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公開番号2024167939
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023084271
出願日2023-05-23
発明の名称生体リズム推定システム及び生体リズム推定方法
出願人学校法人立命館
代理人個人,個人,個人
主分類A61B 5/16 20060101AFI20241128BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】心拍数の経時変化データから少なくとも睡眠及び日周期を簡易に且つ同時に推定する。
【解決手段】生体リズム推定システムは、被計測者の心拍数の経時変化データである終夜心拍数の波形データを含む各種のデータを、外部から取得する、及び外部へ出力する、インタフェース装置と、各種処理を実現する各種プログラムが格納されるメモリと、各種プログラムを実行する処理回路とを含む。処理回路が、インタフェース装置を介して取得される心拍数の経時変化データを高周波数成分から低周波数成分の複数の信号関数データに分解して出力する経時変化分解部と、複数の信号関数データから、少なくとも睡眠周期及び日周期を推定する生体周期抽出部とを備える。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
被計測者の心拍数の経時変化データである終夜心拍数の波形データを含む各種のデータを、外部から取得する、及び外部へ出力する、インタフェース装置と、
各種処理を実現する各種プログラムが格納されるメモリと、
前記各種プログラムを実行する処理回路と
を含む、生体リズム推定システムであって、
前記処理回路が、
前記インタフェース装置を介して取得される前記心拍数の経時変化データを高周波数成分から低周波数成分の複数の信号関数データに分解して出力する経時変化分解部と、
前記複数の信号関数データから、少なくとも睡眠周期及び日周期を推定する生体周期抽出部と
を備える、生体リズム推定システム。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
前記経時変化分解部は、
前記インタフェース装置を介して取得される、心拍数の経時変化データである終夜心拍数の波形データを入力して、高周波数成分である短周期の固有モード関数データと、低周波数成分である長周期の固有モード関数データとに分解して出力する、経験的モード分解を行う波形分解部を含む、
請求項1に記載の生体リズム推定システム。
【請求項3】
前記生体周期抽出部は、更に、睡眠周期学習部を備え、
前記睡眠周期学習部は、
複数の学習用の終夜心拍数の波形データの入力により前記波形分解部が出力する学習用の短周期の固有モード関数データについて、学習用の所定のパラメータを算出する学習用パラメータ算出部と、
学習用の短周期の固有モード関数データに対応する、正解データである睡眠深度データを保持する睡眠深度データ保持部と
を含み、
前記睡眠周期学習部は、前記学習用の所定のパラメータと前記睡眠深度データとを教師データとして睡眠推定モデルを学習して、学習済み睡眠推定モデルとする、
請求項2に記載の生体リズム推定システム。
【請求項4】
前記生体周期抽出部は、更に、前記学習済み睡眠推定モデルを含む睡眠周期抽出部を備え、
前記睡眠周期抽出部は、
複数の推定対象の終夜心拍数の波形データの入力により前記波形分解部が出力する推定対象の短周期の固有モード関数データについて、抽出用の所定のパラメータを算出する抽出用パラメータ算出部を含み、
前記睡眠周期抽出部は、前記学習済み睡眠推定モデルによって、前記抽出用パラメータ算出部により算出される抽出用の所定のパラメータを説明変数として、夫々の、推定対象の短周期の固有モード関数データに対応する睡眠深度データを、目的変数として抽出し、これにより睡眠周期を算出する、
請求項3に記載の生体リズム推定システム。
【請求項5】
前記生体周期抽出部は、更に、日周期抽出部を備え、
前記日周期抽出部は、
複数の推定対象の終夜心拍数の波形データの入力により前記波形分解部が出力する推定対象の長周期の固有モード関数データについて、複数の推定対象の最低点データを算出し、更に、複数の該推定対象の最低点データにより、日周期及び日周期の推移を算出する、
請求項4に記載の生体リズム推定システム。
【請求項6】
前記生体周期抽出部は、更に、月周期学習部を備え、
前記日周期抽出部は、複数の学習用の終夜心拍数の波形データの入力により前記波形分解部が出力する学習用の長周期の固有モード関数データについて、複数の学習用の最低点データを算出し、
前記月周期学習部は、
学習用の長周期の固有モード関数データに対応する、正解データである、所定の数期により構成されるラベルデータを保持するラベルデータ保持部を含み、
前記月周期学習部は、複数の前記学習用の最低点データと前記所定の数期により構成されるラベルデータとを教師データとして学習器を学習して、学習済み学習器とする、
請求項5に記載の生体リズム推定システム。
【請求項7】
前記生体周期抽出部は、更に、前記学習済み学習器を含む月周期抽出部を備え、
前記月周期抽出部は、前記学習済み学習器によって、
前記日周期抽出部が算出する、複数の推定対象の最低点データを説明変数として、夫々の、該推定対象の最低点データの算出の元となる、複数の推定対象の長周期の固有モード関数データに対応する、ラベルデータを、目的変数として抽出し、抽出されたラベルデータにより月周期、及び、月周期の推移を算出する、
請求項6に記載の生体リズム推定システム。
【請求項8】
更に、算出された睡眠周期、日周期、及び、月周期のうちの、少なくとも一つを提示する提示部を含む、請求項7に記載の生体リズム推定システム。
【請求項9】
前記短周期の固有モード関数データは、各終夜心拍数の波形データについて行われる経験的モード分解における、最短の短周期から所定の個数の固有モード関数データであり、
前記長周期の固有モード関数データは、各終夜心拍数の波形データについて行われる経験的モード分解における、最長の長周期から所定の個数の固有モード関数データであり、
前記所定のパラメータは、微分値、移動平均、及び分散を含み、
前記ラベルデータを構成する所定の数期は、黄体期、卵胞期、月経期、及び、排卵期の四期で構成され、
前記提示部は、ディスプレイ、又は、スピーカを含む提示装置により構成される、
請求項8に記載の生体リズム推定システム。
【請求項10】
処理回路により、心拍数の経時変化データを高周波数成分から低周波数成分の複数の信号関数データに分解して出力する経時変化分解ステップと、
前記処理回路により、前記複数の信号関数データから、少なくとも睡眠周期及び日周期を推定する生体周期抽出ステップと
を含む、生体リズム推定方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、生体リズム推定システム及び生体リズム推定方法に、特に、人の睡眠周期、日周期、及び月周期を推定する装置及び方法に、関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
人は、90分の睡眠周期、25時間の日周期、1ヵ月の月周期という、三つの主たる周期を保持すると言われている。
【0003】
睡眠周期は、睡眠そのものの良し悪しによって左右され得る。日周期は、生活習慣や運動習慣により左右され得る。一方で、月周期は、特に女性の場合、ホルモンの変動による月経前症候群により左右される。また、月周期は、男性も含めて、更年期障害の状態により左右される。
【0004】
これらの周期は相互に関係しあっており、人が心身共に充足した状態で生活するためには、夫々の周期を同時に知ることが望ましい。
【0005】
ところで、睡眠周期は、通常、ポリソムノグラフィによる計測が必要とされる。また、日周期は、24時間継続して計測する深部体温(例えば、直腸温)に基づいて得られるが、深部体温の値を間接的に取得するためには自律神経系の指標が用いられることから、計測時には運動制限や生活行動制限が掛けられることが必須となる。更に、黄体期、卵胞期、月経期、及び、排卵期の四期で構成される月周期は通常、毎朝、起床直後に舌下温にて体温計測をすることで計測される。但し、このときの計測値は日周期の影響を受けるので、計測されて算出される月周期の精度は必ずしも高くない。このように、各周期を計測するための計測機器や計測手法は異なるため、三つの周期を得るためには、被計測者は夫々のための機器を装着しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-025644号公報
特許6534601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示における、睡眠周期、日周期、及び月周期を推定する生体リズム推定システム及び方法は、心拍数の経時変化データから、少なくとも睡眠周期及び日周期を、簡易に且つ略同時に、推定することを目的とする。更に、必要に応じて、月周期も簡易に且つ略同時に推定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の生体リズム推定システムは、被計測者の心拍数の経時変化データである終夜心拍数の波形データを含む各種のデータを、外部から取得する、及び外部へ出力する、インタフェース装置と、各種処理を実現する各種プログラムが格納されるメモリと、前記各種プログラムを実行する処理回路とを含む。処理回路が、
前記インタフェース装置を介して取得される前記心拍数の経時変化データを高周波数成分から低周波数成分の複数の信号関数データに分解して出力する経時変化分解部と、
前記複数の信号関数データから、少なくとも睡眠周期及び日周期を推定する生体周期抽出部と
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の生体リズム推定システム及び方法を利用することにより、一人の被計測者についての心拍数の経時変化データから、その被計測者の、少なくとも睡眠周期及び日周期を、簡易に且つ略同時に、推定することができる。更に、必要に応じて、月周期も簡易に且つ略同時に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1Aは、実施の形態に係る生体リズム推定システムのシステム構成図である。
図1Bは、実施の形態に係る生体リズム推定システムの全体ブロック構成を示す図である。
図2Aは、実施の形態に係る生体リズム推定システムにおける、波形分解部に関するブロック図である。
図2Bは、実施の形態に係る生体リズム推定システムの、学習フェーズにおけるシステムブロック図である。
図2Cは、実施の形態に係る生体リズム推定システムの、推定フェーズにおけるシステムブロック図である。
図3は、経験的モード分解による、或る終夜心拍数の波形についての分解を示す図である。
図4A(α)は、実施の形態に係る生体リズム推定システムにおける、睡眠周期の学習フェーズの処理フロー図である。図4A(β)は、実施の形態に係る生体リズム推定システムにおける、睡眠周期の推定フェーズの処理フロー図である。
図4B(α)は、IMF1~IMF4を足し合わせて一つの波形データ(IMF1234)に合成する様子を模式的に示す図である。図4B(β)は、IMF1~IMF4が足し合わされて生成された波形データ(IMF1234)から算出される、学習用パラメータである微分値、移動平均、分散を示す図である。
図5は、一終夜における睡眠深度の推移の例を示す図である。
図6Aは、実施の形態に係る生体リズム推定システムにおける、日周期の算出のための処理フロー図である。
図6B(α)は、終夜心拍数の波形データ(元データ)の例である。図6B(β)は、図6B(α)に示す終夜心拍数の波形データ(元データ)の例における、IMF4~IMF6が足し合わされて合成された、一つの波形データ(IMF456)である。
図7(α)は、実施の形態に係る生体リズム推定システムにおける、月周期の学習フェーズの処理フロー図である。図7(β)は、実施の形態に係る生体リズム推定システムにおける、月周期の推定フェーズの処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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