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公開番号2025062004
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-11
出願番号2025014903,2021543302
出願日2025-01-31,2020-01-22
発明の名称炎症性疾患を処置するためのアミノ酸誘導体
出願人ザ ロスカンプ インスティテュート
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C07D 401/04 20060101AFI20250404BHJP(有機化学)
要約【課題】炎症性疾患を処置するためのアミノ酸誘導体を提供すること。
【解決手段】本開示は、NF-kB活性化を阻害し、したがって炎症性疾患の処置に有用なある特定のアミノ酸誘導体を提供する。このような化合物を含有する医薬組成物およびこのような化合物を調製するプロセスも提供される。本開示は、NF-kB活性化を阻害することによって処置可能な疾患を処置する方法であって、式(I)の化合物と薬学的に許容され得る賦形剤とを含む医薬組成物中の治療上有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を、それを必要とする患者に投与するステップを含む方法に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
明細書中に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、炎症性刺激によって誘導される核内因子カッパB(NF-kB)活性化を阻害するある特定のアミノ酸誘導体を提供する。したがって、本開示の化合物は、関節リウマチ、多発性硬化症、喘息および炎症性腸疾患などの炎症性障害の処置に有用である。このような化合物を含有する医薬組成物およびこれを調製するプロセスも提供される。
続きを表示(約 5,100 文字)【背景技術】
【0002】
炎症は、感染または傷害に対する重要な宿主応答である。しかしながら、持続的なまたは不適切な炎症をもたらすこの応答の調節不全は、広範囲の病理学的過程をもたらす。炎症性障害には、病気および死の主因である自己免疫疾患、アレルギー、喘息、慢性閉塞性肺疾患および敗血症が含まれる。低悪性度慢性炎症が、糖尿病、癌、心血管疾患および神経変性障害を含む多くの疾患の根底にあることも明らかになりつつある。したがって、炎症を抑制するための新たな薬物を特定することは、非常に興味深い領域である。
【0003】
NF-kBは、炎症および疼痛に関与する遺伝子の発現を調節する遍在的に発現される転写因子である。NF-kBの活性化は、炎症誘発性遺伝子の転写を誘導するその能力を通して炎症において中心的な役割を果たす(Takら NF-kB:a key role in inflammatory diseases.J Clin Inv 2001;107:7-11;およびLiuら NF-κB signaling in inflammation.Signal Transduct Target Ther.2017;2.pii:17023参照)。TNF-α、IL-1β、IL-6およびIL-8などの炎症誘発性サイトカインの合成は、シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)、誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)、接着分子(ICAM-1、E-セレクチンおよびVCAM-1)、ケモカイン(MCP-1、KC、MIP-1)およびメタロプロテイナーゼの発現と同様に、NF-kBによって媒介される。相互的に、TNF-αおよびIL-1βなどのサイトカインまたはCOX-2によって産生されるプロスタグランジンは、炎症性カスケードを生成するNF-kB活性化を誘引する。
【0004】
NF-kBは、関節リウマチ、骨関節炎、粥状動脈硬化、多発性硬化症、喘息、炎症性腸疾患、糖尿病、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、骨粗鬆症、全身性エリテマトーデス、慢性閉塞性肺疾患、脳卒中、急性腎障害、糸球体腎炎、乾癬、アトピー性皮膚炎等を含む多様な疾患の炎症部位で活性化される(Paiら Immune deficiency or hyperactivity-Nf-kappab illuminates autoimmunity.J Autoimmun 2008;31:245-251;Zhangら NFkB in inflammation
and renal diseases.Cell Biosci 2015;5:63;Roman-Blasら NF-kB as a potential therapeutic target in osteoarthritis and rheumatoid arthritis.OsteoArthritis and Cartilage 2006;14:839-848)
【0005】
コルチコステロイドは、炎症症状を処置するために開発され、特にコルチコステロイドが長期間使用される場合、軽度または重篤であり得る多くの副作用を有する。例えば、コルチコステロイドは、体重増加、浮腫、高血圧、緑内障、低カリウム血症、白内障、精神障害、骨粗鬆症および免疫系の弱化を引き起こし得る。シクロオキシゲナーゼ(COX)アイソザイムの阻害を介して作用する非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が広く処方されているが、NSAIDの慢性使用は、心血管イベント(高血圧、心筋梗塞、脳卒中および心不全)、致命的であり得る胃腸副作用(びまん性胃炎および胃と十二指腸の両方の孤立性潰瘍)、腎臓副作用(間質性腎炎)ならびに肝有害反応(高トランスアミナーゼ血症、肝炎)を含む一般的な副作用に関連している。炎症性サイトカインを標的とする生物製剤が開発されている。生物製剤は炎症性疾患の病態および進行を改善することが示されているが、それらの使用は、重度の有害反応および感染に対する宿主防御を無効にするという事実のために制限されている(Riderら Biologics for Targeting Inflammatory Cytokines,Clinical Uses,and Limitations.Int J Cell Biol.2016;2016:9259646)。
したがって、慢性使用のための副作用がより少ない他の抗炎症薬を開発する必要がある。本発明は、この必要性および関連する必要性を満たす。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Takら NF-kB:a key role in inflammatory diseases.J Clin Inv 2001;107:7-11
Liuら NF-κB signaling in inflammation.Signal Transduct Target Ther.2017;2.pii:17023
Paiら Immune deficiency or hyperactivity-Nf-kappab illuminates autoimmunity.J Autoimmun 2008;31:245-251
Zhangら NFkB in inflammation and renal diseases.Cell Biosci 2015;5:63
Roman-Blasら NF-kB as a potential therapeutic target in osteoarthritis and rheumatoid arthritis.OsteoArthritis and Cartilage 2006;14:839-848
Riderら Biologics for Targeting Inflammatory Cytokines,Clinical Uses,and Limitations.Int J Cell Biol.2016;2016:9259646
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
一態様では、式(I)の化合物:
TIFF
2025062004000001.tif
44
41
(式中、
nは、0、1、2または3であり;
破線は必要に応じた結合であり;
Hetは、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシおよびアルコキシカルボニルから独立に選択されるR

、R

および/またはR

で必要に応じて置換されたヘテロアリールであり;


は、水素またはアルキルであり;


は、水素またはアルキルであり;


は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、アミノアルキル、アシルアミノアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルであり、アリールまたはヘテロアリールは、単独で、アラルキルまたはヘテロアラルキルの一部として、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから独立に選択されるR

、R

および/またはR

で必要に応じて置換されており;


は、水素またはアルキルであり;


は-C(O)R

であり、R

は、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルアルキルであり、アリールまたはヘテロアリールは、単独で、またはアラルキルもしくはヘテロアラルキルの一部として、アルキル、アルコキシ、アミノアルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキルアルキルオキシ、必要に応じて置換されたアリールオキシ、必要に応じて置換されたアラルキルオキシ、必要に応じて置換されたヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換されたヘテロアラルキルオキシ、必要に応じて置換されたヘテロシクロアルキルオキシ、必要に応じて置換されたヘテロシクロアルキルアルキルオキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノおよびスルホニルアミノから独立に選択されるR

、R

および/またはR

で必要に応じて置換されている;あるいは


およびR

は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、5~7員ヘテロシクロアミノ環を形成する)または
その薬学的に許容され得る塩が提供される。
【0008】
第2の態様では、本開示は、化合物式(I)(もしくは本明細書に記載されるその実施形態のいずれか)またはその薬学的に許容され得る塩と;薬学的に許容され得る賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0009】
第3の態様では、本開示は、NF-kB活性化を阻害することによって処置可能な疾患を処置する方法であって、式(I)の化合物(もしくは本明細書に記載されるその実施形態のいずれか)と薬学的に許容され得る賦形剤とを含む医薬組成物中の治療上有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を、それを必要とする患者に投与するステップを含む方法に関する。一実施形態では、疾患が、自己免疫疾患、疼痛、アレルギー、喘息、慢性閉塞性肺疾患および敗血症を含む炎症性疾患である。別の実施形態では、疾患が、関節リウマチ、骨関節炎、粥状動脈硬化、多発性硬化症、喘息、炎症性腸疾患、糖尿病、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、骨粗鬆症、全身性エリテマトーデス、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、脳卒中、急性腎障害、糸球体腎炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、ベーチェット病、結核、クローン病、大腸炎、パジェット病、膵炎、歯周炎(periodonitis)、炎症性肺疾患およびループス腎炎である。
【0010】
第4の態様では、本開示は、医薬品として使用するための式(I)の化合物(もしくは本明細書に記載されるそのいずれかの実施形態)またはその薬学的に許容され得る塩に関する。一実施形態では、式(I)の化合物(および本明細書中に記載されるそのいずれかの実施形態)またはその薬学的に許容され得る塩が、自己免疫疾患、疼痛、アレルギー、喘息、慢性閉塞性肺疾患および敗血症を含む炎症性疾患の処置に有用である。別の実施形態では、疾患が、関節リウマチ、骨関節炎、粥状動脈硬化、多発性硬化症、喘息、炎症性腸疾患、糖尿病、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、骨粗鬆症、全身性エリテマトーデス、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、脳卒中、急性腎障害、糸球体腎炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、ベーチェット病、結核、クローン病、大腸炎、パジェット病、膵炎、歯周炎(periodonitis)、炎症性肺疾患およびループス腎炎である。
(【0011】以降は省略されています)

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