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公開番号
2025041678
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-26
出願番号
2024212437,2021546487
出願日
2024-12-05,2019-10-18
発明の名称
新規な癌抗原及び方法
出願人
ザ フランシス クリック インスティチュート リミティッド
,
エナラ バイオ リミテッド
代理人
個人
主分類
C07K
14/82 20060101AFI20250318BHJP(有機化学)
要約
【課題】癌の治療又は予防に使用され、特に悪性黒色腫の治療又は予防で使用される抗原性ポリペプチド及び対応するポリヌクレオチドを提供する。
【解決手段】ポリペプチド及びそのポリペプチドをコードする核酸が特に開示されており、これらは、癌、特に悪性黒色腫、中でも皮膚悪性黒色腫及びブドウ膜悪性黒色腫の治療、予防及び診断に有用である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記から選ばれた配列を含む単離ポリペプチド:
(c)配列番号1~10のいずれか1つの配列;並びに、
(d)(a)の配列の変異体;及び
(c)(a)の配列の免疫原性断片。
続きを表示(約 730 文字)
【請求項2】
配列番号11~32及び51~78のいずれか一つから選ばれた配列を含むか、又は該配列から
なる請求項1に記載の単離ペプチド。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の単離ポリペプチドであって、第二のポリペプチド、又は、
(i)請求項1若しくは請求項2に記載の、1以上の他のポリペプチド、(ii)悪性黒色腫関連抗
原である他のポリペプチド、(iii)免疫応答を増強できるポリペプチド配列(即ち、免疫賦
活配列)、及び、(iv)抗原エピトープへのCD8+T細胞応答を増加させる強力なCD4+補助を
提供することのできる(例えばユニバーサルCD4ヘルパーエピトープを含む)ポリペプチ
ド配列、から選ばれた更なるポリペプチド、へ融合されている、前記単離ポリペプチド。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードする単離された核酸。
【請求項5】
DNAである、請求項4に記載の核酸。
【請求項6】
配列番号33~40及び41~50のいずれか一つから選ばれた配列を含むか、又は該配列から
なる請求項5に記載の核酸。
【請求項7】
ヒト宿主細胞内での発現のために最適化されたコドンである、請求項6に記載の核酸。
【請求項8】
RNAである、請求項4に記載の核酸。
【請求項9】
人工核酸配列である請求項4、5、7又は8に記載の核酸。
【請求項10】
請求項4~9のいずれか1項に記載の核酸を含む、ベクター。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、癌の治療又は予防に使用され、特に悪性黒色腫の治療又は予防(例えば、皮
膚悪性黒色腫又はブドウ膜悪性黒色腫)で使用される抗原性ポリペプチド及び対応するポ
リヌクレオチドに関する。本発明は更に、中でもとりわけ、前記核酸及びポリペプチド、
それらポリペプチド及びポリヌクレオチドをロードされ、及び/又はそれらにより刺激さ
れた免疫細胞、それらポリペプチドに特異的な抗体、並びにそのポリペプチドを認識する
分子で遺伝子操作された、(自己又はそれ以外から由来する)細胞を含む医薬及び免疫原性
組成物に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
病原性微生物に対する通常の免疫監視の一環として、全ての細胞は、細胞内タンパク質
を分解して、全細胞の表面上に発現される主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI分子上
にロードされるペプチドを産生する。宿主細胞から由来するこれらのペプチドのほとんど
は、自己として認識され、適応免疫系で認識されないままである。一方、外来(非自己)ペ
プチドは、MHC I-ペプチド複合体にしっかりと結合するT細胞受容体(TCR)をコードするナ
イーブCD8+T細胞の増殖を刺激することができる。この増殖されたT細胞集団は、外来抗
原タグ付き細胞を排除できるエフェクターCD8+T細胞(細胞傷害性Tリンパ球、CTLを含む)
を産生でき、更に、外来抗原タグ付き細胞がその動物の一生において後に現れる場合に、
再増幅されることができるメモリーCD8+T細胞も産生できる。
【0003】
MHCクラスII分子の発現は、通常、樹状細胞(DC)等のプロフェッショナル抗原提示細胞(
APC)に制限されており、MHCクラスII分子は通常、外因性環境から内部に取り込まれたペ
プチドと共にロードされる。T細胞接着分子(CD54、CD48)及び共刺激分子(CD40、CD80、CD
86)を含む様々な因子の存在下で、ナイーブCD4+T細胞からの相補的TCRがMHCII-ペプチド
複合体へ結合すると、CD4+T細胞のエフェクター細胞(例えば、T
H
1、T
H
2、T
H
17、T
FH
、T
r
eg
細胞)への成熟が誘導される。これらのエフェクターCD4+T細胞は、B細胞の抗体分泌型
形質細胞への分化を促進するだけでなく、抗原特異的なCD8+CTLの分化を促進し、それに
よって短期間のエフェクター機能及び長期間の免疫記憶の両方を含む、外来抗原に対する
適応免疫応答の誘導を助ける。DCは、外因的由来の抗原(病原体又は腫瘍細胞から放出さ
れたペプチド又はタンパク質等)をそれらのMHC I分子上に送達することができ、それによ
りペプチド抗原のクロスプレゼンテーションプロセスを実行して、ナイーブCD8+T細胞の
増殖を刺激するための代替的な経路を提供することにより、免疫記憶の生成に貢献する。
【0004】
免疫記憶(特に抗原特異的B細胞/抗体及び抗原特異的CTL)は、微生物感染を制御する上
で重要な役割を果たし、免疫記憶は重要な病原性微生物によって引き起こされる疾患を予
防する多数のワクチンを開発するために利用されてきた。免疫記憶は又、腫瘍形成の制御
に重要な役割を果たすことが知られているが、有効な癌ワクチンはほとんど開発されてい
ない。
【0005】
癌は罹患率で2番目に多い原因であり、世界の全死亡原因の6分の1近くを占めている。2
015年での880万人の癌による死亡のうち、最も多くの命を奪った癌は、肺癌(169万人)、
肝臓癌(788,000人)、結腸直腸癌(774,000人)、胃癌(754,000人)及び乳癌(571,000人)であ
った。2010年での癌の経済的影響は、1兆1,600億米ドルと推定され、新しい症例数は今後
20年間で約70%増加すると予想されている(世界保健機関、癌のファクト、2017年)。
【0006】
現在の皮膚悪性黒色腫の療法は多様であり、腫瘍の位置及び疾患の病期に大きく依存し
ている。非転移性悪性黒色腫の主な治療法は、腫瘍及び周辺組織を切除する手術である。
後期悪性黒色腫には、リンパ節郭清、放射線療法、又は化学療法を含む治療が必要な場合
がある。免疫チェックポイント阻害戦略はPD-1/PD-L1及びCTLA4等の負の免疫調節因子を
標的とする抗体の使用を含むものであり、最近、悪性黒色腫を含む様々な悪性腫瘍の治療
に革命をもたらした(Ribas、A.及びWolchok,J. D.の文献、(2018)Science, 359:1350-135
5)。チェックポイント阻害療法の並外れた価値、及び、その臨床的利益と患者自身の癌抗
原に対する患者の適応免疫応答(特にT細胞ベースの免疫応答)とのよく知られた関連性は
、効果的な癌ワクチン、ワクチンモダリティ及び癌ワクチン抗原の探索を活性化した。
【0007】
ヒト内在性レトロウイルス(HERV)は、外因性感染性レトロウイルスが先祖代々の生殖系
列へ組み込まれてきた遺物である。HERVは、ウイルスゲノムに隣接する長い末端反復(LTR
)の存在を特徴とする内因性レトロエレメントのグループに属する。このグループは又、
哺乳類の見かけのLTRレトロトランスポゾン(MaLR)も含むため、まとめてLTRエレメントと
して知られる(本明細書では、全てのLTRエレメントを意味するためにまとめてERVと呼ぶ)
。ERVは哺乳類ゲノムのかなりの割合(8%)を構成し、配列相同性に基づいて約100のファ
ミリーにグループ分けできる。多くのERV配列は欠陥のあるプロウイルスをコードし、そ
れらは、LTRに隣接するgag、pro、pol及びenv遺伝子からなるプロトタイプ型レトロウイ
ルスゲノム構造を共有する。いくつかの無傷なERV ORFは、HIV-1等の外因性感染性レトロ
ウイルスによってコードされるタンパク質と特徴を共有する、レトロウイルスタンパク質
を産生する。このようなタンパク質は、強力な免疫応答を誘導する抗原として作用する可
能性があり(Hurst及びMagiorkinisの文献、2015, J. Gen. Virol 96:1207-1218)、それは
、ERVによってコードされたポリペプチドは、T細胞及びB細胞受容体の選択プロセス並び
に中枢性及び末梢性トレランス(免疫寛容)を回避できることを示唆する。ERV生成物に
対する免疫反応性は、感染症や癌で自然発生する可能性があり、ERV生成物はいくつかの
自己免疫性疾患の原因として関係づけられている(Kassiotis及びStoyeの文献、2016, Nat
. Rev. Immunol. 16:207-219)。
【0008】
進化における突然変異及び組換え事象の蓄積により、ほとんどのERV由来配列は、それ
らの遺伝子の一部又は全ての機能的なオープンリーディングフレームを失い、その結果、
感染性ウイルスを産生するその能力を失っている。しかし、これらのERVエレメントは、
他の遺伝子と同様に生殖系列DNA内に維持されており、少なくともそれらの遺伝子のいく
つかからタンパク質を生成する潜在的能力を持っている。実際、HERVがコードするタンパ
ク質が、様々なヒト癌で検出されている。例えば、HERV-K env遺伝子のスプライス変異体
であるRec及びNp9は、悪性精巣生殖細胞内にのみ見られ、健康細胞内では発見されない (
Ruprechtらの文献、2008, Cell Mol Life Sci 65:3366-3382)。前立腺癌等の癌内でも、
健康組織と比較してHERV転写産物のレベル上昇が観察されている(Wang-Johanningの文献
、2003, Cancer 98:187-197; Anderssonらの文献、1998、Int. J. Oncol、12:309-313)。
更に、HERV-E及びHERV-Hの過剰発現は免疫抑制的であることが示されており、これらも又
、癌の進行に寄与することができるだろう(Mangeneyらの文献、2001、J. Gen. Virol. 82
:2515-2518)。しかし、HERVが癌の進行又は病原性に寄与することのできる実際のメカニ
ズムは未だ不明である。
【0009】
周囲の隣接する宿主遺伝子の発現を調節解除することに加えて、ERV調節エレメントの
活性及び新しいゲノム部位への転位は、新規な転写産物の生成につながる可能性があり、
それらのいくつかは発癌性を有する可能性がある(Babaian及びMagerの文献、Mob. DNA,20
16、Lockらの文献、PNAS、2014、111:3534-3543)。
【0010】
幅広いワクチンモダリティが公知である。よく説明されているアプローチの1つは、免
疫応答(B細胞及びT細胞応答を含む)を高め、免疫記憶を刺激するために、対象へ抗原性ポ
リペプチドを直接送達することを含む。或いは、ポリヌクレオチドを、そのポリヌクレオ
チドにコードされた免疫原性ポリペプチドがインビボで発現するように、ベクターによっ
て対象へ投与してもよい。ウイルスベクター、例えばアデノウイルスベクターの使用は、
癌に対する予防的ワクチン接種戦略及び治療的処置戦略の両方において、抗原の送達のた
めによく探究されてきた(Woldらの文献, Current Gene Therapy, 2013, Adenovirus Vect
ors for Gene Therapy、Vaccination and Cancer Gene Therapy, 13:421-433)。免疫原性
ペプチド、ポリペプチド、又はそれらをコードするポリヌクレオチドも又、患者由来の抗
原提示細胞(APC)をロードするために使用でき、次にそれらを治療的又は予防的免疫応答
を惹起するワクチンとしてその対象に注入することもできる。このアプローチの例は、Pr
ovengeであり、FDAが承認した現在唯一の抗癌ワクチンである。
(【0011】以降は省略されています)
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