特許ウォッチ

公開番号2025045955
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-02
出願番号2023154048
出願日2023-09-21
発明の名称ソレノイドバルブおよびソレノイドバルブの製造方法
出願人カヤバモーターサイクルサスペンション株式会社
代理人個人
主分類F16K 31/06 20060101AFI20250326BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】緩みが生じる可能性を低減でき、組み立てが容易で小型化が可能なソレノイドバルブおよびソレノイドバルブの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のソレノイドバルブVは、一端側から開口する弁孔38b1を有するハウジング38bに対して弁孔38b1の開口部に取り付けられる有底筒状のキャップ1と、キャップ1内に収容されるソレノイドSと、ポート2aを有して弁孔38b1内に収容されるとともにソレノイドSによってソレノイドSの径方向に調心される弁座部材2と、弁座部材2におけるポート2aを開閉可能であってソレノイドSによって駆動される弁体3とを備え、ソレノイドSと弁座部材2とがハウジング38bの弁孔38b1の底部38b4とキャップ1とで挟持されてハウジング38bに固定される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
一端側から開口する弁孔を有するハウジングに対して前記弁孔の開口部に取り付けられる有底筒状のキャップと、
前記キャップ内に収容されるソレノイドと、
ポートを有して前記弁孔内に収容されるとともに前記ソレノイドによって前記ソレノイドの径方向に調心される弁座部材と、
前記弁座部材における前記ポートを開閉可能であって、前記ソレノイドによって駆動される弁体とを備え、
前記ソレノイドと前記弁座部材とが前記ハウジングの前記弁孔の底部と前記キャップとで挟持されて前記ハウジングに固定される
ことを特徴とするソレノイドバルブ。
続きを表示（約 1,200 文字）【請求項２】
前記弁座部材を前記キャップに対して軸方向への移動が許容された状態で仮止めする仮止め部材を備えた
ことを特徴とする請求項１に記載のソレノイドバルブ。
【請求項３】
有底筒状であって内方に前記弁座部材および前記弁体とを収容するケースと、
前記ケースを前記キャップに対して軸方向への移動が許容された状態で仮止めする仮止め部材とを備え、
前記ケースを介して前記ソレノイドと前記弁座部材とが前記ハウジングの前記弁孔の底部と前記キャップとで挟持される
ことを特徴とする請求項１に記載のソレノイドバルブ。
【請求項４】
仮止め部材は、前記キャップの内周に固定される止め輪である
ことを特徴とする請求項２または３に記載のソレノイドバルブ。
【請求項５】
一端側から開口する弁孔を有するハウジングに対して前記弁孔の開口部に取り付けられる有底筒状のキャップと、前記キャップ内に収容されるソレノイドと、ポートを有して前記弁孔内に収容されるとともに前記ソレノイドによって前記ソレノイドの径方向に調心される弁座部材と、前記弁座部材における前記ポートを開閉可能であって前記ソレノイドによって駆動される弁体と、有底筒状であって内方に前記弁座部材および前記弁体とを収容するケースとを備えたソレノイドバルブの製造方法であって、
前記キャップ内に前記ソレノイドを収容する工程と、
前記ケース内に前記弁座部材および前記弁体を収容する工程と、
前記キャップ内に前記ケースを挿入して前記キャップに前記ケースを仮止めする工程と、
前記ケースが仮止めされた前記キャップを前記弁孔に挿入して前記キャップを前記ハウジングに結合する工程とを備えた
ことを特徴とするソレノイドバルブの製造方法。
【請求項６】
一端側から開口する弁孔を有するハウジングに対して前記弁孔の開口部に取り付けられる有底筒状のキャップと、前記キャップ内に収容されるソレノイドと、ポートを有して前記弁孔内に収容されるとともに前記ソレノイドによって前記ソレノイドの径方向に調心される有底筒状の弁座部材と、前記弁座部材における前記ポートを開閉可能であって前記ソレノイドによって駆動される弁体とを備えたソレノイドバルブの製造方法であって、
前記キャップ内に前記ソレノイドを収容する工程と、
前記弁座部材内に前記弁体を収容する工程と、
前記キャップ内に前記弁座部材を挿入して前記キャップに前記弁座部材を仮止めする工程と、
前記弁座部材が仮止めされた前記キャップを前記弁孔に挿入して前記キャップを前記ハウジングに結合する工程とを備えた
ことを特徴とするソレノイドバルブの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、ソレノイドバルブおよびソレノイドバルブの製造方法に関する。
続きを表示（約 1,500 文字）【背景技術】
【０００２】
ソレノイドバルブは、たとえば、緩衝器の減衰バルブとして利用されて、緩衝器の減衰力調整を行う。
【０００３】
このようなソレノイドバルブは、たとえば、筒状のハウジングと、ハウジングの内周に螺子結合されて内部にソレノイドを収容する筒状のキャップと、キャップの内周に螺子結合されるバルブケースと、バルブケースとキャップとの間で挟持される弁座部材と、弁座部材に離着座可能であってソレノイドによって付勢されて弁座部材に設けられたポートを開閉する弁体とを備えており、緩衝器の伸縮に伴ってポートを通過する作動油の流れに与える抵抗をソレノイドへ供給する電流の調整によって変化させる（たとえば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０２２－０５５５７１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
従来のソレノイドバルブでは、キャップに対して弁座部材と弁体とを収容するバルブケースを螺子結合することで弁座部材に軸方向の軸力を与えてバルブケース内で固定するとともに、キャップをハウジングに対して螺子結合することでソレノイドおよび弁座部材を固定する構造を採用している。
【０００６】
よって、ソレノイドバルブを組み立てる際に螺子結合作業が２回必要で組み立て作業に手間がかかるとともに、圧力が作用する部分に螺子結合部分が２箇所もあるためソレノイドバルブの使用中に圧力が作用すると当該螺子結合部分に緩みが生じる可能性がある。また、螺子結合部分の形状は、制限されるため、螺子結合部分が２箇所ある従来のソレノイドバルブでは小型化に限界がある。
【０００７】
そこで、本発明は、緩みが生じる可能性を低減でき、組み立てが容易で小型化が可能なソレノイドバルブおよびソレノイドバルブの製造方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
前記課題を解決するため、本発明のソレノイドバルブは、一端側から開口する弁孔を有するハウジングに対して弁孔の開口部に取り付けられる有底筒状のキャップと、キャップ内に収容されるソレノイドと、ポートを有して弁孔内に収容されるとともにソレノイドによってソレノイドの径方向に調心される弁座部材と、弁座部材におけるポートを開閉可能であって、ソレノイドによって駆動される弁体とを備え、ソレノイドと弁座部材とがハウジングの弁孔の底部とキャップとで挟持されてハウジングに固定されることを特徴としている。
【０００９】
このように構成されたソレノイドバルブでは、キャップをハウジングに取り付けることで、ソレノイドと弁座部材とをキャップとハウジングにおける弁孔の底部とで挟持して固定できるとともにソレノイドに対して弁座部材が調心されるので、複数個所の螺子結合の利用によらずキャップに対する弁座部材の固定とソレノイドに対する弁座部材の調心とが可能となり、従来のソレノイドバルブのように複数の螺子結合を利用せずにソレノイドバルブをハウジングに固定できる。
【００１０】
また、ソレノイドバルブは、弁座部材をキャップに対して軸方向への移動が許容された状態で仮止めする仮止め部材を備えてもよい。このように構成されたソレノイドバルブでは、弁座部材がキャップに仮止めされることでキャップ、ソレノイド、弁座部材および弁体がアセンブリ化されるため、ソレノイドバルブのハウジングへの組付性が向上して組み立てがより一層容易となる。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許