TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025047787
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-03
出願番号2023156499
出願日2023-09-21
発明の名称カーボン混合物及びその製造方法、全固体電池の電極及びその製造方法
出願人日本ケミコン株式会社
代理人個人
主分類H01M 4/62 20060101AFI20250326BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】硫化物系固体電解質層を有する全固体電池の電極において導電剤として使用されるべきカーボン混合物であって、電極における電極活物質粒子の含有量を増加させて電極密度を向上させることができる上に硫化物系固体電解質粒子の分解を抑制することができるカーボン混合物を提供する。
【解決手段】圧力を受けると糊状に変化する性質を有する酸化処理カーボンと、該酸化処理カーボンの導電率より高い導電率を有する別の導電性カーボンとを含み、上記酸化処理カーボンの少なくとも一部が糊状に広がって上記別の導電性カーボンの表面に付着しているカーボン混合物であって、50~130m2/gの範囲の外部比表面積を有するカーボン混合物である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
硫化物系固体電解質層を有する全固体電池の電極において導電剤として使用されるべき、圧力を受けると糊状に変化する性質を有する酸化処理カーボンと、該酸化処理カーボンの導電率より高い導電率を有する別の導電性カーボンとを含み、前記酸化処理カーボンの少なくとも一部が糊状に広がって前記別の導電性カーボンの表面に付着しているカーボン混合物であって、
前記カーボン混合物の外部比表面積が50~130m

/gの範囲であることを特徴とするカーボン混合物。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記酸化処理カーボンが親水性部分を含み、該親水性部分の含有量が酸化処理カーボン全体の10質量%以上である、請求項1に記載のカーボン混合物。
【請求項3】
請求項1に記載のカーボン混合物の製造方法であって、
導電性を有するカーボン原料に酸化処理を施すことにより、圧力を受けると糊状に変化する性質を有する酸化処理カーボンを得る、酸化段階、及び、
前記酸化段階で得られた酸化処理カーボンと、該酸化処理カーボンの導電率より高い導電率を有する別の導電性カーボンと、を乾式混合することにより、前記酸化処理カーボンの少なくとも一部が糊状に広がって前記別の導電性カーボンの表面に付着しており、且つ、50~130m

/gの範囲の外部比表面積を有するカーボン混合物を得る、混合段階
を含むことを特徴とする、カーボン混合物の製造方法。
【請求項4】
前記酸化段階において、酸化処理を、得られる酸化処理カーボンにおける親水性部分の含有量が酸化処理カーボン全体の10質量%以上になるように実施する、請求項3に記載のカーボン混合物の製造方法。
【請求項5】
前記カーボン原料が、以下のi)、ii)及びiii)の条件
i)内部比表面積が30m

/g以下であること、
ii)平均一次粒子径が35nm以下であること、
iii)ラマンスペクトルにおけるS1バンドのピーク強度のS2バンドのピーク強度に対する比が1.00以下であること、
の全てを満たすカーボンである、請求項3又は4に記載のカーボン混合物の製造方法。
【請求項6】
前記別の導電性カーボンが、25~80nmの平均一次粒子径を有するカーボンブラックである、請求項3又は4に記載のカーボン混合物の製造方法。
【請求項7】
前記混合段階で得られたカーボン混合物を真空中或いは非酸化雰囲気中で熱処理することにより、熱処理後のカーボン混合物から発生する25~200℃の範囲におけるCO

量を熱処理前のカーボン混合物から発生する25~200℃の範囲におけるCO

量より減少させる、熱処理段階
をさらに含む、請求項3又は4に記載のカーボン混合物の製造方法。
【請求項8】
硫化物系固体電解質層を有する全固体電池の電極であって、
電極活物質粒子と、硫化物系固体電解質粒子と、導電剤としての請求項1又は2に記載のカーボン混合物と、を含み、
前記酸化処理カーボンに由来する少なくとも一部が糊状に広がったカーボンが前記別の導電性カーボンの表面ばかりでなく前記電極活物質粒子の表面及び前記硫化物系固体電解質粒子の表面にも付着していることを特徴とする全固体電池の電極。
【請求項9】
前記電極がバインダーをさらに含む、請求項8に記載の電極。
【請求項10】
硫化物系固体電解質層を有する全固体電池の電極の製造方法であって、
電極活物質粒子と、硫化物系固体電解質粒子と、導電剤としての請求項3又は4に記載の製造方法により得られたカーボン混合物と、を乾式混合することにより、前記酸化処理カーボンに由来する少なくとも一部が糊状に広がったカーボンが前記別の導電性カーボンの表面ばかりでなく前記電極活物質粒子の表面及び前記硫化物系固体電解質粒子の表面にも付着している電極用混合物を得る、乾式混合工程、及び、
前記電極用混合物により活物質層を形成し、該活物質層に圧力を印加することにより、前記酸化処理カーボンに由来する少なくとも一部が糊状に広がったカーボンがさらに糊状に広がるとともに緻密化している電極を得る、乾式プレス工程
を含むことを特徴とする電極の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、硫化物系固体電解質層を有する全固体電池の電極において導電剤として使用されるべきカーボン混合物及びその製造方法に関する。また、本発明は上記カーボン混合物を含む全固体電池の電極及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
電解質として電解液に代えて固体電解質を利用する全固体電池は、高いエネルギー密度、高い出力密度、高い安全性、及び長寿命などの優れた性能を有するため、電気自動車への搭載の用途、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーを利用した発電システムにおける発電量の平滑化の用途、携帯電話や携帯用パーソナルコンピュータなどの携帯電子機器の電源の用途などの様々な用途に適用するために広く検討されているデバイスである。
【0003】
この全固体電池は、固体電解質層とこの固体電解質層を介して対向している一対の電極(正極及び負極)とを必須の構成要素として備えている。電極は、固体電解質中のイオンとの電子の授受を伴うファラデー反応により容量を発現する電極活物質粒子と、固体電解質層と電極活物質粒子とのイオン伝導パスを形成するための固体電解質粒子とを含んでおり、電極活物質粒子の導電性が低い場合には、さらに電極活物質粒子と電極の集電体との電子伝導パスを確保するための導電剤を含んでいる。上記導電剤としては、一般的には導電性カーボンが使用されるが、この導電性カーボンは、電子伝導パスを確保するだけでなく、電極活物質粒子の反応に伴う膨張収縮を吸収するマトリックスとしても作用する。
【0004】
ところで、電極における固体電解質粒子及び導電性カーボンの含有量をイオン伝導パス及び電子伝導パスを確保することができる最小限の量に減らして、電極活物質粒子の含有量を増加させれば、全固体電池のエネルギー密度を向上させることができる。固体電解質粒子のうち、硫化物系固体電解質粒子は、酸化物系固体電解質粒子と比較して、高いイオン伝導性と柔軟性とを有しており、少ない固体電解質粒子の量であっても電極活物質粒子との良好な接触性を保って電荷移動を達成することができるため、エネルギー密度の向上の目的に適している。また、電極活物質粒子が反応に伴って膨張収縮すると、固体電解質粒子との接触が緩んで電荷移動が阻害され、充放電サイクル寿命が短期化するおそれがあるが、硫化物系固体電解質粒子の有する柔軟性は、電極活物質粒子の反応に伴う膨張収縮を吸収するためにも有用である。導電性カーボンについては、出願人は、導電性を有するカーボン原料に強い酸化処理を施すことにより得ることができる、圧力を受けると糊状に広がる性質を有する酸化処理カーボンを、電極のための導電剤として使用することによって、電極活物質の含有量を増加させる方法を提案している(例えば、特許文献1(WO2015/133586号)、特許文献2(特開2016-096125号公報)、特許文献3(特開2022-035788号公報))。ここで、「糊状」とは、倍率25000倍で撮影したSEM写真において、カーボン一次粒子の粒界が認められず、非粒子状の不定形なカーボンがつながっている状態を意味する。
【0005】
従来の電極において導電剤として使用されている、カーボンブラック、天然黒鉛、カーボンナノチューブ等の導電性カーボンに圧力を加えても、カーボンの粒子形状が維持されるため、活物質粒子間の距離を接近させて単位体積あたりの活物質量を増加させることが困難であり、高い電極密度が得られなかった。しかし、これらの導電性カーボンに酸化処理を施すと、粒子の表面から酸化されて、カーボンにヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エーテル結合などが導入され、またカーボンの共役二重結合が酸化されて炭素単結合が生成し、部分的に炭素間結合が切断される。さらに酸化処理の強度を強めていくと、圧力を受けると糊状に広がる性質を有する酸化処理カーボンを得ることができる。
【0006】
この圧力を受けると糊状に広がる性質を有する酸化処理カーボンは、電極活物質粒子の表面に付着しやすく、また、圧力を受けると一体的に圧縮されて糊状に広がり、ばらばらになりにくいという特徴を有する。そのため、この酸化処理カーボンと電極活物質粒子とを混合して混合物を得ると、混合の過程で酸化処理カーボンが活物質粒子の表面に付着して表面を覆い、活物質粒子の分散性を向上させる。上記混合物の製造時に酸化処理カーボンに及ぼされる圧力が大きいと、酸化処理カーボンの少なくとも一部が糊状に広がって活物質粒子の表面が部分的に覆われる。そして、電極を製造する過程で上記混合物に圧力を加えていくと、上記酸化処理カーボンがさらに糊状に広がって電極活物質粒子の表面を覆いながら緻密化すると共に活物質粒子が互いに接近する。そのため、電極における単位体積あたりの電極活物質量を増加させて高い電極密度を得ることができる。
【0007】
特許文献1には、多孔質炭素粉末、ケッチェンブラック、カーボンナノファイバ及びカーボンナノチューブのような空隙を有する導電性カーボンをカーボン原料として酸化処理を施すと、酸化が容易であるため、圧力を受けると糊状に広がる性質を有する酸化処理カーボンが容易に得られることが示されている。この文献の図2には、ケッチェンブラックに対して異なる強度の酸化処理を施すことにより得られた酸化処理カーボンと、電極活物質としてのLiFePO

の粒子と、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデンと、溶媒としてのN-メチルピロリドンと、を十分に混練してスラリーを形成し、このスラリーをアルミニウム箔上に塗布して乾燥した後に圧延処理を施すことにより電極を得る実験から得られた、電極密度と、上記酸化処理カーボンにおける親水性部分の含有量と、の関係が示されている。酸化処理カーボンの「親水性部分」の意味及び親水性部分の含有量の算出方法は後述する。
【0008】
特許文献1の図2から、親水性部分の含有量が酸化処理カーボン全体の8質量%を超えるように酸化処理の強度を高めると、得られた酸化処理カーボンを用いて製造された電極の密度が増大しはじめ、親水性部分の含有量が酸化処理カーボン全体の9質量%を超えると、電極密度が急激に増大しはじめ、親水性部分の含有量が酸化処理カーボン全体の10質量%を超えると、極めて高い電極密度が得られることがわかる。この電極密度の向上は、酸化処理の強度を高めるにつれて酸化処理カーボンに対して圧力を受けると糊状に広がる性質が付与されることに対応している。
【0009】
特許文献2には、特許文献1に開示されている圧力を受けると糊状に広がる性質を有する酸化処理カーボンと、この酸化処理カーボンの導電率より高い導電率を有する別の導電性カーボンとを乾式混合することにより、上記酸化処理カーボンの少なくとも一部が糊状に変化して上記別の導電性カーボンの表面に付着したカーボン混合物を得る方法が示されている。この文献の実施例10,11には、ケッチェンブラックに酸化処理を施すことにより得られた圧力を受けると糊状に広がる性質を有する酸化処理カーボンと、別の導電性カーボンとしてのアセチレンブラックと、を乾式混合することによってカーボン混合物を得、このカーボン混合物と、電極活物質としてのLiNi
0.5
Mn
0.3
Co
0.2


の粒子と、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデンと、溶媒としてのN-メチルピロリドンと、を十分に混練してスラリーを形成し、このスラリーをアルミニウム箔上に塗布して乾燥した後に圧延処理を施すことにより電極を得ると、高い電極密度が得られる上に、この電極を備えたリチウムイオン二次電池の直流内部抵抗が、上記カーボン混合物に代えて上記酸化処理カーボンとアセチレンブラックとを別々に用いて形成された電極を備えたリチウムイオン二次電池の直流内部抵抗よりも低下することが示されている。
【0010】
特許文献3には、特許文献2に開示されているカーボン混合物を真空中或いは非酸化雰囲気中で熱処理することにより、熱処理後のカーボン混合物から発生する25~200℃の範囲におけるCO

量を、熱処理前のカーボン混合物から発生する25~200℃の範囲におけるCO

量より減少させる方法が示されている。この文献の実施例1~4には、ケッチェンブラックに酸化処理を施すことにより得られた圧力を受けると糊状に広がる性質を有する酸化処理カーボンと、別の導電性カーボンとしてのアセチレンブラックと、を乾式混合することによってカーボン混合物を得、このカーボン混合物を窒素雰囲気電気炉中で200~900℃の温度で熱処理した後、得られたカーボン混合物と、電極活物質としてのLiNi
0.5
Mn
0.3
Co
0.2


の粒子と、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデンと、溶媒としてのN-メチルピロリドンと、を十分に混練してスラリーを形成し、このスラリーをアルミニウム箔上に塗布して乾燥した後に圧延処理を施すことにより電極を得ると、この電極を備えた蓄電デバイスの高電圧印加時の充放電サイクル安定性が向上することが示されている。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

個人
汎用型電気プラグ
9日前
株式会社プロテリアル
ケーブル
23日前
キヤノン株式会社
通信装置
3日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
18日前
太陽誘電株式会社
コイル部品
9日前
株式会社GSユアサ
蓄電設備
24日前
オムロン株式会社
電磁継電器
4日前
オムロン株式会社
電磁継電器
4日前
オムロン株式会社
電磁継電器
13日前
オムロン株式会社
電磁継電器
4日前
オムロン株式会社
電磁継電器
4日前
オムロン株式会社
電磁継電器
4日前
タイガースポリマー株式会社
2次電池
11日前
東レ株式会社
有機粒子およびフィルム
24日前
富士通株式会社
冷却モジュール
4日前
日本特殊陶業株式会社
保持部材
20日前
株式会社小糸製作所
ターミナル
13日前
株式会社東京精密
ワーク保持装置
2日前
日本電気株式会社
光学モジュール
3日前
大電株式会社
導電用導体
16日前
株式会社タムラ製作所
装置
16日前
TDK株式会社
コイル部品
3日前
オムロン株式会社
回路部品
4日前
富士電機株式会社
半導体装置
24日前
富士電機株式会社
電磁接触器
9日前
ヒロセ電機株式会社
コネクタ
19日前
富士通株式会社
アンテナ装置
24日前
オムロン株式会社
電磁継電器
4日前
オリオン機械株式会社
発電システム
18日前
三菱電機株式会社
半導体装置
19日前
ニチコン株式会社
コンデンサ
10日前
オムロン株式会社
電磁継電器
4日前
株式会社東芝
半導体装置
11日前
株式会社東芝
半導体装置
2日前
新電元工業株式会社
磁性部品
11日前
オムロン株式会社
電磁継電器
4日前
続きを見る