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公開番号2025074326
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2025034776,2022540257
出願日2025-03-05,2021-07-21
発明の名称光学フィルタ
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類G02B 5/22 20060101AFI20250502BHJP(光学)
要約【課題】本発明は、可視光の高い透過性、特に、青色光の透過性を良好に維持しながら、近赤外光の遮蔽性において、光抜け等の高入射角における近赤外光の遮蔽性の低下が抑制された光学フィルタの提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、基材と、前記基材の少なくとも一方の主面側に積層された誘電体多層膜とを備える光学フィルタであって、前記基材は、近赤外線吸収色素である色素(A)と樹脂とを含む樹脂膜を含み、前記色素(A)は、式(A1)に示す化合物および下記式(A2)に示す化合物の少なくとも一方を含み、特定の分光特性を満たす光学フィルタに関する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材と、前記基材の少なくとも一方の主面側に積層された誘電体多層膜とを備える光学フィルタであって、
前記基材は、近赤外線吸収色素である色素(A)と樹脂とを含む樹脂膜を含み、
前記色素(A)は、下記式(A1)に示す化合物および下記式(A2)に示す化合物の少なくとも一方を含み、
前記光学フィルタは下記分光特性(iii-1)~(iii-7)を全て満たす、光学フィルタ。
(iii-1)波長440~490nm、入射角0度の分光透過率曲線における平均透過率T
440-490(0deg)AVE
が85%以上
(iii-2)波長440~490nm、入射角30度の分光透過率曲線における平均透過率T
440-490(30deg)AVE
が85%以上
(iii-3)波長500~570nm、入射角0度の分光透過率曲線における平均透過率T
500-570(0deg)AVE
が90%以上
(iii-4)波長500~570nm、入射角30度の分光透過率曲線における平均透過率T
500-570(30deg)AVE
が90%以上
(iii-5)波長700~850nm、入射角0度の分光透過率曲線における最大透過率T
700-850(0deg)MAX
が3%以下
(iii-6)波長700~850nm、入射角30度の分光透過率曲線における最大透過率T
700-850(30deg)MAX
が1%以下
(iii-7)波長700~850nm、入射角60度の分光透過率曲線における最大透過率T
700-850(60deg)MAX
が1%以下
TIFF
2025074326000023.tif
120
166
ただし、式(A1)および(A2)中の記号は以下のとおりである。

101
、R
106
、R
107
は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~15のアルキル基もしくはアルコキシ基、または、炭素数5~20のアリール基を示す。R
121
、R
128
およびR
129
は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1~15のアルキル基もしくはアルコキシ基、または、炭素数5~20のアリール基を示す。R
102
~R
105
、R
108
、R
109
、R
122
~R
127
、R
130
およびR
131
は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~15のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数5~20のアリール基を示す。R
110

114
およびR
132

136
は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、炭素数1~15のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。


は一価のアニオンを示す。
n1およびn2はそれぞれ独立に0または1である。-(CH


n1
-を含む炭素環、および、-(CH


n2
-を含む炭素環に結合する水素原子はハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1~15のアルキル基または炭素数5~20のアリール基で置換されていてもよい。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記基材は、支持体と前記樹脂膜を含み、前記樹脂膜の厚さが5μm以下である、請求項1に記載の光学フィルタ。
【請求項3】
前記樹脂が脂環式化合物から構成されるポリマーである、請求項1または2に記載の光学フィルタ。
【請求項4】
前記分光特性(iii-3)において、波長500~570nm、入射角0度の分光透過率曲線における平均透過率T
500-570(0deg)AVE
が92%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
【請求項5】
前記分光特性(iii-4)において、波長500~570nm、入射角30度の分光透過率曲線における平均透過率T
500-570(30deg)AVE
が92%以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
【請求項6】
前記分光特性(iii-6)において、波長700~850nm、入射角30度の分光透過率曲線における最大透過率T
700-850(30deg)MAX
が0.7%以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
【請求項7】
前記分光特性(iii-7)において、波長700~850nm、入射角60度の分光透過率曲線における最大透過率T
700-850(60deg)MAX
が0.8%以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
【請求項8】
前記樹脂膜が1層、または、2層である請求項1~7のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
【請求項9】
前記色素(A)は、前記色素(A)を前記樹脂に溶解してアルカリガラス板上に塗工した塗工膜の分光透過率曲線において、下記分光特性(i-1)~(i-4)を全て満たす請求項1~8のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
(i-1)波長600~800nmにおいて透過率が30%となる最も短い波長をIR30aとし、波長700~1200nmにおいて透過率が30%となる最も長い波長をIR30bとしたとき、
IR30aとIR30bとの差の絶対値が170nm以上
(i-2)波長600~800nmにおいて透過率が50%となる最も短い波長をIR50aとし、波長700~1200nmにおいて透過率が50%となる最も長い波長をIR50bとしたとき、
IR50aとIR50bとの差の絶対値が200nm以上
(i-3)波長440nmにおける吸光度A
440
と波長700nmにおける吸光度A
700
との関係がA
440
/A
700
≦0.14
(i-4)波長490nmにおける吸光度A
490
と波長700nmにおける吸光度A
700
との関係がA
490
/A
700
≦0.10
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の光学フィルタを備える撮像装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、可視波長領域の光を透過し、近赤外波長領域の光を遮断する光学フィルタに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
固体撮像素子を用いた撮像装置には、色調を良好に再現し鮮明な画像を得るため、可視域の光(以下「可視光」ともいう)を透過し、近赤外波長領域の光(以下「近赤外光」ともいう)を遮断する光学フィルタが用いられる。
【0003】
このような光学フィルタは、例えば、透明基板の片面または両面に、屈折率が異なる誘電体薄膜を交互に積層(誘電体多層膜)し、光の干渉を利用して遮蔽したい光を反射する反射型のフィルタ等、様々な方式が挙げられる。誘電体多層膜を有する光学フィルタは、光の入射角により誘電体多層膜の光学膜厚が変化するために、入射角による分光透過率曲線の変化や、高入射角において高反射率を得るべき近赤外光が高透過率化する光抜け、誘電体多層膜が反射した近赤外光によるノイズが発生することが問題である。このようなフィルタを使用すると、固体撮像素子の分光感度が入射角の影響を受けるおそれがある。したがって、可視光の透過率に略影響を及ぼすことなく、入射角依存性なく近赤外光を遮断する光学フィルタが求められていた。
【0004】
ここで、特許文献1には入射角依存性を低減するために近赤外線吸収色素を含む層を備えた光学フィルタが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2019/168090号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献1に記載の光学フィルタでは、可視光領域の透過性の点で改善の余地があった。
よって本発明は、可視光の高い透過性、特に、青色光の透過性を良好に維持しながら、近赤外光の遮蔽性において、光抜け等の高入射角における近赤外光の遮蔽性の低下が抑制された光学フィルタの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の構成を有する光学フィルタを提供する。
[1] 基材と、前記基材の少なくとも一方の主面側に最外層として積層された誘電体多層膜とを備える光学フィルタであって、
前記基材は、近赤外線吸収色素である色素(A)と樹脂とを含む樹脂膜を含み、
前記色素(A)は、前記色素(A)を前記樹脂に溶解してアルカリガラス板上に塗工した塗工膜の分光透過率曲線において、下記分光特性(i-1)~(i-4)を全て満たす光学フィルタ。
(i-1)波長600~800nmにおいて透過率が30%となる最も短い波長をIR30aとし、波長700~1200nmにおいて透過率が30%となる最も長い波長をIR30bとしたとき、
IR30aとIR30bとの差の絶対値が170nm以上
(i-2)波長600~800nmにおいて透過率が50%となる最も短い波長をIR50aとし、波長700~1200nmにおいて透過率が50%となる最も長い波長をIR50bとしたとき、
IR50aとIR50bとの差の絶対値が200nm以上
(i-3)波長440nmにおける吸光度A
440
と波長700nmにおける吸光度A
700
との関係がA
440
/A
700
≦0.14
(i-4)波長490nmにおける吸光度A
490
と波長700nmにおける吸光度A
700
との関係がA
490
/A
700
≦0.10
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、可視光の高い透過性、近赤外光の高い遮蔽性を有し、特に、青色光の透過性が高く、かつ高入射角における近赤外光の遮蔽性の低下が抑制された光学フィルタが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は一実施形態の光学フィルタの一例を概略的に示す断面図である。
図2は一実施形態の光学フィルタの別の一例を概略的に示す断面図である。
図3は一実施形態の光学フィルタの別の一例を概略的に示す断面図である。
図4は一実施形態の光学フィルタの別の一例を概略的に示す断面図である。
図5は、化合物6のジクロロメタン中の分光透過率曲線およびシクロオレフィン樹脂中の分光透過率曲線を示す図である。
図6は例3-1の光学フィルタの分光透過率曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本明細書において、近赤外線吸収色素を「NIR色素」、紫外線吸収色素を「UV色素」と略記することもある。
本明細書において、式(I)で示される化合物を化合物(I)という。他の式で表される化合物も同様である。化合物(I)からなる色素を色素(I)ともいい、他の色素についても同様である。また、式(I)で表される基を基(I)とも記し、他の式で表される基も同様である。
(【0011】以降は省略されています)

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