~565からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号261~552および554~565からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むまたはそのようなアミノ酸配列からなるGLP-1Rアゴニストペプチドに関する。
【0009】
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドがその単離された形態において存在する場合および/またはGLP-1Rアゴニストペプチドが融合分子の部分である場合、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)(配列番号260)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約9分の1~約531分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
【0010】
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約9分の1~約482分の1(もしくは約9.449分の1~約482.396分の1)または約9分の1~約319分の1(もしくは約9.449分の1~約319.311分の1)または約9分の1~約121分の1(もしくは約9.449分の1~約121.189分の1)のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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