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公開番号2025038259
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-19
出願番号2022017181
出願日2022-02-07
発明の名称積層体及び前駆体積層体
出願人AGC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B32B 27/30 20060101AFI20250312BHJP(積層体)
要約【課題】高温環境下で使用した後の寸法安定性に優れた積層体、及び、これの未架橋物である前駆体積層体の提供。
【解決手段】本発明の積層体は、第1架橋層と第2架橋層とを有する積層体であって、第1架橋層が、含フッ素共重合体A1の架橋物を含み、任意で非フッ素重合体A2の架橋物を含み、第2架橋層が、含フッ素共重合体B1の架橋物を含み、任意で非フッ素重合体B2の架橋物を含み、含フッ素共重合体A1を構成する単量体に基づく単位の組み合わせと、含フッ素共重合体B1を構成する単量体に基づく単位の組み合わせとが互いに異なり、含フッ素共重合体A1の架橋物と非フッ素重合体A2の架橋物との合計に対する、含フッ素共重合体A1の架橋物の含有量MCAが85質量%以上であり、含フッ素共重合体B1の架橋物と非フッ素重合体B2の架橋物との合計に対する、含フッ素共重合体B1の架橋物の含有量MCBが、85質量%以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
第1架橋層と、前記第1架橋層上に配置された第2架橋層と、を有する積層体であって、
前記第1架橋層が、含フッ素共重合体A1の架橋物を含み、任意で非フッ素重合体A2の架橋物を含み、
前記第2架橋層が、含フッ素共重合体B1の架橋物を含み、任意で非フッ素重合体B2の架橋物を含み、
前記含フッ素共重合体A1を構成する単量体に基づく単位の組み合わせと、前記含フッ素共重合体B1を構成する単量体に基づく単位の組み合わせとが、互いに異なり、
前記含フッ素共重合体A1の架橋物と前記非フッ素重合体A2の架橋物との合計に対する、前記含フッ素共重合体A1の架橋物の含有量M
CA
が、85質量%以上であり、
前記含フッ素共重合体B1の架橋物と前記非フッ素重合体B2の架橋物との合計に対する、前記含フッ素共重合体B1の架橋物の含有量M
CB
が、85質量%以上であることを特徴とする、積層体。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記M
CA
と前記M
CB
との差の絶対値が、15質量%以下である、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記含フッ素共重合体A1が、フッ化ビニリデンに基づく単位を含み、
前記含フッ素共重合体B1が、テトラフルオロエチレンに基づく単位と、プロピレンに基づく単位と、を含む、請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項4】
前記含フッ素共重合体A1及び前記含フッ素共重合体B1の少なくとも一方が、ヨウ素原子及び臭素原子の少なくとも一方を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項5】
前記含フッ素共重合体A1及び前記含フッ素共重合体B1のガラス転移温度がいずれも、15℃以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項6】
前記第1架橋層及び前記第2架橋層の少なくとも一方が、珪藻土の焼結体と、シリカと、を更に含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項7】
前記第1架橋層が、前記非フッ素重合体A2の架橋物を含まず、
前記第2架橋層が、前記非フッ素重合体B2の架橋物を含まない、請求項1~6のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項8】
第1組成物層と、前記第1組成物層上に配置された第2組成物層と、を有する前駆体積層体であって、
前記第1組成物層が、含フッ素共重合体A1と、架橋剤とを含み、任意で非フッ素重合体A2を含み、
前記第2組成物層が、含フッ素共重合体B1と、架橋剤とを含み、任意で非フッ素重合体B2を含み、
前記含フッ素共重合体A1を構成する単量体に基づく単位の組み合わせと、前記含フッ素共重合体B1を構成する単量体に基づく単位の組み合わせとが、互いに異なり、
前記含フッ素共重合体A1と前記非フッ素重合体A2との合計に対する、前記含フッ素共重合体A1の含有量M
PA
が、85質量%以上であり、
前記含フッ素共重合体B1と前記非フッ素重合体B2との合計に対する、前記含フッ素共重合体B1の含有量M
PB
が、85質量%以上であることを特徴とする、前駆体積層体。
【請求項9】
前記M
PA
と前記M
PB
との差の絶対値が、15質量%以下である、請求項8に記載の前駆体積層体。
【請求項10】
前記含フッ素共重合体A1が、フッ化ビニリデンに基づく単位を含み、
前記含フッ素共重合体B1が、テトラフルオロエチレンに基づく単位と、プロピレンに基づく単位と、を含む、請求項8又は9に記載の前駆体積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体及び前駆体積層体に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
含フッ素共重合体は、耐熱性、耐薬品性、耐油性、耐候性及び電気絶縁性等に優れる点から、多様な分野で用いられている。含フッ素共重合体は、様々な重合体と積層して用いられることがある。含フッ素共重合体を用いた積層体として、特許文献1には、フッ素ゴム及びアクリルゴムを含むゴム層(1)と、フッ素ゴムを含むゴム層(2)と、を有する積層体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第98/036901号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
含フッ素共重合体を用いた積層体は低温環境下だけでなく、高温環境下でも使用されることがあるため、耐熱性が求められる。本発明者らが特許文献1に記載されているような積層体を評価したところ、耐熱性の一つと考えられる高温環境下で使用した後の寸法安定性について改善の余地があることを見出した。具体的には、特許文献1に記載されているような積層体を高温環境下で使用すると、積層体を構成する層が縮むことがあった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、高温環境下で使用した後の寸法安定性に優れた積層体、及び、これの未架橋物である前駆体積層体の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、含フッ素共重合体Aと任意で非フッ素重合体とを含む第1架橋層と、含フッ素共重合体Bと任意で非フッ素重合体とを含む第2架橋層と、を有する積層体において、含フッ素共重合体Aの架橋物の含有量M
CA
及び含フッ素共重合体Bの架橋物の含有量M
CB
がいずれも特定値以上であれば、高温環境下で使用した後の寸法安定性に優れることを見出し、本発明に至った。
【0007】
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
[1] 第1架橋層と、前記第1架橋層上に配置された第2架橋層と、を有する積層体であって、
前記第1架橋層が、含フッ素共重合体A1の架橋物を含み、任意で非フッ素重合体A2の架橋物を含み、
前記第2架橋層が、含フッ素共重合体B1の架橋物を含み、任意で非フッ素重合体B2の架橋物を含み、
前記含フッ素共重合体A1を構成する単量体に基づく単位の組み合わせと、前記含フッ素共重合体B1を構成する単量体に基づく単位の組み合わせとが、互いに異なり、
前記含フッ素共重合体A1の架橋物と前記非フッ素重合体A2の架橋物との合計に対する、前記含フッ素共重合体A1の架橋物の含有量M
CA
が、85質量%以上であり、
前記含フッ素共重合体B1の架橋物と前記非フッ素重合体B2の架橋物との合計に対する、前記含フッ素共重合体B1の架橋物の含有量M
CB
が、85質量%以上であることを特徴とする、積層体。
[2] 前記M
CA
と前記M
CB
との差の絶対値が、15質量%以下である、[1]に記載の積層体。
[3] 前記含フッ素共重合体A1が、フッ化ビニリデンに基づく単位を含み、
前記含フッ素共重合体B1が、テトラフルオロエチレンに基づく単位と、プロピレンに基づく単位と、を含む、[1]又は[2]に記載の積層体。
[4] 前記含フッ素共重合体A1及び前記含フッ素共重合体B1の少なくとも一方が、ヨウ素原子及び臭素原子の少なくとも一方を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の積層体。
[5] 前記含フッ素共重合体A1及び前記含フッ素共重合体B1のガラス転移温度がいずれも、15℃以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の積層体。
[6] 前記第1架橋層及び前記第2架橋層の少なくとも一方が、珪藻土の焼結体と、シリカと、を更に含む、[1]~[5]のいずれかに記載の積層体。
[7] 前記第1架橋層が、前記非フッ素重合体A2の架橋物を含まず、
前記第2架橋層が、前記非フッ素重合体B2の架橋物を含まない、[1]~[7]のいずれか1項に記載の積層体。
[8] 第1組成物層と、前記第1組成物層上に配置された第2組成物層と、を有する前駆体積層体であって、
前記第1組成物層が、含フッ素共重合体A1と、架橋剤とを含み、任意で非フッ素重合体A2を含み、
前記第2組成物層が、含フッ素共重合体B1と、架橋剤とを含み、任意で非フッ素重合体B2を含み、
前記含フッ素共重合体A1を構成する単量体に基づく単位の組み合わせと、前記含フッ素共重合体B1を構成する単量体に基づく単位の組み合わせとが、互いに異なり、
前記含フッ素共重合体A1と前記非フッ素重合体A2との合計に対する、前記含フッ素共重合体A1の含有量M
PA
が、85質量%以上であり、
前記含フッ素共重合体B1と前記非フッ素重合体B2との合計に対する、前記含フッ素共重合体B1の含有量M
PB
が、85質量%以上であることを特徴とする、前駆体積層体。
[9] 前記M
PA
と前記M
PB
との差の絶対値が、15質量%以下である、[8]に記載の前駆体積層体。
[10] 前記含フッ素共重合体A1が、フッ化ビニリデンに基づく単位を含み、
前記含フッ素共重合体B1が、テトラフルオロエチレンに基づく単位と、プロピレンに基づく単位と、を含む、[8]又は[9]に記載の前駆体積層体。
[11] 前記含フッ素共重合体A1及び前記含フッ素共重合体B1の少なくとも一方が、ヨウ素原子及び臭素原子の少なくとも一方を有する、[8]~[10]のいずれかに記載の前駆体積層体。
[12] 前記含フッ素共重合体A1及び前記含フッ素共重合体B1のガラス転移温度がいずれも、15℃以下である、[8]~[11]のいずれかに記載の前駆体積層体。
[13] 前記第1組成物層及び前記第2組成物層の少なくとも一方が、珪藻土の焼結体と、シリカと、を更に含む、[8]~[12]のいずれかに記載の前駆体積層体。
[14] 前記第1組成物層が、前記非フッ素重合体A2を含まず、
前記第2組成物層が、前記非フッ素重合体B2を含まない、[8]~[13]のいずれかに記載の前駆体積層体。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高温環境下で使用した後の寸法安定性に優れた積層体、及び、これの未架橋物である前駆体積層体を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明における用語の意味は以下の通りである。
「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、各成分は、各成分に該当する物質を1種単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上の物質を併用する場合、その成分についての含有量とは、特段の断りが無い限り、併用した物質の合計の含有量を指す。
本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
「単位」とは、単量体が重合して直接形成された、上記単量体1分子に由来する原子団と、上記原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。「単量体に基づく単位」は、以下、単に「単位」ともいう。
「ゴム」とは、JIS K 6200:2008により定義される性質を示すゴムを意味し、「樹脂」とは区別される。
「ガラス転移温度」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定される中間点ガラス転移温度である。「ガラス転移温度」は、「Tg」ともいう。
【0010】
[積層体]
本発明の積層体(以下、「本積層体」ともいう。)は、第1架橋層と、上記第1架橋層上に配置された第2架橋層と、を有する積層体であって、上記第1架橋層が、含フッ素共重合体A1の架橋物を含み、任意で非フッ素重合体A2の架橋物を含み、上記第2架橋層が、含フッ素共重合体B1の架橋物を含み、任意で非フッ素重合体B2の架橋物を含む。
また、本積層体において、上記含フッ素共重合体A1を構成する単量体に基づく単位の組み合わせと、上記含フッ素共重合体B1を構成する単量体に基づく単位の組み合わせとが、互いに異なる。
また、本積層体において、上記含フッ素共重合体A1の架橋物と上記非フッ素重合体A2の架橋物との合計に対する、上記含フッ素共重合体A1の架橋物の含有量M
CA
が85質量%以上であり、上記含フッ素共重合体B1の架橋物と上記非フッ素重合体B2の架橋物との合計に対する、上記含フッ素共重合体B1の架橋物の含有量M
CB
が85質量%以上である。
(【0011】以降は省略されています)

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