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公開番号2025067764
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-24
出願番号2024034151
出願日2024-03-06
発明の名称O-RANにおいて無線リソースの制御を行う制御装置、処理装置、制御方法、処理方法及びプログラム
出願人KDDI株式会社
代理人弁理士法人大塚国際特許事務所
主分類H04W 16/06 20090101AFI20250417BHJP(電気通信技術)
要約【課題】RANの通信品質を改善するO-RANを用いる通信システムを提供する。
【解決手段】制御装置(RIC)は、Open-Radio Access Network(O-RAN)上のDistributed Unit(DU)によって提供される複数のセルの夫々における通信量に関する第1の情報を取得し、複数のセルが共用する周波数リソースのうち、セルの夫々が優先的に使用可能な周波数リソースの範囲を第1の情報を用いて設定する。RICは、セルのそれぞれにおける無線リソースの割当てを実行するDUに、周波数リソースの範囲の下端又は上端の少なくとも何れかを示す第2の情報を通知し、複数のセルに含まれる第1のセルが優先的に使用可能な周波数リソースの範囲と、複数のセルに含まれ、第1のセルとは異なる第2のセルが、優先的に使用可能な周波数リソースの範囲の少なくとも一部が異なるように周波数リソースの範囲を設定する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項１】
Ｏｐｅｎ－ＲａｄｉｏＡｃｃｅｓｓＮｅｔｗｏｒｋ（Ｏ－ＲＡＮ）におけるＲＡＮＩｎｔｅｌｌｉｇｅｎｔＣｏｎｔｒｏｌｌｅｒ（ＲＩＣ）として機能する制御装置であって、
前記Ｏ－ＲＡＮによって提供される複数のセルのそれぞれにおける通信量に関する第１の情報を取得する取得手段と、
複数の前記セルにより共用される周波数リソースのうち、前記セルのそれぞれが優先的に使用可能な周波数リソースの範囲を前記第１の情報を用いて設定する設定手段と、
前記セルのそれぞれにおける無線リソースの割当てを実行する処理装置に、前記周波数リソースの範囲の下端又は上端の少なくともいずれかを示す第２の情報を通知する通知手段と、を有し、
前記設定手段は、複数の前記セルに含まれる第１のセルが優先的に使用可能な周波数リソースの範囲と、複数の前記セルに含まれる第２のセルであって当該第１のセルと異なる第２のセルが優先的に使用可能な周波数リソースの範囲の少なくとも一部が異なるように当該周波数リソースの範囲を設定する
ことを特徴とする制御装置。
続きを表示（約 2,900 文字）【請求項２】
Ｏｐｅｎ－ＲａｄｉｏＡｃｃｅｓｓＮｅｔｗｏｒｋ（Ｏ－ＲＡＮ）におけるＲＡＮＩｎｔｅｌｌｉｇｅｎｔＣｏｎｔｒｏｌｌｅｒ（ＲＩＣ）として機能する制御装置であって、
前記Ｏ－ＲＡＮによって提供される複数のセルのそれぞれにおける通信量に関する第１の情報を取得する取得手段と、
複数の前記セルにより共用される周波数リソースのうち、前記セルのそれぞれが優先的に使用可能な周波数リソースの範囲を前記第１の情報を用いて設定する設定手段と、
前記セルのそれぞれにおける無線リソースの割当てを実行する処理装置に、前記周波数リソースの範囲を特定する第２の情報を通知する通知手段と、を有し、
前記設定手段は、複数の前記セルに含まれる第１のセルが優先的に使用可能な周波数リソースの範囲と、複数の前記セルに含まれる第２のセルであって当該第１のセルと異なる第２のセルが優先的に使用可能な周波数リソースの範囲の少なくとも一部が異なるように当該周波数リソースの範囲を設定する
ことを特徴とする制御装置。
【請求項３】
前記取得手段は、前記第１の情報として、前記セルにおける無線リソースの使用量、又は、トラフィック量を特定可能な情報を取得する
ことを特徴とする請求項１または２に記載の制御装置。
【請求項４】
前記設定手段は、前記セルのそれぞれにおける通信量の比率を特定し、当該通信量の比率が大きいセルほど、前記周波数リソースの範囲が大きくなるように前記セルのそれぞれに対する周波数リソースの範囲を設定する
ことを特徴とする請求項１または２に記載の制御装置。
【請求項５】
前記取得手段は、前記第１の情報として、前記複数のセルのそれぞれにおけるセル全体の通信量を特定可能な情報と、前記複数のセルのそれぞれにおける所定のネットワークスライスに対応する通信量を特定可能な情報とを取得し、
前記設定手段は、
前記複数のセルのそれぞれにおけるセル全体の通信量の比率を特定し、当該セル全体の通信量の比率が大きいセルほど、当該セルに対して設定する前記周波数リソースの範囲が大きくなるように前記セルのそれぞれに対して設定する前記周波数リソースの量を決定し、
前記複数のセルのそれぞれにおける所定のネットワークスライスに対応する通信量を特定し、前記所定のネットワークスライスに対応する通信量が大きいセルほど追加される周波数リソースの量が大きくなるように、前記セルのそれぞれに対して設定する前記周波数リソースの量の修正を行い、
前記修正を行った前記セルのそれぞれに対して設定する前記周波数リソースの量を用いて、前記セルのそれぞれに対する前記周波数リソースの範囲を設定する
ことを特徴とする請求項４に記載の制御装置。
【請求項６】
前記取得手段は、前記第１の情報として、複数の前記セルのそれぞれにおけるセル全体の通信量を特定可能な情報と、複数の前記セルのそれぞれにおける所定のネットワークスライスに対応する通信量を特定可能な情報とを取得し、
前記設定手段は、
複数の前記セルのそれぞれにおける所定のネットワークスライスに対応する通信量を特定し、当該所定のネットワークスライスに対応する通信量を通信するために必要な無線リソースの量を下回らないように、前記セルのそれぞれに設定されるべき周波数リソースの量を決定する第１の決定を行い、
前記複数のセルのそれぞれにおけるセル全体の通信量の比率を特定し、当該セル全体の通信量の比率が大きいセルほど前記周波数リソースの範囲が大きくなるように、前記共用される周波数リソースの量から前記第１の決定において決定した周波数リソースの量を除いた残りの周波数リソースの量に対して、前記セルのそれぞれに設定されるべき周波数リソースの量を決定する第２の決定を行い、
前記第１の決定と前記第２の決定とのそれぞれにおいて決定した前記セルのそれぞれに設定されるべき周波数リソースの量に基づいて、前記セルのそれぞれに対する前記周波数リソースの範囲を設定する
ことを特徴とする請求項４に記載の制御装置。
【請求項７】
前記設定手段は、さらに前記セルの干渉量を取得し、当該干渉量を用いて、前記セルのそれぞれに割り当てる前記周波数リソースの範囲の周波数軸上の配置を設定する
ことを特徴とする請求項１または２に記載の制御装置。
【請求項８】
前記通知手段が、前記処理装置として動作する前記Ｏ－ＲＡＮにおけるＤｉｓｔｒｉｂｕｔｅｄＵｎｉｔに前記第２の情報を通知する
ことを特徴とする請求項１または２に記載の制御装置。
【請求項９】
Ｏｐｅｎ－ＲａｄｉｏＡｃｃｅｓｓＮｅｔｗｏｒｋ（Ｏ－ＲＡＮ）における処理装置であって、
前記Ｏ－ＲＡＮによって提供される複数のセルに含まれる第１のセルであって前記処理装置に関連付けられた前記第１のセルにおける通信量に関する第１の情報を、前記Ｏ－ＲＡＮにおけるＲＡＮＩｎｔｅｌｌｉｇｅｎｔＣｏｎｔｒｏｌｌｅｒ（ＲＩＣ）に提供する提供手段と、
前記第１の情報を用いて生成された、前記複数のセルにより共用される周波数リソースのうち前記第１のセルが優先的に使用可能な周波数リソースの範囲の下端又は上端の少なくともいずれかを示す第２の情報を取得する取得手段と、
前記第２の情報に基づいて、前記第１のセルに接続する無線端末に無線リソースを割り当てる割当手段と、を有し、
前記第１のセルが優先的に使用可能な周波数リソースの範囲が、前記複数のセルに含まれる第２のセルであって前記第１のセルとは異なる前記第２のセルが優先的に使用可能な周波数の範囲と、少なくとも一部が異なるように設定され、
前記割当手段は、前記第１のセルに接続する無線端末に無線リソースを割り当てる際に、前記第１のセルが優先的に使用可能な第１の周波数リソースの範囲に含まれる無線リソースを、前記複数のセルにより共用される周波数リソースのうち前記第１の周波数リソースの範囲以外の周波数リソースの範囲である第２の周波数リソースの範囲に含まれる無線リソースよりも優先的に割り当てる
ことを特徴とする処理装置。
【請求項１０】
前記割当手段は、前記第２の情報として前記第１のセルが優先的に使用可能な周波数リソースの範囲の下端を取得した場合、当該下端より高い周波数の無線リソースを周波数が低い方から割り当て、前記第２の情報として前記第１のセルが優先的に使用可能な周波数リソースの範囲の上端を取得した場合、当該上端より低い周波数の無線リソースを周波数が高い方から割り当てる
ことを特徴とする請求項９に記載の処理装置。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、Ｏ－ＲＡＮ（Ｏｐｅｎ－ＲａｄｉｏＡｃｃｅｓｓＮｅｔｗｏｒｋ）における無線リソースの制御を行う技術に関する。
続きを表示（約 3,200 文字）【背景技術】
【０００２】
無線通信サービスの普及が進み、様々な環境においてユーザが無線により通信を行うことが一般化している。例えば、コンサートホール等のイベント会場やスタジアム等のスポーツ施設等では、複数のセルによりカバーされる所定のエリアにおいて、大規模な数のユーザが通信を行う。このような環境において通信品質を維持しつつ無線通信サービスを効率的に提供するためには、通信品質を監視しながら無線通信システムのオペレーションを最適化することが必要になる。このような無線通信システムとして、セルにおける通信品質等に関する情報を収集し、これを分析することにより高度なＲＡＮ（ＲａｄｉｏＡｃｃｅｓｓＮｅｔｗｏｒｋ）の制御を行う機能の開発が進んでいる。例えば、無線アクセスネットワーク（ＲＡＮ）をオープン化／インテリジェント化するＯ－ＲＡＮ（Ｏｐｅｎ－ＲＡＮ）の標準化においては、ＲＡＮの設定や運用をインテリジェントに行うための、ＲＡＮＩｎｔｅｌｌｉｇｅｎｔＣｏｎｔｒｏｌｌｅｒ（ＲＩＣ）が規定されている（非特許文献１）。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【０００３】
Ｏ－ＲＡＮＷｏｒｋｉｎｇＧｒｏｕｐ２、「Ｎｏｎ－ＲＴＲＩＣＡｒｃｈｉｔｅｃｔｕｒｅ」、Ｏ－ＲＡＮＡｌｌｉａｎｃｅ、２０２３年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
所定のエリアに同一バンドの複数のセルが近接して配置される環境では、セル間において生じる干渉により、通信品質が低下しやすい。特に、各セルにより周波数リソースが共用される場合、干渉が生じる可能性が高くなる。本発明は、Ｏ－ＲＡＮを用いる通信システムにおいて、ＲＡＮの通信品質を改善する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明の一態様による制御装置は、Ｏｐｅｎ－ＲａｄｉｏＡｃｃｅｓｓＮｅｔｗｏｒｋ（Ｏ－ＲＡＮ）におけるＲＡＮＩｎｔｅｌｌｉｇｅｎｔＣｏｎｔｒｏｌｌｅｒ（ＲＩＣ）として機能する制御装置であって、前記Ｏ－ＲＡＮによって提供される複数のセルのそれぞれにおける通信量に関する第１の情報を取得する取得手段と、複数の前記セルにより共用される周波数リソースのうち、前記セルのそれぞれが優先的に使用可能な周波数リソースの範囲を前記第１の情報を用いて設定する設定手段と、前記セルのそれぞれにおける無線リソースの割当てを実行する処理装置に、前記周波数リソースの範囲の下端又は上端の少なくともいずれかを示す第２の情報を通知する通知手段と、を有し、前記設定手段は、複数の前記セルに含まれる第１のセルが優先的に使用可能な周波数リソースの範囲と、複数の前記セルに含まれる第２のセルであって当該第１のセルと異なる第２のセルが優先的に使用可能な周波数リソースの範囲の少なくとも一部が異なるように当該周波数リソースの範囲を設定する。
【０００６】
本発明の一態様による処理装置は、Ｏｐｅｎ－ＲａｄｉｏＡｃｃｅｓｓＮｅｔｗｏｒｋ（Ｏ－ＲＡＮ）における処理装置であって、前記Ｏ－ＲＡＮによって提供される複数のセルに含まれる第１のセルであって前記処理装置に関連付けられた前記第１のセルにおける通信量に関する第１の情報を、前記Ｏ－ＲＡＮにおけるＲＡＮＩｎｔｅｌｌｉｇｅｎｔＣｏｎｔｒｏｌｌｅｒ（ＲＩＣ）に提供する提供手段と、前記第１の情報を用いて生成された、前記複数のセルにより共用される周波数リソースのうち前記第１のセルが優先的に使用可能な周波数リソースの範囲の下端又は上端の少なくともいずれかを示す第２の情報を取得する取得手段と、前記第２の情報に基づいて、前記第１のセルに接続する無線端末に無線リソースを割り当てる割当手段と、を有し、前記第１のセルが優先的に使用可能な周波数リソースの範囲が、前記複数のセルに含まれる第２のセルであって前記第１のセルとは異なる前記第２のセルが優先的に使用可能な周波数の範囲と、少なくとも一部が異なるように設定され、前記割当手段は、前記第１のセルに接続する無線端末に無線リソースを割り当てる際に、前記第１のセルが優先的に使用可能な第１の周波数リソースの範囲に含まれる無線リソースを、前記複数のセルにより共用される周波数リソースのうち前記第１の周波数リソース以外の周波数リソースである第２の周波数リソースの範囲に含まれる無線リソースよりも優先的に割り当てる。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、Ｏ－ＲＡＮを用いる通信システムにおいて、ＲＡＮの通信品質を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
通信システムの構成例を示す図である。
ＲＩＣとＤＵのハードウェア構成例を示す図である。
ＲＩＣの機能構成例を示す図である。
ＤＵの機能構成例を示す図である。
ＲＩＣとＤＵが実行する処理の流れの一例を示す図である。
各セルが優先的に使用できる周波数リソースの範囲の設定と各セルで実際に使用された周波数リソースの関係を示す図である。
各セルへの周波数リソースの割当ての一例を示す図である。
各セルへの周波数リソースの割当ての一例を示す図である。
各セルにおけるスケジューリングの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち２つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【００１０】
（システム構成）
図１に、本実施形態に係る通信システムの構成例を示す。本通信システムは、無線アクセスネットワーク（ＲＡＮ）をオープン化／インテリジェント化するために標準化が進められているＯｐｅｎ－ＲａｄｉｏＡｃｃｅｓｓＮｅｔｗｏｒｋ（Ｏ－ＲＡＮ）を用いて構成される。Ｏ－ＲＡＮは、例えば、ＲＡＮＩｎｔｅｌｌｉｇｅｎｔＣｏｎｔｒｏｌｌｅｒ（ＲＩＣ）１０１、ＤｉｓｔｒｉｂｕｔｅｄＵｎｉｔ（ＤＵ）１０２、ＲａｄｉｏＵｎｉｔ（ＲＵ）１１１～ＲＵ１１４、及び、ＵｓｅｒＥｑｕｉｐｍｅｎｔ（ＵＥ）１２１～ＵＥ１２８を含んで構成される。本実施形態において、ＲＵ１１１～ＲＵ１１４を総称して、ＲＵ１１０と呼ぶことがある。また、本実施形態において、ＵＥ１２１～ＵＥ１２８を総称して、ＵＥ１２０と呼ぶことがある。なお、図１では、１つのＤＵ１０２が、有線ネットワークにより、４つのＲＵ１１１～１１４に接続されている例を示しているが、ＤＵ１０２が２つ以上あってもよく、その場合、それぞれのＲＵ１１０が、互いに異なるＤＵ１０２に接続してもよい。同様に、ＤＵ１０２に接続しているＲＵ１１０は、１つ、２つ又は３つであってもよく、５つ以上であってもよい。また、各ＲＵ１１０に接続するＵＥ１２０は、ゼロ以上であってよく、１つの端末１００が、複数の基地局１１０に同時に接続してもよい。各装置間は、有線ネットワーク又は無線ネットワークにより、相互に接続されうる。なお、図１において、実線は装置間が有線ネットワークにより接続されていることを示し、点線は装置間が無線ネットワークにより接続されていることを示す。また、無線媒体を介して各ＲＵ１１０と通信可能なエリアは、セルと呼ばれうる。
（【００１１】以降は省略されています）

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