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公開番号2025047228
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-03
出願番号2023155600
出願日2023-09-21
発明の名称計測方法
出願人学校法人東京理科大学
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類G01N 35/08 20060101AFI20250326BHJP(測定;試験)
要約【課題】マイクロ流体デバイスを用いて、血中の浮遊DNA濃度を推測する。
【解決手段】血液検体が流入される第一流入口と、血液検体のキャリアとなるバッファ液が第一流入口を挟んで流入される第二流入口とを備え、流路には複数のマイクロポストが配列されているマイクロ流体デバイスで血中の浮遊DNA濃度を計測する計測方法であって、血液検体に、DNAによるマイクロポスト間の詰まりを顕在化するための添加剤を添加し、バッファ液を第二流入口からマイクロ流体デバイスへ流入させつつ、添加剤が添加された血液検体を第一流入口から前記マイクロ流体デバイスへ流入させ、流路における血流面積を測定し、既知の浮遊DNA濃度を有する参照血液検体についてマイクロ流体デバイスを用いてあらかじめ測定した参照血流面積と、参照血液検体の浮遊DNA濃度との間の相関関係に、血流面積を当てはめて、血液検体の浮遊DNA濃度を推定する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
上流側に位置する流入口と、下流側に位置する流出口と、前記流入口及び前記流出口の間に位置する流路とを有し、前記流路には複数のマイクロポストが配列されているマイクロ流体デバイスによって血中の浮遊DNA濃度を計測する計測方法であって、
前記マイクロポストの幅方向の各列は、前列に対し幅方向の同じ方向へ同じ距離でずれた位置に設けられ、
前記流入口は、血液検体が流入される第一流入口と、前記血液検体のキャリアとなる流動媒体が前記第一流入口を挟んで流入される第二流入口と、を備え、
前記血液検体に、DNAによる前記マイクロポスト間の詰まりを顕在化するための添加剤を添加し、
前記流動媒体を前記第二流入口から前記マイクロ流体デバイスへ流入させつつ、前記添加剤が添加された前記血液検体を前記第一流入口から前記マイクロ流体デバイスへ流入させ、
前記流路における血流面積を測定し、
既知の浮遊DNA濃度を有する参照血液検体について前記マイクロ流体デバイスを用いてあらかじめ測定した参照血流面積と、前記参照血液検体の浮遊DNA濃度との間の相関関係に、前記血流面積を当てはめて、前記血液検体の浮遊DNA濃度を推定する、計測方法。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
前記添加剤は、抗凝固剤である、請求項1に記載の計測方法。
【請求項3】
前記抗凝固剤はチロフィバンである、請求項2に記載の計測方法。
【請求項4】
前記添加剤として、さらにN-アセチル-L-システインを含む、請求項3に記載の計測方法。
【請求項5】
隣接する前記マイクロポストの間の幅方向の間隔は13~40μmである、請求項1から4までのいずれか1項に記載の計測方法。
【請求項6】
前記間隔は15~35μmである、請求項5に記載の計測方法。
【請求項7】
前記間隔は20~25μmである、請求項6に記載の計測方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、血液検体に含まれる浮遊DNA濃度を計測する計測方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
マイクロ流体デバイスを用いた生体成分の解析あるいは分離方法についてはこれまで種々の技術が開示されている。かかる技術においては、マイクロポスト間の目詰まり(血栓)が常に問題となる。このような目詰まりの原因として想定されるのが血小板であるが、たとえば抗凝固剤を血液に添加したり、マイクロ流体デバイスの表面を生体分子付着防止コーティングしても目詰まりを完全に解消することは困難であり、血小板以外の因子が目詰まりに関与している可能性が高い。
【0003】
上述のような観点から、特許文献1では、上流側に位置する流入口と、下流側に位置する流出口と、前記流入口及び前記流出口の間に位置する流路とを有し、前記流路には複数のマイクロポストが所定間隔で配列されているマイクロ流体デバイスによって血液成分を分離する血液成分分離方法において、前記流入口から流入される血液検体に、目詰まり防止剤としてDNA凝集剤を添加することが開示されている。この特許文献1記載の技術によって、マイクロ流体デバイスを用いた血液成分分離方法において、マイクロ流体デバイスに対して特段の処理を施したり、また、特段の機構を設けたりすることなく、目詰まりを低減させることが可能となった。
【0004】
ここで、マイクロ流体デバイスを用いて、血液から比較的径の大きな細胞を分離しようとする際、マイクロポスト間に目詰まりが生じ、目詰まりが生じた箇所より下流で血流の幅が増大することが問題となっていた。マイクロ流体デバイスにおけるマイクロポスト間の目詰まりについては、血中浮遊DNAがマイクロポスト間に架橋するような形で絡まり、その周囲に血小板が堆積することで目詰まりが生ずることを示唆する研究がある(非特許文献1)。
【0005】
血中浮遊DNAとは、死滅した細胞から血液中に放出されたDNAのことをいい、循環腫瘍細胞と同様に血液中のバイオマーカーとして研究が進められている。また、健常者と比べてがん患者の血中浮遊DNA濃度が高く(非特許文献2)、深部静脈血栓症を起こしやすい(非特許文献3)。そのため、血栓に由来する疾患には、血液内の血中浮遊DNA状態(すなわち、濃度及び長さの分布)が影響する可能性が示唆される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-1850号公報
【非特許文献】
【0007】
T. Konishi, Y. Jingu, T. Yoshizawa, M. Irita, T. Suzuki & M. Hayase, "Mitigation of Channel Clogging in a Microfluidic Device for Capturing Circulating Tumor Cells", Int. J. Automation Technol., Vol.14(2020), pp.109-116.
S.A. Leon, B. Shapiro, D.M. Sklaroff & M.J. Yaros, "Free DNA in the Serum of Cancer Patients and the Effect of Therapy", Cancer Res., Vol.37(1977), pp.646-640.
J.F. Timp, S.K. Braekkan, H.H. Versteeg & S.C. Cannegieter, "Epidemiology of cancer-associated venous thrombosis", Blood, Vol.122(2013), pp.1712-1723.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示は、マイクロ流体デバイスを用いて、血中の浮遊DNA濃度を推測する技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の実施態様は、上流側に位置する流入口と、下流側に位置する流出口と、前記流入口及び前記流出口の間に位置する流路とを有し、前記流路には複数のマイクロポストが所定間隔で配列されているマイクロ流体デバイスによって血中の浮遊DNA濃度を計測する計測方法である。該計測方法においては、前記マイクロポストの幅方向の各列は、前列に対し幅方向の同じ方向へ同じ距離でずれた位置に設けられている。前記流入口は、血液検体が流入される第一流入口と、前記血液検体のキャリアとなる流動媒体が前記第一流入口を挟んで流入される第二流入口と、を備えている。前記血液検体に、DNAによる前記マイクロポスト間の詰まりを顕在化するための添加剤を添加し、前記流動媒体を前記第二流入口から前記マイクロ流体デバイスへ流入させつつ、前記添加剤が添加された前記血液検体を前記第一流入口から前記マイクロ流体デバイスへ流入させ、前記流路における血流面積を測定する。既知の浮遊DNA濃度を有する参照血液検体について前記マイクロ流体デバイスを用いてあらかじめ測定した参照血流面積と、前記参照血液検体の浮遊DNA濃度との間の相関関係に、前記血流面積を当てはめて、前記血液検体の浮遊DNA濃度を推定する。
【0010】
添加剤としては、血小板の機能を抑制する、抗凝固剤が望ましい。具体的な抗凝固剤としては、チロフィバンが挙げられる。また、チロフィバンに加えて、抗酸化剤であるN-アセチル-L-システイン及をさらに添加剤として血液検体に添加することが望ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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