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公開番号2025088333
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023202977
出願日2023-11-30
発明の名称光演算装置
出願人学校法人立命館
代理人個人,個人
主分類G02F 3/00 20060101AFI20250604BHJP(光学)
要約【課題】多ビットの入力光信号の排他的論理和を演算する。
【解決手段】分岐器11-1~11-4は、入力光信号を分割して第1及び第2の中間光信号を生成する。中間導波路31-1~31-4は、第1の中間光信号を伝送してスターカプラ13-1に入力する。移相器12-1,12-2は、中間導波路31-1,31-2を介して伝送される中間光信号の位相を変化させる。出力導波路33-1,33-2は、スターカプラ13-1の出力光信号を伝送する。中間導波路32-1~32-4は、第2の中間光信号を伝送してスターカプラ13-2に入力する。移相器12-3,12-4は、中間導波路32-1,32-4を介して伝送される中間光信号の位相を変化させる。出力導波路34-1,34-2は、スターカプラ13-2の出力光信号を伝送する。出力回路20は、出力光信号の論理積を演算することで、入力光信号の排他的論理和を演算する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
N個(Nは2のべき乗かつ4以上の整数)の入力ポート及びN個の出力ポートをそれぞれ有する第1及び第2のスターカプラと、
N個の入力光信号をそれぞれ伝送するN個の入力導波路と、
前記N個の入力光信号のそれぞれを第1及び第2の中間光信号に分割することにより、N個の第1の中間光信号と、N個の第2の中間光信号とを生成するN個の分岐器と、
前記N個の第1の中間光信号をそれぞれ伝送して前記第1のスターカプラのN個の入力ポートにそれぞれ入力するN個の第1の中間導波路と、
前記第1の中間導波路のうちのN/2個にそれぞれ挿入され、前記N/2個の第1の中間導波路を介して伝送される第1の中間光信号の位相を180度変化させるN/2個の第1の移相器と、
前記第1のスターカプラの2つの出力ポートから出力される2つの第1の出力光信号をそれぞれ伝送する2つの第1の出力導波路と、
前記N個の第2の中間光信号をそれぞれ伝送して前記第2のスターカプラのN個の入力ポートにそれぞれ入力するN個の第2の中間導波路と、
前記第2の中間導波路のうちのN/2個にそれぞれ挿入され、前記N/2個の第2の中間導波路を介して伝送される第2の中間光信号の位相を180度変化させるN/2個の第2の移相器と、
前記第2のスターカプラの2つの出力ポートから出力される2つの第2の出力光信号をそれぞれ伝送する2つの第2の出力導波路と、
前記2つの第1の出力光信号及び前記2つの第2の出力光信号の論理積を演算することにより、前記N個の入力光信号の排他的論理和を演算して出力する出力回路とを備え、
前記第1及び第2の移相器は、前記分岐器のうちのN/2個によって分割された第1及び第2の中間光信号が互いに異なる移相量を有するように、前記第1及び第2の中間導波路に挿入される、
光演算装置。
続きを表示(約 3,000 文字)【請求項2】
前記第1及び第2のスターカプラのそれぞれは、
第1の点を中心としかつ所定半径を有する円弧上に沿って形成された入射面と、
前記入射面上における第2の点を中心としかつ前記所定半径を有する円弧に沿って形成された出射面とを有し、
前記N個の入力ポートのうちの第1~第Nの入力ポートは、前記入射面において順に配置され、
前記N個の出力ポートのうちの第1~第Nの出力ポートは、前記出射面において、前記第1~第Nの入力ポートにそれぞれ対応して、かつ、前記第1及び第2の点の中点に関して前記第1~第Nの入力ポートに対して対称な位置に順に配置され、
前記N個の入力ポート及び前記N個の出力ポートの位置は、前記第1又は第2のスターカプラにおいて前記所定半径に等しい距離にわたって光信号が伝搬するときの移相量を基準として、第kの入力ポートから第nの出力ポート(1≦k≦N,1≦n≦N)まで光信号が伝搬するときの相対移相量φ(k,n)が、
φ(k,n)=(2π/N)(k-(N+1)/2)(n-(N+1)/2)
を満たすように設定され、
前記N個の入力ポートのうちの第kの入力ポート(1≦k≦N)に入力される前記第1及び第2の中間光信号は、位相オフセットα(k)=(π/N)(N-1)(k-1)を有する、
請求項1記載の光演算装置。
【請求項3】
前記N/2個の第1の移相器は、前記第1のスターカプラの第1~第Nの入力ポートのうち奇数番号を有する入力ポートの半数と、偶数番号を有する入力ポートの半数とに接続された、前記N/2個の第1の中間導波路にそれぞれ挿入され、
前記N/2個の第2の移相器は、前記第2のスターカプラの第1~第Nの入力ポートのうち奇数番号を有する入力ポートの半数と、偶数番号を有する入力ポートの半数とに接続された、前記N/2個の第2の中間導波路にそれぞれ挿入される、
請求項2記載の光演算装置。
【請求項4】
N=4である場合、
前記第1及び第2の移相器は、
前記第1のスターカプラの第1の入力ポートに入力される第1の中間光信号が、前記第2のスターカプラの第1の入力ポートに入力される第2の中間光信号の移相量とは異なる移相量を有し、かつ、前記第1のスターカプラの第3の入力ポートに入力される第1の中間光信号が、前記第2のスターカプラの第3の入力ポートに入力される第2の中間光信号の移相量とは異なる移相量を有するように、又は、
前記第1のスターカプラの第2の入力ポートに入力される第1の中間光信号が、前記第2のスターカプラの第2の入力ポートに入力される第2の中間光信号の移相量とは異なる移相量を有し、かつ、前記第1のスターカプラの第4の入力ポートに入力される第1の中間光信号が、前記第2のスターカプラの第4の入力ポートに入力される第2の中間光信号の移相量とは異なる移相量を有するように、
前記第1及び第2の中間導波路に挿入される、
請求項3記載の光演算装置。
【請求項5】
N≧8である場合、
前記第1及び第2の移相器は、
前記第1のスターカプラの奇数番号を有する入力ポートのうちの1/4個に入力される第1の中間光信号が移相量πを有し、前記第2のスターカプラの奇数番号を有する入力ポートのうちの対応する1/4に入力される第2の中間光信号が移相量πを有するように、かつ、
前記第1のスターカプラの奇数番号を有する入力ポートのうちの他の1/4個に入力される第1の中間光信号が移相量πを有し、前記第2のスターカプラの奇数番号を有する入力ポートのうちの対応する1/4に入力される第2の中間光信号が移相量0を有するように、かつ、
前記第1のスターカプラの奇数番号を有する入力ポートのうちのさらに他の1/4個に入力される第1の中間光信号が移相量0を有し、前記第2のスターカプラの奇数番号を有する入力ポートのうちの対応する1/4に入力される第2の中間光信号が移相量πを有するように、かつ、
前記第1のスターカプラの奇数番号を有する入力ポートのうちの残りの1/4個に入力される第1の中間光信号が移相量0を有し、前記第2のスターカプラの奇数番号を有する入力ポートのうちの対応する1/4に入力される第2の中間光信号が移相量0を有するように、かつ、
前記第1のスターカプラの偶数番号を有する入力ポートのうちの1/4個に入力される第1の中間光信号が移相量πを有し、前記第2のスターカプラの偶数番号を有する入力ポートのうちの対応する1/4に入力される第2の中間光信号が移相量πを有するように、かつ、
前記第1のスターカプラの偶数番号を有する入力ポートのうちの他の1/4個に入力される第1の中間光信号が移相量πを有し、前記第2のスターカプラの偶数番号を有する入力ポートのうちの対応する1/4に入力される第2の中間光信号が移相量0を有するように、かつ、
前記第1のスターカプラの偶数番号を有する入力ポートのうちのさらに他の1/4個に入力される第1の中間光信号が移相量0を有し、前記第2のスターカプラの偶数番号を有する入力ポートのうちの対応する1/4に入力される第2の中間光信号が移相量πを有するように、かつ、
前記第1のスターカプラの偶数番号を有する入力ポートのうちの残りの1/4個に入力される第1の中間光信号が移相量0を有し、前記第2のスターカプラの偶数番号を有する入力ポートのうちの対応する1/4に入力される第2の中間光信号が移相量0を有するように、
前記第1及び第2の中間導波路に挿入される、
請求項3記載の光演算装置。
【請求項6】
前記第1の出力導波路は、前記第1のスターカプラの第1の出力ポート及び第(N/2+1)の出力ポートから出力される前記第1の出力光信号を伝送し、
前記第2の出力導波路は、前記第2のスターカプラの第1の出力ポート及び第(N/2+1)の出力ポートから出力される前記第2の出力光信号を伝送する、
請求項2~5のうちの1つに記載の光演算装置。
【請求項7】
前記出力回路は、
前記2つの第1の出力光信号及び前記2つの第2の出力光信号を4つの電気信号にそれぞれ変換する4つの変換器と、
前記4つの電気信号の論理積を演算する論理積回路とを備える、
請求項1記載の光演算装置。
【請求項8】
4つの入力ポート及び4つの出力ポートを有するスターカプラと、
4つの入力光信号をそれぞれ伝送する4つの入力導波路と、
前記入力導波路のうちの2つにそれぞれ挿入され、前記2つの入力導波路を介して伝送される入力光信号の位相を180度変化させる2つの移相器と、
前記スターカプラの2つの出力ポートから出力される2つの出力光信号をそれぞれ伝送する2つの出力導波路と、
前記2つの出力光信号の論理積を演算することにより、前記4つの入力光信号の排他的論理和を演算して出力する出力回路とを備える、
光演算装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、光演算装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
情報通信の容量及びコンピュータシステムの処理量が大幅に増大し、機能に対する要求も高度化し続けている。このような状況で、シリコン集積回路を基盤とした従来のコンピューティング技術は、半導体の微細化の限界に伴い、処理速度及び消費電力の面で限界が見え始めている。
【0003】
フォトニックコンピューティングは、干渉性、広帯域性、多重性、量子性など、光の優れた特性から、従来のコンピューティング技術の代替となる新たなコンピューティング技術の有力な候補である。
【0004】
例えば、特許文献1は、スラブ型スターカプラを備えた光直交周波数分割多重信号分離回路を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5400004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のフォトニックコンピューティング技術によれば、光演算回路は2ビットずつ演算する。より多数のビットを処理するためには光演算回路の多段接続が必要であるが、接続されるデバイスの個数が増大するにつれて、サイズ、遅延時間、及び消費電力が増大する。このため、サイズ、遅延時間、及び消費電力の過度な増大をもたらすことなく多ビットを処理することが求める。
【0007】
本開示の目的は、サイズ、遅延時間、及び消費電力の過度な増大をもたらすことなく、多ビットの入力光信号の排他的論理和を演算することができる光演算装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様に係る光演算装置は、
N個(Nは2のべき乗かつ4以上の整数)の入力ポート及びN個の出力ポートをそれぞれ有する第1及び第2のスターカプラと、
N個の入力光信号をそれぞれ伝送するN個の入力導波路と、
前記N個の入力光信号のそれぞれを第1及び第2の中間光信号に分割することにより、N個の第1の中間光信号と、N個の第2の中間光信号とを生成するN個の分岐器と、
前記N個の第1の中間光信号をそれぞれ伝送して前記第1のスターカプラのN個の入力ポートにそれぞれ入力するN個の第1の中間導波路と、
前記第1の中間導波路のうちのN/2個にそれぞれ挿入され、前記N/2個の第1の中間導波路を介して伝送される第1の中間光信号の位相を180度変化させるN/2個の第1の移相器と、
前記第1のスターカプラの2つの出力ポートから出力される2つの第1の出力光信号をそれぞれ伝送する2つの第1の出力導波路と、
前記N個の第2の中間光信号をそれぞれ伝送して前記第2のスターカプラのN個の入力ポートにそれぞれ入力するN個の第2の中間導波路と、
前記第2の中間導波路のうちのN/2個にそれぞれ挿入され、前記N/2個の第2の中間導波路を介して伝送される第2の中間光信号の位相を180度変化させるN/2個の第2の移相器と、
前記第2のスターカプラの2つの出力ポートから出力される2つの第2の出力光信号をそれぞれ伝送する2つの第2の出力導波路と、
前記2つの第1の出力光信号及び前記2つの第2の出力光信号の論理積を演算することにより、前記N個の入力光信号の排他的論理和を演算して出力する出力回路とを備え、
前記第1及び第2の移相器は、前記分岐器のうちのN/2個によって分割された第1及び第2の中間光信号が互いに異なる移相量を有するように、前記第1及び第2の中間導波路に挿入される。
【0009】
本開示の第2の態様に係る光演算装置によれば、第1の態様に係る光演算装置において、
前記第1及び第2のスターカプラのそれぞれは、
第1の点を中心としかつ所定半径を有する円弧上に沿って形成された入射面と、
前記入射面上における第2の点を中心としかつ前記所定半径を有する円弧に沿って形成された出射面とを有し、
前記N個の入力ポートのうちの第1~第Nの入力ポートは、前記入射面において順に配置され、
前記N個の出力ポートのうちの第1~第Nの出力ポートは、前記出射面において、前記第1~第Nの入力ポートにそれぞれ対応して、かつ、前記第1及び第2の点の中点に関して前記第1~第Nの入力ポートに対して対称な位置に順に配置され、
前記N個の入力ポート及び前記N個の出力ポートの位置は、前記第1又は第2のスターカプラにおいて前記所定半径に等しい距離にわたって光信号が伝搬するときの移相量を基準として、第kの入力ポートから第nの出力ポート(1≦k≦N,1≦n≦N)まで光信号が伝搬するときの相対移相量φ(k,n)が、
φ(k,n)=(2π/N)(k-(N+1)/2)(n-(N+1)/2)
を満たすように設定され、
前記N個の入力ポートのうちの第kの入力ポート(1≦k≦N)に入力される前記第1及び第2の中間光信号は、位相オフセットα(k)=(π/N)(N-1)(k-1)を有する。
【0010】
本開示の第3の態様に係る光演算装置によれば、第2の態様に係る光演算装置において、
前記N/2個の第1の移相器は、前記第1のスターカプラの第1~第Nの入力ポートのうち奇数番号を有する入力ポートの半数と、偶数番号を有する入力ポートの半数とに接続された、前記N/2個の第1の中間導波路にそれぞれ挿入され、
前記N/2個の第2の移相器は、前記第2のスターカプラの第1~第Nの入力ポートのうち奇数番号を有する入力ポートの半数と、偶数番号を有する入力ポートの半数とに接続された、前記N/2個の第2の中間導波路にそれぞれ挿入される。
(【0011】以降は省略されています)

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