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公開番号2025067258
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-24
出願番号2023177106
出願日2023-10-12
発明の名称ポリシロキサン多孔質膜の製造方法、ポリシロキサン及びポリシロキサン多孔質膜の材料
出願人学校法人東京理科大学
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C08J 9/28 20060101AFI20250417BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】汎用性の高いポリシロキサン多孔質膜の製造方法、ポリシロキサン及びポリシロキサン多孔質膜の材料を提供する。
【解決手段】ポリシロキサン多孔質膜の製造方法は、4官能のアルコキシシランと3官能若しくは2官能のアルコキシシランとから得られるポリシロキサンであって、重量平均分子量が7,000~200,000のポリシロキサンを準備する工程と、前記ポリシロキサンを良溶媒に溶解した溶液を、基板上に付与して膜を形成する工程と、前記膜を水に浸漬する工程と、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
4官能のアルコキシシランと3官能又は2官能のアルコキシシランとから得られるポリシロキサンであって、重量平均分子量が5,000~200,000のポリシロキサンを準備する工程と、
前記ポリシロキサンを良溶媒に溶解した溶液を、基板上に付与して膜を形成する工程と、
前記膜を貧溶媒に浸漬する工程と、
を含む、ポリシロキサン多孔質膜の製造方法。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記ポリシロキサンは、ゾル-ゲル反応において、アルコキシシランに水を添加して10℃以下の温度でアルコキシシランを加水分解させた後、昇温して縮合反応させて得る、請求項1に記載のポリシロキサン多孔質膜の製造方法。
【請求項3】
前記ゾル-ゲル反応において、水の添加量は、使用する全アルコキシシランのケイ素原子1モルに対して、0.5モル~15モルである、請求項2に記載のポリシロキサン多孔質膜の製造方法。
【請求項4】
前記良溶媒が、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、及びN,N-ジメチルアセトアミドからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1又は請求項2に記載のポリシロキサン多孔質膜の製造方法。
【請求項5】
ポリシロキサン多孔質膜の材料であって、4官能のアルコキシシランと3官能又は2官能のアルコキシシランとを構成成分として共重合させて得られ、重量平均分子量が5,000~200,000である、ポリシロキサン。
【請求項6】
前記ポリシロキサンは、1~40℃で固体である請求項5に記載のポリシロキサン。
【請求項7】
4官能のアルコキシシランと3官能又は2官能のアルコキシシランとを構成成分として共重合させて得られるポリシロキサンと、良溶媒とを含み、前記良溶媒がN,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミドからなる群より選択される少なくとも一種を含む、ポリシロキサン多孔質膜の材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリシロキサン多孔質膜の製造方法、ポリシロキサン及びポリシロキサン多孔質膜の材料に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
多孔質膜は、断熱材、水処理等の分離膜、電池用セパレ-タ等の産業用材料、医療材料の素材、光学材料、低誘電材料等の電子材料などに幅広く使用されている。
多孔質膜には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の高分子材料が汎用されている。近年では、耐熱性、高強度、高性能等を示す高機能多孔質膜の需要が高まっていることから、高機能多孔質膜に用いられる高分子材料として、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン等が使用されている。
【0003】
また、高機能多孔質膜として、ポリシロキサン系の多孔質膜の検討がなされている。ポリシロキサンは、シロキサン(-Si-O-Si-)主鎖に由来する無機材料的側面と、側鎖の有機基に由来する有機材料的側面とを併せ持つ「有機-無機ハイブリッド材料」であり、耐熱性、耐候性、耐薬品性、機械的強度等に優れる。また、ポリシロキサンには様々な有機置換基を導入することが可能であり、有機溶剤への溶解性、柔軟性等の有機基特有の性質や機能性を発現させることが可能である。
【0004】
しかしながら、ポリシロキサンはその特有性ゆえに、ポリシロキサンを用いた多孔質膜の製造方法はあまり報告されていない。
そのような状況の中で、例えば、特許文献1には、特定構造のオルガノポリシロキサン/ポリ尿素/ポリウレタン/ポリアミド/ポリオキサリルジアミン-コポリマーを含む、多孔質膜が開示されている。この多孔質膜は、転相法に従って、オルガノポリシロキサン等を含むコポリマーの溶液から、溶剤中で被膜を製造し、そして溶剤を含む被膜を析出媒体と接触させることにより得ている。
【0005】
また、特許文献2には、ポリシロキサンと空孔形成材とを含む膜を酸化性ガス雰囲気下において空孔形成材を気化させる、多孔質膜の形成方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2012-500715号公報
特開2004-311532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では特殊な構造のポリシロキサンを用いることで転相法による製造が可能となっている。しかしながら、特許文献1の段落[0015]に記載されるように、普通のシリコーンは、自身の特性が原因で、転相法(非溶媒相分離法、又はNIPS法とも称される。)を用いて加工することができない。
また、特許文献2で使用するポリシロキサンは、分子量が400~2,000と圧倒的に小さく、自立膜である多孔質膜は得られていない。そのため、特許文献2の技術から得られる多孔質膜は、用途が限定的となる。
そこで、本開示では、汎用性の高いポリシロキサン多孔質膜の製造方法。ポリシロキサン及びポリシロキサン多孔質膜の材料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示では、以下の態様が含まれる。
<1> 4官能のアルコキシシランと3官能又は2官能のアルコキシシランとから得られるポリシロキサンであって、重量平均分子量が5,000~200,000のポリシロキサンを準備する工程と、
前記ポリシロキサンを良溶媒に溶解した溶液を、基板上に付与して膜を形成する工程と、
前記膜を貧溶媒に浸漬する工程と、
を含む、ポリシロキサン多孔質膜の製造方法。
<2> 前記ポリシロキサンは、ゾル-ゲル反応において、アルコキシシランに水を添加して10℃以下の温度でアルコキシシランを加水分解させた後、昇温して縮合反応させて得る、<1>に記載のポリシロキサン多孔質膜の製造方法。
<3> 前記ゾル-ゲル反応において、水の添加量は、使用する全アルコキシシランのケイ素原子1モルに対して、0.5モル~15モルである、<2>に記載のポリシロキサン多孔質膜の製造方法。
<4> 前記良溶媒が、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミドからなる群より選択される少なくとも一種を含む、<1>~<3>のいずれか1項に記載のポリシロキサン多孔質膜の製造方法。
<5> ポリシロキサン多孔質膜の材料であって、4官能のアルコキシシランと3官能又は2官能のアルコキシシランとを構成成分として共重合させて得られるポリシロキサンであり、重量平均分子量が5,000~200,000のポリシロキサン。
<6> 前記ポリシロキサンは、1~40℃で固体である<5>に記載のポリシロキサン。
<7> 4官能のアルコキシシランと3官能又は2官能のアルコキシシランとを構成成分として共重合させて得られるポリシロキサンと、良溶媒とを含み、前記良溶媒がN,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミドからなる群より選択される少なくとも一種を含む、ポリシロキサン多孔質膜の材料。
【発明の効果】
【0009】
本開示の実施形態によれば、汎用性の高いポリシロキサン多孔質膜の製造方法、ポリシロキサン及びポリシロキサン多孔質膜の材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1で得られたポリシロキサン多孔質膜の断面の走査型顕微鏡写真である。
実施例1で得られたポリシロキサン多孔質膜の表面の走査型顕微鏡写真である。
実施例2で得られたポリシロキサン多孔質膜の断面の走査型顕微鏡写真である。
実施例2で得られたポリシロキサン多孔質膜の表面の走査型顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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