TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025062058
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-11
出願番号
2025016741,2021137864
出願日
2025-02-04,2021-08-26
発明の名称
導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性積層体及びその製造方法
出願人
信越ポリマー株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C08L
101/12 20060101AFI20250404BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】水溶性有機溶剤と併存する導電性複合体の分散安定性が向上した導電性高分子含有液及びその製造方法を提供する。
【解決手段】π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、分散媒とを含有する導電性高分子含有液であり、前記分散媒は、水と、メタノールと、イソプロパノールとを含み、前記導電性高分子含有液の総質量に対する鉄イオンの含有量が0.34ppm以下である、導電性高分子含有液。前記分散媒における、前記メタノールの含有質量m1と前記イソプロパノールの含有質量m2との関係が、m1<m2であることが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、分散媒とを含有する導電性高分子含有液であり、
前記分散媒は、水と、メタノールと、イソプロパノールとを含み、
前記分散媒の総質量に対する、前記メタノールの含有質量m1と前記イソプロパノールの含有質量m2の合計の含有率が、60質量%以上であり、
前記分散媒の総質量に対する、前記水の含有質量m3の含有率が、10質量%以上であり、
前記分散媒における、前記メタノールの含有質量m1と前記イソプロパノールの含有質量m2との(m1/m2)で表される質量比は、0.1~0.9であり、
前記導電性高分子含有液の総質量に対する鉄イオンの含有量が0.34ppm以下である、導電性高分子含有液。
続きを表示(約 610 文字)
【請求項2】
ポリアニオンと、水系分散媒と、π共役系導電性高分子を形成するモノマーと、鉄イオンとを含む反応液で、前記モノマーを重合することにより、
前記π共役系導電性高分子及び前記ポリアニオンを含む導電性複合体と、前記水系分散媒と、前記鉄イオンとを含む導電性高分子分散液(A)を得る工程と、
前記導電性高分子分散液(A)に陽イオン交換樹脂を添加し、前記鉄イオンの少なくとも一部を吸着させた後、前記陽イオン交換樹脂を除去して導電性高分子分散液(B)を得る工程と、
前記導電性高分子分散液(B)に、少なくともメタノールとイソプロパノールを添加して導電性高分子含有液を得る工程とを含み、
前記導電性高分子分散液(B)の総質量に対する前記鉄イオンの含有量が10ppm未満であり、前記導電性高分子含有液の総質量に対する前記鉄イオンの含有量が0.34ppm以下である、導電性高分子含有液の製造方法。
【請求項3】
フィルム基材と、前記フィルム基材の一方の面に形成された、請求項1又は2に記載の導電性高分子含有液の硬化層からなる導電層とを備え、
前記フィルム基材の他方の面に、粘着剤層を任意に備えた、導電性積層体。
【請求項4】
基材の少なくとも一部の面に、請求項1又は2に記載の導電性高分子含有液を塗工することを含む、導電性積層体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、π共役系導電性高分子を含む導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性積層体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
導電層を形成するための塗料又はその成分として、π共役系導電性高分子にポリアニオンがドープした導電性複合体を含む導電性高分子分散液を使用することがある。例えば、π共役系導電性高分子であるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)は水に対して分散し難いが、これにポリスチレンスルホン酸がドープしてPEDOT-PSSを形成することにより、水に対する分散性が高まる。特許文献1には、導電性複合体を水に分散させた後、180日以上経過させることにより、導電性複合体の親水性を向上させたり、エポキシ化合物に対する反応性を向上させたりする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-31013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では、導電性複合体にエポキシ化合物を反応させた後、有機溶剤に溶解した塗料とすることにより、疎水性のフィルム基材に対する濡れ性を高めている。
一方、導電性複合体をエポキシ化合物との反応によって疎水化しない場合、導電性高分子分散液にアルコール等の水溶性有機溶剤を添加して、フィルム等の基材に対する濡れ性を高めることがある。しかし、水溶性有機溶剤を添加した塗料中における導電性複合体の分散安定性は低く、製造から数時間で分散性が低下し、塗工できなくなることがある。このため、分散処理を行った導電性高分子分散液に水溶性有機溶剤を添加して塗料を得た後、その塗料中における導電性複合体の分散性を維持することが求められている。
【0005】
本発明者は、塗料(後述する導電性高分子含有液)の調製に使用する導電性高分子分散液に含まれる鉄イオンの含有量と、水溶性有機溶剤の種類との組み合わせを工夫することにより、導電性複合体の分散性を高めた導電性高分子含有液が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
本発明は、水溶性有機溶剤と併存する導電性複合体の分散安定性が向上した導電性高分子含有液及びその製造方法を提供する。また、その導電性高分子含有液を用いて形成した導電性積層体及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1] π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、分散媒とを含有する導電性高分子含有液であり、前記分散媒は、水と、メタノールと、イソプロパノールとを含み、前記導電性高分子含有液の総質量に対する鉄イオンの含有量が0.34ppm以下である、導電性高分子含有液。
[2] 前記分散媒における、前記メタノールの含有質量m1と前記イソプロパノールの含有質量m2との関係が、m1<m2である、[1]に記載の導電性高分子含有液。
[3] 前記分散媒の総質量に対する、前記メタノールの含有質量m1と前記イソプロパノールの含有質量m2の合計の含有率が、60質量%以上である、[1]又は[2]に記載の導電性高分子含有液。
[4] 前記分散媒の総質量に対する、前記水の含有質量m3の含有率が、10質量%以上である、[1]~[3]の何れか一項に記載の導電性高分子含有液。
[5] 前記分散媒の総質量に対する、前記メタノールの含有質量m1と前記イソプロパノールの含有質量m2と前記水の含有質量m3の合計の含有率が、90質量%以上である、[1]~[4]の何れか一項に記載の導電性高分子含有液。
[6] バインダ成分をさらに含有する、[1]~[5]の何れか一項に記載の導電性高分子含有液。
[7] 前記π共役系導電性高分子が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)であるか、又は、前記ポリアニオンが、ポリスチレンスルホン酸である、[1]~[5]の何れか一項に記載の導電性高分子含有液。
[8] ポリアニオンと、水系分散媒と、π共役系導電性高分子を形成するモノマーと、鉄イオンとを含む反応液で、前記モノマーを重合することにより、前記π共役系導電性高分子及び前記ポリアニオンを含む導電性複合体と、前記水系分散媒と、前記鉄イオンとを含む導電性高分子分散液(A)を得る工程と、前記導電性高分子分散液(A)に陽イオン交換樹脂を添加し、前記鉄イオンの少なくとも一部を吸着させた後、前記陽イオン交換樹脂を除去して導電性高分子分散液(B)を得る工程と、前記導電性高分子分散液(B)に、少なくともメタノールとイソプロパノールを添加して導電性高分子含有液を得る工程とを含み、前記導電性高分子分散液(B)の総質量に対する前記鉄イオンの含有量が10ppm以下であり、前記導電性高分子含有液の総質量に対する前記鉄イオンの含有量が0.34ppmである、導電性高分子含有液の製造方法。
[9] フィルム基材と、前記フィルム基材の一方の面に形成された、[1]~[7]の何れか一項に記載の導電性高分子含有液の硬化層からなる導電層とを備え、前記フィルム基材の他方の面に、粘着剤層を任意に備えた、導電性積層体。
[10] 基材の少なくとも一部の面に、[1]~[7]の何れか一項に記載の導電性高分子含有液を塗工することを含む、導電性積層体の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の導電性高分子含有液の製造方法によれば、導電性複合体の分散安定性に優れた導電性高分子含有液を容易に製造することができる。
本発明の導電性高分子含有液は、分散安定性に優れる。換言すれば保存安定性に優れる。
本発明の導電性積層体の製造方法によれば、使用する導電性高分子含有液の分散安定性が優れ、基材に対する濡れ性も優れるので、導電性積層体を容易に製造できる。本発明の導電性積層体は導電性が良好な導電層を備える。
【0009】
本発明はSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」に資すると考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び特許請求の範囲において、「~」で示す数値範囲の下限値及び上限値はその数値範囲に含まれるものとする。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
東ソー株式会社
射出成形体
2か月前
東ソー株式会社
押出成形体
2か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
2か月前
東レ株式会社
多孔質構造体
5日前
ベック株式会社
硬化性組成物
23日前
ベック株式会社
硬化性組成物
23日前
東ソー株式会社
ブロー成形体
2か月前
AGC株式会社
組成物
1か月前
株式会社カネカ
樹脂フィルム
2か月前
東亞合成株式会社
硬化型組成物
2か月前
三洋化成工業株式会社
樹脂組成物
3か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
1か月前
ユニチカ株式会社
ポリアミック酸溶液
11日前
東レ株式会社
ポリエステルの製造方法
2か月前
三洋化成工業株式会社
徐放材用組成物
16日前
ヤマハ株式会社
重縮合体
2か月前
東レ株式会社
ポリオレフィン微多孔膜
3日前
花王株式会社
樹脂組成物
2か月前
アイカ工業株式会社
光硬化型樹脂組成物
2か月前
AGC株式会社
液状組成物
1か月前
アイカ工業株式会社
ホットメルト組成物
1か月前
アイカ工業株式会社
ホットメルト組成物
1か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物及び加硫ゴム
5日前
東レ株式会社
光学用ポリエステルフィルム
1か月前
株式会社トクヤマ
イオン交換膜の製造方法
2か月前
横浜ゴム株式会社
靴底用ゴム組成物
2か月前
トヨタ自動車株式会社
樹脂溶解装置
1か月前
東レ株式会社
構造部材およびその製造方法
1か月前
東洋紡株式会社
積層ポリエステルフィルム
2か月前
東レ株式会社
ポリエステル樹脂の製造方法
1か月前
東レ株式会社
二軸配向ポリエステルフィルム
2か月前
三井化学ファイン株式会社
樹脂シート
26日前
グンゼ株式会社
樹脂の回収方法
1か月前
東ソー株式会社
ポリオレフィン系樹脂組成物
1か月前
グンゼ株式会社
樹脂の回収方法
3か月前
東レ株式会社
熱可塑性プリプレグの製造方法
3か月前
続きを見る
他の特許を見る