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公開番号2025041782
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-26
出願番号2024226052,2023000911
出願日2024-12-23,2019-06-19
発明の名称全LNAオリゴヌクレオチドのハイブリダイズ
出願人エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー,F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12Q 1/6813 20180101AFI20250318BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】ハイブリダイズすることができ、それによってワトソン・クリック塩基対を有する二本鎖分子を形成することができる一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対の同定及び提供。
【解決手段】本開示は、完全に相補的なss-オリゴヌクレオチド対を用いたハイブリダイゼーション実験を示す。これは、所定の時間間隔内で二本鎖を形成することができない。本報告書は、そのような互換性のないオリゴヌクレオチド対を特定するための方法を提供する。別の態様において、本報告書は、迅速な二本鎖形成が可能である相補的なss-オリゴヌクレオチド対を提供する。本報告書は、互換性のあるオリゴヌクレオチド対を特定及び選択する方法も提供する。さらに別の態様において、本報告書は、イムノアッセイなどの結合アッセイにおける結合パートナーとしての互換性オリゴヌクレオチド対の使用を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
結合対を提供する方法であって、前記結合対は、第1の一本鎖LNAオリゴヌクレオチドと第2の一本鎖LNAオリゴヌクレオチドからなり、前記2個のオリゴヌクレオチドは、20℃~40℃の温度で、8~15個の連続するワトソン・クリック塩基対の逆平行二本鎖を形成することができ、
(a)8~15個のロック核酸(=LNA)モノマーからなる第1の一本鎖(=ss-)オリゴヌクレオチドを提供し、各モノマーは、核酸塩基を含み、前記第1のss-オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基は、第1の核酸塩基配列を形成するステップ;
(b)8~15個のLNAモノマーからなる第2のss-オリゴヌクレオチドを提供し、前記第2のss-オリゴヌクレオチドは、少なくとも前記第1のss-オリゴヌクレオチドの数のモノマーからなり、前記第2のss-オリゴヌクレオチドの各モノマーは、核酸塩基を含み、前記第2のss-オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基は、前記第2のss-オリゴヌクレオチドの第2の核酸塩基配列を形成し、前記第2の核酸塩基配列は、逆平行配向で前記第1の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を含むか、又はそれらからなること、及び理論的には、前記第1及び第2のss-オリゴヌクレオチドが互いに二本鎖を形成する能力を示すこと、前記二本鎖は、8~15個の連続するワトソン・クリック塩基対からなるステップ;
(c)等モル量の第1及び第2のss-オリゴヌクレオチドを水溶液中で20℃~40℃の温度、20分以下の時間間隔で、混合及びインキュベートし、それによりss-オリゴヌクレオチドの混合物又は二本鎖含有混合物を得るステップ;続いて、
(d)ステップ(c)で得られた前記混合物を20℃~40℃の温度で分離し、続いて、前記分離された二本鎖を検出及び定量し、存在する場合は、及び前記分離されたssオリゴヌクレオチドを検出及び定量するステップ;続いて、
(e)ステップ(d)で二本鎖が検出できるほど存在する場合、及び二本鎖のモル量がss-オリゴヌクレオチドのモル量よりも高い場合、前記結合対を選択するステップ;
これにより、前記結合対を提供するステップ
を含む方法。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記第1のss-オリゴヌクレオチドが、5~9個のモノマーからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のss-オリゴヌクレオチドが、6個のモノマーからなる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各LNAモノマーが、アデニン、チミン、ウラシル、グアニン、シトシン、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、7-デアザグアニン、及び7-デアザアデニンからなる群から選択される核酸塩基を含む、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
ステップ(c)において、前記温度が20℃~37℃である、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
ステップ(c)の前に、前記第1のss-オリゴヌクレオチド及び前記第2のss-オリゴヌクレオチドが、-80℃~40℃の温度で、具体的には20℃~40℃、より具体的には20℃~37℃の温度で保たれる、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
ステップ(c)において、前記インキュベーションが、1分以下で行われる、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
ステップ(c)において、前記水溶液が、前記溶液のpHをpH6~pH8に、より具
体的にはpH6.5~pH7.5に維持する緩衝液を含む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
ステップ(c)において、前記水溶液が、10mmol/L~500mmol/L、より具体的には200mmol/L~300mmol/の溶解物質の総量を含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
ステップ(d)が、ステップ(c)の前記インキュベートされた混合物を、移動相として水性溶媒を用いたカラムクロマトグラフィーに供することを含む、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本報告書は、完全にロック核酸(LNA)モノマーからなる一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドのハイブリダイズに関するものである。本文書は、予想外に所定の時間間隔内で二本鎖を形成することができない、完全に相補的なss-オリゴヌクレオチド対を用いたハイブリダイゼーション実験を示す。本報告書は、そのような互換性のないオリゴヌクレオチド対を特定するための効率的な方法を提供する。別の態様において、本報告書は、驚くべきことに、事前の変性がない場合に、迅速な二本鎖形成が可能であるロック核酸(LNA)モノマーから全てが構成される、相補的一本鎖オリゴヌクレオチド対を提供する。本報告書はまた、そのような互換性のある全LNAssオリゴヌクレオチド対を特定及び選択する方法を提供する。さらに別の態様において、本報告書は、結合アッセイ、イムノアッセイなどの生化学的アッセイにおける結合パートナーとしての互換性オリゴヌクレオチド対の使用を提供する。特定の実施形態では、互換性LNAオリゴヌクレオチド対が、サンプル中の分析物を検出または定量するためのアッセイにおいて、例えば分析物に特異的な捕捉分子などの異なる標的分子を固定化するために使用されることについて、考察する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
特に焦点を当てるのは、結合対の2個のパートナーの特定の相互作用と、それらの最終的な相互連結が機能的な役割を果たす、一般的な生化学的用途である。非常に頻繁に、不均一イムノアッセイでは、ビオチン:(ストレプト)アビジン結合対を使用して、分析物特異的捕捉受容体を固相に固定化する。本報告書は、他の用途の中でも、イムノアッセイに適した代替の結合対を概念化し、説明し、実証する。具体的には、ハイブリダイゼーションによって、二本鎖を形成することができる2個の一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドからなる代替の結合対は、ビオチン:(ストレプト)アビジン結合対の技術的な代替を提供する。
【0003】
本開示の重要な焦点は、イムノアッセイの過程で、捕捉受容体が固相に係留される手段である。特に、本開示は、分析物を含むサンプルの存在下で捕捉受容体の固定化を容易にする、及び/又は複合体が形成された後に検出複合体を係留することができる、結合対に焦点を当てている。イムノアッセイにおける結合対は、特異的な特徴を有することが技術的に必要である。したがって、2個の結合パートナーの相互作用は特異的でなければならない。さらに、連結形成の動力学、すなわち、結合対の2個の別個のパートナーが相互作用し、最終的に会合する速度、すなわち互いに結合する速度は、高いことが望まれる。さらに、2個の結合パートナーの連結は、一度形成されると安定であることが望ましい。さらに、結合パートナーは、イムノアッセイに適用するために、分析物特異的受容体や固相表面などの他の分子との化学的抱合に適している必要がある。イムノアッセイでは、受容体及び通常は検出される分析物も、特定の受容体又は特定の検討中の分析物に応じて異なる可能性がある特定の条件下でのみ、立体構造及び機能を保持することを理解することが重要である。したがって、受容体分子又は分析物は、これらの条件からの限られた逸脱のみを許容し得る。そのような条件は、ほんの数例を挙げると、約pH6~約pH8の範囲のpHを有する緩衝水溶液、1つ以上の溶解塩、1つ以上のヘルパー物質、20℃~40℃の範囲の事前に選択された温度で、約250~約400mosm/kgの溶質の総量を含み得る(ただしこれらに限定されない)。
【0004】
結合対の別個のパートナーは、抱合、特に捕捉分子すなわち受容体との抱合、及び固相表面との抱合に、互いに特異的に会合及び結合する能力を失うことなく、適している必要がある。イムノアッセイにおける抱合に関して、代替結合対の各別個の結合パートナーは
、アッセイ条件下で機能的でなければならない。同じ理由が、分析物、担体材料、固相、及びアッセイの過程で存在する可能性のある他の物質又は化合物など、結合パートナーとの抱合に必要な他のすべての材料に当てはまるが、これらに限定されない。
【0005】
相補的配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチド、すなわち、ハイブリダイゼーションによって二本鎖を形成することができるオリゴヌクレオチドは、高分子を連結するための、または分子を固相に付着させるための結合対手段として以前に提案されてきた。EP0488152は、抗体と固相を連結する核酸二本鎖によって分析物特異的捕捉抗体が固定化された固相を用いた不均一イムノアッセイを開示する。一実施形態では、1個のハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドが抗体に付着し、相補的なオリゴヌクレオチドが固相に付着し、それによって連結二本鎖を形成することが示されている。同様の開示は、文献EP0698792、WO1995/024649、WO1998/029736、及びEP0905517で提供される。WO2013/188756は、フローサイトメトリーの方法と、第1のオリゴヌクレオチドに結合した抗体、第1のオリゴヌクレオチドと同一の配列を有する第2のオリゴヌクレオチドに結合したオリゴスフェア、及びラベルと第1及び第2のオリゴヌクレオチドに相補的な第3の配列を有するオリゴヌクレオチドプローブを含む組成物を開示している。特定の実施形態では、オリゴスフェアは磁性を有する。この文書は、標準化手順の参照としてオリゴスフェアの特定の使用を報告している。
【0006】
ペプチド核酸(PNA)やロック核酸(LNA)などの修飾オリゴヌクレオチドは、生理学的用途のために探索されてきた。LNAは、リボース部分の2’-酸素と4’-炭素の間にメチレンリンカーを持っており、その結果、糖がC3-エンド立体構造にロックされるため、「ロック核酸」という名前が付けられている。この化学修飾は、ハイブリダイゼーションによる二本鎖形成を含む技術的用途において、ヌクレアーゼ耐性、ならびにオリゴヌクレオチド標的に対するより高い親和性及びより高い特異性を与える。WO1998/39352は、ロック核酸(LNA)構造を開示している。WO2000/056746は、LNAの特定の立体異性体の中間生成物を含むLNAモノマーの合成を開示している。化学合成により、LNAヌクレオシド類似体モノマーのみからなる(「全LNA」)一本鎖を合成することができる。
【0007】
上記のように、ロック核酸(LNA)モノマーは、リボース環に余分の2’-O、4’-C-メチレンブリッジが追加された、立体構造的に制限されたヌクレオチド類似体である。LNAモノマーは、2’-O、4’-C-メチレン-(D-リボフラノシル)ヌクレオシドモノマーとして提供される(Singh S.K.ら,Chem.Commun.4(1998)455-456;Koskin A.A.ら,Tetrahedron 54(1998)3607-3630;Wengel J.Acc.Chem.Res.32(1999)301-310)。WO2000/066604及びWO2000/056746は、LNAヌクレオシドモノマーの特定の立体異性体を開示している。DNA及びLNAモノマーを含む混合DNA-LNAオリゴヌクレオチドは、3’-エキソヌクレアーゼ分解に対する安定性を示し、相補的DNA及びRNAにハイブリダイズされる場合に、熱安定性が大幅に向上する。実際、合成された他の高親和性核酸模倣物、例えば、ペプチド核酸(PNA)、ヘキシトール核酸(HNA)、及び2’-フルオロN3’-ホスホルアミデートと比較して、LNAは、並外れた結合親和性を示す。「ミキシマー(mixmer)」としても知られるLNA-DNA混合オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション速度論は、Christensen U.らによって報告された(Biochem J 354(2001)481-484)。それぞれが7個のLNAモノマーからなる2個の相補的なss-オリゴヌクレオチドからの二本鎖の結晶構造がEichert
A.らによって報告された。(Nucleic Acids Research 38(2010)6729-6736)。
【0008】
WO1999/14226は、目的の分子及び固体支持体に付着するための親和性対の構築におけるLNAの使用を提案する。しかしながら、相補的な全LNA一本鎖のハイブリダイゼーションが技術的問題を引き起こすことも当技術分野で知られている。全LNAハイブリダイゼーションの熱力学的分析は、主に実験によって立証できるものであり、事前の変性ステップ(ハイブリダイゼーション前の加熱など)なしで、ハイブリダイズするモノマーの配列予測は、これまでのところ不可能であるように思われる。
【0009】
これまでのところ、ほとんどの場合、混合LNA-DNAオリゴヌクレオチド(「ミキシマー一本鎖」または「ミキシマー」とも呼ばれる)が分析された。これまでのところ、特にKoshkin A.A.ら(J Am Chem So 120(1998)13252-13253)及びMohrle B.Pら(Analyst 130(2005)1634-1638)によって、LNAモノマーのみから作られたハイブリダイズする一本鎖オリゴヌクレオチド(すなわち、「全LNA」一本鎖オリゴヌクレオチド)の特性評価に関する報告はほとんどない。Eze N.A.ら(Biomacromolecules 18(2017)1086-1096)は、DNA-LNAミキシマーとDNAプローブからの結合率が、10


-1

-1
未満であると報告している。これらの著者によると、溶液中のハイブリダイゼーション速度は、置換に利用可能なモノマーの3分の1を考慮すると、1つまたは複数のDNAモノマーをLNAモノマーで置換しても影響を受けないように思われる。
【0010】
LNA含有オリゴヌクレオチドの熱力学的挙動に関する予測は、Tolstrup Nらによって参照される専用のコンピュータープログラムによって支援される。(Nucleic Acids Research 31(2003)3758-3762)。ただし、この報告書では、実験データが不足しているのではなく、これらLNAオリゴヌクレオチドの特性がより複雑であるため、LNAオリゴヌクレオチドの予測誤差がより高いことに明示的に言及する。具体的には、本報告書は、8つ以上のLNAモノマーからなる相補的なss-オリゴヌクレオチドが、ワトソン・クリック塩基対を有する二本鎖分子を形成する能力に関して予測できないことを示す。
(【0011】以降は省略されています)

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