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公開番号2025047795
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-03
出願番号2023156511
出願日2023-09-21
発明の名称光通信システムの制御装置及びプログラム
出願人KDDI株式会社
代理人弁理士法人大塚国際特許事務所
主分類H04B 10/2507 20130101AFI20250326BHJP(電気通信技術)
要約【課題】波長多重された複数の信号光を伝送する光通信システムにおいて、非線形光学効果による光雑音の影響を抑える。
【解決手段】制御装置は、光受信装置が判定した複数の信号光の信号対雑音比を光受信装置から取得する取得手段と、光伝送路の1つ以上の区間それぞれの調整器で与える減衰量を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、1つ以上の区間それぞれの調整器で与える減衰量を決定する決定処理を実行し、決定処理は、1つ以上の区間の内の調整対象区間の調整器で与える減衰量を増加させながら複数の信号光の信号対雑音比を監視することで、調整対象区間の調整器で与える減衰量を決定する調整処理を含む。区間は、光増幅器と、信号光の伝送方向において当該光増幅器の下流側に接続され信号光の光パワーを調整する調整器と、当該調整器の下流側に接続された光ファイバと、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
光送信装置が1つ以上の区間を含む光伝送路を介して波長多重された複数の信号光を光受信装置に伝送する光通信システムの制御装置であって、
前記1つ以上の区間のそれぞれは、前記複数の信号光を増幅する光増幅器と、前記複数の信号光の伝送方向において当該光増幅器の下流側に接続され、前記複数の信号光の光パワーを調整する調整器と、前記伝送方向において当該調整器の下流側に接続された光ファイバと、を含み、
前記制御装置は、
前記光受信装置が前記複数の信号光を復調することで判定した前記複数の信号光の信号対雑音比を前記光受信装置から取得する取得手段と、
前記1つ以上の区間それぞれの前記調整器で与える減衰量を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記1つ以上の区間それぞれの前記調整器で与える減衰量を決定する決定処理を実行し、
前記決定処理は、前記1つ以上の区間の内の調整対象区間の前記調整器で与える減衰量を増加させながら前記複数の信号光の信号対雑音比を監視することで、前記調整対象区間の前記調整器で与える減衰量を決定する調整処理を含む、制御装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記1つ以上の区間は第1グループから第Nグループ(Nは1以上の整数)にグループ化され、
Nが2以上の場合、第kグループ(kは1からN-1までの整数)に属する区間の前記光ファイバの長さは、第(k+1)グループに属する区間の前記光ファイバの長さより短く、
前記決定処理は、前記調整処理をN回だけ繰り返すことを含み、
n回目(nは1~Nまでの整数)の前記調整処理における前記調整対象区間は、第1グループから第(N-n+1)グループに属する区間である、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記1つ以上の区間それぞれの前記調整器は、前記複数の信号光の全体の前記光パワーを一括して調整する様に構成されており、
前記調整処理において、前記制御手段は、前記調整対象区間の前記調整器で与える減衰量を増加させながら前記複数の信号光の内の参照信号光の信号対雑音比を監視することで、前記調整対象区間の前記調整器で与える減衰量を決定し、
前記参照信号光は、前記光ファイバの波長分散値の絶対値が閾値より低い波長範囲内の波長の信号光である、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記参照信号光は、前記複数の信号光の波長の内の前記波長分散値の絶対値が最も小さい波長の信号光である、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記調整処理において、前記制御手段は、前記調整対象区間の前記調整器で与える減衰量を増加させながら前記参照信号光の信号対雑音比を監視した結果、前記参照信号光の信号対雑音比が最も高くなった減衰量を、前記調整対象区間の前記調整器で与える減衰量に決定する、請求項3に記載の制御装置。
【請求項6】
前記1つ以上の区間それぞれの前記調整器は、前記複数の信号光の前記光パワーを個別に調整する様に構成されており、
前記調整処理において、前記制御手段は、前記調整対象区間の前記調整器で与える減衰量を増加させる1つ以上の調整対象光を判定し、前記調整対象区間の前記調整器で前記1つ以上の調整対象光に与える減衰量を増加させながら前記複数の信号光の信号対雑音比の平均値を監視することで、前記調整対象区間の前記調整器で前記1つ以上の調整対象光に与える減衰量を決定し、
前記1つ以上の調整対象光は、前記調整処理を開始する時点において、前記複数の信号光の信号対雑音比の平均値よりも信号対雑音比が低く、かつ、前記光ファイバの波長分散値の絶対値が閾値より低い波長範囲内の波長の信号光である、請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記調整処理において、前記制御手段は、前記調整対象区間の前記調整器で前記1つ以上の調整対象光に与える減衰量を増加させながら前記複数の信号光の信号対雑音比の平均値を監視した結果、前記複数の信号光の信号対雑音比の平均値が最も高くなった減衰量を、前記調整対象区間の前記調整器で前記1つ以上の調整対象光に与える減衰量に決定する、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記1つ以上の区間それぞれの前記調整器は、前記複数の信号光の前記光パワーを個別に調整する様に構成されており、
前記調整処理において、前記制御手段は、前記調整対象区間の前記調整器で与える減衰量を増加させる1つ以上の調整対象光を判定し、前記1つ以上の調整対象光それぞれについて、前記調整対象区間の前記調整器で調整対象光に与える減衰量を増加させながら、前記調整対象光の信号対雑音比を監視することで、前記調整対象区間の前記調整器で前記調整対象光に与える減衰量を決定し、
前記1つ以上の調整対象光は、前記調整処理を開始する時点において、前記複数の信号光の内の信号対雑音比が最も高い信号光を除く信号光である、請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
前記調整処理において、前記制御手段は、前記調整対象区間の前記調整器で前記調整対象光に与える減衰量を増加させながら前記調整対象光の信号対雑音比を監視した結果、前記調整対象光の信号対雑音比が最も高くなった減衰量を、前記調整対象区間の前記調整器で前記調整対象光に与える減衰量に決定する、請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記複数の信号光の波長の範囲は、前記光ファイバの波長分散値が0になる波長を含む、請求項1に記載の制御装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、光ファイバにおける非線形光学効果で生じる光雑音の影響を抑える技術に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
光通信システムの省電力化に関し、非特許文献1は、1260nm~1360nmの波長帯であるO帯を使用することで信号処理の一部を省略でき、よって、従来から使用されている1530nm~1565nmの波長帯(C帯)よりも省電力化を図れることを開示している。
【0003】
一方、非特許文献2は、波長1310nm近傍の波長範囲においては、光ファイバの非線形光学効果により生じる光雑音(非線形光雑音)の影響が極めて大きくなり、よって、O帯は、波長多重伝送には適さないことを開示している。なお、波長1310nm近傍の波長は、波長分散の値が0又は0に近い波長である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Seiler,P.M.,et.al.,Toward coherent O-band data center interconnects.Front.Optoelectron.14,414-425,2021年
A.Ferrari,et.al.,"Assessment on the Achievable Throughput of Multi-Band ITU-T G.652.D Fiber Transmission Systems",in Journal of Lightwave Technology,vol.38,no.16,pp.4279-4291,15,2020年8月15日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、波長多重された複数の信号光を伝送する光通信システムにおいて、非線形光学効果による光雑音の影響を抑える技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によると、光送信装置が1つ以上の区間を含む光伝送路を介して波長多重された複数の信号光を光受信装置に伝送する光通信システムの制御装置が提供される。前記1つ以上の区間のそれぞれは、前記複数の信号光を増幅する光増幅器と、前記複数の信号光の伝送方向において当該光増幅器の下流側に接続され、前記複数の信号光の光パワーを調整する調整器と、前記伝送方向において当該調整器の下流側に接続された光ファイバと、を含む。前記制御装置は、前記光受信装置が前記複数の信号光を復調することで判定した前記複数の信号光の信号対雑音比を前記光受信装置から取得する取得手段と、前記1つ以上の区間それぞれの前記調整器で与える減衰量を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記1つ以上の区間それぞれの前記調整器で与える減衰量を決定する決定処理を実行し、前記決定処理は、前記1つ以上の区間の内の調整対象区間の前記調整器で与える減衰量を増加させながら前記複数の信号光の信号対雑音比を監視することで、前記調整対象区間の前記調整器で与える減衰量を決定する調整処理を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示によると、波長多重された複数の信号光を伝送する光通信システムにおいて、非線形光学効果による光雑音の影響を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
幾つかの実施形態による、光通信システムの構成図。
幾つかの実施形態による、調整処理のフローチャート。
調整処理の説明図。
幾つかの実施形態による、調整処理のフローチャート。
幾つかの実施形態による、調整処理のフローチャート。
幾つかの実施形態による、制御装置の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下では、各実施形態を説明する前に、各実施形態で共通な構成について説明する。図1は、幾つかの実施形態による光通信システムの構成図である。光送信装置1は、複数の信号光を波長多重した波長多重光を、光伝送路3を介して光受信装置2に送信する。波長多重光の波長範囲は、光伝送路3に使用されている光ファイバにおいて波長分散値の絶対値が閾値より低くなる波長、例えば、波長分散値の絶対値が0となる波長を含む。一例として、波長分散値は1310nmで0になり、波長多重光の波長範囲は、1260nm~1360nmの波長範囲である。つまり、波長多重光は、O帯の光である。
(【0011】以降は省略されています)

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