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公開番号
2025065546
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-17
出願番号
2025023660,2024564418
出願日
2025-02-17,2023-12-13
発明の名称
含フッ素重合体の製造方法、水性分散液及び粒子
出願人
AGC株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08F
2/44 20060101AFI20250410BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】環境負荷の小さい水性媒体を用いつつも、乳化剤を必須とせずに含フッ素重合体を効率よく製造できる、含フッ素重合体の製造方法の提供。
【解決手段】本発明の含フッ素重合体の製造方法は、TFE単位とPAVE単位とを含む第1含フッ素重合体、及び、水性媒体を含む水性分散液中において、含フッ素単量体を含む単量体を重合して、第2含フッ素重合体を製造する含フッ素重合体の製造方法であって、第1含フッ素重合体における、テトラフルオロエチレンに基づく単位とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位の合計に対して、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位が20~60モル%であり、第1含フッ素重合体の平均粒子径が1~150nmであり、単量体の重合開始前において、第1含フッ素重合体の含有量が水性分散液の全質量に対して0.01~4.0質量%である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
テトラフルオロエチレンに基づく単位とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位とを含む第1含フッ素重合体、及び、水性媒体を含む水性分散液中において、含フッ素単量体を含む単量体を重合して、前記第1含フッ素重合体とは異なる第2含フッ素重合体を製造する、含フッ素重合体の製造方法であって、
前記第1含フッ素重合体における、前記テトラフルオロエチレンに基づく単位と前記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位の合計に対して、前記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位が20~60モル%であり、
前記第1含フッ素重合体の平均粒子径が、1~150nmであり、
前記単量体の重合を開始する前において、前記第1含フッ素重合体の含有量が、前記水性分散液の全質量に対して0.01~4.0質量%である、含フッ素重合体の製造方法。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記単量体の重合を開始する前において、硫酸イオンの濃度が、前記水性分散液中の前記水性媒体の全質量に対して、5質量ppm以下である、請求項1に記載の含フッ素重合体の製造方法。
【請求項3】
前記含フッ素単量体が、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、及び、フッ化ビニリデンからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の含フッ素重合体の製造方法。
【請求項4】
前記単量体が、エチレンを含む、請求項1又は2に記載の含フッ素重合体の製造方法。
【請求項5】
前記単量体の使用量が、前記水性媒体の使用量100質量部に対して、1~50質量部である、請求項1又は2に記載の含フッ素重合体の製造方法。
【請求項6】
重合開始剤の存在下で前記単量体を重合する、請求項1又は2に記載の含フッ素重合体の製造方法。
【請求項7】
水性媒体と、含フッ素重合体を含む粒子と、を含む水性分散液であって、
前記粒子の平均粒子径が、1μm以下であり、
前記粒子がパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位を含み、前記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位の含有量が、前記含フッ素重合体の全単位に対して、0.1~1.0モル%であり、
式(S1)で表される化合物の含有量、及び、式(S2)で表される化合物の含有量のそれぞれが、前記粒子の全質量に対して、100質量ppb以下である、水性分散液。
式(S1): H-(CF
2
)
n
-COOM
式(S2): H-(CF
2
)
n
-SO
3
M
式(S1)及び式(S2)において、Mはそれぞれ独立に、水素原子、Na、K、又は、NH
4
を表し、nはそれぞれ独立に8又は10を表す。
【請求項8】
前記粒子が、テトラフルオロエチレンに基づく単位、クロロトリフルオロエチレンに基づく単位、及び、フッ化ビニリデンに基づく単位からなる群から選択される少なくとも1種の単位を含む、請求項7に記載の水性分散液。
【請求項9】
前記粒子が、エチレンに基づく単位を含む、請求項7又は8に記載の水性分散液。
【請求項10】
含フッ素重合体を含む粒子であって、
前記粒子の平均粒子径が、1μm以下であり、
前記粒子がテトラフルオロエチレンに基づく単位、エチレンに基づく単位、及び、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位を含み、
前記テトラフルオロエチレンに基づく単位と前記エチレンに基づく単位の合計に対して前記エチレンに基づく単位が20~70モル%であり、
前記テトラフルオロエチレンに基づく単位と前記エチレンに基づく単位の合計の含有量が、前記含フッ素重合体の全単位に対して80モル%以上であり、
前記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位の含有量が、前記含フッ素重合体の全単位に対して、0.1~1.0モル%であり、
式(S1)で表される化合物の含有量、及び、式(S2)で表される化合物の含有量のそれぞれが、前記粒子の全質量に対して、100質量ppb以下である、粒子。
式(S1): H-(CF
2
)
n
-COOM
式(S2): H-(CF
2
)
n
-SO
3
M
式(S1)及び式(S2)において、Mはそれぞれ独立に、水素原子、Na、K、又は、NH
4
を表し、nはそれぞれ独立に8又は10を表す。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、含フッ素重合体の製造方法、水性分散液及び粒子に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)
【背景技術】
【0002】
エチレン/テトラフルオロエチレン系共重合体等の含フッ素重合体は、耐熱性、耐薬品性、難燃性、耐候性等に優れているため種々の産業分野で用いられている。
含フッ素重合体の製造方法として、含フッ素乳化剤を使用し、水性媒体中で含フッ素モノマーを乳化重合する方法が挙げられる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2007/046377号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の含フッ素重合体の製造方法では、水性媒体を使用するので環境負荷は小さいが、必須成分である乳化剤が重合により得られた水性分散液に大量に残存する場合、用途によっては乳化剤の除去が必要になる。
【0005】
本発明は、環境負荷の小さい水性媒体を用いつつも、乳化剤を必須とせずに含フッ素重合体を効率よく製造できる、含フッ素重合体の製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、水性分散液及び粒子を提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
[1]テトラフルオロエチレンに基づく単位とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位とを含む第1含フッ素重合体、及び、水性媒体を含む水性分散液中において、含フッ素単量体を含む単量体を重合して、上記第1含フッ素重合体とは異なる第2含フッ素重合体を製造する、含フッ素重合体の製造方法であって、
上記第1含フッ素重合体における、上記テトラフルオロエチレンに基づく単位と上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位の合計に対して、上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位が20~60モル%であり、
上記第1含フッ素重合体の平均粒子径が、1~150nmであり、
上記単量体の重合を開始する前において、上記第1含フッ素重合体の含有量が、上記水性分散液の全質量に対して0.01~4.0質量%である、含フッ素重合体の製造方法。
[2]上記単量体の重合を開始する前において、硫酸イオンの濃度が、上記水性分散液中の上記水性媒体の全質量に対して、5質量ppm以下である、[1]に記載の含フッ素重合体の製造方法。
[3]上記含フッ素単量体が、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、及び、フッ化ビニリデンからなる群から選択される少なくとも1種を含む、[1]又は[2]に記載の含フッ素重合体の製造方法。
[4]上記単量体が、エチレンを含む、[1]~[3]のいずれかに記載の含フッ素重合体の製造方法。
[5]上記単量体の使用量が、上記水性媒体の使用量100質量部に対して、1~50質量部である、[1]~[4]のいずれかに記載の含フッ素重合体の製造方法。
[6]重合開始剤の存在下で上記単量体を重合する、[1]~[5]のいずれかに記載の含フッ素重合体の製造方法。
[7]水性媒体と、含フッ素重合体を含む粒子と、を含む水性分散液であって、
上記粒子の平均粒子径が、1μm以下であり、
上記粒子がパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位を含み、上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位の含有量が、上記含フッ素重合体の全単位に対して、0.1~1.0モル%であり、
式(S1)で表される化合物の含有量、及び、式(S2)で表される化合物の含有量のそれぞれが、上記粒子の全質量に対して、100質量ppb以下である、水性分散液。
式(S1): H-(CF
2
)
n
-COOM
式(S2): H-(CF
2
)
n
-SO
3
M
式(S1)及び式(S2)において、Mはそれぞれ独立に、水素原子、Na、K、又は、NH
4
を表し、nはそれぞれ独立に8又は10を表す。
[8]上記粒子が、テトラフルオロエチレンに基づく単位、クロロトリフルオロエチレンに基づく単位、及び、フッ化ビニリデンに基づく単位からなる群から選択される少なくとも1種の単位を含む、[7]に記載の水性分散液。
[9]上記粒子が、エチレンに基づく単位を含む、[7]又は[8]に記載の水性分散液。
[10]含フッ素重合体を含む粒子であって、
上記粒子の平均粒子径が、1μm以下であり、
上記粒子がテトラフルオロエチレンに基づく単位、エチレンに基づく単位、及び、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位を含み、
上記テトラフルオロエチレンに基づく単位と上記エチレンに基づく単位の合計に対して上記エチレンに基づく単位が20~70モル%であり、
テトラフルオロエチレンに基づく単位とエチレンに基づく単位の合計の含有量が、上記含フッ素重合体の全単位に対して80モル%以上であり、
上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位の含有量が、上記含フッ素重合体の全単位に対して、0.1~1.0モル%であり、
式(S1)で表される化合物の含有量、及び、式(S2)で表される化合物の含有量のそれぞれが、上記粒子の全質量に対して、100質量ppb以下である、粒子。
式(S1): H-(CF
2
)
n
-COOM
式(S2): H-(CF
2
)
n
-SO
3
M
式(S1)及び式(S2)において、Mはそれぞれ独立に、水素原子、Na、K、又は、NH
4
を表し、nはそれぞれ独立に8又は10を表す。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、環境負荷の小さい水性媒体を用いつつも、乳化剤を必須とせずに含フッ素重合体を効率よく製造できる、含フッ素重合体の製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、水性分散液及び粒子も提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明における用語の意味は以下の通りである。
「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、各成分は、各成分に該当する物質を1種単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上の物質を併用する場合、その成分についての含有量とは、特段の断りが無い限り、併用した物質の合計の含有量を指す。
本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
「単位」とは、単量体が重合して直接形成された、上記単量体1分子に由来する原子団と、上記原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。「単量体に基づく単位」は、以下、単に「単位」ともいう。
重合体が含む全単位に対する、それぞれの単位の含有量(質量%又はモル%)は、重合体を固体核磁気共鳴スペクトル(NMR)法により分析して求められるが、通常、各単量体の仕込み量から計算される各単位の含有量は、実際の各単位の含有量と略一致している。
【0009】
[含フッ素重合体の製造方法]
本発明の含フッ素重合体の製造方法(以下、「本製造方法」ともいう。)は、テトラフルオロエチレンに基づく単位とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位とを含む第1含フッ素重合体、及び、水性媒体を含む水性分散液(以下、本製造方法に用いる水性分散液を「水性分散液(a)」ともいう。)中において、含フッ素単量体を含む単量体(以下、「特定単量体」ともいう。)を重合して、上記第1含フッ素重合体とは異なる第2含フッ素重合体を製造する方法である。
本製造方法において、上記第1含フッ素重合体における、テトラフルオロエチレンに基づく単位とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位の合計に対して、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位が20~60モル%である。
また、本製造方法において、上記第1含フッ素重合体の平均粒子径は、1~150nmである。
また、本製造方法において、上記単量体の重合を開始する前において、上記第1含フッ素重合体の含有量が、上記水性分散液(a)の全質量に対して0.01~4.0質量%である。
【0010】
本製造方法によって乳化剤を必須にせずとも第2含フッ素重合体が効率よく製造された理由としては、平均粒子径及び含まれる各単位の比率が所定範囲にある第1含フッ素重合体を所定量含む水性分散液を用いたことで、第1含フッ素重合体が第2含フッ素重合体の良好な重合場として機能したためと推測される。
(【0011】以降は省略されています)
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